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【8話】葛藤と誘惑:ベランダの告白
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今日は一日中、その思いが有希乃の頭から離れなかった。
何度も、寝室のクローゼットへ向かう。扉を開け、一番下の引き出しを
そっと開ける。そこには、あの日以来、有希乃の心を惑わせ続けている
セクシーな下着が、ひっそりと眠っている。
(私、一体何をしようとしているんだろう?)
有希乃は、自問した。まさか、この歳になって、こんなにも刺激的なことを考え、
実際に手に取ろうとしているとは。
そこに広げられたのは、深いワインレッドのレースがあしらわれた
ブラジャーとショーツのセット。柔らかなレースが肌を透かし、
繊細な刺繍が施されている。そして、漆黒のサテン生地に、細いストラップが
幾重にも交差するデザインのランジェリー。
胸元が大きく開いたそのランジェリーは、身につければ間違いなく、
外から見てはっきりと胸のラインが強調されるだろう。
そして、最も奥に隠された、まるで肌に溶け込むかのようなヌードカラーの
シースルーのショーツ。股の部分には、小さなリボンの飾りが
ついているだけの、究極のシンプルさがかえって大胆さを際立たせている。
こんな下着を、今の自分が身につけているなんて、誰も想像できないだろう。
先日のコンビニの店員の、あの胸元に向けられた視線が脳裏をよぎる。
もし、あの時、こんな下着を身につけていたら、彼はどんな反応を
しただろう?その想像が、有希乃の胸を締め付けた。
手に取っては戻し、手に取っては戻す。有希乃の理性と欲望が、
クローゼットの中で激しくせめぎ合っていた。
午後になり、有希乃は二階にある夫の部屋を掃除していた。
無機質な夫の部屋の窓から、ふとベランダが目に入る。
物干し竿が、虚しく風に揺れている。その光景を目にした瞬間、
有希乃の脳内に、雷が落ちたかのような閃きが走った。
「もし……庭より目立つベランダに干したら……?」
その考えは、有希乃自身を驚かせた。庭に干すだけでも、
あれほど葛藤したのに。ベランダなど、家の外から見上げれば、
一目瞭然ではないか。
(近くを歩く人には、どんな風に見えるんだろう?
まさか、私があんな下着を干しているなんて、誰も思わないだろうに……。)
有希乃は、スキニージーンズの件で遭遇した近所の男性の視線を
思い浮かべ、全身が粟立つような羞恥心を覚えた。
あの時感じた、見られていることへの嫌悪感と、それに混じる
得体の知れない高揚感。それは、まさしく今の有希乃の心を
支配している感覚だった。
(信二さんは、庭に干すのと、ベランダに干すのと……
どちらが、より興奮してくれるだろう?)
そんな思いが、自然と脳裏に浮かんだ。信二の言葉が、
まるで呪文のように有希乃を支配している。
(バカなこと考えてる……!なんて、はしたない……!)
自分自身を、有希乃は激しく責めた。
しかし、その自責の念は、まるで火に油を注ぐかのように、
彼女の欲望をさらに燃え上がらせる。
そして、あのスキニージーンズの時と同じ、羞恥心と高揚感が
入り混じった感覚が、有希乃の背中を強く押した。
そして、ふと、信二が自分に
「恥ずかしいことを考えているんですね?」
と、あのわざとらしい驚きを含んだ声で、優しく、しかし確信を持って
責めてくる姿を想像した。その想像が、有希乃の全身に、
今まで経験したことのないほどの、激しい欲情をもたらした。
肌が粟立ち、指先がジンジンと痺れる。もう、理性では止められない。
長い時間、葛藤した。しかし、彼女の身体は、すでに欲望に
支配されていた。有希乃はクローゼットから、深いワインレッドの
レースがあしらわれたブラジャーとショーツのセットと、
漆黒のサテン生地に細いストラップが幾重にも交差するデザインの
ランジェリーを手に取った。迷いは消えていた。
ベランダへ向かう。手には、まだ濡れた洗濯物と、そしてその中に
隠すようにセクシーな下着。外からは見えないよう、
目隠しのある低い位置に、有希乃はゆっくりと手を伸ばした。
(ばれないように、ばれないように……)
そう心の中で唱えながらも、彼女の手は小刻みに震えていた。
セクシーな下着が物干し竿にかかる。柔らかなレースが風に揺れ、
漆黒のサテンが光を反射する。その一つ一つの動きが、
まるでスローモーションのように感じられた。
有希乃は、その下着から目を離せない。自分の指先が、まるで電流が
走ったかのようにジンジンと痺れる。
周囲に人がいないか、何度も確認する。
その緊張感と、そして誰にも言えない行為をしているという背徳感が、
異常な高揚感となって有希乃の全身を駆け巡った。
(なんて、はしたない……。こんなことをして……)
心の中で自分を責める。しかし、別の声が、有希乃の脳内で囁いた。
(でも……もっと、だめじゃない。
もっと、外からも見えるように、高い位置に干せば……)
その声は、有希乃自身のものだった。
そして、その背徳的な囁きに、有希乃の心臓は、
ドクンドクンと激しく脈打った。
日の傾き始めた午後、有希乃の家を外から見上げると、
二階のベランダに、ひときわ目を引くものが、はっきりと干してあった。
普段、通り過ぎるだけなら気づかないかもしれない。
しかし、ふと視線を上げた時、それは確実に目に焼き付くだろう。
深いワインレッドのレースがあしらわれたブラジャーとショーツのセット。
柔らかなレースが夕日に透け、その奥に隠された肌の気配を、想像させる。
そして、漆黒のサテン生地に、細いストラップが幾重にも交差するデザインの
ランジェリー。胸元が大きく開いたそのシルエットは、風に揺れるたびに、
見る者の視線を釘付けにしたかもしれない。
もし、その下着を見た者が、普段の有希乃の姿を知る者であれば、
そのギャップに、無意識のうちに、そこに有希乃自身の姿を重ねて
見てしまったかもしれない。
それらは、まるで有希乃自身の秘めた欲望が、そのまま形となって
空中に晒されているかのようだった。
何度も、寝室のクローゼットへ向かう。扉を開け、一番下の引き出しを
そっと開ける。そこには、あの日以来、有希乃の心を惑わせ続けている
セクシーな下着が、ひっそりと眠っている。
(私、一体何をしようとしているんだろう?)
有希乃は、自問した。まさか、この歳になって、こんなにも刺激的なことを考え、
実際に手に取ろうとしているとは。
そこに広げられたのは、深いワインレッドのレースがあしらわれた
ブラジャーとショーツのセット。柔らかなレースが肌を透かし、
繊細な刺繍が施されている。そして、漆黒のサテン生地に、細いストラップが
幾重にも交差するデザインのランジェリー。
胸元が大きく開いたそのランジェリーは、身につければ間違いなく、
外から見てはっきりと胸のラインが強調されるだろう。
そして、最も奥に隠された、まるで肌に溶け込むかのようなヌードカラーの
シースルーのショーツ。股の部分には、小さなリボンの飾りが
ついているだけの、究極のシンプルさがかえって大胆さを際立たせている。
こんな下着を、今の自分が身につけているなんて、誰も想像できないだろう。
先日のコンビニの店員の、あの胸元に向けられた視線が脳裏をよぎる。
もし、あの時、こんな下着を身につけていたら、彼はどんな反応を
しただろう?その想像が、有希乃の胸を締め付けた。
手に取っては戻し、手に取っては戻す。有希乃の理性と欲望が、
クローゼットの中で激しくせめぎ合っていた。
午後になり、有希乃は二階にある夫の部屋を掃除していた。
無機質な夫の部屋の窓から、ふとベランダが目に入る。
物干し竿が、虚しく風に揺れている。その光景を目にした瞬間、
有希乃の脳内に、雷が落ちたかのような閃きが走った。
「もし……庭より目立つベランダに干したら……?」
その考えは、有希乃自身を驚かせた。庭に干すだけでも、
あれほど葛藤したのに。ベランダなど、家の外から見上げれば、
一目瞭然ではないか。
(近くを歩く人には、どんな風に見えるんだろう?
まさか、私があんな下着を干しているなんて、誰も思わないだろうに……。)
有希乃は、スキニージーンズの件で遭遇した近所の男性の視線を
思い浮かべ、全身が粟立つような羞恥心を覚えた。
あの時感じた、見られていることへの嫌悪感と、それに混じる
得体の知れない高揚感。それは、まさしく今の有希乃の心を
支配している感覚だった。
(信二さんは、庭に干すのと、ベランダに干すのと……
どちらが、より興奮してくれるだろう?)
そんな思いが、自然と脳裏に浮かんだ。信二の言葉が、
まるで呪文のように有希乃を支配している。
(バカなこと考えてる……!なんて、はしたない……!)
自分自身を、有希乃は激しく責めた。
しかし、その自責の念は、まるで火に油を注ぐかのように、
彼女の欲望をさらに燃え上がらせる。
そして、あのスキニージーンズの時と同じ、羞恥心と高揚感が
入り混じった感覚が、有希乃の背中を強く押した。
そして、ふと、信二が自分に
「恥ずかしいことを考えているんですね?」
と、あのわざとらしい驚きを含んだ声で、優しく、しかし確信を持って
責めてくる姿を想像した。その想像が、有希乃の全身に、
今まで経験したことのないほどの、激しい欲情をもたらした。
肌が粟立ち、指先がジンジンと痺れる。もう、理性では止められない。
長い時間、葛藤した。しかし、彼女の身体は、すでに欲望に
支配されていた。有希乃はクローゼットから、深いワインレッドの
レースがあしらわれたブラジャーとショーツのセットと、
漆黒のサテン生地に細いストラップが幾重にも交差するデザインの
ランジェリーを手に取った。迷いは消えていた。
ベランダへ向かう。手には、まだ濡れた洗濯物と、そしてその中に
隠すようにセクシーな下着。外からは見えないよう、
目隠しのある低い位置に、有希乃はゆっくりと手を伸ばした。
(ばれないように、ばれないように……)
そう心の中で唱えながらも、彼女の手は小刻みに震えていた。
セクシーな下着が物干し竿にかかる。柔らかなレースが風に揺れ、
漆黒のサテンが光を反射する。その一つ一つの動きが、
まるでスローモーションのように感じられた。
有希乃は、その下着から目を離せない。自分の指先が、まるで電流が
走ったかのようにジンジンと痺れる。
周囲に人がいないか、何度も確認する。
その緊張感と、そして誰にも言えない行為をしているという背徳感が、
異常な高揚感となって有希乃の全身を駆け巡った。
(なんて、はしたない……。こんなことをして……)
心の中で自分を責める。しかし、別の声が、有希乃の脳内で囁いた。
(でも……もっと、だめじゃない。
もっと、外からも見えるように、高い位置に干せば……)
その声は、有希乃自身のものだった。
そして、その背徳的な囁きに、有希乃の心臓は、
ドクンドクンと激しく脈打った。
日の傾き始めた午後、有希乃の家を外から見上げると、
二階のベランダに、ひときわ目を引くものが、はっきりと干してあった。
普段、通り過ぎるだけなら気づかないかもしれない。
しかし、ふと視線を上げた時、それは確実に目に焼き付くだろう。
深いワインレッドのレースがあしらわれたブラジャーとショーツのセット。
柔らかなレースが夕日に透け、その奥に隠された肌の気配を、想像させる。
そして、漆黒のサテン生地に、細いストラップが幾重にも交差するデザインの
ランジェリー。胸元が大きく開いたそのシルエットは、風に揺れるたびに、
見る者の視線を釘付けにしたかもしれない。
もし、その下着を見た者が、普段の有希乃の姿を知る者であれば、
そのギャップに、無意識のうちに、そこに有希乃自身の姿を重ねて
見てしまったかもしれない。
それらは、まるで有希乃自身の秘めた欲望が、そのまま形となって
空中に晒されているかのようだった。
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