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戦いの終わり
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「ん、何故落ちん!」
「落雷は?」
見上げると桃太が投げた刀が空中に、雷は刀に落ちていたのだ。
「早くもう一度落とすんだよ!」
焦る空麗、それもそのはず、
「はぁああーっ!」
桃子含め、柴犬、キジ、猿、カラスが気迫の勢いで向かってきていた。
「くっそ~」
「え~い」
鬼神は金棒を持ち、紫鬼毒は夫の後ろに避難する。
「怯むなーっ!」
そう叫びながら飛竜が、
「犬ごときがーっ」
「うおーっ」
金棒をぎりぎりまで避けずに耳や体をかすりつつ右手に噛みつく。
「ぐあー、この」
左手で払おうとしたが急降下で二羽の鳥が顔に向かって飛んで来たのを見て眼が狙いだと気が付き、
「いくわーっ!」
「カー!」
左腕で目を覆ったため、腕にくちばしが刺さる。
「今だ!」
源太は紅蓮の腹から頭まで軽やかに飛び、髪の毛を引っ張り、
「桃子、行けー!」
彼女は飛び上がり全てを込めて、
「はぁー、桃流っ······真っ向っ!」
縦に斬り更に、
「袈裟懸けっ、横凪ぎっ、裏袈裟っ、逆横凪ぎっ、はぁっはぁっ」
「ぐあーっ」
「四代目お力を」
逆横凪ぎと共に回転し、
「桃流《剣の舞い》!」
高速回転し斬り刻む。
「起きれるか時雨」
「姉貴」
「これが最後だ、力を振り絞れ」
「ああ、分かったよ」
「はぁーっ!」
青鬼は痛みを我慢し、赤鬼と共に飛び、
「どけーっ猿っ」
源太が紅蓮の頭から離れ、
「双鬼·鬼落としぃーっ!」
双子の鬼が父の頭に金棒を叩き落とす。
「ぐうう」時雨は傷が痛む、
「決めろ桃太っ!」
夕陽の声と共に空中から落ちる刀を取り、
「桃·雷·斬っ!」
鬼神の顔から一刀両断する。
そして皆が持てる力を全て注いだのった。
「はぁ、はぁ、はぁ」
彼等は残る力を込めたため皆疲労困憊に陥っている中、体の赤い色よりも鮮やかな血の紅蓮、
「ぐ、ぐはっ······」
「あんた!」
「親父」
少しずつ後ろに足を進め崖に近づくと、
「親父っ?」
「うっくっ、おや、じ」
「くっくっくっ、夕陽、時雨、お前らではワシは死なん」
そう言って崖から後ろから、
「うおぉぉぉーっ!」
「あんたぁーっ!」
「親父っ!」
落ちていったのだ。
「鬼神」
「紅蓮殿」
双子の桃太郎は勝った喜びを感じなかった。それは双子の鬼達が心の中で悲しんでいるのをわかったから、そういう顔をしていたからである。
「終わったのか······」
「兄、そうですね」
二人は夕陽達に近づきそっと肩を叩く、
「桃太······分かってるよ、立てるか時雨」
「あ、ああ、何とか」
四人は泣いている空麗に近づき、
「ううっ、何故じゃ、何故じゃ、何故じゃ!」
「彼女はどうします? 夕陽さん」
「ずっと牢に閉じ込めとくよ、うちら二人が、ずっと」
「ううっ」
そう決めた夕陽の言葉で桃太は、
「そうか、ならお主らに任す」
戦いは終わり傷の開いた時雨を心配すると、
「あまいね·····」
四人が聞いた瞬間、
「死ねぇぇぇーっ!」
紫鬼毒はずっと隠していた小刀で夕陽の心臓目掛けて向かってきた。
「夕陽ーっ!」
刺さったのは、
「ぐふっ······」
「ももた」
彼女を庇い桃太の心の臓へ·····。
「落雷は?」
見上げると桃太が投げた刀が空中に、雷は刀に落ちていたのだ。
「早くもう一度落とすんだよ!」
焦る空麗、それもそのはず、
「はぁああーっ!」
桃子含め、柴犬、キジ、猿、カラスが気迫の勢いで向かってきていた。
「くっそ~」
「え~い」
鬼神は金棒を持ち、紫鬼毒は夫の後ろに避難する。
「怯むなーっ!」
そう叫びながら飛竜が、
「犬ごときがーっ」
「うおーっ」
金棒をぎりぎりまで避けずに耳や体をかすりつつ右手に噛みつく。
「ぐあー、この」
左手で払おうとしたが急降下で二羽の鳥が顔に向かって飛んで来たのを見て眼が狙いだと気が付き、
「いくわーっ!」
「カー!」
左腕で目を覆ったため、腕にくちばしが刺さる。
「今だ!」
源太は紅蓮の腹から頭まで軽やかに飛び、髪の毛を引っ張り、
「桃子、行けー!」
彼女は飛び上がり全てを込めて、
「はぁー、桃流っ······真っ向っ!」
縦に斬り更に、
「袈裟懸けっ、横凪ぎっ、裏袈裟っ、逆横凪ぎっ、はぁっはぁっ」
「ぐあーっ」
「四代目お力を」
逆横凪ぎと共に回転し、
「桃流《剣の舞い》!」
高速回転し斬り刻む。
「起きれるか時雨」
「姉貴」
「これが最後だ、力を振り絞れ」
「ああ、分かったよ」
「はぁーっ!」
青鬼は痛みを我慢し、赤鬼と共に飛び、
「どけーっ猿っ」
源太が紅蓮の頭から離れ、
「双鬼·鬼落としぃーっ!」
双子の鬼が父の頭に金棒を叩き落とす。
「ぐうう」時雨は傷が痛む、
「決めろ桃太っ!」
夕陽の声と共に空中から落ちる刀を取り、
「桃·雷·斬っ!」
鬼神の顔から一刀両断する。
そして皆が持てる力を全て注いだのった。
「はぁ、はぁ、はぁ」
彼等は残る力を込めたため皆疲労困憊に陥っている中、体の赤い色よりも鮮やかな血の紅蓮、
「ぐ、ぐはっ······」
「あんた!」
「親父」
少しずつ後ろに足を進め崖に近づくと、
「親父っ?」
「うっくっ、おや、じ」
「くっくっくっ、夕陽、時雨、お前らではワシは死なん」
そう言って崖から後ろから、
「うおぉぉぉーっ!」
「あんたぁーっ!」
「親父っ!」
落ちていったのだ。
「鬼神」
「紅蓮殿」
双子の桃太郎は勝った喜びを感じなかった。それは双子の鬼達が心の中で悲しんでいるのをわかったから、そういう顔をしていたからである。
「終わったのか······」
「兄、そうですね」
二人は夕陽達に近づきそっと肩を叩く、
「桃太······分かってるよ、立てるか時雨」
「あ、ああ、何とか」
四人は泣いている空麗に近づき、
「ううっ、何故じゃ、何故じゃ、何故じゃ!」
「彼女はどうします? 夕陽さん」
「ずっと牢に閉じ込めとくよ、うちら二人が、ずっと」
「ううっ」
そう決めた夕陽の言葉で桃太は、
「そうか、ならお主らに任す」
戦いは終わり傷の開いた時雨を心配すると、
「あまいね·····」
四人が聞いた瞬間、
「死ねぇぇぇーっ!」
紫鬼毒はずっと隠していた小刀で夕陽の心臓目掛けて向かってきた。
「夕陽ーっ!」
刺さったのは、
「ぐふっ······」
「ももた」
彼女を庇い桃太の心の臓へ·····。
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