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1章
マロンケーキ
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すっかり長居してしまったけど、ようやく薬が王都まで届き渡り、私もようやく、お役目御免という形で、久々にゆっくりとベッドにダイブする事が出来た。
「ふへぇ~っ……疲れたー……」
「ゲキョー?」
「ゲッちゃーん、疲れたよー」
ゲッちゃんに頭に足をテシテシ置かれながら、私はこれでようやく肩の荷が下りたー! と、手足を伸ばす。
この三週間弱、毎日走り回っていた気がする。
メイドさん達も私に付き合って走り回ってたし、元気になった男性陣も遠くの領まで薬を毎日届けに走ってくれて、皆に今度、労いの会でも開くべきかなぁ?
「ワオン!」
「おぶっ!」
背中の上に大型犬サイズのデンちゃんに飛び乗られて、あやうく夕飯がリバースする所だった。
デンちゃんとゲッちゃんは屋敷の中でお利口さんにしてたから、そろそろ森に帰って思いっきり遊ばせてあげなきゃなぁ。
今年の冬越え……うーん。準備しておきたかった事が遅れてるから、帰ったら玄関から門までの足場を木でちゃんと作って、デンちゃんが泥だらけになるのを防ぎたいし、氷柱が危なかったから、今年は屋根に氷柱除けを作りたいんだけど、その時間はあるかなぁ?
薪は今年も切りまわったから、来年の分は出来ているんだよね。
欲を言えば、干物をもう少し作りたかったけど、もうこの時期では無理かも……
「ワフワフッ!」
「んーっ、くすぐったい~っ、可愛いもふもふめ! こちょこちょだー!」
「ワフォーン」
「ゲキョー」
デンちゃんのお腹をワシワシくすぐって、ゲッちゃんには頭の上に乗られながら、久々に三人でベッドの上で遊んで、転がりまわってたら、いつの間にか寝落ちしてて、久々にぐっすり寝たー! と、元気に朝起きて厨房に行ったら、ウィリアムさんから厨房に立ち入り禁止令が出た。
メイドさん達からは朝からお風呂に入れられて、白い丸襟のシャツに紺色エプロンワンピースを着せて貰った。
皆も元気になったし、久々にゆっくりさせてもらうことにして、デンちゃんとゲッちゃんと一緒に暖炉の部屋でぬくぬくしながら、チェチェリンさんに刺繍を習っていた。
イクシオンの持ち物には盾と狼の刺繍を奥さんがしなきゃいけないとかで、「今から練習しましょうね」と、チマチマと刺繍をしてるけど、刺繍って難しい……
目がショボショボしちゃう。
私が欠伸をすると、チェチェリンさんが「お茶にしましょうか」と言ってくれて、ようやく解放された。
集中し過ぎて、肩がバキバキですよ。
刺繍するなら、狩りの方がマシかなー……と、思った私は大分乙女から離れて行っている様な?
食堂のある白いクロステーブルの掛かったテーブルの上に、金の燭台に銀のドーム型の蓋、確かクロ―シェだったかな? が被さった大きなお皿とか、アフターヌーンティーでおなじみになっている三段のサンドイッチやケーキにスコーンの載った物が用意されていた。
「今日は豪華なティータイムですね!」
「ふふっ、リト様。お席におつき下さい」
「はぁーい」
よく見れば、透明のティーポットの中に生のオレンジが入ってる。
柑橘系は獣人の国では滅多に手に入らないのに、よく入手出来た物だ。
しばらくして、メイドさんや使用人の人達も入ってきて、最後にウィリアムさんがワゴンカートを持って入ってきた。
「リト様、お誕生日おめでとうございます!」
「わぁ! ありがとうございます!」
ウィリアムさんが美味しそうなマロンケーキをホールで持って来てくれて、お皿に切り分けてくれた。
「ウィリアムさんのケーキ楽しみに今回は来たので、食べれるの嬉しいです!」
「リト様、すみません。なかなか治らなくて……申し訳ない」
「いえいえ、元気になって、こうして美味しい物を作ってくれただけで有り難いです」
「そう言ってもらえると、こちらも、有り難いです」
ウィリアムさんは、一度治りかけたんだけど、無理して厨房で働いて、また寝込んじゃって、長引いちゃったんだよね。
風邪は治りかけも気を付けないと駄目だね。
「あっ、ウィリアムさん。私、ガラス瓶に『ゲンソウキノコ』いっぱい採ってきたので、お屋敷の人達と食べてくださいね」
「ええええ!! ゲンソウキノコですか!? わわっ! 幻高級食材じゃないですか!」
「ゲッちゃんが好物で狙いまくるので、食材棚に隠していますから、ゲッちゃんに盗られない様にしてくださいね」
「わわっ! 直ぐに見てきます!」
ウィリアムさんが嬉しそうに出て行き、厨房から「うおぉぉ!」と声が上がっていた。
持ってきて良かった~。
「リト様、十五歳のお誕生日おめでとうございます」
「はい。ありがとうございます!」
「リト様、お誕生日おめでとうございます~っ!」
「えへへ。こんな風にお祝いされるの久々です」
メイドさん達からは手作りのコースターや、髪留めを貰い、ビブロースさんからは研ぎ石を貰った。
メイドさん達が「えっ?」と、ビブロースさんに非難の目を向けたけど、これ、凄く有り難い!
「農具とか、草刈り鎌がサビるから、これ凄く嬉しいですっ!」
「リト様なら、実用する物が良いと思いました」
「よく分かってらっしゃるっ!」
一人で食べているのもアレなので、皆で席について食べて、少し遅ればせながらのお誕生日会を開いてもらった。
「来年も是非、この屋敷でお祝いしましょう」と、言われて、「では、ゼキキノコを山盛りにしてきますね!」と、笑って言って、冗談交じりの笑いで今回は片付いた。
今回の風邪が流行った原因に関しては、雨があまり降らず、乾燥しきってたのもあったようだ。
後はビタミン不足かな? ウィリアムさんに聞いたら、リンゴはビタミン無いんだって。
ただ、整腸作用、つまりお腹の具合を良くしてくれる働きがあって、消化や血行も良くしてくれて、炎症効果にも効くらしいから、来年はリンゴにキウイフルーツを用意して、風邪を乗り切りましょうって言ってた。
キウイフルーツはビタミン豊富で、リンゴとの相性が良いんだって。
リンゴとキウイを一緒に置いておくと、甘くなるらしい。
私がイクシオンの名でゼキキノコの飲み薬を配った事で、王都の方では「流石、イクシオン殿下!」と、イクシオンの支持率が上がっていたようで、王宮へ抗議する暴動が起きたようだけど、そんな事は知った事ではない。
王様が「ゼキキノコをヴァンハロー領が隠し持っていて、恩を売ろうとしたのだ! 最初から民を苦しめて、後で英雄気取りになるつもりだった! 全てはイクシオンの計画だ!」と、言っているらしい。
ゼキキノコをヴァンハロー領から取り上げておいて、「何だそれは!?」と、こちらもキィーッて、憤慨していている。
ちなみに、ゼキキノコは私が持ち込んだので、私の名義で取引をヴァンハロー領としたことにしたので、隠し持ってないですよ? 追加で持ってきたんですけど? と、言う様な抗議文をアンゾロさんが持って王都に行ってくれた。
王都の方は、王様がゼキキノコの飲み薬とかを管理させて、少しずつしか出回らなくて、結局、私達のゼキキノコの飲み薬が届いてしまったから、王様は元気になった家臣の人達からも、怒られているみたい。
アンゾロさんが王都で見てきて、「恩を売ろうとして失敗したのは、あちらのようですね」と、嘆かわしいと溜め息をついていた。
王宮から私への召喚状が届いたけど、私は流しの薬売りで、イクシオン殿下に恩義がある為に、今回は手を貸しただけ、もう用は済んだから、ヴインダム国からは出て行った……事になってる。
まだうるさく早馬が来そうなので、そろそろ私は本当に森に帰るんだけどね。
最後にお誕生日会でケーキを食べれて良かったよ。うん。
「ふへぇ~っ……疲れたー……」
「ゲキョー?」
「ゲッちゃーん、疲れたよー」
ゲッちゃんに頭に足をテシテシ置かれながら、私はこれでようやく肩の荷が下りたー! と、手足を伸ばす。
この三週間弱、毎日走り回っていた気がする。
メイドさん達も私に付き合って走り回ってたし、元気になった男性陣も遠くの領まで薬を毎日届けに走ってくれて、皆に今度、労いの会でも開くべきかなぁ?
「ワオン!」
「おぶっ!」
背中の上に大型犬サイズのデンちゃんに飛び乗られて、あやうく夕飯がリバースする所だった。
デンちゃんとゲッちゃんは屋敷の中でお利口さんにしてたから、そろそろ森に帰って思いっきり遊ばせてあげなきゃなぁ。
今年の冬越え……うーん。準備しておきたかった事が遅れてるから、帰ったら玄関から門までの足場を木でちゃんと作って、デンちゃんが泥だらけになるのを防ぎたいし、氷柱が危なかったから、今年は屋根に氷柱除けを作りたいんだけど、その時間はあるかなぁ?
薪は今年も切りまわったから、来年の分は出来ているんだよね。
欲を言えば、干物をもう少し作りたかったけど、もうこの時期では無理かも……
「ワフワフッ!」
「んーっ、くすぐったい~っ、可愛いもふもふめ! こちょこちょだー!」
「ワフォーン」
「ゲキョー」
デンちゃんのお腹をワシワシくすぐって、ゲッちゃんには頭の上に乗られながら、久々に三人でベッドの上で遊んで、転がりまわってたら、いつの間にか寝落ちしてて、久々にぐっすり寝たー! と、元気に朝起きて厨房に行ったら、ウィリアムさんから厨房に立ち入り禁止令が出た。
メイドさん達からは朝からお風呂に入れられて、白い丸襟のシャツに紺色エプロンワンピースを着せて貰った。
皆も元気になったし、久々にゆっくりさせてもらうことにして、デンちゃんとゲッちゃんと一緒に暖炉の部屋でぬくぬくしながら、チェチェリンさんに刺繍を習っていた。
イクシオンの持ち物には盾と狼の刺繍を奥さんがしなきゃいけないとかで、「今から練習しましょうね」と、チマチマと刺繍をしてるけど、刺繍って難しい……
目がショボショボしちゃう。
私が欠伸をすると、チェチェリンさんが「お茶にしましょうか」と言ってくれて、ようやく解放された。
集中し過ぎて、肩がバキバキですよ。
刺繍するなら、狩りの方がマシかなー……と、思った私は大分乙女から離れて行っている様な?
食堂のある白いクロステーブルの掛かったテーブルの上に、金の燭台に銀のドーム型の蓋、確かクロ―シェだったかな? が被さった大きなお皿とか、アフターヌーンティーでおなじみになっている三段のサンドイッチやケーキにスコーンの載った物が用意されていた。
「今日は豪華なティータイムですね!」
「ふふっ、リト様。お席におつき下さい」
「はぁーい」
よく見れば、透明のティーポットの中に生のオレンジが入ってる。
柑橘系は獣人の国では滅多に手に入らないのに、よく入手出来た物だ。
しばらくして、メイドさんや使用人の人達も入ってきて、最後にウィリアムさんがワゴンカートを持って入ってきた。
「リト様、お誕生日おめでとうございます!」
「わぁ! ありがとうございます!」
ウィリアムさんが美味しそうなマロンケーキをホールで持って来てくれて、お皿に切り分けてくれた。
「ウィリアムさんのケーキ楽しみに今回は来たので、食べれるの嬉しいです!」
「リト様、すみません。なかなか治らなくて……申し訳ない」
「いえいえ、元気になって、こうして美味しい物を作ってくれただけで有り難いです」
「そう言ってもらえると、こちらも、有り難いです」
ウィリアムさんは、一度治りかけたんだけど、無理して厨房で働いて、また寝込んじゃって、長引いちゃったんだよね。
風邪は治りかけも気を付けないと駄目だね。
「あっ、ウィリアムさん。私、ガラス瓶に『ゲンソウキノコ』いっぱい採ってきたので、お屋敷の人達と食べてくださいね」
「ええええ!! ゲンソウキノコですか!? わわっ! 幻高級食材じゃないですか!」
「ゲッちゃんが好物で狙いまくるので、食材棚に隠していますから、ゲッちゃんに盗られない様にしてくださいね」
「わわっ! 直ぐに見てきます!」
ウィリアムさんが嬉しそうに出て行き、厨房から「うおぉぉ!」と声が上がっていた。
持ってきて良かった~。
「リト様、十五歳のお誕生日おめでとうございます」
「はい。ありがとうございます!」
「リト様、お誕生日おめでとうございます~っ!」
「えへへ。こんな風にお祝いされるの久々です」
メイドさん達からは手作りのコースターや、髪留めを貰い、ビブロースさんからは研ぎ石を貰った。
メイドさん達が「えっ?」と、ビブロースさんに非難の目を向けたけど、これ、凄く有り難い!
「農具とか、草刈り鎌がサビるから、これ凄く嬉しいですっ!」
「リト様なら、実用する物が良いと思いました」
「よく分かってらっしゃるっ!」
一人で食べているのもアレなので、皆で席について食べて、少し遅ればせながらのお誕生日会を開いてもらった。
「来年も是非、この屋敷でお祝いしましょう」と、言われて、「では、ゼキキノコを山盛りにしてきますね!」と、笑って言って、冗談交じりの笑いで今回は片付いた。
今回の風邪が流行った原因に関しては、雨があまり降らず、乾燥しきってたのもあったようだ。
後はビタミン不足かな? ウィリアムさんに聞いたら、リンゴはビタミン無いんだって。
ただ、整腸作用、つまりお腹の具合を良くしてくれる働きがあって、消化や血行も良くしてくれて、炎症効果にも効くらしいから、来年はリンゴにキウイフルーツを用意して、風邪を乗り切りましょうって言ってた。
キウイフルーツはビタミン豊富で、リンゴとの相性が良いんだって。
リンゴとキウイを一緒に置いておくと、甘くなるらしい。
私がイクシオンの名でゼキキノコの飲み薬を配った事で、王都の方では「流石、イクシオン殿下!」と、イクシオンの支持率が上がっていたようで、王宮へ抗議する暴動が起きたようだけど、そんな事は知った事ではない。
王様が「ゼキキノコをヴァンハロー領が隠し持っていて、恩を売ろうとしたのだ! 最初から民を苦しめて、後で英雄気取りになるつもりだった! 全てはイクシオンの計画だ!」と、言っているらしい。
ゼキキノコをヴァンハロー領から取り上げておいて、「何だそれは!?」と、こちらもキィーッて、憤慨していている。
ちなみに、ゼキキノコは私が持ち込んだので、私の名義で取引をヴァンハロー領としたことにしたので、隠し持ってないですよ? 追加で持ってきたんですけど? と、言う様な抗議文をアンゾロさんが持って王都に行ってくれた。
王都の方は、王様がゼキキノコの飲み薬とかを管理させて、少しずつしか出回らなくて、結局、私達のゼキキノコの飲み薬が届いてしまったから、王様は元気になった家臣の人達からも、怒られているみたい。
アンゾロさんが王都で見てきて、「恩を売ろうとして失敗したのは、あちらのようですね」と、嘆かわしいと溜め息をついていた。
王宮から私への召喚状が届いたけど、私は流しの薬売りで、イクシオン殿下に恩義がある為に、今回は手を貸しただけ、もう用は済んだから、ヴインダム国からは出て行った……事になってる。
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