彼の愛は不透明◆◆若頭からの愛は深く、底が見えない…沼愛◆◆ 【完結】

まぁ

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成長期と成長痛 12

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「みんな、耳のイヤホンはどうして?」

車を降りて、ふと気になったことを聞いてみる。

「ん、これ着けてみろ」

悠仁が片方のイヤホンを私の耳に着けると

‘ただいま玖未ちゃんがインカムテスト中’

という右京の声が聞こえたあと

‘玖未、喋ってみろ’

姿が見えない津川さんの声がする。

「喋ってみろって…このままでいいの?」
「ん、これ押すからいいぞ」

悠仁が手の中で何か押して頷くので、とりあえず

「…よろしくお願いします?」

組員さんが着けてるのかな?と思いそう言うと

‘お疲れさまです’‘お願いします’‘1階問題ありません’

とか聞こえてきたので慌てて自分の耳から外して悠仁の耳に突っ込んだ。大事な連絡があったら大変だもの。

「玖未さん、上着は要りませんか?」
「大丈夫、ありがと」

ライトグレーの薄手ニットワンピースはすとんと着るシンプルなものだが、袖はキャンディースリーブでちょっと甘い感じが可愛い。自分だったら選ばなかったかもしれないけれど、袖口にゴムが入っているのは腕まくりをしてもずり落ちにくいから可愛いだけでなく便利だと気に入った。

そのワンピースの上から黒いポシェットポーチを斜め掛けにして、黒いショートブーツを履いている。全身黒ではないのが珍しいと舞花に言われるかな。

「手…繋いだまま行くの?」
「抱っこがいいか?」
「…わざと言ってるの?」
「心から聞いてる。玖未のやりたいようにやるだけ」

2階部分の駐車場から店内に入って1階のパンケーキ屋さんを目指すのだが、悠仁と普通に手を繋いでいていいのか…と思う。

「ゆーじんの説明に部屋の説明。結果…最終的に俺と付き合っていると言うなら最初から言った方が話が楽じゃねぇか?」
「そうだね、うん」
「玖未の右手と俺の左手も繋いでみたい」
「何か…特別なことじゃないけど…かんどー」
「玖未が照れた」
「…」
「めちゃくちゃ可愛い」
「…」
「さすが俺の玖未」
「…あ、あそこ…まだ来てないね」
「俺と待つ時間が増えたな」

そう言って待ち合わせの場所まで到着すると、悠仁は自分の右胸に私の背中が当たるように半分後ろから抱き抱えて右腕を私にぐるりと回した。

私はそれを恥ずかしいと思う間もない。なぜなら、通路の向こう側や隣の店の前に立つ人の中に知った顔を見つけてはペコリと頭を下げるのに忙しいから。集団ストーカー時代に見たことがあるから組員さんだろうと思って目が合うとペコリ…ペコリ…悠仁は何をしてる、と聞くこともなかった。
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