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3年後
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「――なんだか寂しいけど2人が決めた事だから」
「うん、ありがとうシスター・カルタ」
あれから3年の月日が経って魔王の影響も無くなりツオーゴは元の平和な世界に戻った。そして復興したシスター・カルタ教会に住むあたいとアヴエロの2人で別の場所に住むことにしたの。
「まさかあのヒョロヒョロしてたアヴエロと、なんにも知らなかったネモネアが一緒なんて、なんだか不思議な気持ちよ」
「シスター・カルタには私も色んな事を教わりました」
「あたい……いや、あたしもシスター・カルタにこの教会に住むのを許してもらってから色々と……本当に感謝しています」
ニコッと笑顔のカルタ。この人の優しさが無ければ今のあたいはいない。この人の誰にでも優しくてしてくれる愛があったからみんな救われるんだ。
「アヴエロもネモネアも、もう立派な大人。だから今度はあなた達の手と気持ちで子ども達を救ってあげて、それがここを出たジュリやクレマも同じ願いだから」
「「はい!」」
実は、クレマは自分の罪を反省するためにどうすればと悩み『ラングネスに行ってみなさい』とカルタに言われ、ジュリも付いていき一緒にラングネスでシスターとして日々祈っている。
そんなシスター・カルタは皆の母であり先生であり師匠でもあった。目を閉じ、胸に手を当て今度はアヴエロとあたいが父であり母としてカルタのように新しい教会に来た子ども達を救って見せる……。
「――ネモネアお姉ちゃんとアヴエロお兄ちゃん、やっぱり行っちゃうんだね」
「ブリジット……うん」
「ぐすっ、寂しいけど、応援する」
「ブリジット、こっちきて」
目線を合わすブリジットも9歳。人を避けていたこの子もすっかり皆と打ち解け、たまにクリスロッサの村に住むスオーロの元で魔法も勉強してるんだ。
「ブリジット、あなたと出会えて、ほんとうによかった、ありがとう」
「あたしも……あのさネモネアお姉ちゃん……もう少し大きくなったらあたしもお姉ちゃんの教会に行ってみたいの、いい?」
「もちろんよ、そんなときはもうブリジットもお姉ちゃんね」
「ネモネアッ!」
話してたらまた抱きついて、今度は泣いてしまったブリジット。
「……ブリジット、今度はブリジットがお姉ちゃんになって皆を守って」
「うん、うん……あたし、魔法ももっとがんばる、たくさんの悲しい人たちを助けられるようにもっと勉強する」
「ブリジットはホント立派だよ……大丈夫ブリジットならやれる、たのむよ」
年は離れてもお互い苦しい思いをしてきた。あたいは戦う事しか出来なかったけど、この子は勉強もしてもっと立派な大人になるだろうな。だから涙は見せない、きっとこの子が教会に訪ねてくるその日まで……。
「――ネモネア、さびしくないかい?」
「さびしいけど楽しみもあるから半々かな、アヴエロは」
「勿論さびしいですが……ソレイルとモントが騎士長に、スオーロはクリスロッサ村で相変わらずの回復師、エメールはアクアン老師を弔ったあとまた旅を出た」
みんなまた元の自分の立場に戻っていたんだ。
「何でしょうか、皆と離れてまた集まったから、いつでも会える気がして」
「あれからちょくちょく会ったからね」
「ははっ、そうですね……でも、もう戦い絡みで集まるのは勘弁です」
「うん、あたい…じゃなかった、あーたーしーもっ」
「まだでますね、癖の『あたい』言葉」
「仕方ないでしょ、子どもの頃からだったんだし、でももう大人だから『あたい』は卒業するのあたいは……ああっ!」
「あっはっはっ、また言ってる」
「笑わないでよ~」
そんな会話をしながらシスター・カルタ教会から真西に進んでクリスロッサの村や城下町を越えていく……。
「――着きましたね、アネモネ教会」
教会の名前はしっかりと覚えやすい名前がいいとシスター・カルタの提案で決まった。今はないけど魔王の城があった場所の近いところでもあるんだ。
「綺麗な部屋だけど……やっぱカルタとかジュリとか子どもたちがいないとさびしいね」
「うん、皆がいるありがたみがわかるよ」
入口から広い部屋と奥に2部屋あるアネモネ教会。気分が落ち込んでも始まらないと2人でホコリを払ったり物を置いたりと部屋を掃除した。
「――これでいいかな」
「ふう……あ、ネモネアはい、これ」
「これって……花?」
「はい、実はアネモネ教会と決めたとき、クリスロッサの城下町でその花を購入してたんですよ」
一輪の赤い花、たしかにこれがあれば飾りとしても使える。
「大切に、してくださいねネモネア」
「うん、そうだね、せっかく貰ったし大事にするよ」
「そ、それもそうだけど」
「ん、なによ」
「自分の大切な人だから、その花をネモネアに渡したんです」
「あ……うん、ありがとう。そう言われると嬉しい、3年前を想い出す……」
懐かしいけどちゃんと覚えてる。ものすごくキュンとしたし、安心して、とても嬉しかったのを……。
ちょっと前を思い出しながら、水を入れた花瓶に花を入れて外にでた。
「ネモネア、どうしたんですか?」
「ちょっと、もう一度3年前の言葉がほしいな……」
「え、え、きゅっ、急にそんな……」
「やっぱりだめかな、でも、おねがいアヴエロ」
「しかたないですね……愛してるよネモネア」
「あたいも、アヴエロを愛してる……」
END
「うん、ありがとうシスター・カルタ」
あれから3年の月日が経って魔王の影響も無くなりツオーゴは元の平和な世界に戻った。そして復興したシスター・カルタ教会に住むあたいとアヴエロの2人で別の場所に住むことにしたの。
「まさかあのヒョロヒョロしてたアヴエロと、なんにも知らなかったネモネアが一緒なんて、なんだか不思議な気持ちよ」
「シスター・カルタには私も色んな事を教わりました」
「あたい……いや、あたしもシスター・カルタにこの教会に住むのを許してもらってから色々と……本当に感謝しています」
ニコッと笑顔のカルタ。この人の優しさが無ければ今のあたいはいない。この人の誰にでも優しくてしてくれる愛があったからみんな救われるんだ。
「アヴエロもネモネアも、もう立派な大人。だから今度はあなた達の手と気持ちで子ども達を救ってあげて、それがここを出たジュリやクレマも同じ願いだから」
「「はい!」」
実は、クレマは自分の罪を反省するためにどうすればと悩み『ラングネスに行ってみなさい』とカルタに言われ、ジュリも付いていき一緒にラングネスでシスターとして日々祈っている。
そんなシスター・カルタは皆の母であり先生であり師匠でもあった。目を閉じ、胸に手を当て今度はアヴエロとあたいが父であり母としてカルタのように新しい教会に来た子ども達を救って見せる……。
「――ネモネアお姉ちゃんとアヴエロお兄ちゃん、やっぱり行っちゃうんだね」
「ブリジット……うん」
「ぐすっ、寂しいけど、応援する」
「ブリジット、こっちきて」
目線を合わすブリジットも9歳。人を避けていたこの子もすっかり皆と打ち解け、たまにクリスロッサの村に住むスオーロの元で魔法も勉強してるんだ。
「ブリジット、あなたと出会えて、ほんとうによかった、ありがとう」
「あたしも……あのさネモネアお姉ちゃん……もう少し大きくなったらあたしもお姉ちゃんの教会に行ってみたいの、いい?」
「もちろんよ、そんなときはもうブリジットもお姉ちゃんね」
「ネモネアッ!」
話してたらまた抱きついて、今度は泣いてしまったブリジット。
「……ブリジット、今度はブリジットがお姉ちゃんになって皆を守って」
「うん、うん……あたし、魔法ももっとがんばる、たくさんの悲しい人たちを助けられるようにもっと勉強する」
「ブリジットはホント立派だよ……大丈夫ブリジットならやれる、たのむよ」
年は離れてもお互い苦しい思いをしてきた。あたいは戦う事しか出来なかったけど、この子は勉強もしてもっと立派な大人になるだろうな。だから涙は見せない、きっとこの子が教会に訪ねてくるその日まで……。
「――ネモネア、さびしくないかい?」
「さびしいけど楽しみもあるから半々かな、アヴエロは」
「勿論さびしいですが……ソレイルとモントが騎士長に、スオーロはクリスロッサ村で相変わらずの回復師、エメールはアクアン老師を弔ったあとまた旅を出た」
みんなまた元の自分の立場に戻っていたんだ。
「何でしょうか、皆と離れてまた集まったから、いつでも会える気がして」
「あれからちょくちょく会ったからね」
「ははっ、そうですね……でも、もう戦い絡みで集まるのは勘弁です」
「うん、あたい…じゃなかった、あーたーしーもっ」
「まだでますね、癖の『あたい』言葉」
「仕方ないでしょ、子どもの頃からだったんだし、でももう大人だから『あたい』は卒業するのあたいは……ああっ!」
「あっはっはっ、また言ってる」
「笑わないでよ~」
そんな会話をしながらシスター・カルタ教会から真西に進んでクリスロッサの村や城下町を越えていく……。
「――着きましたね、アネモネ教会」
教会の名前はしっかりと覚えやすい名前がいいとシスター・カルタの提案で決まった。今はないけど魔王の城があった場所の近いところでもあるんだ。
「綺麗な部屋だけど……やっぱカルタとかジュリとか子どもたちがいないとさびしいね」
「うん、皆がいるありがたみがわかるよ」
入口から広い部屋と奥に2部屋あるアネモネ教会。気分が落ち込んでも始まらないと2人でホコリを払ったり物を置いたりと部屋を掃除した。
「――これでいいかな」
「ふう……あ、ネモネアはい、これ」
「これって……花?」
「はい、実はアネモネ教会と決めたとき、クリスロッサの城下町でその花を購入してたんですよ」
一輪の赤い花、たしかにこれがあれば飾りとしても使える。
「大切に、してくださいねネモネア」
「うん、そうだね、せっかく貰ったし大事にするよ」
「そ、それもそうだけど」
「ん、なによ」
「自分の大切な人だから、その花をネモネアに渡したんです」
「あ……うん、ありがとう。そう言われると嬉しい、3年前を想い出す……」
懐かしいけどちゃんと覚えてる。ものすごくキュンとしたし、安心して、とても嬉しかったのを……。
ちょっと前を思い出しながら、水を入れた花瓶に花を入れて外にでた。
「ネモネア、どうしたんですか?」
「ちょっと、もう一度3年前の言葉がほしいな……」
「え、え、きゅっ、急にそんな……」
「やっぱりだめかな、でも、おねがいアヴエロ」
「しかたないですね……愛してるよネモネア」
「あたいも、アヴエロを愛してる……」
END
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