~マザー·ガーディアン~

ヒムネ

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       融合

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 次の日、
「妊娠九週目!」
「あー、何か信じられないわ、私の中でどんどん大きくなってるなんて」

「グロース·スパート」

「何ですかそれ?」
「手や足にとって重要な時期なのよ」
「ホエー、生月先生はホントッ、何でも知ってるんですねー!」
「お母さんの胸にも変化が始まるから、体を大事にね」
「はい」

 保健室を出てトレーニング室に入ると、
「未来さん、社長から金曜日に台風が来ますと、連絡がありました」
「え、そうなの?」
 いつもは社長室に呼ばれるのに、
「社長は?」
「今日は居ませんので」
「そうなんだ······」
 社長も楽じゃないのねと思い、訓練を始めた······。

 ――帰り、
「徹、金曜日また台風来るみたい」
「そうか······」
「何、心配なの?」
「いや、またかって思っちゃってね」
「大丈夫よ」
「うん······」

 火曜日、オレのLINEに父さんから久しぶりに送られて来ていた。
 開くと、
「徹、久しぶりだな。無事十月一日には日本に着く事が出来るが、そっちは何か進展があったかな?」
 そのLINEを読み、
「ふう~」っとため息をついたあとLINEに、

「良かった、楽しみにしてるよ。あと、残念だけどあれから何も進展していない。母さんは変わらずだけど、未来の方は地震で気候獣が現れてちょっと大変になってしまったよ。未来のためにも父さん待ってるよ」そう送る······。
 そして次の日にも父さんからのLINEをお昼にみる。
「地震で気候獣か、日本は地震国でもあるからな。そうか分かった。父さんに何が力になるか分からないが、もう少し待っててくれ」

「父さん」

 それを見て力をもらいオレは、
「頑張るよ」
 と送り、父さんが来日まで待つ――。

 水曜日、また地震により気候獣が現れる。
 蝶都の宮蝌市も人や車等を踏まないようにマザー·ガーディアンで進む、パンダみたいな気候獣は車を潰して歩くけど、そ~っと触り同調に成功した。

 ――会社に戻り、
「未来!」
「はぁ~徹」
「どうした?」
「何か疲れちゃって」
「ん? 一回しか同調してないのに······」
 そこに、
「何だ、もう疲れたのか」
「母さん」
「はい、少し」
「なぜ急に?」

「その、街中とか人を避ける事にも神経使うので」

「そうだったのか」
「······フンッ」
 行ってしまった。
「母さん、ちょっと母さん!」
「もういいよ、徹······」
 もうすぐ九月も終わるのに。本当にこのままで良いのだろうかと月日が変わるのが近づくにつれ不安になる······。

 九月二十六日、千葉県館山市までスカイカーで移動する。白間津パーキングエリア辺りで待ち構え、

「いま何時?」
「十時四十分です」
 十一時頃に台風は来る。
「どうですか気分は?」
「家とかビルとかないし、人もいないから精神的に楽かな」
 やっぱり車とかあるとどうしても気になって神経質にならざるえないの。
 少し話して雨風を耐え、台風の目を待った。
「晴れてきたわ」
 その時だけ雨は止み、風も弱くなって、

「チャイルド!」
「もう探してま、いました」
「どこ?」
「機体の左、海の方です」

「······いたっ、あれは猿!」

「······未来さん、上空にもいます」

「え、そんな、二匹なんて」
 前は運が良かったというか、まぐれみたいなもの何に、
「どうしよう」
 それは霞さんにとっても、
「また気候獣が二匹、くそっ」

 しかしそれだけではなかった。

「えっ?」

「これは······」

 もう一匹の鳥型気候獣が猿型気候獣の上に乗っかり、一つになっていく。

「合体?」

「融合の方が近いかもしれませんが、これは······」

 そう、これはまた初めての事。
 融合し終わったのか体格が一回り大きくなり、ゴリラみたい。でも背中に羽があって何の生き物、気候獣なのか。
 それでも、近づこうとマザー·ガーディアンが一歩進むと、
「未来さん?」

「止めましょう」

「ですが、融合した相手との同調は初めてで――何が起こるか分かりません」
「でも元々二匹でしょ?」
「ですので、分かりません、です」
 すると今度は気候獣がドラミングを始めた。
「······とにかく同調してみるわ」
「ですが······」
 そこに、

「やめろ」

「社長!」
「ここは引き返せ」
「でも······」
 その時ドラミングが終わり、こちらに向かってきた。

「来るっ」

 体当たりと思いきや、マザー·ガーディアンを飛び越える。

 と同時に、

「うわーっ」

 マザー·ガーディアンの頭部に気候獣の足が当たって倒れた。

「あ、まずい、ゴリラが」


 そのまま気にせず町の方に行こうとしたの。      

 そして私は、なりふり構わず、機体を起こし、

「止めなきゃっ」

「未来さん!」

「よせー!」

 とっさにマザー·ガーディアンの手を伸ばし、ゴリラのような気候獣に触れた······。


 ――午後一時、オレは母さんに呼ばれて、生月先生のいる保健室に向かうが······嫌な予感がする。

「母さん一体······未来っ!」

「眠ってるだけだ」
「そうか驚かすなよ······」

 しかし、
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