ボクのオチンチンがオチンチンの国をめざして旅にでちゃったよ

中七七三

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3話:オシッコをもらしながら、逃げた

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 ボクのオチンチンがはいずったアトは真っ黒になっています。
 だって、アリたちがビッシリとたかいるのです。

「オチンチンは、オシッコをもらしながら、逃げたんだ――」

 小学校二年生になったボクのオチンチンなのに、オシッコをもらすなんて、赤ちゃんのようです。
 でも、そのおかげでボクは、オチンチンをさがすことができます。

 アリたちでできた黒い道をたどって、ボクは走りました。
 はやく、オチンチンを見つけないと。大変なことになります。
 オトコノコがオチンチンを無くしたらどうなるのか?
 きまっています。
 オチンチンが戻ってこなければ、ボクは女の子になってしまうのです。
 
 女の子として「ちょっと、男子、まじめに、そうじしなさいよ。先生にいうわよ」とか言うのです。それは、いやです。
 
 そして、オチンチンの方も心配です。最悪の場合、アリにたかられているかもしれないのです。ガリガリとかじられているかもしれません。
 ボクはその光景を思い浮かべて、ぶるっと震えました。

 おそろしいことです――

 ボクのオシッコのあとは、カブトムシの森の手前でキレていました。

「はぁ、はぁ、はぁ―― 絶対に森の中ににげたんだ。ボクのオチンチン――」

 ボクは虫網をギュッと握りました。手があせでべっとりしています。
 でも、オチンチンは森に逃げてどうするつもりなんだろう?

「よし! しんちょうにさがすぞ!」

 白いワンピースのスカートをヒラヒラさせながら、ボクは森の中を歩きます。
 足がスースするのはたよりないし、オチンチンがないので落ちつきません。

 木の根本(ねもと)をよくみます。
 ボクはカブトムシやクワガタをさがすのが、とくいです。
 たぶん、オチンチンも同じように隠れているに違いありません。

 この森はカブトムシやクワガタがとれるので「カブトムシの森」と呼ばれています。
 家をでたときは7時くらいだから、もう樹液(じゅえき)にはカブトムシやクワガタはいないでしょう。
 ボクは、ときどき虫を捕りにこの森に入ることがあります。

「朝から、暑(あつ)いや…… すこし休もう」

 ボクはすわって「ふぅ~」と息(いき)をはきました。
 そして、リュックサックから、水筒を出します。
 
 ふたをあけて、一気に飲(の)みました。
 麦茶(むぎちゃ)です。ママのトクセイ麦茶(むぎちゃ)です。
 
「とっても、あまくておいしいや! やっぱりママの麦茶(むぎちゃ)は最高だ!」 

 ボクはもう一回ごくごくと飲(の)みました。
 ママのことを思い出しました。

「うふ、ボクちゃんのために、ホウワするまでオサトウとハチミツをいれてあるの。それにママの愛情(あいじょう)もよ。ボクちゃん」

 ママが言った「ホウワ」という言葉は二年生でも習っていません。でも、あまくてドロドロの麦茶(むぎちゃ)は大好きです。それに、ママも大好き……

「じゃあ、オチンチンをさがさないと!」

 ボクは立ち上がって、スカートをパンパンして土を払います。
 白いワンピースが少しよごれてしまいました。

 ママの作ってくれた麦茶で元気いっぱいになりました。
 やっぱり、甘い飲み物はチョーすごいです。ぼくは甘い物がダイスキです。
 
「まてよ…… ボクのオチンチンのもらしたオシッコにアリがたかっていたのは……」

 オシッコにアリがたかっていたことから、ボクは考えました。

「アリはあまい物がダイスキなんだ…… あ! 分かった!」

 ボクはひらめきました。
 
「ボクのオチンチンのオシッコはやっぱりあまいんだ!」

 最初にチラリと思ったとおりです。それはやっぱり正しいんだ。
 そして、ボクが甘い物がダイスキなように、ボクのオチンチンもあまい物がダイスキにちがいないのです。
 ボクのオチンチンは、あまい物をさがしているのかもしれない。
 ボクのオチンチンがあまい物がダイスキで、今はあまい物を探している。
 それは、とっても「ゴウリテキ」なケツロンです。
 
「森の中で甘いものがあるところ…… そうだ! 樹液(じゅえき)きだ! カブトムシのいる木だ!」

 ボクはひらめきました。
 このカブトムシの森は、カブトムシやノコギリクワガタ、コクワガタなんかがとれる森です。
 クヌギやブナの木があって、樹液(じゅえき)が出ている木もあります。

「この森の、樹液(じゅえき)のある場所をさがしていけばいいんだ!」
 
 ボクはさがす場所をきめました。
 樹液(じゅえき)のでる場所にこころあたりがありました。
 ボクのオチンチンはぜったいにそこにいるような気がしました。
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