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29 魔王と勇者の真実はどっち
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『あちゃあ、気が緩んじゃったわねぇ』
どうやら、勇者の魔法剣(ごり押し)は知っていたらしい。
聞かなかったからと言われればそれまでだが、トールヴァルドの相棒のはずなのに教えてくれなかったのはどうなのか。
「魔人は、すごい巨大魔法をたくさん使うというイメージだったんだが」
トールヴァルドは、思わずピヒラの大剣を見た。
もちろん、ピヒラは魔法もすごい。
しかし、大剣は天才だ。
「うぅ……そっ、そうよ!悪い?!」
「いや、別に悪くはないが。魔人というと、肌が緑だとか目が三つあるとか、黒いローブにデカい魔法の杖とかそういうイメージだったから。俺たちと違わないんだな」
そう言ったトールヴァルドは、ピヒラに手を伸ばした。
触れた黒髪はサラサラのまっすぐで、少しひんやりしている。
頬に触れても柔らかな触り心地は前と同じですべすべしているし、肩や腕に触れても筋肉の付き方はトールヴァルドと同じだ。
腹筋や背筋、骨格も似たようなもの。
ピヒラは女性なので男女差はあるが、それだけだ。
眺めまわして触ってみても、いたって普通の人間だ。
魔人だといっても同じ人間だと納得したトールヴァルドがふと見ると、夕日の名残の薄暗い中でもわかるほど、ピヒラは真っ赤になっていた。
「あ、あの。ヴァルド?その、やぶさかではないけどさすがに」
「そうだよな。勝手に筋肉を触ってすまん。俺の筋肉も触って良いぞ」
「えっ、筋肉」
「骨格も確かめたから骨のある場所もだが、俺の場合は筋肉でわかりづらいからな」
「うぬぅ」
『こんの、天然鈍感セクハラ男が』
女性の心の機微はわかりづらいので仕方がない。
だから、できるだけ誠実に同等にあるよう心掛けているのだ。
「触らないのか?」
トールヴァルドは、触ったなら触られるのが同等だと考えた。
袖をまくり上げて腕を曲げると、自慢の筋肉が盛り上がる。
それを見て、ピヒラは頬を染めたまま口を尖らせた。
「うぅ……さ、触る!」
『そうよ!仕返しに思い切り触ってやりなさい!』
ピヒラの言葉にうなずいたトールヴァルドは、腕を差し出した。
一瞬だけ躊躇したピヒラは、こちらにそっと手を伸ばした。
ひたりと添えられた手は、柔らかくて小さい。
表面から中の筋肉を探るような動きは、少しばかりくすぐったかった。
背中も腹も触ったから、と手を上げれば、ピヒラは黙ってうなずいて触れてきた。
「どうだ?骨格や筋肉の付き方は同じだったろう」
「魔人でそこまで鍛えてる人なんてほぼいないからわからないわ。骨格とかは多分同じ。ていうか、ちゃんと触れてみてわかったけど、ヴァルドの持ってる魔力ってなんか独特ね」
『やっぱり、ピヒラちゃんにはわかるのねぇ』
「そうなのか?俺自身は自分のことだがよくわからないな」
こくり、とうなずいたピヒラは少し考えてから言った。
「魔力が濃いっていうか、強い?あたしもそうだけど、もっと魔力ってざらっとしていて、魔法にするときに多少無駄が出るものなの。でも、ヴァルドの魔力は密度が濃くて艶っとしてる感じ。これなら、魔法を使うときにも魔力の無駄は全然出ないし、ほかの魔法とぶつかってもまず勝つでしょうね」
『わぁ、ピヒラちゃんすごい。まさにそんな感じよぉ』
ゆるり、と腹筋を触るピヒラに、トールヴァルドはうなずいた。
勇者の魔法剣(ごり押し)も言っているが、やはりピヒラは魔法に関する知識と経験が段違いなのだろう。
「あ、だから魔力溜まりも消せるの?多分、この魔力を使った魔法をぶつけたら昇華させて散らせるんじゃないかな。あたしの魔法じゃ魔力溜まりに負けちゃうし、大剣で切っても一度ばらばらになるだけでまた集まっちゃう。そっかぁ。この魔力をこれだけの量で保有しているから勇者なのね。じゃあ『勇者の剣』も、その魔力基準で勇者を選別してるのかも」
『やだぁ、そこまでつまびらかにしちゃう?』
トールヴァルドは、思わず枕元に置いた勇者の魔法剣(ごり押し)を見た。
これだけ魔法に詳しいピヒラなら、この勇者の魔法剣(ごり押し)のおしゃべりをどうにかできるのではないだろうか。
「魔力溜まりはまだ見たことはないが、多分そういう感じなんじゃないか?溜まっているのを蹴散らして、空中に溶かして濃度を薄くして、ついでに吹き飛ばしてやればいいんだろう」
『そうね、大体そういう感じよ。普通の魔力溜まりならね。でも、一部しつこいやつがあるのよぉ。そういうのは、魔王と協力して小分けにしながら消していかないと難しいわ。まったく、毎回勇者と魔王はそれぞれ役割分担して協力してるっていうのに、なんで人界では魔王は悪者になってるのかしら』
うんうんうなずいているピヒラは、そっと手を離した。
「なぁピヒラ、人界に来ていたなら、勇者と魔王の話は聞いただろ?」
「うん。いろいろあったけど、勇者が『諸悪の根源の魔王』を倒すっていうのはびっくりしたわ。魔王は魔物を生み出すとかそういう存在じゃないのに」
肩をすくめて、ピヒラは自分のコットに腰かけた。
「だろうな。そっちでは、どういう話が伝わっているんだ?」
「そうねぇ、魔王と勇者が協力するお話ってこっちにもあるでしょ?ああいう感じ。魔界では、魔王が魔界の救世主だっていうのが常識ね。勇者が特別な魔法の杖を抜いて魔界にやってきて、しつこい魔力溜まりとその周辺の魔物に苦戦している魔王を助けて、二人で協力して消していったら世界中の魔力のバランスが均されて魔物の大発生もなくなりました、とかそういうの。魔王と勇者が親友になったり、家族になったり、魔の森でひっそりくらすようになったり、話の流れとか結末は色々。でもまぁ、主役は魔王で勇者はヘルプ要員みたいな感じ」
『どっちかっていうと、魔界の方が史実に近い話が伝わってるわねぇ。人界は魔物が少なくて暇だから、勇者と魔王の話がエンタメ化しちゃったんでしょうね』
「そうだったのか。じゃあ、俺は魔界に向かって魔王を探さないといけないんだな」
「そ、そうね。じゃあ今日は、そろそろ休みましょう。明日は魔の森だし。魔の森は、魔界とは違う理由で魔物が多いから」
ピヒラは、手入れを終えた大剣をアイテムボックスに入れた。
「魔界とは違う理由?」
寝袋を開けながら、トールヴァルドは聞いた。
人界に来ているのだから、ピヒラは魔の森を知っている。
気になって聞いてみれば、彼女はうなずいた。
「うん。魔界は、魔力が濃くて魔物が多いの。でも、魔の森はちょっと違うわ。魔界と人界の境界線だから魔力はそこまで濃くないけど、魔力が常にずるずる動いているのよ。だから魔力を感知しやすい魔人はそこにいるのが辛い。人界の人にとっては魔力が濃すぎて近くに寄れないみたいね。魔物自体も性質が少し違って、人を殺すんじゃなくてとにかく魔の森から追い出そうとするのよ。このあたりなら急げば半日くらいで横断できるから、ひたすら走ることになるかも」
『そうね、あそこはそういう場所だわ』
「不思議な場所なんだな。攻撃はしてこないのか?」
もそもそと寝袋に入りながら、ピヒラはうなずいた。
もうほぼ完全に日が暮れて、シルエットくらいしか見えない。
今日は月も遅いので、朝までお互いの顔は見えないだろう。
「攻撃はしてくるんだけど、殺そうとするんじゃなくて追い出そうとするの。どうも、魔の森に人が入ってほしくないみたい。その理由まではわからないわ。滞在が難しいから」
「そうなのか。……それなら、荷物は全部アイテムボックスに入れて、全力で走るのがいいかもしれないな」
『そういえば、どの勇者もあそこは走り抜けてたわ。別に戦ってもいいんだけど、時間がかかるのよね』
「うん。がんばる。じゃあ、おやすみ」
『あっ、アタシは腰にぶら下げといてよ!アイテムボックスの中ってなんか不安になるのよ。多分閉所恐怖症ってやつね。アタシは軽いんだから平気でしょ?ね?』
「おやすみ」
トールヴァルドは、勇者の魔法剣(ごり押し)には適当にうなずいた。
「ヴァルド」
「なんだ?」
「……ありがとう」
そのお礼の意味が何となく分かったトールヴァルドは、真っ暗で見えないがピヒラの方に顔を向けた。
「俺こそ、普通に接してくれてありがとう」
なんとなく、ピヒラが微笑んだ気配がした。
魔の森を抜ければ、いよいよ魔界だ。
どうやら、勇者の魔法剣(ごり押し)は知っていたらしい。
聞かなかったからと言われればそれまでだが、トールヴァルドの相棒のはずなのに教えてくれなかったのはどうなのか。
「魔人は、すごい巨大魔法をたくさん使うというイメージだったんだが」
トールヴァルドは、思わずピヒラの大剣を見た。
もちろん、ピヒラは魔法もすごい。
しかし、大剣は天才だ。
「うぅ……そっ、そうよ!悪い?!」
「いや、別に悪くはないが。魔人というと、肌が緑だとか目が三つあるとか、黒いローブにデカい魔法の杖とかそういうイメージだったから。俺たちと違わないんだな」
そう言ったトールヴァルドは、ピヒラに手を伸ばした。
触れた黒髪はサラサラのまっすぐで、少しひんやりしている。
頬に触れても柔らかな触り心地は前と同じですべすべしているし、肩や腕に触れても筋肉の付き方はトールヴァルドと同じだ。
腹筋や背筋、骨格も似たようなもの。
ピヒラは女性なので男女差はあるが、それだけだ。
眺めまわして触ってみても、いたって普通の人間だ。
魔人だといっても同じ人間だと納得したトールヴァルドがふと見ると、夕日の名残の薄暗い中でもわかるほど、ピヒラは真っ赤になっていた。
「あ、あの。ヴァルド?その、やぶさかではないけどさすがに」
「そうだよな。勝手に筋肉を触ってすまん。俺の筋肉も触って良いぞ」
「えっ、筋肉」
「骨格も確かめたから骨のある場所もだが、俺の場合は筋肉でわかりづらいからな」
「うぬぅ」
『こんの、天然鈍感セクハラ男が』
女性の心の機微はわかりづらいので仕方がない。
だから、できるだけ誠実に同等にあるよう心掛けているのだ。
「触らないのか?」
トールヴァルドは、触ったなら触られるのが同等だと考えた。
袖をまくり上げて腕を曲げると、自慢の筋肉が盛り上がる。
それを見て、ピヒラは頬を染めたまま口を尖らせた。
「うぅ……さ、触る!」
『そうよ!仕返しに思い切り触ってやりなさい!』
ピヒラの言葉にうなずいたトールヴァルドは、腕を差し出した。
一瞬だけ躊躇したピヒラは、こちらにそっと手を伸ばした。
ひたりと添えられた手は、柔らかくて小さい。
表面から中の筋肉を探るような動きは、少しばかりくすぐったかった。
背中も腹も触ったから、と手を上げれば、ピヒラは黙ってうなずいて触れてきた。
「どうだ?骨格や筋肉の付き方は同じだったろう」
「魔人でそこまで鍛えてる人なんてほぼいないからわからないわ。骨格とかは多分同じ。ていうか、ちゃんと触れてみてわかったけど、ヴァルドの持ってる魔力ってなんか独特ね」
『やっぱり、ピヒラちゃんにはわかるのねぇ』
「そうなのか?俺自身は自分のことだがよくわからないな」
こくり、とうなずいたピヒラは少し考えてから言った。
「魔力が濃いっていうか、強い?あたしもそうだけど、もっと魔力ってざらっとしていて、魔法にするときに多少無駄が出るものなの。でも、ヴァルドの魔力は密度が濃くて艶っとしてる感じ。これなら、魔法を使うときにも魔力の無駄は全然出ないし、ほかの魔法とぶつかってもまず勝つでしょうね」
『わぁ、ピヒラちゃんすごい。まさにそんな感じよぉ』
ゆるり、と腹筋を触るピヒラに、トールヴァルドはうなずいた。
勇者の魔法剣(ごり押し)も言っているが、やはりピヒラは魔法に関する知識と経験が段違いなのだろう。
「あ、だから魔力溜まりも消せるの?多分、この魔力を使った魔法をぶつけたら昇華させて散らせるんじゃないかな。あたしの魔法じゃ魔力溜まりに負けちゃうし、大剣で切っても一度ばらばらになるだけでまた集まっちゃう。そっかぁ。この魔力をこれだけの量で保有しているから勇者なのね。じゃあ『勇者の剣』も、その魔力基準で勇者を選別してるのかも」
『やだぁ、そこまでつまびらかにしちゃう?』
トールヴァルドは、思わず枕元に置いた勇者の魔法剣(ごり押し)を見た。
これだけ魔法に詳しいピヒラなら、この勇者の魔法剣(ごり押し)のおしゃべりをどうにかできるのではないだろうか。
「魔力溜まりはまだ見たことはないが、多分そういう感じなんじゃないか?溜まっているのを蹴散らして、空中に溶かして濃度を薄くして、ついでに吹き飛ばしてやればいいんだろう」
『そうね、大体そういう感じよ。普通の魔力溜まりならね。でも、一部しつこいやつがあるのよぉ。そういうのは、魔王と協力して小分けにしながら消していかないと難しいわ。まったく、毎回勇者と魔王はそれぞれ役割分担して協力してるっていうのに、なんで人界では魔王は悪者になってるのかしら』
うんうんうなずいているピヒラは、そっと手を離した。
「なぁピヒラ、人界に来ていたなら、勇者と魔王の話は聞いただろ?」
「うん。いろいろあったけど、勇者が『諸悪の根源の魔王』を倒すっていうのはびっくりしたわ。魔王は魔物を生み出すとかそういう存在じゃないのに」
肩をすくめて、ピヒラは自分のコットに腰かけた。
「だろうな。そっちでは、どういう話が伝わっているんだ?」
「そうねぇ、魔王と勇者が協力するお話ってこっちにもあるでしょ?ああいう感じ。魔界では、魔王が魔界の救世主だっていうのが常識ね。勇者が特別な魔法の杖を抜いて魔界にやってきて、しつこい魔力溜まりとその周辺の魔物に苦戦している魔王を助けて、二人で協力して消していったら世界中の魔力のバランスが均されて魔物の大発生もなくなりました、とかそういうの。魔王と勇者が親友になったり、家族になったり、魔の森でひっそりくらすようになったり、話の流れとか結末は色々。でもまぁ、主役は魔王で勇者はヘルプ要員みたいな感じ」
『どっちかっていうと、魔界の方が史実に近い話が伝わってるわねぇ。人界は魔物が少なくて暇だから、勇者と魔王の話がエンタメ化しちゃったんでしょうね』
「そうだったのか。じゃあ、俺は魔界に向かって魔王を探さないといけないんだな」
「そ、そうね。じゃあ今日は、そろそろ休みましょう。明日は魔の森だし。魔の森は、魔界とは違う理由で魔物が多いから」
ピヒラは、手入れを終えた大剣をアイテムボックスに入れた。
「魔界とは違う理由?」
寝袋を開けながら、トールヴァルドは聞いた。
人界に来ているのだから、ピヒラは魔の森を知っている。
気になって聞いてみれば、彼女はうなずいた。
「うん。魔界は、魔力が濃くて魔物が多いの。でも、魔の森はちょっと違うわ。魔界と人界の境界線だから魔力はそこまで濃くないけど、魔力が常にずるずる動いているのよ。だから魔力を感知しやすい魔人はそこにいるのが辛い。人界の人にとっては魔力が濃すぎて近くに寄れないみたいね。魔物自体も性質が少し違って、人を殺すんじゃなくてとにかく魔の森から追い出そうとするのよ。このあたりなら急げば半日くらいで横断できるから、ひたすら走ることになるかも」
『そうね、あそこはそういう場所だわ』
「不思議な場所なんだな。攻撃はしてこないのか?」
もそもそと寝袋に入りながら、ピヒラはうなずいた。
もうほぼ完全に日が暮れて、シルエットくらいしか見えない。
今日は月も遅いので、朝までお互いの顔は見えないだろう。
「攻撃はしてくるんだけど、殺そうとするんじゃなくて追い出そうとするの。どうも、魔の森に人が入ってほしくないみたい。その理由まではわからないわ。滞在が難しいから」
「そうなのか。……それなら、荷物は全部アイテムボックスに入れて、全力で走るのがいいかもしれないな」
『そういえば、どの勇者もあそこは走り抜けてたわ。別に戦ってもいいんだけど、時間がかかるのよね』
「うん。がんばる。じゃあ、おやすみ」
『あっ、アタシは腰にぶら下げといてよ!アイテムボックスの中ってなんか不安になるのよ。多分閉所恐怖症ってやつね。アタシは軽いんだから平気でしょ?ね?』
「おやすみ」
トールヴァルドは、勇者の魔法剣(ごり押し)には適当にうなずいた。
「ヴァルド」
「なんだ?」
「……ありがとう」
そのお礼の意味が何となく分かったトールヴァルドは、真っ暗で見えないがピヒラの方に顔を向けた。
「俺こそ、普通に接してくれてありがとう」
なんとなく、ピヒラが微笑んだ気配がした。
魔の森を抜ければ、いよいよ魔界だ。
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