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十二話 『上原悠馬の恋愛事情③』
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あの後のことは見事に失敗。普通に断れた挙句、逃げるように去っていかれたし……俺の恋は最悪のスタートを切ったのだ。
「どうしたんだー?悠馬。元気なくない?」
純がそう聞いてきてくれた。どうやら顔に出てしまっているらしい。
あの後、教室に戻った俺はずっと氷室稔のことを考えていたので、心ここに在らずの状態でいたのだ。
だから、純にも心配をかけてしまった……申し訳ない。
けど……あの後のことがどうしても頭から離れない。そして、思い出す度に顔が熱くなるし、胸が苦しくなる。
黒歴史を作ってしまった感はあるけれど、不思議と後悔はなかった。ただ、ショックの方が大きく上回っていただけで。そして、告白をしてから一週間が経った。その間、氷室稔とは会っていないし連絡も取っていない。
向こうはどういう風に思っているかは分からない。
でも、あのドン引きした表情を見る限り……きっと、俺なんて眼中にないだろう。とゆうか、冷静に考えたら話したこともない男に急に告白なんてされたら誰だって引くわな。
せめて、このことを謝りたい。付き合うだなんて贅沢なことは言わないからせめて……友人になりたい、と言ったらうん、と首を縦に振ってくれるだろうか……?とにかく、まずは謝って……それから仲良くなれるよう頑張ってみよう!
俺はそう意気込み、教室に行こうとするがやはりネガティブ妄想モードに入ってしまう。しかし―――。
「(ええい!いつから俺はこんなに臆病になった!)」
俺は頭をブンブン振りながら頬を叩き、気合いを入れながら、教室に向かうことにした。
△▼△▼
氷室稔がいる教室に行く。緊張で心臓が爆発しそうだ。手汗が半端じゃない。もし、断られたら?友達になれなかったら?そんな不安がよぎるが、ここで尻込むわけにはいかない。
深呼吸をして、扉を開ける。すると……
「あれー?悠馬じゃーん。どったの?クラス間違えた?」
「げ……っ」
よりによって一番会いたくない奴に……
あいつの名前は倉田真由。俺にとって天敵みたいな存在だった。女みたいな名前だけど、れっきとした男である。
性格はかなりチャラく、いつも女の子を侍らせていている。
正直、苦手なタイプだ。まぁ……悪い奴ではないんだけどね……
「いや……あいつ……氷室稔に用があって」
「氷室?何で氷室?」
怪訝そうな顔をする真由。意味がわからない、といった感じだ。しかし、そんなものはどうでもいい。重要なのは……
「まぁ、別にいいけど。それに氷室はいねーよ?」
その言葉を聞いて俺は心の中でホッとしていた。変だよね。覚悟を決めて、いざ行動しようとしてたらいなかったんだよ?普通、拍子抜けして肩を落とすと思うんだ。なのに……俺は安心していた。それは何故だろう……?
「何ー?氷室に何の用だったん?あの無口に」
「無口……?」
それが氷室稔のあだ名……なのだろうか?だとしたら、かなり酷いあだ名だな……とゆうか、何か……いや。
「そう!無口!だってあいつ喋らないもーん。必要最低限しか話さないし!」
「必要最低限……」
――その言葉が耳に離れなかった。
「どうしたんだー?悠馬。元気なくない?」
純がそう聞いてきてくれた。どうやら顔に出てしまっているらしい。
あの後、教室に戻った俺はずっと氷室稔のことを考えていたので、心ここに在らずの状態でいたのだ。
だから、純にも心配をかけてしまった……申し訳ない。
けど……あの後のことがどうしても頭から離れない。そして、思い出す度に顔が熱くなるし、胸が苦しくなる。
黒歴史を作ってしまった感はあるけれど、不思議と後悔はなかった。ただ、ショックの方が大きく上回っていただけで。そして、告白をしてから一週間が経った。その間、氷室稔とは会っていないし連絡も取っていない。
向こうはどういう風に思っているかは分からない。
でも、あのドン引きした表情を見る限り……きっと、俺なんて眼中にないだろう。とゆうか、冷静に考えたら話したこともない男に急に告白なんてされたら誰だって引くわな。
せめて、このことを謝りたい。付き合うだなんて贅沢なことは言わないからせめて……友人になりたい、と言ったらうん、と首を縦に振ってくれるだろうか……?とにかく、まずは謝って……それから仲良くなれるよう頑張ってみよう!
俺はそう意気込み、教室に行こうとするがやはりネガティブ妄想モードに入ってしまう。しかし―――。
「(ええい!いつから俺はこんなに臆病になった!)」
俺は頭をブンブン振りながら頬を叩き、気合いを入れながら、教室に向かうことにした。
△▼△▼
氷室稔がいる教室に行く。緊張で心臓が爆発しそうだ。手汗が半端じゃない。もし、断られたら?友達になれなかったら?そんな不安がよぎるが、ここで尻込むわけにはいかない。
深呼吸をして、扉を開ける。すると……
「あれー?悠馬じゃーん。どったの?クラス間違えた?」
「げ……っ」
よりによって一番会いたくない奴に……
あいつの名前は倉田真由。俺にとって天敵みたいな存在だった。女みたいな名前だけど、れっきとした男である。
性格はかなりチャラく、いつも女の子を侍らせていている。
正直、苦手なタイプだ。まぁ……悪い奴ではないんだけどね……
「いや……あいつ……氷室稔に用があって」
「氷室?何で氷室?」
怪訝そうな顔をする真由。意味がわからない、といった感じだ。しかし、そんなものはどうでもいい。重要なのは……
「まぁ、別にいいけど。それに氷室はいねーよ?」
その言葉を聞いて俺は心の中でホッとしていた。変だよね。覚悟を決めて、いざ行動しようとしてたらいなかったんだよ?普通、拍子抜けして肩を落とすと思うんだ。なのに……俺は安心していた。それは何故だろう……?
「何ー?氷室に何の用だったん?あの無口に」
「無口……?」
それが氷室稔のあだ名……なのだろうか?だとしたら、かなり酷いあだ名だな……とゆうか、何か……いや。
「そう!無口!だってあいつ喋らないもーん。必要最低限しか話さないし!」
「必要最低限……」
――その言葉が耳に離れなかった。
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