19 / 63
勇気
しおりを挟む
次の日も、
「昨日は送れなかったし今日こそは······あー、ダメだっ」
また次の日も、
「はぁっ、どうしよう。勇気が持てないよ未来······」
そんな時、
「道長君」
「あ、心拠さん、どうしたの?」
「未来が緊急でマザー·ガーディアンで出る事になったみたい」
「えっ、台風は日曜日だったはず、なんで?」
「分からないけど······」
オレは気になり母さんの所まで行ってみた。
「母さんっ、未来が発進したって本当?」
「なんだい、今緊急で忙しいんだ。ちょっと出て待ってろ」
「分かった······」
十五分経つと。
「いいぞ、徹」
「······母さん、一体?」
「気候獣が現れたんだ」
「気候獣が、でも台風は日曜日で」
「地震だよ」
茨城の海で震度四程度の地震があり、そこで気候獣が現れたのだ。
「地震で気候獣······」
気候獣は、森林や大地、海、雲等が天変地異により生まれる。地震で現れるのは初めてではないが、かなり稀だった······。
そして気候獣の所へ向かった未来、オレは仕事が終わったあと社長室で待ち、無事帰還した彼女は今日の事を報告し二人で社長室から出る······。
「大変だったな未来」
「まさか台風以外で気候獣が出るなんて思ってなかったから驚いちゃった」
「オレも驚いたけど無事でよかったよ」
「そうね、着替えて来る」
「うん」
未来がトレーニング室に入る。
「······未来は凄いな~」
彼女の頑張りに、感心と同時に自分が情けなく感じずにはいられなかった。
「おまたせ」
エレベーターに乗り、
「ねえ、今日の気候獣なんだったと思う?」
「ん、そうだね~、え~っと······猫っ」
「ブーッ、何と、亀だったの」
「亀、なら簡単に捕まえられたんじゃ?」
「そっ、ホントすぐ捕まえたわ」
「ははっ、じゃあこれからは全部亀だといいのにね」
「そうしてほしいわ~」
「未来······」
「ん?」
オフィスを出た。
「ん~、どうしたらそんなに勇気が出るのかなって思って」
「勇気って~、結婚したいからに決まってるでしょ」
サラッと言う彼女、理屈では分かってる······。
マンションに着いて、ボーッと座っていると、
「何ボーッとしてるの」
未来が隣に座ってきた。
「未来、勇気あるなってね」
「まだ言ってる」
「はぁ~、オレも未来みたいになりたい~、なんちゃって」
そう言って天井を見る。
「······あたしだって、不安だよ。だけど、あたしの望みは妊娠が分かったときに『家族三人で暮らす』ことになったの、そこに辿り着きたくてたまらないのっ」
未来は嬉しそうにお腹を撫でているのを見て、
「オレも触ろう」
「何もわからないと思うけど······」
「ははっ、確かにまだわからないや」
すると未来が突然、
「愛してるから」
「未来?」
「愛してるから頑張れるんだもん。愛してなかったら無理よ、ロボット乗ったり、お義母さんに立ち向かうなんて」
「未来」
「徹」
二人は見つめ合い、
「······トイレ行ってくる」
「ちょっ、ちょっと~······」
未来が言ってくれた愛という言葉に何か気付かされた。難しい事じゃない、シンプルな事こそ源、それでいいんだと感じて勇気を出しある人にLINEする。
「お久しぶり、今悩んでる事があって、相談に乗ってほしいんだ父さん――」
「昨日は送れなかったし今日こそは······あー、ダメだっ」
また次の日も、
「はぁっ、どうしよう。勇気が持てないよ未来······」
そんな時、
「道長君」
「あ、心拠さん、どうしたの?」
「未来が緊急でマザー·ガーディアンで出る事になったみたい」
「えっ、台風は日曜日だったはず、なんで?」
「分からないけど······」
オレは気になり母さんの所まで行ってみた。
「母さんっ、未来が発進したって本当?」
「なんだい、今緊急で忙しいんだ。ちょっと出て待ってろ」
「分かった······」
十五分経つと。
「いいぞ、徹」
「······母さん、一体?」
「気候獣が現れたんだ」
「気候獣が、でも台風は日曜日で」
「地震だよ」
茨城の海で震度四程度の地震があり、そこで気候獣が現れたのだ。
「地震で気候獣······」
気候獣は、森林や大地、海、雲等が天変地異により生まれる。地震で現れるのは初めてではないが、かなり稀だった······。
そして気候獣の所へ向かった未来、オレは仕事が終わったあと社長室で待ち、無事帰還した彼女は今日の事を報告し二人で社長室から出る······。
「大変だったな未来」
「まさか台風以外で気候獣が出るなんて思ってなかったから驚いちゃった」
「オレも驚いたけど無事でよかったよ」
「そうね、着替えて来る」
「うん」
未来がトレーニング室に入る。
「······未来は凄いな~」
彼女の頑張りに、感心と同時に自分が情けなく感じずにはいられなかった。
「おまたせ」
エレベーターに乗り、
「ねえ、今日の気候獣なんだったと思う?」
「ん、そうだね~、え~っと······猫っ」
「ブーッ、何と、亀だったの」
「亀、なら簡単に捕まえられたんじゃ?」
「そっ、ホントすぐ捕まえたわ」
「ははっ、じゃあこれからは全部亀だといいのにね」
「そうしてほしいわ~」
「未来······」
「ん?」
オフィスを出た。
「ん~、どうしたらそんなに勇気が出るのかなって思って」
「勇気って~、結婚したいからに決まってるでしょ」
サラッと言う彼女、理屈では分かってる······。
マンションに着いて、ボーッと座っていると、
「何ボーッとしてるの」
未来が隣に座ってきた。
「未来、勇気あるなってね」
「まだ言ってる」
「はぁ~、オレも未来みたいになりたい~、なんちゃって」
そう言って天井を見る。
「······あたしだって、不安だよ。だけど、あたしの望みは妊娠が分かったときに『家族三人で暮らす』ことになったの、そこに辿り着きたくてたまらないのっ」
未来は嬉しそうにお腹を撫でているのを見て、
「オレも触ろう」
「何もわからないと思うけど······」
「ははっ、確かにまだわからないや」
すると未来が突然、
「愛してるから」
「未来?」
「愛してるから頑張れるんだもん。愛してなかったら無理よ、ロボット乗ったり、お義母さんに立ち向かうなんて」
「未来」
「徹」
二人は見つめ合い、
「······トイレ行ってくる」
「ちょっ、ちょっと~······」
未来が言ってくれた愛という言葉に何か気付かされた。難しい事じゃない、シンプルな事こそ源、それでいいんだと感じて勇気を出しある人にLINEする。
「お久しぶり、今悩んでる事があって、相談に乗ってほしいんだ父さん――」
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
一億円の花嫁
藤谷 郁
恋愛
奈々子は家族の中の落ちこぼれ。
父親がすすめる縁談を断り切れず、望まぬ結婚をすることになった。
もうすぐ自由が無くなる。せめて最後に、思いきり贅沢な時間を過ごそう。
「きっと、素晴らしい旅になる」
ずっと憧れていた高級ホテルに到着し、わくわくする奈々子だが……
幸か不幸か!?
思いもよらぬ、運命の出会いが待っていた。
※エブリスタさまにも掲載
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる