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part 16-20
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コクン…
私がひとつ頷いた時には姐さんが喋っている。
「今日は帰るんだって?」
ぇ…返事、龍之介じゃないの?コクン、コクン…
「龍之介の部屋にシャワーはあるけど風呂が無いだろ?」
コクン…
「この隣にある風呂をサエコは使えばいいよ」
そうなの?コクン…?龍之介を見ると
「あっちの食堂の方は大きい風呂。こっちには家庭サイズの風呂があって姐さんが使ってる」
なるほど、分かった。
「洗濯乾燥機も一緒にあるからね、ここで使いな。ひらひらスケスケのパンツを若い組員に洗濯させられないだろ?」
「……ひらひらとスケスケ…は……そうですね…」
「なんだい?サエコのはひらひらスケスケしてないのかい?」
「………」
「あみあみが好みでもまあいい。洗濯はここですればいい」
コッ…クン…姐さんの下着事情が分からないけど、とにかくお風呂と洗濯乾燥機を使っていいってことを教えてくれたんだよね。
「…龍之介は着物着ることあるの?」
「正月だけ」
「そっか」
「紗栄子も正月に着ればいい。用意する」
「二人で誂えて来るならもう行かないと正月に間に合わないよ」
スケスケ下着の次は、着物と聞いてすぐに“誂え”とくる姐さんの勢いはスゴイ。でも着物に詳しいであろう姐さんが、龍之介と私で呉服屋さんに行けというのは優しいと感じた。
私がひとつ頷いた時には姐さんが喋っている。
「今日は帰るんだって?」
ぇ…返事、龍之介じゃないの?コクン、コクン…
「龍之介の部屋にシャワーはあるけど風呂が無いだろ?」
コクン…
「この隣にある風呂をサエコは使えばいいよ」
そうなの?コクン…?龍之介を見ると
「あっちの食堂の方は大きい風呂。こっちには家庭サイズの風呂があって姐さんが使ってる」
なるほど、分かった。
「洗濯乾燥機も一緒にあるからね、ここで使いな。ひらひらスケスケのパンツを若い組員に洗濯させられないだろ?」
「……ひらひらとスケスケ…は……そうですね…」
「なんだい?サエコのはひらひらスケスケしてないのかい?」
「………」
「あみあみが好みでもまあいい。洗濯はここですればいい」
コッ…クン…姐さんの下着事情が分からないけど、とにかくお風呂と洗濯乾燥機を使っていいってことを教えてくれたんだよね。
「…龍之介は着物着ることあるの?」
「正月だけ」
「そっか」
「紗栄子も正月に着ればいい。用意する」
「二人で誂えて来るならもう行かないと正月に間に合わないよ」
スケスケ下着の次は、着物と聞いてすぐに“誂え”とくる姐さんの勢いはスゴイ。でも着物に詳しいであろう姐さんが、龍之介と私で呉服屋さんに行けというのは優しいと感じた。
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