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21話 そうかそれでこそ仲間だ

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「おーい息のあるやつはいるかー?いるなら返事をしてくれー!!」

ロイヤーは街を歩き住人に生きている人がいないかを探していた

「おーーーーい!!だれかいないかぁー?」

「うんぁーーーーん!たずけてーーー」

「いるのか?どこだー?場所を教えてくれー!」


ロイヤーは辺りを探すと小さな子供が泣きながらうずくまっていた。


「よーしもう大丈夫だ!」

「私も助けてくださいー!」

「どこにいるー?いま行く!」

すると体がいきなり動かなくなった。

「隊長♪ここだよん?」

「どういうつもりだ…マリーツィア」

「どうもこうも、知らないほうがいいよ…隊長は」

「くっ。罠魔法か、しかもこれ…解けない、上級魔法じゃないか。一体お前は何者何だ?」

「女のコってのは最後まで胸の内はあかさないの…隊長も分かってないなぁー」

「ふっ…マリーツィアつまりお前は敵だと認識していいんだな?でないと戦うことも出来ん。」

「お好きにどーぞ!まぁわたし的には隊長のこと嫌いじゃないからあまり殺したくはないんだけど…グロルを殺られたらそりゃ数合わせとかなきゃ…でしょ?」

「いまのが答えだな、覚悟しとけマリーツィア!!【抜刀術 神速しんそく 】」

マリーツィアの罠魔法を無理やり突破し、一瞬でマリーツィアのめの前までつめよる

「はやっ!やっぱロイヤー隊長もつよいんだね♪でも…やばいかも…あっ」

マリーツィアは受け流そうとしたがロイヤーの力に負け、その刃は首に届いた。

スパーン………


「なぜ裏切った…マリーツィア」

地面にはマリーツィアの首が転がる。

「まさかお前の首を持って帰ることになるとはな、アルディートになんと説明したらいいか。」

ロイヤーはマリーツィアの首を抱え少し涙がでそうなのをこらえ他の隊員と合流することにした。


その頃街の外では

「伝令ー!伝令ー!団長、プローディギウム3番隊の隊長グロル、2番隊のヴィルトゥオース・コルテーゼが討ち取りました!」

!!!!

「本当か?それでは総員ここに集めよ!」

「はいっ…!」


総員の招集はアルディートやコルテーゼ、セラピアもちろんマリーツィアの耳へも入った。


「団長!コルのやろうがやったのか?」

「あぁ、アルディートか!お前の兄貴が大手柄だぞ!!お前も負けてられねぇーな?」

「俺がでるまでも無かったって事だろ!ってかマリーツィアは?」

「いや招集はかけたのだが奥の方までいってんじゃないのか??」

「団長ー!!やったよー!コルが相手の隊長倒したー!」

「只今、戻りました団長。それとおひとつ報告があります。」

「セラピアか、ご苦労!そしてコルテーゼ…よくやった大手柄だな!ロイヤーはどうした?そして報告とは?」

「はい、隊長は街にまだ生きている人がいるかもしれないとの事で見回りをして帰ると…、そして報告なのですが。魔王が復活してること、プローディギウム王国は魔王に乗っ取られている可能性が高いとのことです。」

「魔王だと??」

「はい信じて貰えるかわかりませんが…」

コルテーゼはハーメルンが女神から聞いたということをリーベに伝えた。

「うむ…それはもう少し深く調査したほうがいいな。一応報告として聞いておこう。それよりマリーツィアは遅いな?」


「すみません隊長ー♪少し奥まで行き過ぎていましたー!!」

「遅いぞマリーツィア…まぁ任務は完了だあとはロイヤーとの合流次第、王都へ帰還する!」

なんと帰ってきたのはロイヤーではなくマリーツィアだったのだ。

それは数分まえの事

首を抱えて帰るロイヤーにマリーツィアの首が話しかけた。

「隊長ー♪こんな裏切りものの私でも悲しんでくれるんだ…」

???

「なぜ…喋れる、マリーツィア?」

「なぜって隊長が見てる光景は幻覚だからよ?」

「いつからだ?」

「んー子供が助けを呼んだ位かな??私…グロルが、まけるなぁーって思った時からずーとずーと魔力を練り上げてこの街に精神罠魔法いっぱいしかけてたの。隊長たちグロルと街のことでいっぱいいっぱいだから気がつくわけないよね?♪」

「そうだったな…お前らしい戦いだ。仲間なら褒めたかったが、これは一本とられたな。」

「ごめんね隊長♪」

ザシュ……ブシャーーー

「早く皆のとこに帰らなきゃね。あっ隊長首は自分で持って帰ってね?」

……

時間が過ぎてもロイヤーが帰ってくる気配はない。

「嫌な予感がするな…」

「団長もですか?」

「あぁ、おいアルディートついてこい」


リーベはアルディートを連れて街へと入った

そこには…

自分の首を抱えて座り込むロイヤーの姿があった。

!!!!!

「どういうことだ…?ロイヤー」

リーベは立ち尽くす

「ヴェーー。ゴホゴホッ」

アルディートはまさかの光景に嘔吐おうとした

「だれだ…ロイヤーをやったのは誰だーーーーーー!!!」

リーベは怒りからか魔力が暴走し体から白い毛が生えてきそうになっている。

それをみてアルディートは泣きながらも

「団長、落ち着いて下さい。ここは1度王都へかえり状況を整理しなくちゃ何もわかりません。」

「グルルルルル、はぁはぁっ、、そうだな…絶対に許さんぞプローディギウム」

そこからロイヤーの遺体を回収し、皆の所へ戻るがロイヤーの遺体をみた、コルとセラピアたちは先程まで生きていたロイヤーの姿をみて、

「ロイヤー隊長…?ロイヤー隊長?えっさっきまで生きていたのに。だれが?うわぁーーーーーーん」

その場に崩れるセラピア

無言で言葉は出ないが涙が止まらコルテーゼ

今すぐプローディギウムを攻めようという2番隊の隊員もいたがリーベの命令で総員王都へ帰還することとなった。

そして王都へと帰ったリーベがまずした事は。

2番隊隊長のロイヤーと5番隊の隊長のダグネスの国を上げての葬儀だ。

長く王国騎士団として国を守った二人を国をあげて弔おうと動いたのだ

その動きに反対するものは少なく、2日後には王都で2人の葬儀が執り行われた。それにはリーベのこれからの計画にも大きく左右するあることを見越しての事である。

そして葬儀にはロイヤーの母親も参列していた。

「おばさん…この度はご愁傷様です」

「あぁ、コルくん…ついこの前までは皆で楽しくご飯たべていたのにね…」

「おばさん…ごめんなさい。僕たち近くにいたのに…」

「貴方たちのせいなんてこれっぽっちも思ってないわよ。大丈夫よ!」

そして2人の葬儀が始まり国王からの追悼の言葉がはじまる。

「2番隊アスク・ロイヤーはこの国にとって偉大な騎士であり、多大なる功績を残しこの国のためにその命をなげうって守ってくれた。他に変わりようのない人物だ……よって爵位を3階級繰り上げと、遺族には金一千万ゼニーを…」

「いりません…」

!!!

「おばさんが震えている」

「息子の死でお金を貰おうなどおもいません。爵位なども息子なき今その爵位を持つ本人もいないのに…いりません。」

「国王の言葉を遮るなど無礼な!!」

警備兵がおばさんに槍をつきつける


「無礼者!槍を降ろさぬか!」

リーベがすごい剣幕でおばさんの前に立つ。

「おばさん…息子を失いそうそうこのような形式的なことに付き合わされ、思う事もたくさんあるでしょう。心中をお察しします。さぁこちらへ…」

リーベはおばさんを人気のない一番隊宿舎へと移すように部下に伝える

「国王さま、民衆は爵位や金では買えませぬ…どうかいまここで、プローディギウムとの戦争宣言を!!!それこそが亡き友の弔いには1番ふさわしいのではないでしょうか??」

リーベが国王に問う

「じゃが…いま戦争をするとなれば確実にこちらが勝つとは限らんじゃろ?」

「保身ですか?騎士団の団長が死ねば架空の爵位と少しの金で誤魔化して他の国から責められようとしてるのに八方美人を決め込むと…」

「国王にむかい無礼だぞ!いくら団長といえども許される事ではない!!」

警備兵がリーベに言う!!

「じゃあこの国が滅びるのを指をくわえてまっておけ!負け犬が!!!それなら私達騎士団は独立し、まずはこの国に戦争を仕掛けるぞ!!どうしますか?国王…」

「いけるのか?リーベ王国騎士団長…」

「わかりませぬ。いけないなら皆死ぬだけ…亡き友の所にいけます。」

「わっはははは!いさぎよいの…乗ったぞリーベ!プローディギウムと戦争じゃ!!!!」


コルテーゼはこれをみておもう。
そうかこれでこそ仲間だ!








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