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都会の気候獣 【前編】
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――土曜日、今週は気候獣に出会わなかった。ラッキーと思いながら出掛ける準備をして午前十時、
「徹~、行ってくる~」
「行ってらっしゃ~い」
マンションの外に出ると丁度、愛のスカイカーが来た。
「おはよう」
「おはよう、じゃあ行くわよ」
「どこに向かうわけ?」
「フェアリーウイングに決まってる」
ということで、スカイカーはフェアリーウイングに向かった――。
中に入ると秋物の服がズラリと並んで、
「あー、沢山あるあるー!」
愛は嬉しそうに品定めをする。
「ちょっと、未来は選ばないの?」
「あ、そうなんだー」
それにここ最近ずっと土、日は出掛けてばかりだし、ちょっとは節約しないと。
三十分後。
「これどう?」
「未来はこっちがいいんじゃない?」
節約の事をすっかり忘れる私であった。
そして、更に一時間が経過した十一時半頃。
「やっぱりテーラードジャケットの方が·····」
「レザーブル······んっ、何だろ?」
「未来どうしたの?」
定員さん達がざわざわしていたのが気になって訊いてみると、
「いま外に気候獣が出たみたいなんです」
「気候獣、ホントッ?」
服を戻し、駐車場で愛のスカイカーに乗ろうとしたら、
「見てっ、未来」
「フェアリーに近づいてる!」
フェアリーというテーマパークがあり、そこに、
「太ってる犬?」
みたいな気候獣。
「乗って!」
シートベルトを付けて、
「私は今お義母さんに連絡してみるっ」
「お母さん? あー、社長ね、うんっ」
LINE電話をして、
「会社に居るかな······もしもし」
「あ、未来か、今どこにいる?」
「愛と一緒で、いま二人で会社に向かってます。あの、マザー·ガーディアンは動かせますか?」
「ああ、問題ない」
安心すると今度は、
「げっ、人混み」
蝶々駅周りで、スカイカーで通れないほどの人混み。
「どうした?」
「今、人混みで通れないんです」
霞さんに言っている間に警備員の人達も、
「押さないで、いま気候獣がいて危険ですから」
皆スマホで動画を撮っていて、避難する気もないみたい。
「······未来、乗って」
「通れないのに······」
「いいから!」
言われるがままスカイカーに乗り、
「······行くわよっ!」
「う、うわっ、え、ちょっ、こんなに浮くの~?」
スカイカーは下部に二つのプロペラで浮いているんだけど、そのプロペラのエア·アクセルを全快にしちゃったの。
「うわー何だ」
「スカイカーだー」
プロペラの音と風で気付いた人達も。しかし社内は、
「だっ、大丈夫なのーっ?」
「黙ってなさ~いっ!」
四メートル、五メートル、とにかくスカイカーでこんなに高いことはないから、
「怖いよぉぉ~」
飛び越えて行く。
LINE電話は切っていなかったため、
「怖い? 何なんだ一体······」
「徹~、行ってくる~」
「行ってらっしゃ~い」
マンションの外に出ると丁度、愛のスカイカーが来た。
「おはよう」
「おはよう、じゃあ行くわよ」
「どこに向かうわけ?」
「フェアリーウイングに決まってる」
ということで、スカイカーはフェアリーウイングに向かった――。
中に入ると秋物の服がズラリと並んで、
「あー、沢山あるあるー!」
愛は嬉しそうに品定めをする。
「ちょっと、未来は選ばないの?」
「あ、そうなんだー」
それにここ最近ずっと土、日は出掛けてばかりだし、ちょっとは節約しないと。
三十分後。
「これどう?」
「未来はこっちがいいんじゃない?」
節約の事をすっかり忘れる私であった。
そして、更に一時間が経過した十一時半頃。
「やっぱりテーラードジャケットの方が·····」
「レザーブル······んっ、何だろ?」
「未来どうしたの?」
定員さん達がざわざわしていたのが気になって訊いてみると、
「いま外に気候獣が出たみたいなんです」
「気候獣、ホントッ?」
服を戻し、駐車場で愛のスカイカーに乗ろうとしたら、
「見てっ、未来」
「フェアリーに近づいてる!」
フェアリーというテーマパークがあり、そこに、
「太ってる犬?」
みたいな気候獣。
「乗って!」
シートベルトを付けて、
「私は今お義母さんに連絡してみるっ」
「お母さん? あー、社長ね、うんっ」
LINE電話をして、
「会社に居るかな······もしもし」
「あ、未来か、今どこにいる?」
「愛と一緒で、いま二人で会社に向かってます。あの、マザー·ガーディアンは動かせますか?」
「ああ、問題ない」
安心すると今度は、
「げっ、人混み」
蝶々駅周りで、スカイカーで通れないほどの人混み。
「どうした?」
「今、人混みで通れないんです」
霞さんに言っている間に警備員の人達も、
「押さないで、いま気候獣がいて危険ですから」
皆スマホで動画を撮っていて、避難する気もないみたい。
「······未来、乗って」
「通れないのに······」
「いいから!」
言われるがままスカイカーに乗り、
「······行くわよっ!」
「う、うわっ、え、ちょっ、こんなに浮くの~?」
スカイカーは下部に二つのプロペラで浮いているんだけど、そのプロペラのエア·アクセルを全快にしちゃったの。
「うわー何だ」
「スカイカーだー」
プロペラの音と風で気付いた人達も。しかし社内は、
「だっ、大丈夫なのーっ?」
「黙ってなさ~いっ!」
四メートル、五メートル、とにかくスカイカーでこんなに高いことはないから、
「怖いよぉぉ~」
飛び越えて行く。
LINE電話は切っていなかったため、
「怖い? 何なんだ一体······」
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