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デート 【マザコン】
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「未来も調子悪いみたいだし、また今度にしようよ」
優しく言ってくれたのに、この時の私は、
「······何よ――私のせいなの?」
「えっ」
「人の気も知らないでっ!」
「落ち着いて、帰ろう、未来」
スカイカーに乗った中は雰囲気が悪く少しの沈黙が続き、
「······薬飲んだ?」
「家に忘れて来た」
「やっぱりか」
私は窓を見ながらもイライラに入っていて、
「早く飲まないとね」
「······もう私のこと、嫌な女って思ってるでしょ?」
「思ってない、思ってない」
「いいわよっ、お義母さんが認める女の人と一緒になればいいじゃない」
「未来、もうすぐ家だから」
「このっ、マザコンっ!」
イライラが今度は悔しさに変わり、それを必死にフォローする徹にとってこの一言が一番効いていた気がする――。
「おまたせ~······」
「未来······もう大丈夫、だよね」
「あははぁ~、もう大丈夫······」
アレから家に着いて、薬を飲んで三十分······ようやく落ち着いたけど、
「徹······」
「どうしたの正座なんかして~」
「だって」
だって色々言ってしまったし、しかも自分がマンションに忘れたせいで、だから何を言ったら良いのかわからなかった。
「まだ気にしてるのかい?」
「だって私······ごめんなさい······」
「もういいってば」
「うん······」
「そんな事より、明日デートの続き、しようよ」
「徹······」
「いやっ?」
「ううん――徹、大好き~」
「うわっ、くっつき過ぎだよ」
自分の忘れ物のせいで、台無しになってしまったデート。しかも徹の悪口まで言ったのに、なのにデートの話なんて、この時私は初めて徹の器の大きさに気持ちがすっごく助けられた······。
日曜日、昨日の続きということで午後から一緒に出掛ける事にした。なのでお昼は家で食べて、当然そのあと薬を飲むんだけど、
「この薬み忘れただけであんなに――」
忘れたことも反省だけど、自分が妊娠中という自覚が足りなかった気がする。
目をつぶると昨日の事がショックに思う――でも徹の笑顔も一緒に浮かんできて落ち着き、安心して薬を飲んだ。
「徹、OKよ!」
「薬ちゃんと飲んだ?」
「ちゃんと飲みました」
「じゃあ行こうか」
「うん!」
二人でスカイカーに乗り、昨日途中で帰ってしまったファッションセンター·フェアリーウイングに行った······。
このあと昨日のようにはならないで無事服を買い終える事が出来たの。
「あー、楽しかった」
「良い買い物出来たね」
「うん――あっ、今日の夕食の材料買わないと」
「じゃあ、向かうよ――」
薬を忘れて、気持ちがメチャクチャになり徹の悪口を言ってしまった大変な休日だったけれど、それでも、水族館 蝶やフェアリーウイングに徹と二人で行けて、やっぱりデートは楽しい――。
また今週から大変な一日が始まると感じながら、徹とスカイカーで仕事に向かう。
私は最初に保健実に行った。緊急でもない限り、基本は月曜日に生月先生に診てもらうの。
そこで休日の事を話す、
「――薬を忘れてホント大変だったでしょ~」
「はい、正直一回くらい大丈夫かな~って思っちゃって」
「妊娠も五週目で、疲れや吐き気、気分の浮き沈みも出るお母さんもいるから、ちゃんと飲んでね」
生月先生に注意され、反省してトレーニング室に向かった――。
「ちゃんと心を落ち着かせて」
そういい聞かし、今日も訓練。順調に行っている時にフと霞さんに伝えたい事があるのを思い出す。
それは、マザー·ガーディアンで、気候獣と同調した時に見える謎のマグマとか木々の光景。その事を知らないといけない気がする。
なのでお昼に社長室に足を運ぶ······。
「失礼します――あの~、前回はすいませんでした」
「······それでなんだ」
「実は――」
これまでで二回起きた現象を話す。
「気候獣の白い空間から、更に謎の光景か、にわかには信じがたいが······」
霞さんが私の目をじっと見ると少しして目をつぶり、
「また何か見たら報告するように」
「はい、では失礼しました」
私は食堂に向かった······。
「踏み込んじゃいけない事に踏み込んじまったかね······」
こうして私は、昼食を取ったあと訓練に打ち込み一週間後、気候獣が現れる······。
優しく言ってくれたのに、この時の私は、
「······何よ――私のせいなの?」
「えっ」
「人の気も知らないでっ!」
「落ち着いて、帰ろう、未来」
スカイカーに乗った中は雰囲気が悪く少しの沈黙が続き、
「······薬飲んだ?」
「家に忘れて来た」
「やっぱりか」
私は窓を見ながらもイライラに入っていて、
「早く飲まないとね」
「······もう私のこと、嫌な女って思ってるでしょ?」
「思ってない、思ってない」
「いいわよっ、お義母さんが認める女の人と一緒になればいいじゃない」
「未来、もうすぐ家だから」
「このっ、マザコンっ!」
イライラが今度は悔しさに変わり、それを必死にフォローする徹にとってこの一言が一番効いていた気がする――。
「おまたせ~······」
「未来······もう大丈夫、だよね」
「あははぁ~、もう大丈夫······」
アレから家に着いて、薬を飲んで三十分······ようやく落ち着いたけど、
「徹······」
「どうしたの正座なんかして~」
「だって」
だって色々言ってしまったし、しかも自分がマンションに忘れたせいで、だから何を言ったら良いのかわからなかった。
「まだ気にしてるのかい?」
「だって私······ごめんなさい······」
「もういいってば」
「うん······」
「そんな事より、明日デートの続き、しようよ」
「徹······」
「いやっ?」
「ううん――徹、大好き~」
「うわっ、くっつき過ぎだよ」
自分の忘れ物のせいで、台無しになってしまったデート。しかも徹の悪口まで言ったのに、なのにデートの話なんて、この時私は初めて徹の器の大きさに気持ちがすっごく助けられた······。
日曜日、昨日の続きということで午後から一緒に出掛ける事にした。なのでお昼は家で食べて、当然そのあと薬を飲むんだけど、
「この薬み忘れただけであんなに――」
忘れたことも反省だけど、自分が妊娠中という自覚が足りなかった気がする。
目をつぶると昨日の事がショックに思う――でも徹の笑顔も一緒に浮かんできて落ち着き、安心して薬を飲んだ。
「徹、OKよ!」
「薬ちゃんと飲んだ?」
「ちゃんと飲みました」
「じゃあ行こうか」
「うん!」
二人でスカイカーに乗り、昨日途中で帰ってしまったファッションセンター·フェアリーウイングに行った······。
このあと昨日のようにはならないで無事服を買い終える事が出来たの。
「あー、楽しかった」
「良い買い物出来たね」
「うん――あっ、今日の夕食の材料買わないと」
「じゃあ、向かうよ――」
薬を忘れて、気持ちがメチャクチャになり徹の悪口を言ってしまった大変な休日だったけれど、それでも、水族館 蝶やフェアリーウイングに徹と二人で行けて、やっぱりデートは楽しい――。
また今週から大変な一日が始まると感じながら、徹とスカイカーで仕事に向かう。
私は最初に保健実に行った。緊急でもない限り、基本は月曜日に生月先生に診てもらうの。
そこで休日の事を話す、
「――薬を忘れてホント大変だったでしょ~」
「はい、正直一回くらい大丈夫かな~って思っちゃって」
「妊娠も五週目で、疲れや吐き気、気分の浮き沈みも出るお母さんもいるから、ちゃんと飲んでね」
生月先生に注意され、反省してトレーニング室に向かった――。
「ちゃんと心を落ち着かせて」
そういい聞かし、今日も訓練。順調に行っている時にフと霞さんに伝えたい事があるのを思い出す。
それは、マザー·ガーディアンで、気候獣と同調した時に見える謎のマグマとか木々の光景。その事を知らないといけない気がする。
なのでお昼に社長室に足を運ぶ······。
「失礼します――あの~、前回はすいませんでした」
「······それでなんだ」
「実は――」
これまでで二回起きた現象を話す。
「気候獣の白い空間から、更に謎の光景か、にわかには信じがたいが······」
霞さんが私の目をじっと見ると少しして目をつぶり、
「また何か見たら報告するように」
「はい、では失礼しました」
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「踏み込んじゃいけない事に踏み込んじまったかね······」
こうして私は、昼食を取ったあと訓練に打ち込み一週間後、気候獣が現れる······。
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