癒しと毒の融合愛◆◆心の逃げ場だけでいいのか?久遠の愛を誓う物語◆◆ 【完結】

まぁ

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part 16-21

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「紗栄子」

龍之介が私の膝をポンポンと叩くので彼を見ると

「さっきの結婚の話、クリスマスが終われば出来る。だが年明けに届けを出そうかと考えている」

と今度は頬を撫でる。

「妊娠をしていない証明があればすぐにでも結婚は出来た。それが今の法律だと弁護士に聞いて頭にあったが、大切な母親が他界した直後の慶事もどうかと思った。今年中は紗栄子が両親と同じ上村でいた方がいいような気がしてな」
「…龍之介のそういうところ…安心して任せておけば何の不安もないところ…感謝します…ありがと…」

私の肩を抱いて腕まで大きく撫でながらチュッ…と頭にキスする龍之介に

「だったら、正月に祝言かい?」
「龍之介、考えがあるのか?紗栄子の両親がおられないからこそ、丁重に迎えたいというのが藤堂だが、2ヶ月ちょっとしかない」

目の前の二人が僅かにお尻を浮かせてから座り直して前のめりだ。

「紗栄子と相談。紗栄子のいいようにする」
「えっ…龍之介…私ノープランだよ?」
「ん?どんな結婚式がいいんだ?」
「どんな…」
「サエコ、しっかりイメージしな。ゴンドラに乗ってドライアイスの海に降りてくるとか、音楽家による生演奏とか、花火を打ち上げるとかいろいろあるだろ?」

姐さんの言うことがどれもイメージ出来ない…

「どうしよ…龍之介はイメージ出来た?」
「いや」
「良かった…私もひとつも出来なかっ…あ…っ…想像力が足りなくてごめんなさい」
「紗栄子、大丈夫だ。姐さんの妄想にはついていけないのが普通」
「妄想なの?スゴイ…えっ…?じゃあ…実際はゴンドラ乗ってない?」
「乗ってない。ここで祝言を挙げたんだよな、親父?」
「そうだ」
「…それはそれでイメージ出来ないけど…私…結婚式はしてないから、パンフレットとかも見たことないし、友達もいないから結婚式にも行ったことがないから…ゼロのところにイメージって難しい」
「写真見るかい?」

姐さんはそう言いながら立ったので、返事する暇はなかったけれど

「お願いします」

と後ろ姿に応えてから

「帰る時間っていいの?」

龍之介に聞いてみる。
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