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都会の気候獣 【後編】
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でもそのお陰で、
「着いたわよっ、未来っ!」
「ありがとう、愛っ」
スカイカーを降り会社一階のオフィスに着くと、
「来たかっ」
「社長っ」
「あの太った犬の気候獣は?」
「犬? 熊の気候獣だ」
「く、熊ですか!」
「そうだ、早く乗れ」
「は、はい」
熊と言われて怖いけど、それどころではない。エレベーターに向かい、地下三階からマザー·ガーディアンに乗った。
「未来さん、大変な事になりましたね」
「うん、でも何で突然――」
「それは午前十一時二十二分頃、蝶都の宮蝌市で震度四の地震が起きたのが原因です」
「だからなのね」
話していると天井が開き、
「よ~し······って、これは~」
「未来さん、人や車等に気を付けて下さい」
都会で動かすのは初めて、まずとにかく気候獣の所まで下に注意しながら進む。
その時、
「未来さん」
「気を付けて······何?」
「徹さんからLINE電話です」
「繋げてっ」
「未来······マザー·ガーディアンに乗ってるのか?」
「見れば分かるでしょ······わっ、と危ない」
「大変そうだな、またあとで」
「うん」
下を見ながらスカイカーや人、様々な物に注意して、
「ねえ、チャイルド」
「はい」
「気候獣は今何してる?」
ゆっくり移動しているため暴れてたら大変じゃすまない。ところが、
「観覧車をいじって遊んでます」
「はぁー?」
何それと思ったけど、それはありがたいわ····。
「ふ~、着いた」
テーマパーク·フェアリーまでようやくたどり着き、観覧車をオモチャのようにいじっている気候獣を見て、
「触ろうとすると警戒されちゃうよね」
「そうだと思います」
気候獣を見て考え、
「······じゃ~あ~」
気候獣の横をマザー·ガーディアンで歩く、警戒されないように無視したフリで·····。
そしてお互いが後ろ向きになった時、
「それーっ!」
気候獣の背中を触れて同調する······。
「よしっと······やっぱり熊ね」
真っ白い空間で早速考える。
「えっと、たしか~·····熊って臆病なのよね」
頭を軽くかきながら熊の姿を観ると、
「う~ん、不安に感じてるのかも、大丈夫よ、危害は加えないから」
そう言ってしばらく放置してみたの。
すると何となく、
「不安は感じないわね」
そう思い近づこうとしたら······。
「――あら?」
「未来さん、お疲れ様です。無事終わりです」
「あ、そう·····」
熊に触る前に同調が終わり、
「触らなくても、熊は納得してくれたのね」
するとモニターが、
「よし、帰ってくる時は足元に注意しながら来い」
「社長、はい」
再びマザー·ガーディアンで気を付けて会社に帰る······。
会社に着いてコックピットを開けると、
「あ、社長」
すぐ降りたら、
「――すまなかったな、休みの日に」
「地震で気候獣······二度目ですね」
「······徹と心拠が待っている。早く行けっ」
「はい、失礼しました」
「さて、どうするか······」
一階のオフィス、
「未来ぃ~」
「徹、愛~」
二人が駆け寄り、
「未来、無事で良かったわ」
「ごめんね~、せっかくの買い物台無しにしちゃって」
「しかたないわよ、あれじゃね」
「徹も」
「その話なんだけど」
徹から提案が、
「オレも守と別れて来ちゃったし、また明日同じようにしないか未来」
それを聞いて、
「愛が良ければ、明日また行かない?」
「そうね、そうしよっかっ!」
「良かったよ、オレも守にそう言っておくから」
少し離れてスマホで連絡する徹、私がそれを待っているとき愛がふと、
「どうしたの? 何か思う顔してるわよ」
「えっ、まあ、ちょっとは······」
「何よ、話なさいよ」
「地震で気候獣が現れて出動したのは二回目、これからどんどん増えていきそうで」
「そうか、そうよね、未来は妊婦さんだし······」
二人で沈んでしまったタイミングで、
「お待たせ、ってどうしたの?」
「あぁ、後は道長君と話しなよ」
愛が会社を出ようとして私はスマホを見ると、
「ってまだ一時過ぎ!」
そう言うと振り向き、
「同調して疲れてるでしょっ、無理しないの」
「うん、ありがとね」
そして帰って行った。
「未来、薬飲んでないんじゃない?」
「あ、そうね」
私達も家に帰る······。
薬を飲み、
「ふ~、これでよしっと」
「それで、どうして二人で沈んでたの?」
「ほら、地震で気候獣が現れて二回目でしょ」
「うん」
「私の出番増えるのかなって」
「······そう、か」
この日、自分はこのままパイロットになってしまうのではという不安を覚えるのだった······。
「着いたわよっ、未来っ!」
「ありがとう、愛っ」
スカイカーを降り会社一階のオフィスに着くと、
「来たかっ」
「社長っ」
「あの太った犬の気候獣は?」
「犬? 熊の気候獣だ」
「く、熊ですか!」
「そうだ、早く乗れ」
「は、はい」
熊と言われて怖いけど、それどころではない。エレベーターに向かい、地下三階からマザー·ガーディアンに乗った。
「未来さん、大変な事になりましたね」
「うん、でも何で突然――」
「それは午前十一時二十二分頃、蝶都の宮蝌市で震度四の地震が起きたのが原因です」
「だからなのね」
話していると天井が開き、
「よ~し······って、これは~」
「未来さん、人や車等に気を付けて下さい」
都会で動かすのは初めて、まずとにかく気候獣の所まで下に注意しながら進む。
その時、
「未来さん」
「気を付けて······何?」
「徹さんからLINE電話です」
「繋げてっ」
「未来······マザー·ガーディアンに乗ってるのか?」
「見れば分かるでしょ······わっ、と危ない」
「大変そうだな、またあとで」
「うん」
下を見ながらスカイカーや人、様々な物に注意して、
「ねえ、チャイルド」
「はい」
「気候獣は今何してる?」
ゆっくり移動しているため暴れてたら大変じゃすまない。ところが、
「観覧車をいじって遊んでます」
「はぁー?」
何それと思ったけど、それはありがたいわ····。
「ふ~、着いた」
テーマパーク·フェアリーまでようやくたどり着き、観覧車をオモチャのようにいじっている気候獣を見て、
「触ろうとすると警戒されちゃうよね」
「そうだと思います」
気候獣を見て考え、
「······じゃ~あ~」
気候獣の横をマザー·ガーディアンで歩く、警戒されないように無視したフリで·····。
そしてお互いが後ろ向きになった時、
「それーっ!」
気候獣の背中を触れて同調する······。
「よしっと······やっぱり熊ね」
真っ白い空間で早速考える。
「えっと、たしか~·····熊って臆病なのよね」
頭を軽くかきながら熊の姿を観ると、
「う~ん、不安に感じてるのかも、大丈夫よ、危害は加えないから」
そう言ってしばらく放置してみたの。
すると何となく、
「不安は感じないわね」
そう思い近づこうとしたら······。
「――あら?」
「未来さん、お疲れ様です。無事終わりです」
「あ、そう·····」
熊に触る前に同調が終わり、
「触らなくても、熊は納得してくれたのね」
するとモニターが、
「よし、帰ってくる時は足元に注意しながら来い」
「社長、はい」
再びマザー·ガーディアンで気を付けて会社に帰る······。
会社に着いてコックピットを開けると、
「あ、社長」
すぐ降りたら、
「――すまなかったな、休みの日に」
「地震で気候獣······二度目ですね」
「······徹と心拠が待っている。早く行けっ」
「はい、失礼しました」
「さて、どうするか······」
一階のオフィス、
「未来ぃ~」
「徹、愛~」
二人が駆け寄り、
「未来、無事で良かったわ」
「ごめんね~、せっかくの買い物台無しにしちゃって」
「しかたないわよ、あれじゃね」
「徹も」
「その話なんだけど」
徹から提案が、
「オレも守と別れて来ちゃったし、また明日同じようにしないか未来」
それを聞いて、
「愛が良ければ、明日また行かない?」
「そうね、そうしよっかっ!」
「良かったよ、オレも守にそう言っておくから」
少し離れてスマホで連絡する徹、私がそれを待っているとき愛がふと、
「どうしたの? 何か思う顔してるわよ」
「えっ、まあ、ちょっとは······」
「何よ、話なさいよ」
「地震で気候獣が現れて出動したのは二回目、これからどんどん増えていきそうで」
「そうか、そうよね、未来は妊婦さんだし······」
二人で沈んでしまったタイミングで、
「お待たせ、ってどうしたの?」
「あぁ、後は道長君と話しなよ」
愛が会社を出ようとして私はスマホを見ると、
「ってまだ一時過ぎ!」
そう言うと振り向き、
「同調して疲れてるでしょっ、無理しないの」
「うん、ありがとね」
そして帰って行った。
「未来、薬飲んでないんじゃない?」
「あ、そうね」
私達も家に帰る······。
薬を飲み、
「ふ~、これでよしっと」
「それで、どうして二人で沈んでたの?」
「ほら、地震で気候獣が現れて二回目でしょ」
「うん」
「私の出番増えるのかなって」
「······そう、か」
この日、自分はこのままパイロットになってしまうのではという不安を覚えるのだった······。
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