ロボット先生

ヒムネ

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8人

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 全員集まった8人、なので四人用テーブルをくっ付けて皆座り秋が、
「それで、どうしたの? その怪我」
 心配そうに見つめられ九美はニッコリと、
「喧嘩です」
「喧嘩って、どうして今さら······」
 恐る恐る真紀と葵を見ると所々怪我をしている。
「大丈夫だよ先輩たち、この二人は······もう不良じゃないからさ」
「そうは言ってもよ」
 高弘は眉を下げパールの方を見る、すると彼女は下を向いて暗くなっていた。
「私達も最初は驚きました。ね、千里さん」
 ひょっこりと唯安と千里、
「うん、まあね」
「先輩たちに言われた通り、あたしはあたしの大切な人たちを助けたかった」
「それが、あたしたち?」
 葵がぼそっと口をこぼすと、
「うん、そうっ!」
 笑顔で葵達の方を向き言うと、下を向き少し照れた。そして真紀は目を閉じ、
「まっ、あたしたちのルールの中では『強い奴の言うことをきく』だから、それにのっただけだけどね」
「そんなことないじゃない、最後に泣いたくせに」
 暴露されすぐ立ち、
「あ、あれは、悔し泣きだよ、悔し泣き」
「え~、そんな風には見えなかったけど~」
「九美~!」
 その光景を見て仲良いじゃんと思う秋。不良と言っても心通わせば普通の女の子、そう感じて暗くなったパールに、
「パール、あなたの気持ちを聞かせてよ」
「パール先輩」
 皆が彼女の答えを待っていた時、静かに顔を上げ光輝く目で、

「アッキー、ワタシ······オ腹空チャッタ」

 周りが一瞬固まる。下を向いていたのはお腹が空いたからだった。
「秋先輩に賛成ーっ!」
 千里もお腹がペコペコだったよう、
「······どうする先輩」
「······ひとまず食べましょう」
 呆れた秋と九美、腹ごしらえとそれぞれバーガーやポテト等をを注文し自然な流れで秋の大学合格を祝い、楽しい話し合いや飲み食いが始まっていった······。

 食べ終わりバーガーショップから出た8人、するとチョンチョンと真紀の腕を九美が小突いてアイコンタクトでパールの背中を見て頭を縦に振る真紀と葵は、
「あ、あの、パール、さん······」
「ン?」
 振り向くと、なるほどと気づいた秋と高弘、
「その、あたしたち」
「あの時、恐がらせて······ごめん、なさい」
 彼女に謝罪した。パールの答えは、

「······今日ハ、楽シカッタヨ。マタ皆デ食ベヨウ!」

 いつもの明るい笑顔で許す。あっさりと許された二人は動揺して次の言葉が出なくなっていた。
「やっぱ、パール器でかいわー」
「ほんとだよ、勝てねえなパールさんにはよ」
 出会ったときは片言で心配になる子だと思ったが蓋を開けて見れば傷つけてきた人を許す寛大さを持っていたのだ。

「さて、じゃあ今日はここで解散しましょうよ」
 秋の言葉を聞いて皆頷き、
「秋先輩、今日はありがとうございました。今度また誘ってください、では」
 そう言って満足そうに唯安と千里は先に帰っていった。

「じゃあ九美、あたし達もこれで」
「あ、うん」
 真紀と葵も帰ろうとしたら秋は、

「二人とも学校がんばってね。何かあれば九美が助けてくれるし、あたし達にも話してくれれば相手になるから」

「え、あっ······はい、それじゃ」
「ジャーネー、二人トモ」
 ぎこちなかったが秋の言葉は彼女達に届いただろう。急にじゃなくていい、人は少しずつ変われば良いと思い見送った。

「じゃあ先輩達、あたしも帰るね」
「うん、最初は怪我してて驚いたけど······変わったね九美」
「秋先輩、先輩達のお掛けだから、じゃあまたね先輩」
 秋達も帰りの挨拶すると歩いて途中で振り向き、
「忘れてたー、秋先輩っ、大学合格おめでとうー!」
「もう九美ったら、ありがとうー!」
 こうして九美も帰り、残りの三人は、
「じゃあ、また会おうよ」
「おう、そうだな」
「ジャアネ、アッキー」
 くっきり青空の中、集まった8人は解散した。最初は驚くことが多かった、でも気が付けば皆で和気あいあいと楽しんであっという間に終わってしまう。
 ロボット先生に出会ってこんなに素晴らしい仲間が出来たと秋は想いこの繋がりを大切にしようと胸に刻み大学の道へと進んで行く······。

 ――5年後。
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