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文化祭
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好天の中高弘は外でバスボムのワークショップを開いて早速教えていた。
「重曹の中にクエン酸を入れて、空気を抜いて5秒間振って下さい」
障害者施設で教えられた通りに、緊張しながらも丁寧に教えていく。
一方、
「ヘイ、オマチッ、サラダ寿司デス」
アクティブに動き周りに気を使いながらもパールは楽しんでいた。まるで自分のお店を持っているかのように。
秋のグループの焼きそばは、
「······あ~熱っ、ふ~」
作っていたがしんどく今一気合いが出ずにいた。けど遠くから、
「ヘイッオマチ」
パールの元気な声が聞こえてきて、
「ホントッ、好きなのね~」感心しながら作業をしていたのだ。
人も増え、皆がてきぱきと作業をしているなか交代の時間に、
「ふ~、休憩休憩」
「秋先輩!」
同じく文化祭で交代してきた九美が、
「どうですか焼きそば」
「うん順調よ、九美の方は~何してるの?」
「あたし達はお好み焼きです」
「お好み焼きか、行ってみよ~!」
「うん、来てください」
二人が喋ってると明るいあの声が、
「ヘイ、オマチッ」
「ん? 今の声は······」
「パールよ、まだやってるのかな?」
「へー、ちょっと行ってくる」
小走りで九美はパールのお寿司の方へと向かうことに。
「行ってらっしゃい」
丁度そこに、
「あ、ロボット先生」
「やあ秋さん、交代ですか」
「はい、先生は?」
「私は皆さんの様子を見たり、来られたお客さんや道に迷ってるお客さんを案内してるんです」
「そうだったんだすね」
「そう言えば高弘君の所に行ってみてはいかがですか?」
「えっ」
「バスボムの体験で、自分が作ったバスボムを貰えますよ」
「そうなんだ―、じゃあ先生あたし行ってきまーす」
「はい、行ってらっしゃい」
走って行くと、
「秋さん、危ないので走らないで下さい」
「は~い」
その頃パールの寿司屋でトラブルがおきていた。
「――可愛い子ぶってるんじゃないの?」
以前絡んできた二人組がしつこくも来ていたのだ。
「ねえ、前もお金くれたじゃ~ん」
「ヤメテクダサイ」
「何~、こっちは客よ~、良いのかなぁ~そんなこと言って」
パールが必死で拒んでいるが止めない相手に困っているとそこに、
「ねえっ、ちょっと」
「九美サン!」
「あんたは、九美っ!」
彼女は目を細め腕を組低い声で、
「あんた達、人の先輩に何してるの?」
「先輩? 前一緒にいじめてた奴がかよ」
その言葉で斜め右を向いてしまう、
「この裏切り者が」
そう言ってその場を去る二人組。
「パール先輩、大丈夫······ですか?」
「ウン、怖カッタケド、九美サンのオカゲデス。アリガトウ」
お礼を言われて顔が赤くなる。元々照れ屋なため、パールが九美を真っ直ぐに見つめながらお礼したため、一気に恥ずかしくなったのだ。
「いやっ、あのっ、そのっ」
頭の中が真っ白になってしまうが、
「アッ、ソウダッ」
思い付いたようにパールはお寿司を握り、
「ハイッ」
九美にお寿司を渡した。
「え、パール先輩これ」
「マグロノオ寿司ダヨ、助ケテクレタオ礼食ベテ」
「あたしにこれを受けとる資格なんてないですよ」
二人組の言葉で自分がしてきたことを思い出した九美は悔いていた。
でも、
「気ニシテナイカラ食ベテヨ、九美」
あんなに酷いことをしたのに自分の目を真っ直ぐ見て言ってくれる、純粋なパールの優しさに気持ちが甘酸っぱく感じ、
「ありがとう、パール······先輩」
涙腺をこらえて感謝した······。
お寿司を食べ二人が話してるときにロボット先生がやって来た。
「パールさんに九美さんも交代ですか」
「ハイ」「はい」
二人の返事が自然に揃うと、
「仲が良いですね」
「え、あたしは」
気が動転する九美だがロボット先生はニッコリする。
「ロボット先生、アッキーハ?」
パールは秋にも会いたかったので訊いてみた。
「アッキー······秋さんですか、秋さんなら高弘君のワークショップに行ったと思いますよ」
「ソウデスカ、行コウ、クミー!」
「ん、クミー? うん、分かった先輩」
二人が走って向かうと、
「二人とも廊下を走らないで下さい」
先生に注意される。
「パールー、九美ー!」
そこに丁度秋が現れ、
「アッキー!」「秋先輩」
「良かった二人とも一緒で、バスボム作ろうよ!」
「あたし達もそうしようと思ってたの」
「じゃあ来て」
秋はどうせ作るなら一緒にと思って高弘に会ってすぐ引き返したのだった。
「重曹の中にクエン酸を入れて、空気を抜いて5秒間振って下さい」
障害者施設で教えられた通りに、緊張しながらも丁寧に教えていく。
一方、
「ヘイ、オマチッ、サラダ寿司デス」
アクティブに動き周りに気を使いながらもパールは楽しんでいた。まるで自分のお店を持っているかのように。
秋のグループの焼きそばは、
「······あ~熱っ、ふ~」
作っていたがしんどく今一気合いが出ずにいた。けど遠くから、
「ヘイッオマチ」
パールの元気な声が聞こえてきて、
「ホントッ、好きなのね~」感心しながら作業をしていたのだ。
人も増え、皆がてきぱきと作業をしているなか交代の時間に、
「ふ~、休憩休憩」
「秋先輩!」
同じく文化祭で交代してきた九美が、
「どうですか焼きそば」
「うん順調よ、九美の方は~何してるの?」
「あたし達はお好み焼きです」
「お好み焼きか、行ってみよ~!」
「うん、来てください」
二人が喋ってると明るいあの声が、
「ヘイ、オマチッ」
「ん? 今の声は······」
「パールよ、まだやってるのかな?」
「へー、ちょっと行ってくる」
小走りで九美はパールのお寿司の方へと向かうことに。
「行ってらっしゃい」
丁度そこに、
「あ、ロボット先生」
「やあ秋さん、交代ですか」
「はい、先生は?」
「私は皆さんの様子を見たり、来られたお客さんや道に迷ってるお客さんを案内してるんです」
「そうだったんだすね」
「そう言えば高弘君の所に行ってみてはいかがですか?」
「えっ」
「バスボムの体験で、自分が作ったバスボムを貰えますよ」
「そうなんだ―、じゃあ先生あたし行ってきまーす」
「はい、行ってらっしゃい」
走って行くと、
「秋さん、危ないので走らないで下さい」
「は~い」
その頃パールの寿司屋でトラブルがおきていた。
「――可愛い子ぶってるんじゃないの?」
以前絡んできた二人組がしつこくも来ていたのだ。
「ねえ、前もお金くれたじゃ~ん」
「ヤメテクダサイ」
「何~、こっちは客よ~、良いのかなぁ~そんなこと言って」
パールが必死で拒んでいるが止めない相手に困っているとそこに、
「ねえっ、ちょっと」
「九美サン!」
「あんたは、九美っ!」
彼女は目を細め腕を組低い声で、
「あんた達、人の先輩に何してるの?」
「先輩? 前一緒にいじめてた奴がかよ」
その言葉で斜め右を向いてしまう、
「この裏切り者が」
そう言ってその場を去る二人組。
「パール先輩、大丈夫······ですか?」
「ウン、怖カッタケド、九美サンのオカゲデス。アリガトウ」
お礼を言われて顔が赤くなる。元々照れ屋なため、パールが九美を真っ直ぐに見つめながらお礼したため、一気に恥ずかしくなったのだ。
「いやっ、あのっ、そのっ」
頭の中が真っ白になってしまうが、
「アッ、ソウダッ」
思い付いたようにパールはお寿司を握り、
「ハイッ」
九美にお寿司を渡した。
「え、パール先輩これ」
「マグロノオ寿司ダヨ、助ケテクレタオ礼食ベテ」
「あたしにこれを受けとる資格なんてないですよ」
二人組の言葉で自分がしてきたことを思い出した九美は悔いていた。
でも、
「気ニシテナイカラ食ベテヨ、九美」
あんなに酷いことをしたのに自分の目を真っ直ぐ見て言ってくれる、純粋なパールの優しさに気持ちが甘酸っぱく感じ、
「ありがとう、パール······先輩」
涙腺をこらえて感謝した······。
お寿司を食べ二人が話してるときにロボット先生がやって来た。
「パールさんに九美さんも交代ですか」
「ハイ」「はい」
二人の返事が自然に揃うと、
「仲が良いですね」
「え、あたしは」
気が動転する九美だがロボット先生はニッコリする。
「ロボット先生、アッキーハ?」
パールは秋にも会いたかったので訊いてみた。
「アッキー······秋さんですか、秋さんなら高弘君のワークショップに行ったと思いますよ」
「ソウデスカ、行コウ、クミー!」
「ん、クミー? うん、分かった先輩」
二人が走って向かうと、
「二人とも廊下を走らないで下さい」
先生に注意される。
「パールー、九美ー!」
そこに丁度秋が現れ、
「アッキー!」「秋先輩」
「良かった二人とも一緒で、バスボム作ろうよ!」
「あたし達もそうしようと思ってたの」
「じゃあ来て」
秋はどうせ作るなら一緒にと思って高弘に会ってすぐ引き返したのだった。
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