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第3話-2 【朝の密着】「お前から誘っといて?」
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チュン、チュン……。 小鳥のさえずりと、カーテンの隙間から差し込む眩しい朝日。
最高の目覚め……のはずだった。
「ん……ぅ……」
重い。 お腹のあたりに、何かとてつもなく重くて、熱い「丸太」のようなものが乗っている。
それに、背中全体を包み込むような、大きな熱源。 首筋にかかる、スースーという低い寝息。
(……え? 何これ?)
寝ぼけた頭で、恐る恐る視線を下げる。
私の腰に巻き付いているのは、血管の浮き出た、男の逞しい腕。 背後にいるのは、間違いなく――。
「――ッ!!?」
声にならない悲鳴を上げ、私はガバッと飛び起きようとした。
けれど、鋼のような腕がガッチリと私をホールドしていて、身動きが取れない。
「嘘、嘘でしょ!? なんで蒼がここに!?」
「……うるせぇな……」
背後から、不機嫌そうな低い唸り声が聞こえた。
振り返ると、すぐ目の前に蒼の寝顔がある。 長いまつ毛、通った鼻筋、そして無防備に開いた胸元。
彼は私を抱き枕のように抱え込んだまま、まだ夢の中にいた。
(ちょ、ちょっと待って! 状況整理!)
記憶を辿る。昨日の夜、トイレに起きて、それから……。
……ダメだ、思い出せない。 最悪の想像が頭をよぎり、私は慌てて布団をめくり上げた。
「っ!」
パジャマのズボン。 ……ある。穿いてる。 下着も、ちゃんと着けてる。
「はぁ……よかったぁ……」
全身から力が抜けて、安堵のため息が漏れた。
一線は越えていない。私たちはまだ、ただの同居人だ。
けれど。 その安堵のすぐ後ろから、チクリと胸を刺すような「寂しさ」が顔を出した。
(……何もしなかったんだ。私、蒼と一緒に寝てたのに?)
そんなふしだらな思考が浮かんだ自分に驚き、私はブンブンと首を横に振った。
「……暴れるなよ。頭痛ぇ」
低い声と共に、拘束していた腕が緩んだ。
蒼がゆっくりと身体を起こす。 寝癖のついた髪、少し腫れぼったい瞼、気だるげな表情。
そのすべてが、どうしようもなく「朝の男」の色気を放っていて、直視できない。
「お、おはよ……あの、ごめん。私、寝ぼけてここに来ちゃったみたいで……」
「……『みたい』じゃねぇよ。散々こっちの理性削りやがって」
彼は不機嫌そうに目を擦りながら、私をジロリと睨んだ。
「あ、あの! でも、服着てるし! 何もしてない……よね?」
恐る恐る尋ねると、蒼の動きがピタリと止まった。
彼はゆっくりと顔を上げ、獲物を見つけた獣のような目で私を捉える。 そして、ズルリと距離を詰め、私の耳元に唇を寄せた。
「……お前」
吐息が耳にかかり、背筋がゾクリと震える。
「自分から夜這いかけといて、何もしないとかあるわけないだろ?」
「――へ?」
頭が真っ白になった。
さっきまでの不機嫌そうな顔はどこへやら。
今の彼は、完全に「男」の顔をして楽しんでいる。
呆然とする私の耳元で、彼はさらに声を低くし、とどめを刺すように囁いた。
「……甘かったけどな。ごちそうさん」
「ッ――!!?」
瞬間、カァァァッ!! と全身の血液が逆流した。
甘かった? ごちそうさん? それって、つまり……そういうこと!?
「あ、あ、蒼っ!? 今のどういう……!?」
パニックになって叫ぶ私を置いて、蒼はニヤリと満足げに口角を上げると、ポンと私の頭を乱暴に撫でた。
「シャワー浴びてくる。……朝飯、頼んだぞ」
そう言い残し、彼はひらひらと手を振って寝室を出て行ってしまった。
パタン、と閉まるドア。 残された私は、ベッドの上で石のように固まっていた。
(甘かったって……どこが?)
(ごちそうさんって……何を、したの?)
無意識に、自分の唇に指を這わせる。
少し腫れているような気もするし、気のせいのような気もする。 記憶がない。記憶がないのに、身体の奥が熱くてたまらない。
「……バカ蒼ぅぅぅ!!」
私は真っ赤な顔で枕に顔をうずめ、足をバタバタさせて悶絶した。
これじゃあ、意識するなっていう方が無理だ。 彼の残した甘い爆弾のせいで、私の心臓は朝から壊れそうだった。
最高の目覚め……のはずだった。
「ん……ぅ……」
重い。 お腹のあたりに、何かとてつもなく重くて、熱い「丸太」のようなものが乗っている。
それに、背中全体を包み込むような、大きな熱源。 首筋にかかる、スースーという低い寝息。
(……え? 何これ?)
寝ぼけた頭で、恐る恐る視線を下げる。
私の腰に巻き付いているのは、血管の浮き出た、男の逞しい腕。 背後にいるのは、間違いなく――。
「――ッ!!?」
声にならない悲鳴を上げ、私はガバッと飛び起きようとした。
けれど、鋼のような腕がガッチリと私をホールドしていて、身動きが取れない。
「嘘、嘘でしょ!? なんで蒼がここに!?」
「……うるせぇな……」
背後から、不機嫌そうな低い唸り声が聞こえた。
振り返ると、すぐ目の前に蒼の寝顔がある。 長いまつ毛、通った鼻筋、そして無防備に開いた胸元。
彼は私を抱き枕のように抱え込んだまま、まだ夢の中にいた。
(ちょ、ちょっと待って! 状況整理!)
記憶を辿る。昨日の夜、トイレに起きて、それから……。
……ダメだ、思い出せない。 最悪の想像が頭をよぎり、私は慌てて布団をめくり上げた。
「っ!」
パジャマのズボン。 ……ある。穿いてる。 下着も、ちゃんと着けてる。
「はぁ……よかったぁ……」
全身から力が抜けて、安堵のため息が漏れた。
一線は越えていない。私たちはまだ、ただの同居人だ。
けれど。 その安堵のすぐ後ろから、チクリと胸を刺すような「寂しさ」が顔を出した。
(……何もしなかったんだ。私、蒼と一緒に寝てたのに?)
そんなふしだらな思考が浮かんだ自分に驚き、私はブンブンと首を横に振った。
「……暴れるなよ。頭痛ぇ」
低い声と共に、拘束していた腕が緩んだ。
蒼がゆっくりと身体を起こす。 寝癖のついた髪、少し腫れぼったい瞼、気だるげな表情。
そのすべてが、どうしようもなく「朝の男」の色気を放っていて、直視できない。
「お、おはよ……あの、ごめん。私、寝ぼけてここに来ちゃったみたいで……」
「……『みたい』じゃねぇよ。散々こっちの理性削りやがって」
彼は不機嫌そうに目を擦りながら、私をジロリと睨んだ。
「あ、あの! でも、服着てるし! 何もしてない……よね?」
恐る恐る尋ねると、蒼の動きがピタリと止まった。
彼はゆっくりと顔を上げ、獲物を見つけた獣のような目で私を捉える。 そして、ズルリと距離を詰め、私の耳元に唇を寄せた。
「……お前」
吐息が耳にかかり、背筋がゾクリと震える。
「自分から夜這いかけといて、何もしないとかあるわけないだろ?」
「――へ?」
頭が真っ白になった。
さっきまでの不機嫌そうな顔はどこへやら。
今の彼は、完全に「男」の顔をして楽しんでいる。
呆然とする私の耳元で、彼はさらに声を低くし、とどめを刺すように囁いた。
「……甘かったけどな。ごちそうさん」
「ッ――!!?」
瞬間、カァァァッ!! と全身の血液が逆流した。
甘かった? ごちそうさん? それって、つまり……そういうこと!?
「あ、あ、蒼っ!? 今のどういう……!?」
パニックになって叫ぶ私を置いて、蒼はニヤリと満足げに口角を上げると、ポンと私の頭を乱暴に撫でた。
「シャワー浴びてくる。……朝飯、頼んだぞ」
そう言い残し、彼はひらひらと手を振って寝室を出て行ってしまった。
パタン、と閉まるドア。 残された私は、ベッドの上で石のように固まっていた。
(甘かったって……どこが?)
(ごちそうさんって……何を、したの?)
無意識に、自分の唇に指を這わせる。
少し腫れているような気もするし、気のせいのような気もする。 記憶がない。記憶がないのに、身体の奥が熱くてたまらない。
「……バカ蒼ぅぅぅ!!」
私は真っ赤な顔で枕に顔をうずめ、足をバタバタさせて悶絶した。
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