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18(ユリウス視点5)
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「フェリシア、いるかい?」
早速城に帰った俺は彼女に与えられている客室をノックし、声を掛ける。しかし返事がない。もしかしたら出掛けているのかもしれない。
「彼女が行きそうな場所……調理場か鍛練場かな」
帰ってきてからもたまに甘味好きなダリアやイリスに作ったついでだと言ってお菓子を持ってくるフェリシアを思い出す。聞くと、城の調理場を借りて作ったようで、新しいレシピも色々と教わったのだと自慢気に話していた。
ついでと言いながらも、いつもそのお菓子は綺麗に包装されていて……貰う度に嬉しさで頬が緩むのを抑えるのが大変だった。
***
調理場に着くと丁度夕食の準備が始まっているようで、辺りには良い匂いが充満していた。早くフェリシアに会いたいのもあって、一番近くにいた男性コックに声を掛ける。
「えっと、フェリシアはいるかな?」
「っユ、ユリウス様!!?」
丁度夕食で出すのであろう野菜を切っていたコックが動揺からか包丁を取り落とす。それはまな板の上に突き刺さったが、彼に気にするほどの余裕はなかった。
「えっと、君……その、大丈夫かい?」
「だ、大丈夫です!ユリウス様こそどうかされたのですか!?」
冷静に考えてみれば、俺は調理場に来た事などない。いきなり予想外の人間が急に声を掛けてきたりしたら、驚くに決まっている。彼には申し訳ないことをした。
「フェリシアはここに来ているかな?」
「フェリシア様……ですか。今日はいらしゃっていませんね。ユリウス様はフェリシア様をお探しで?」
「ああ。彼女に用があってね」
「きっと、フェリシア様お喜びになられますよ」
「どういうことだ?」
何故俺が探していて、何故彼女が喜ぶのか……。単純にコックの言っていることが分からずに問いかける。フェリシアの話題を出すと、彼の緊張も少しづつ和らいできたようで、彼女の事を尋ねると嬉しそうに答えてくれた。
「だって、フェリシア様はユリウス様が甘すぎるお菓子が苦手だと知って、僕達に甘さ控えめのお菓子のレシピを聞きながら練習していましたから。本当にユリウス様の事が好きなんでしょうね~」
「んん゛――!?」
思わぬところから知ったあれらのお菓子の事情に思わず緩む頬を抑える。緩む頬を抑えた手が熱い。
(俺のために甘さ控えめのお菓子を――それって可愛すぎないか……!?)
厨房で人がいるにも関わらず、嬉しさで先び出しそうになる自分をなんとか抑えた。
「そうか。教えてくれてありがとう。……それと仕事、邪魔して悪かったな」
「いいえ!邪魔なんてとんでもない!!」
なんとか冷静さを取り戻しながら、平静を装い、コックに礼と詫びを入れて、調理場を出た。
調理場にはいない……だとしたら次は――――鍛練場。
鍛練場に行くには庭園を突っ切るのが最短コースだ。シーズンでもないのに薔薇の花が咲き誇るこの庭園はパーティのメンバーに城を案内した時、特にフェリシアが気に入っていた場所だ。その時に彼女に結婚を申し込むならば、この場所で……と決めたのだった。
「早く――早く君に会いたいよ」
思わず小声で呟き、足を速めた。
***
「あれ?ユリウス?」
「朝振りだね、ダリア。フェリシアはここにいるかい?」
鍛練場に到着すると、どうやら朝からずっと鍛練していたらしいダリアに声を掛けられる。
「っと、残念だったな。フェリシアならお前の居場所を俺に聞いて、街に行ったぞ」
「俺の場所を……?」
「入れ違いってこったな。門で待ってたらお前に会うのを諦めて、帰ってきたアイツに会えるんじゃねえの」
「ありがとう。ダリア」
俺の事を聞いたということは、俺を探していたのだろうか……だとしたら、嬉しい。
基本的に彼女を見つけて声を掛けるのは俺ばっかりだったから。
嬉しさで更に軽くなった足でそのまま言われた通りに城の門に向かった。
今日は嬉しい事ばかりが起こる。
フェリシアへ贈る指輪が完成し、思わぬところから彼女が俺に贈ってくれたお菓子の事情も知れた。それに彼女も俺を探してくれているときた。これを喜ばずして、何を喜ぶか。
俺はらしくないと思いながらも、門前でウキウキしながらフェリシアを待った。
******
補足:
・フェリシアの気持ちは割といろんな人にバレてます。バレッバレですw
・フェリシアからのお菓子はイリスやダリアへは言い訳のため、基本的にユリウス向けに甘さ控えめなものを作っていたっていう感じの設定です。
・こうして3話目に繋がっていきます。あと少しでユリウス視点も終わる……筈。
早速城に帰った俺は彼女に与えられている客室をノックし、声を掛ける。しかし返事がない。もしかしたら出掛けているのかもしれない。
「彼女が行きそうな場所……調理場か鍛練場かな」
帰ってきてからもたまに甘味好きなダリアやイリスに作ったついでだと言ってお菓子を持ってくるフェリシアを思い出す。聞くと、城の調理場を借りて作ったようで、新しいレシピも色々と教わったのだと自慢気に話していた。
ついでと言いながらも、いつもそのお菓子は綺麗に包装されていて……貰う度に嬉しさで頬が緩むのを抑えるのが大変だった。
***
調理場に着くと丁度夕食の準備が始まっているようで、辺りには良い匂いが充満していた。早くフェリシアに会いたいのもあって、一番近くにいた男性コックに声を掛ける。
「えっと、フェリシアはいるかな?」
「っユ、ユリウス様!!?」
丁度夕食で出すのであろう野菜を切っていたコックが動揺からか包丁を取り落とす。それはまな板の上に突き刺さったが、彼に気にするほどの余裕はなかった。
「えっと、君……その、大丈夫かい?」
「だ、大丈夫です!ユリウス様こそどうかされたのですか!?」
冷静に考えてみれば、俺は調理場に来た事などない。いきなり予想外の人間が急に声を掛けてきたりしたら、驚くに決まっている。彼には申し訳ないことをした。
「フェリシアはここに来ているかな?」
「フェリシア様……ですか。今日はいらしゃっていませんね。ユリウス様はフェリシア様をお探しで?」
「ああ。彼女に用があってね」
「きっと、フェリシア様お喜びになられますよ」
「どういうことだ?」
何故俺が探していて、何故彼女が喜ぶのか……。単純にコックの言っていることが分からずに問いかける。フェリシアの話題を出すと、彼の緊張も少しづつ和らいできたようで、彼女の事を尋ねると嬉しそうに答えてくれた。
「だって、フェリシア様はユリウス様が甘すぎるお菓子が苦手だと知って、僕達に甘さ控えめのお菓子のレシピを聞きながら練習していましたから。本当にユリウス様の事が好きなんでしょうね~」
「んん゛――!?」
思わぬところから知ったあれらのお菓子の事情に思わず緩む頬を抑える。緩む頬を抑えた手が熱い。
(俺のために甘さ控えめのお菓子を――それって可愛すぎないか……!?)
厨房で人がいるにも関わらず、嬉しさで先び出しそうになる自分をなんとか抑えた。
「そうか。教えてくれてありがとう。……それと仕事、邪魔して悪かったな」
「いいえ!邪魔なんてとんでもない!!」
なんとか冷静さを取り戻しながら、平静を装い、コックに礼と詫びを入れて、調理場を出た。
調理場にはいない……だとしたら次は――――鍛練場。
鍛練場に行くには庭園を突っ切るのが最短コースだ。シーズンでもないのに薔薇の花が咲き誇るこの庭園はパーティのメンバーに城を案内した時、特にフェリシアが気に入っていた場所だ。その時に彼女に結婚を申し込むならば、この場所で……と決めたのだった。
「早く――早く君に会いたいよ」
思わず小声で呟き、足を速めた。
***
「あれ?ユリウス?」
「朝振りだね、ダリア。フェリシアはここにいるかい?」
鍛練場に到着すると、どうやら朝からずっと鍛練していたらしいダリアに声を掛けられる。
「っと、残念だったな。フェリシアならお前の居場所を俺に聞いて、街に行ったぞ」
「俺の場所を……?」
「入れ違いってこったな。門で待ってたらお前に会うのを諦めて、帰ってきたアイツに会えるんじゃねえの」
「ありがとう。ダリア」
俺の事を聞いたということは、俺を探していたのだろうか……だとしたら、嬉しい。
基本的に彼女を見つけて声を掛けるのは俺ばっかりだったから。
嬉しさで更に軽くなった足でそのまま言われた通りに城の門に向かった。
今日は嬉しい事ばかりが起こる。
フェリシアへ贈る指輪が完成し、思わぬところから彼女が俺に贈ってくれたお菓子の事情も知れた。それに彼女も俺を探してくれているときた。これを喜ばずして、何を喜ぶか。
俺はらしくないと思いながらも、門前でウキウキしながらフェリシアを待った。
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補足:
・フェリシアの気持ちは割といろんな人にバレてます。バレッバレですw
・フェリシアからのお菓子はイリスやダリアへは言い訳のため、基本的にユリウス向けに甘さ控えめなものを作っていたっていう感じの設定です。
・こうして3話目に繋がっていきます。あと少しでユリウス視点も終わる……筈。
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