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抵抗する者たち
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――赤紫の雲の空で3人が戦っていた。
「ハァ、ハァ、こいつ、強い……ハァ、ハァ」
「当たり前だ、私はシャンイレール様の最古の兵で力をもらっているからな」
「最古の、兵だと」
「シスター・ファスに長年化け続けたくらいですからね。信頼がないと成り立たない事です」
「なかなか観ているな、男」
モントとエメールも戦いで精一杯、それだけ魔王最古の部下デルニエールは強かった。そんな不利な状況のあたいたち、なのに余裕なのかシャンイレールは目を閉じ始める。
「シャンイレールめ」
「……さっき」
「クレマ、なに?」
「さっき魔炎を受けてネモネアに近づけなかったけど、少しずつ炎が消えたの……どうして?」
「どうしてって、たぶん竜魔法のおかげ」
あたいとクレマが話してるその間にも、魔王シャンイレールは目を閉じ全ての地上の城に心眼で見渡していた。
「……クリスロッサ、グランジウム、ラナロース、ラングネスにキングロビウ城……それぞれの兵が魔獣を倒している……」
心眼で世界を観るシャンイレール、そんな各国の中でラングネスに住む1人のシスターが女神の像の下でシスターを集め奮起していた。
「――そんな……うそでしょシスター・ヴィゴーレ」
「いいえ、シスター・ファスの正体はデルニエールという魔王の手下で奴はこ言ったわ『お前達は実に疑いもせず慕ってくれた。これから私は女神を魔王様と殺す』と」
自ら切り裂かれたことを明かすシスター・ヴィゴーレの生々しい怪我に他の集まったシスター・達は徐々に混乱していく。
「そんなっ、女神様が!」「フラデーア様を殺すほどの者っ、ああ世界が滅びてしまう」「うっうっ、そんなシスター・ファスが」
シスター・ファスを親として、友として、師匠として様々なところで色んなシスターが彼女を慕っていたのに。
「顔を上げなさいっ!」
シスター・ヴィゴーレは諦めていなかった。
「このラングネスは女神を頂点とし崇め、人々に未来と希望と平穏を導く国。そしてあたしたちシスターはその先陣の導き手」
例えあたいのような魔王の配下でも、心から入れ替えた者を追いやったりはしない。
「シスター・ヴィゴーレ、外は魔獣と国の兵士達が懸命に戦っています。いま私達に出来ることは……」
「……皆さん……今この時を護ることが明日への扉を開くんです……ですから、ペンダントを外しましょう……」
ラングネスのシスター達を心眼で観てクスッと笑ったのがあたいには見えた。
「フッ、ツオーゴの者達も無駄が好きなようだ」
あたいはその隙に崖まで走ったが魔王シャンイレールは魔法を鞭のようにして首を絞めてきた。
「うっ……」
「隙を付いたつもりのようだな下級魔族、魔獣をツオーゴの人間が倒すなどありえんとは思ったが何か知っているか?」
「……さ、さあね、甘く見てたんじゃないの……うわっ」
「戯言は聞かない、答えねばこのまま苦しみをあたえ続けるぞ」
「シャンイレールッ!」
「貴様は、ツオーゴの人間か」
デルニエールと空中戦をしていたモントが見かねて降りてきた。
「うっ、モン、ト」
「教えてやる」
「ほう、聞かせろ」
「ネモネアにあたしが頼んだんだ」
それは、異世界トアースで特訓をする前の話し。
「――頼みってなに? モント」
「あたしは最初ネモネアを疑ってた。でも、あんたと旅をして一緒に驚くほど簡単に魔獣を倒せて、やっぱりすごいって思った」
「そうですね、ネモネアさんと出会うまで魔獣は避けるのが無難でしたから」
「な、なによ、モント続き話して」
「色々と冒険をしていくうちに、ネモネアの疑いもあたしの気持ちの中でいつの間にか消えてたの、そこで国の騎士として考えたとき思いついたんだ」
「ありがとう……それでなにを思いついたの?」
「ネモネア、この世界ツオーゴの為にネモネアが経験してきた魔獣の事を教えてくれ。あたしと世界を周って国中の兵士が魔獣と戦えれば世界はもっと平和になる!」
「あたいが経験したこと……」
自分の辛く哀しい経験も、いま人々を救う知恵の花と開花した瞬間だった。
「経験した事を生かすも殺すも自分次第ですよネモネア・プリンセス、やりましょう」
「今こそ1人生き残った時の力が必要なんだ、頼むネモネア!」
「……うんわかった、やるよっ!」
こうしてあたいは自分が生き残るためだけに得た経験をモントに話しそれをメモして、今まで足を運んだ城下町を周り国中の兵士達へと伝わった……。
「――余計なことを」
「魔王の計画だったみたいだけど、その下級魔族って奴に一杯食わされてたのさ……うっ」
目付きが強張りモントの首を魔法の鞭で締め上げる。苦しみを味合わせるように。
「……死にたいようだな」
「ぐあっ……あっ」
「やめろーっ……ぐっ!」
「フフッ、なら貴様も一緒に苦しめ」
シャンイレールは左手の鞭でモントを、右手の鞭であたいの首を苦しむように少しずつ締めていく。
「プリンセスッ!」
「ハッハーッ、早く助けないとなぁ」
「くっそおーっ!」
「調子に乗るなよ……フッフッフッ、ならば」
「ゲホッ、ゲホッ……ハァ、ハァ……」
突然魔法の鞭を外して空へと浮かんでいくシャンイレール。両手から奴が現れた異次元の穴と同じような不気味な力を感じる。
「今度はなにをする気だ」
「……ならば、人間がどこまで抵抗出来るか見せてもらおうではないか、はぁっ!」
シャンイレールが両手を上げると何かが飛んでいった。すると5つの国の上空に異次元の穴が現れたんだ……。
「ハァ、ハァ、こいつ、強い……ハァ、ハァ」
「当たり前だ、私はシャンイレール様の最古の兵で力をもらっているからな」
「最古の、兵だと」
「シスター・ファスに長年化け続けたくらいですからね。信頼がないと成り立たない事です」
「なかなか観ているな、男」
モントとエメールも戦いで精一杯、それだけ魔王最古の部下デルニエールは強かった。そんな不利な状況のあたいたち、なのに余裕なのかシャンイレールは目を閉じ始める。
「シャンイレールめ」
「……さっき」
「クレマ、なに?」
「さっき魔炎を受けてネモネアに近づけなかったけど、少しずつ炎が消えたの……どうして?」
「どうしてって、たぶん竜魔法のおかげ」
あたいとクレマが話してるその間にも、魔王シャンイレールは目を閉じ全ての地上の城に心眼で見渡していた。
「……クリスロッサ、グランジウム、ラナロース、ラングネスにキングロビウ城……それぞれの兵が魔獣を倒している……」
心眼で世界を観るシャンイレール、そんな各国の中でラングネスに住む1人のシスターが女神の像の下でシスターを集め奮起していた。
「――そんな……うそでしょシスター・ヴィゴーレ」
「いいえ、シスター・ファスの正体はデルニエールという魔王の手下で奴はこ言ったわ『お前達は実に疑いもせず慕ってくれた。これから私は女神を魔王様と殺す』と」
自ら切り裂かれたことを明かすシスター・ヴィゴーレの生々しい怪我に他の集まったシスター・達は徐々に混乱していく。
「そんなっ、女神様が!」「フラデーア様を殺すほどの者っ、ああ世界が滅びてしまう」「うっうっ、そんなシスター・ファスが」
シスター・ファスを親として、友として、師匠として様々なところで色んなシスターが彼女を慕っていたのに。
「顔を上げなさいっ!」
シスター・ヴィゴーレは諦めていなかった。
「このラングネスは女神を頂点とし崇め、人々に未来と希望と平穏を導く国。そしてあたしたちシスターはその先陣の導き手」
例えあたいのような魔王の配下でも、心から入れ替えた者を追いやったりはしない。
「シスター・ヴィゴーレ、外は魔獣と国の兵士達が懸命に戦っています。いま私達に出来ることは……」
「……皆さん……今この時を護ることが明日への扉を開くんです……ですから、ペンダントを外しましょう……」
ラングネスのシスター達を心眼で観てクスッと笑ったのがあたいには見えた。
「フッ、ツオーゴの者達も無駄が好きなようだ」
あたいはその隙に崖まで走ったが魔王シャンイレールは魔法を鞭のようにして首を絞めてきた。
「うっ……」
「隙を付いたつもりのようだな下級魔族、魔獣をツオーゴの人間が倒すなどありえんとは思ったが何か知っているか?」
「……さ、さあね、甘く見てたんじゃないの……うわっ」
「戯言は聞かない、答えねばこのまま苦しみをあたえ続けるぞ」
「シャンイレールッ!」
「貴様は、ツオーゴの人間か」
デルニエールと空中戦をしていたモントが見かねて降りてきた。
「うっ、モン、ト」
「教えてやる」
「ほう、聞かせろ」
「ネモネアにあたしが頼んだんだ」
それは、異世界トアースで特訓をする前の話し。
「――頼みってなに? モント」
「あたしは最初ネモネアを疑ってた。でも、あんたと旅をして一緒に驚くほど簡単に魔獣を倒せて、やっぱりすごいって思った」
「そうですね、ネモネアさんと出会うまで魔獣は避けるのが無難でしたから」
「な、なによ、モント続き話して」
「色々と冒険をしていくうちに、ネモネアの疑いもあたしの気持ちの中でいつの間にか消えてたの、そこで国の騎士として考えたとき思いついたんだ」
「ありがとう……それでなにを思いついたの?」
「ネモネア、この世界ツオーゴの為にネモネアが経験してきた魔獣の事を教えてくれ。あたしと世界を周って国中の兵士が魔獣と戦えれば世界はもっと平和になる!」
「あたいが経験したこと……」
自分の辛く哀しい経験も、いま人々を救う知恵の花と開花した瞬間だった。
「経験した事を生かすも殺すも自分次第ですよネモネア・プリンセス、やりましょう」
「今こそ1人生き残った時の力が必要なんだ、頼むネモネア!」
「……うんわかった、やるよっ!」
こうしてあたいは自分が生き残るためだけに得た経験をモントに話しそれをメモして、今まで足を運んだ城下町を周り国中の兵士達へと伝わった……。
「――余計なことを」
「魔王の計画だったみたいだけど、その下級魔族って奴に一杯食わされてたのさ……うっ」
目付きが強張りモントの首を魔法の鞭で締め上げる。苦しみを味合わせるように。
「……死にたいようだな」
「ぐあっ……あっ」
「やめろーっ……ぐっ!」
「フフッ、なら貴様も一緒に苦しめ」
シャンイレールは左手の鞭でモントを、右手の鞭であたいの首を苦しむように少しずつ締めていく。
「プリンセスッ!」
「ハッハーッ、早く助けないとなぁ」
「くっそおーっ!」
「調子に乗るなよ……フッフッフッ、ならば」
「ゲホッ、ゲホッ……ハァ、ハァ……」
突然魔法の鞭を外して空へと浮かんでいくシャンイレール。両手から奴が現れた異次元の穴と同じような不気味な力を感じる。
「今度はなにをする気だ」
「……ならば、人間がどこまで抵抗出来るか見せてもらおうではないか、はぁっ!」
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