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11章
未来過去
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「タルト・トリニア?祖母・・・女性の当主は2人しか居ないはずだがタルトという名だったか・・・?」
ルーファスが訝しげな顔をして自分の手から鍵を出現させると空中に鍵を差し込み、空間を手探りして取り出したのは古い家系図。
巻物状に長い物をバッと広げるとシュルシュルと1代目から家系図を流し読みしていく。
「ふぁー・・・ルーファスの家は家系図しっかりしているんですね」
「何を言っている。アカリも既に家系図の一員として名が連なっている」
ルーファスが指をさす一番最後尾の余白を見ればルーファスの名前の横に朱里の名前があり、リュエールとシュトラールとミルアとナルアの名前も書き記されている。
「もうミルアとナルアの名前も記載されているんですね」
「これは魔法が掛かっていてな、生まれた時に自動で書き込まれる。ふむ・・・タルト・トリニアは15代目のオレの代まで見たが無いな」
ルーファスがリルを見れば、リルは首を振り、紙にペンで急いで書いていく。
『タルトお婆様は18代目当主。16代目リュエール17代目レーネル18代目タルト19代目が私・・・でも声が出ないから、弟のシグルトがなるはず』
リルの書いた紙をルーファスと朱里が見た後でお互いに目を見合わせ、朱里が「あら」と声を出し、ルーファスが朱里とリルを見てうーんと唸る。
匂いが子供達に似ているのもあるが、何より黒狼族で朱里そっくりな姿は疑いようがない・・・が。
「しかし、君がオレ達の子世代の子というのもにわかに信じがたいな」
「リルさんは未来人ってこと?」
ルーファスと朱里にそう言われ、リルも紙に文字を書きなぐる。
『またシグルトのイタズラでしょう?!貴方は冒険稼業に忙しくて会った事が無いカルドア叔父さんで貴女は従妹の留学しているアニアさんでしょう!!大掛かりなイタズラは止めて!』
涙をボロボロ流しながらリルがテーブルをバンッと叩けば、ジュースを飲んでいたミルアとナルアがポカンとした後、火が付いたように泣き始めた。
「んにゃあああああああ!」
「んきゃあああああああ!」
「なっ!お前っ!」
「ほらほら2人共大丈夫よ。泣かないの」
朱里が椅子からミルアとナルアを抱き上げてルーファスに押し付けると、困った顔で「駄目よ」と静かに言う。
「リルさん、私は朱里。アカリ・トリニアというの。15代目ルーファス・トリニアの番でこの子達の母親。16代目のリュエールは息子よ。お部屋に居るから、一緒に来てくれる?」
リルの手を引き子供部屋に連れて行く。
リビングに残されたルーファスがミルアとナルアをあやしながら泣き止ませると、ネルフィームが「日記があったはずだから取ってくる」と窓から竜化して出ていく。
「ルーっち、【風雷商】のアシュっちにこのスマホと携帯を使える様にしてもらえば、未来から来たかどうかわかると思う。直ぐに連絡してほしいし」
「同じ物・・・か?」
「そっ、まったく瓜二つな上、うちのスマホなんだよね。多分、これ未来まで代々受け継がれて、あの子の手に渡ったんじゃないかとうちは思う。そして、何故かリルっちは過去に飛ばされて眠りにつかされ、今ここに居るとしたら・・・どうっしょ?」
「つまり、もしこのケータイとスマホの中の写真が未来でも使われていたら未来の子供達の事がわかるわけだな?」
「ルーっちの頭の回転早いとこ良いと思うし」
ありすがルーファスに充電の切れている携帯とスマートフォンを手渡し、手をヒラヒラとさせる。
直ぐに行けという事らしい。
「アシュレイに連絡を取るのに【刻狼亭】へ行ってくる。ミルアとナルアを少しの間頼む」
「任せて。いってらっしゃい~」
窓から『竜の癒し木』に飛び移りルーファスが飛び降りると風竜スピナと土竜ニクストローブが追いかけ、ルーファスをニクストローブが乗せるとスピナが風で速度を上げて、まさに風の様に飛んでいった。
「にしても、窓を出入口にするのはどーかと思うし、ねっ。ミルたんナルたん」
ぐしゅっとまた泣き出しそうな2人にありすが「ノンノン。泣いたらうち困るし、泣いちゃダメだかんね?」と、2人の前で指をワキワキ動かしながら、気を引こうと必死にすればするほど、2人の目が潤んでいく。
「あーっ、ひゃあああん」
「うーっ、あああん」
「あちゃーっ、ミルたん、ナルたん、マジうち赤ん坊はまだ慣れてないし、泣かないで~」
ありすがミルアとナルアの対応に泣きたくなっている時、朱里がまた聞こえ出した2人の泣き声に「あらあら」と思いつつ、リルにリュエールとシュトラールを紹介していた。
「リルさん、うちの長男のリュエール・トリニアに次男のシュトラール・トリニアよ。2人共ご挨拶は?」
「目が覚めたんだね。リュエールだよ」
「母上と違って金色の目なんだね。シュトラールだよ」
屈託なく笑う2人にリルが朱里を見つめると朱里は「ふふっ、元気な子達でしょ?」と笑う。
「リルさんは口が聞けないから、あなた達が小さい頃に遊んでた『お絵描き板』無いかしら?」
「多分おもちゃ箱にまだあるんじゃないかな?」
「それならオレ直ぐ出せるから待ってて」
シュトラールがリュエールの部屋と続き扉になっている扉を開き自分の部屋に戻ると、直ぐに『お絵描き板』という魔法の板で何度も書いては消せる板とペンを持ってくる。
「はい。リルさんどうぞ。オレはもう使わないからあげるね」
リルがシュトラールに小さく頭を下げて『お絵描き板』にペンで文字を書く。
『ありがとう』
「どういたしまして。リルさんは何かオレの鼻が良い事ありそうな匂いがするって言ってる」
ルーファスが訝しげな顔をして自分の手から鍵を出現させると空中に鍵を差し込み、空間を手探りして取り出したのは古い家系図。
巻物状に長い物をバッと広げるとシュルシュルと1代目から家系図を流し読みしていく。
「ふぁー・・・ルーファスの家は家系図しっかりしているんですね」
「何を言っている。アカリも既に家系図の一員として名が連なっている」
ルーファスが指をさす一番最後尾の余白を見ればルーファスの名前の横に朱里の名前があり、リュエールとシュトラールとミルアとナルアの名前も書き記されている。
「もうミルアとナルアの名前も記載されているんですね」
「これは魔法が掛かっていてな、生まれた時に自動で書き込まれる。ふむ・・・タルト・トリニアは15代目のオレの代まで見たが無いな」
ルーファスがリルを見れば、リルは首を振り、紙にペンで急いで書いていく。
『タルトお婆様は18代目当主。16代目リュエール17代目レーネル18代目タルト19代目が私・・・でも声が出ないから、弟のシグルトがなるはず』
リルの書いた紙をルーファスと朱里が見た後でお互いに目を見合わせ、朱里が「あら」と声を出し、ルーファスが朱里とリルを見てうーんと唸る。
匂いが子供達に似ているのもあるが、何より黒狼族で朱里そっくりな姿は疑いようがない・・・が。
「しかし、君がオレ達の子世代の子というのもにわかに信じがたいな」
「リルさんは未来人ってこと?」
ルーファスと朱里にそう言われ、リルも紙に文字を書きなぐる。
『またシグルトのイタズラでしょう?!貴方は冒険稼業に忙しくて会った事が無いカルドア叔父さんで貴女は従妹の留学しているアニアさんでしょう!!大掛かりなイタズラは止めて!』
涙をボロボロ流しながらリルがテーブルをバンッと叩けば、ジュースを飲んでいたミルアとナルアがポカンとした後、火が付いたように泣き始めた。
「んにゃあああああああ!」
「んきゃあああああああ!」
「なっ!お前っ!」
「ほらほら2人共大丈夫よ。泣かないの」
朱里が椅子からミルアとナルアを抱き上げてルーファスに押し付けると、困った顔で「駄目よ」と静かに言う。
「リルさん、私は朱里。アカリ・トリニアというの。15代目ルーファス・トリニアの番でこの子達の母親。16代目のリュエールは息子よ。お部屋に居るから、一緒に来てくれる?」
リルの手を引き子供部屋に連れて行く。
リビングに残されたルーファスがミルアとナルアをあやしながら泣き止ませると、ネルフィームが「日記があったはずだから取ってくる」と窓から竜化して出ていく。
「ルーっち、【風雷商】のアシュっちにこのスマホと携帯を使える様にしてもらえば、未来から来たかどうかわかると思う。直ぐに連絡してほしいし」
「同じ物・・・か?」
「そっ、まったく瓜二つな上、うちのスマホなんだよね。多分、これ未来まで代々受け継がれて、あの子の手に渡ったんじゃないかとうちは思う。そして、何故かリルっちは過去に飛ばされて眠りにつかされ、今ここに居るとしたら・・・どうっしょ?」
「つまり、もしこのケータイとスマホの中の写真が未来でも使われていたら未来の子供達の事がわかるわけだな?」
「ルーっちの頭の回転早いとこ良いと思うし」
ありすがルーファスに充電の切れている携帯とスマートフォンを手渡し、手をヒラヒラとさせる。
直ぐに行けという事らしい。
「アシュレイに連絡を取るのに【刻狼亭】へ行ってくる。ミルアとナルアを少しの間頼む」
「任せて。いってらっしゃい~」
窓から『竜の癒し木』に飛び移りルーファスが飛び降りると風竜スピナと土竜ニクストローブが追いかけ、ルーファスをニクストローブが乗せるとスピナが風で速度を上げて、まさに風の様に飛んでいった。
「にしても、窓を出入口にするのはどーかと思うし、ねっ。ミルたんナルたん」
ぐしゅっとまた泣き出しそうな2人にありすが「ノンノン。泣いたらうち困るし、泣いちゃダメだかんね?」と、2人の前で指をワキワキ動かしながら、気を引こうと必死にすればするほど、2人の目が潤んでいく。
「あーっ、ひゃあああん」
「うーっ、あああん」
「あちゃーっ、ミルたん、ナルたん、マジうち赤ん坊はまだ慣れてないし、泣かないで~」
ありすがミルアとナルアの対応に泣きたくなっている時、朱里がまた聞こえ出した2人の泣き声に「あらあら」と思いつつ、リルにリュエールとシュトラールを紹介していた。
「リルさん、うちの長男のリュエール・トリニアに次男のシュトラール・トリニアよ。2人共ご挨拶は?」
「目が覚めたんだね。リュエールだよ」
「母上と違って金色の目なんだね。シュトラールだよ」
屈託なく笑う2人にリルが朱里を見つめると朱里は「ふふっ、元気な子達でしょ?」と笑う。
「リルさんは口が聞けないから、あなた達が小さい頃に遊んでた『お絵描き板』無いかしら?」
「多分おもちゃ箱にまだあるんじゃないかな?」
「それならオレ直ぐ出せるから待ってて」
シュトラールがリュエールの部屋と続き扉になっている扉を開き自分の部屋に戻ると、直ぐに『お絵描き板』という魔法の板で何度も書いては消せる板とペンを持ってくる。
「はい。リルさんどうぞ。オレはもう使わないからあげるね」
リルがシュトラールに小さく頭を下げて『お絵描き板』にペンで文字を書く。
『ありがとう』
「どういたしまして。リルさんは何かオレの鼻が良い事ありそうな匂いがするって言ってる」
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