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彼女の夢
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帰りの時になっても、
「お~い······未来?」
生月先生が、
「目覚めないの」
「······母さんに聞いてくる」
すると母さんが入ってきて、
「やっぱり目覚めないか」
「やっぱりって、どういう事?」
「融合した気候獣と同調した。そしてこうなった」
「融合した気候獣って何だよそれ」
「全く分からない。気候獣が融合しましたなんて事は過去の事例を見てもどこにもない」
「······生月先生、未来はいつ目覚めるんですか?」
「わからない······このまま目覚めないようなら、どちらにしろお腹の子も危険だわ」
「そうですか······」
そして母さんは未来を見て保健室を出たけど、
「母さん」
「何だ?」
「未来の事」
「今回は自分が悪い、止めても止まらなかった――自業自得だ」
母さんは社長としてテストパイロットである未来に引き返すように注意した。
母さんの言う通りだ。
でも、
「母さん、力を貸してくれ」
「フンッ」
「徹君」
「生月先生」
「今日は私が見ているから、帰りなさい」
「でも······わかりました。よろしくお願いします」
「ええ」
すると、
「未来っ!」
「心拠さん」
「これは?」
「実は······」事情を説明した。
「――それで、あれから目覚めないんですか······」
「ええ」
「苦しそうな顔もしてないのに」
「心拠さんも、今日は帰ろう」
「······うん」
今日は生月先生に任せて帰った······。
マンションに入ると、
「······はぁ~」
ため息しかでず、コンビニのもので夜食を済ませる。
お風呂から上がっても、
「ふう~」
すぐ眠った······。
次の日、よりによって土曜日なんて、未来が居たらきっと『ドライブ行きたい』とか『買い物行こう!』等言うに決まってる。
そうこう思っている間に掃除や洗濯をするが、朝食を取ったあとすぐ始めたのに、もうお昼になっていた。
いつもは大体二人でやってるから一人で掃除は大変。
お昼もコンビニで済ませ、家の中で何をすればいいのか分からずに壁に寄り添っていると、寝てしまった······。
「――徹」
「ん?」
「紅葉観に行こうよ······あっ」
「親父ギャグだ」
「ちょっと、親父はやめてよっ!」
「ははッ、さあ早く乗って行こう」
「うんっ――」
······静かに目を開ける。
「未来······」夢だ。
適当に時間を潰して午後五時くらいに、コンビニでちょっと早い夜食を取り、お風呂など一通り済まし、会社に向かう······。
すぐ保健室に行き、
「生月先生、未来は」
「徹君、まだ目覚めてないわ」
「そうですか、生月先生は帰ってください、自分が代わりに看ますから」
「そうね、もし何かあったら連絡してちょうだい」
「はい」
こうして一日会社で看てくれた生月先生には帰って貰った――。
昨日と違い点滴が追加されている。顔も変わらず······綺麗だ。
「未来······」
この時のオレは一時間おきに言っていた気がする。
そして母さんは、
「徹······」たまに見に来ていた······。
「――ふあ~」
「おはよう徹」
「未来っ!」
「何で泣きそうな顔してるの?」
「だって――だって目、覚めないからっ!」
「そんな訳ないでしょっ」
「未来ぃ――」
「······未来っ!」
朝に目覚め、また、夢だった。
そこに、
「おはよう」
「生月先生」
「······目覚めてないのね」
「――はい」
「私看るから」
「はい、じゃあまた夜に」
「ええ」
生月先生に任せて、コンビニで朝食を取りマンションに戻るが、
「はぁ~」
別に帰って来たからといって何も変わらない。
昨日に続き、今日はじっとしていられず守にLINEした······。
「先週会ったのに、今週もとはな~っ、デートとかいいのか?」
「······ゲームやろうぜ、やりながら話すよ」
「······おう」
格ゲーを付けて、
「で、どうしたんだよ」
「うりゃーっ!」
「お、おい、こんにゃろー」
お昼になるまでゲームは続いた。守は気を使ってこれ以上何も言ってこない····。
昼食をコンビニで買い、またゲーム、守は黙って付き合ってくれて午後四時が過ぎた頃。
「······未来が、目覚めないんだ」
「おいおいどういう事だよ」事情を話す――。
「······そうか」
「悪いな、困らせちまってさっ」
「大丈夫か?」
「ああ、オレは未来を信じてるし、もう目覚めてるかもしれないしなっ」
「そうだぜ」
「じゃあオレ、会社に行くわっ」
「おうよ、わかった」
「今日はありがとう、また頼むよ」
「おう、じゃあな」
「じゃあ」オレは会社に向かった······。
「ああ~······どうしてこうなるかな~·····」
ーー会社に入り保健室に、
「あらっ、少し早いわね」
「先生」
黙って首を横に振る。
「未来······」
そこに、
「失礼します~」
「心拠さん」
「道長君、もう来てたのね」
「うん、心拠さんはどうして?」
「生月先生と道長君じゃ大変だから、今日は私が看ます」
「私は構わないけど?」
「······じゃあ、お願いするよ」
「え、いいの? ありがとうっ!」
「きっと未来も、心拠さんと話したいだろうし」
今日は心拠さんに任せた······。
「あなたにしては、すぐ答えたのね。てっきり『オレが看る』って言うと思ったのに」
「看たい気持ちはありますが、きっと心拠さんもオレと同じ気持ちだから」
「······そうね」
「――未来ぃ~」
そう言いながら、ハンカチで顔の埃を拭き取り、
「皆心配してるよ。早く起きてよね······早くさっ······」
マンションに着き、夜食もまたコンビニ。
金曜日から未来が眠って三日目······まだ三日だ、三日くらいにうっかり眠るなんて、ったく未来は、
「······はぁ~――」
「お~い······未来?」
生月先生が、
「目覚めないの」
「······母さんに聞いてくる」
すると母さんが入ってきて、
「やっぱり目覚めないか」
「やっぱりって、どういう事?」
「融合した気候獣と同調した。そしてこうなった」
「融合した気候獣って何だよそれ」
「全く分からない。気候獣が融合しましたなんて事は過去の事例を見てもどこにもない」
「······生月先生、未来はいつ目覚めるんですか?」
「わからない······このまま目覚めないようなら、どちらにしろお腹の子も危険だわ」
「そうですか······」
そして母さんは未来を見て保健室を出たけど、
「母さん」
「何だ?」
「未来の事」
「今回は自分が悪い、止めても止まらなかった――自業自得だ」
母さんは社長としてテストパイロットである未来に引き返すように注意した。
母さんの言う通りだ。
でも、
「母さん、力を貸してくれ」
「フンッ」
「徹君」
「生月先生」
「今日は私が見ているから、帰りなさい」
「でも······わかりました。よろしくお願いします」
「ええ」
すると、
「未来っ!」
「心拠さん」
「これは?」
「実は······」事情を説明した。
「――それで、あれから目覚めないんですか······」
「ええ」
「苦しそうな顔もしてないのに」
「心拠さんも、今日は帰ろう」
「······うん」
今日は生月先生に任せて帰った······。
マンションに入ると、
「······はぁ~」
ため息しかでず、コンビニのもので夜食を済ませる。
お風呂から上がっても、
「ふう~」
すぐ眠った······。
次の日、よりによって土曜日なんて、未来が居たらきっと『ドライブ行きたい』とか『買い物行こう!』等言うに決まってる。
そうこう思っている間に掃除や洗濯をするが、朝食を取ったあとすぐ始めたのに、もうお昼になっていた。
いつもは大体二人でやってるから一人で掃除は大変。
お昼もコンビニで済ませ、家の中で何をすればいいのか分からずに壁に寄り添っていると、寝てしまった······。
「――徹」
「ん?」
「紅葉観に行こうよ······あっ」
「親父ギャグだ」
「ちょっと、親父はやめてよっ!」
「ははッ、さあ早く乗って行こう」
「うんっ――」
······静かに目を開ける。
「未来······」夢だ。
適当に時間を潰して午後五時くらいに、コンビニでちょっと早い夜食を取り、お風呂など一通り済まし、会社に向かう······。
すぐ保健室に行き、
「生月先生、未来は」
「徹君、まだ目覚めてないわ」
「そうですか、生月先生は帰ってください、自分が代わりに看ますから」
「そうね、もし何かあったら連絡してちょうだい」
「はい」
こうして一日会社で看てくれた生月先生には帰って貰った――。
昨日と違い点滴が追加されている。顔も変わらず······綺麗だ。
「未来······」
この時のオレは一時間おきに言っていた気がする。
そして母さんは、
「徹······」たまに見に来ていた······。
「――ふあ~」
「おはよう徹」
「未来っ!」
「何で泣きそうな顔してるの?」
「だって――だって目、覚めないからっ!」
「そんな訳ないでしょっ」
「未来ぃ――」
「······未来っ!」
朝に目覚め、また、夢だった。
そこに、
「おはよう」
「生月先生」
「······目覚めてないのね」
「――はい」
「私看るから」
「はい、じゃあまた夜に」
「ええ」
生月先生に任せて、コンビニで朝食を取りマンションに戻るが、
「はぁ~」
別に帰って来たからといって何も変わらない。
昨日に続き、今日はじっとしていられず守にLINEした······。
「先週会ったのに、今週もとはな~っ、デートとかいいのか?」
「······ゲームやろうぜ、やりながら話すよ」
「······おう」
格ゲーを付けて、
「で、どうしたんだよ」
「うりゃーっ!」
「お、おい、こんにゃろー」
お昼になるまでゲームは続いた。守は気を使ってこれ以上何も言ってこない····。
昼食をコンビニで買い、またゲーム、守は黙って付き合ってくれて午後四時が過ぎた頃。
「······未来が、目覚めないんだ」
「おいおいどういう事だよ」事情を話す――。
「······そうか」
「悪いな、困らせちまってさっ」
「大丈夫か?」
「ああ、オレは未来を信じてるし、もう目覚めてるかもしれないしなっ」
「そうだぜ」
「じゃあオレ、会社に行くわっ」
「おうよ、わかった」
「今日はありがとう、また頼むよ」
「おう、じゃあな」
「じゃあ」オレは会社に向かった······。
「ああ~······どうしてこうなるかな~·····」
ーー会社に入り保健室に、
「あらっ、少し早いわね」
「先生」
黙って首を横に振る。
「未来······」
そこに、
「失礼します~」
「心拠さん」
「道長君、もう来てたのね」
「うん、心拠さんはどうして?」
「生月先生と道長君じゃ大変だから、今日は私が看ます」
「私は構わないけど?」
「······じゃあ、お願いするよ」
「え、いいの? ありがとうっ!」
「きっと未来も、心拠さんと話したいだろうし」
今日は心拠さんに任せた······。
「あなたにしては、すぐ答えたのね。てっきり『オレが看る』って言うと思ったのに」
「看たい気持ちはありますが、きっと心拠さんもオレと同じ気持ちだから」
「······そうね」
「――未来ぃ~」
そう言いながら、ハンカチで顔の埃を拭き取り、
「皆心配してるよ。早く起きてよね······早くさっ······」
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