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第19話 魔王さまを追いかけて。
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「大丈夫です。アナタが悲しむようなことはしませんよ。ちゃんと僕を愛してくださったらね」
言葉とともに閉ざされた扉。
お祖母さまも連れて行かれた。孫との語らいもいいけれど、女王としての責務をはたしてもらわねば困るとか言われて。
ここにわたしを閉じ込めたのは、お祖母さまを思い通りに動かすため。たった一人の血縁。生き残った大事な孫娘。娘夫婦のように失いたくなければ――、わかっているな?
(母さま……)
わたしが間違えた決断をしたせいで、お祖母さままで巻き込んでしまった。
ううん。違う。
あの人たちは、わたしがどのような結果を選んだとしても、きっと自分たちの思うように捻じ曲げていた。
両親に手をかけ、わたしだけ生かしたのは、そうすることで、お祖母さまを自在に操るため。もし、将軍を選んだと発表していたら、きっと両親と同じように将軍も――。
(ダメッ!! それだけは絶対にダメッ!!)
襲う恐怖に頭を振りかぶる。
将軍に「好き」と言われたわけじゃない。わたしが勝手に好きになっただけで、彼をそんな目に遭わせてはいけない。
それに、わたしは彼に拒絶されている。
あの時、わたしが答えを述べるより先に、選ばれたのはアルディンさまだと口にした将軍。わたしがあるディンさまに抱きついていたから。その腕のなかで「好き」と言ったから。封印が解けたから。
全部誤解。全部間違い。
だけど、将軍は、それを訂正させてくれなかった。
アルディンさまの肩越しに見えた将軍の顔。いつもどおりの険しいお顔だったけれど、そこに浮かんでいたのは、「怒り」そして「拒絶」。
素性を隠して近づいたことを怒ってるのかもしれない。騙していたと騙されていたことに憤慨していたのかもしれない。
だから拒絶した。わたしが答えるのを遮ってまで、わたしを拒んだ。そして、何も告げずにサッサと任務に戻っていってしまった。
素性を隠して近づくような女、「選ぶ」だなんて一方的で高圧的な女、きっと将軍はお気に召さなかったんだろう。惚れるなら、もっと正々堂々と正体を現さないと。
王族だから、一定の敬意は払っていただけたけど、それ以上のものを与えてはくださらなかった。
(母さまたちのように、愛したら愛されるなんてことはなかったのね)
父は、母をかわいいと評して愛しておられた。母も父を運命に従って選んだと言いながら、父のすべてを愛しておられた。出会いは、直感に近いものだったかもしれないけど、その後、お二人はちゃんと愛を育まれ、わたしが生まれた。
けど、わたしはそうはならなかった。
この人だと思った方からは拒絶され、そうでない方に囚われ、結婚を強いられる。
断れば、殺されるか、それとも祖母に危害を加えられるか。もしくは、将軍に――。
(これで、よかったのかもね)
将軍と離れたことで、彼の無事は確保できた。
選ばなかったことで、心が引きちぎれそうに痛いけど、それでも彼が父母の二の舞いになることなくすんでよかった。一方的に好きになったことで、彼に危害が及ばなくてよかった。この先、わたしの心はくだけてしまうかもしれないけど、それでも、彼が無事ならそれでいい。
「将軍……」
一人、薄暗い部屋のなかで呟く。
泣いちゃいけない。そう思うのに、冷たい涙が一筋、頬を伝って滴り落ちた。
* * * *
「やあ、やはり美しいね、僕の花嫁は」
「アルディンさま……」
「これだけ美しい妻を手に入れられるなんて。僕は果報者だな」
言うなり、わたしの髪を一房すくい取って口づける。髪に神経なんて通ってないはずなのに、ピリピリと悪寒が走った。
「大丈夫だよ。怖がらなくてもいい。僕はキミを愛すると皆の前で誓うから。キミが人形のように心を失っても、愛しぬく自信はあるよ」
皆の前で誓う。
そう。わたしはこれから神殿へと向かい、そこでアルディンさまと偽りの愛を誓う。夫婦になる。先に神殿で待っているお祖母さまから王冠と王杖を与えられ、新たな、三十三代目の女王として即位する。
女王として、初々しい夫婦として皆に祝福される。
わたしの心がどうであろうと、この背後に貴族たちのどんな思惑あろうと。
そんなものは、この国にとって些細なことなのかもしれない。
「さあ、行こうか」
差し出された手を、無感動なまま取る。
これが将軍の手だったら。導かれて歩いてくださるのが将軍だったら。
その思いが心にヒビを入れていく。
将軍に美しいと言ってほしかった。愛していると誓ってほしかった。
心がきしむ。
遠くから幸せを祈念してくださるのではなく、この国を守るために戦うのではなく、わたしのそばにいてくださったら。
「ああ、そうだ。一つ、伝え忘れていたことがありました」
神殿へ向かう回廊の途中。アルディンさまが思いつたように立ち止まった。
「ヴィラード・ダーグルゲン将軍に追捕の命がくだされました」
「え?」
「罪状は、王家に対する不敬罪。そして国家反逆罪です。彼は王太子であるアナタを侍女として扱い、劣悪な待遇に貶めました。その上、砦を守るという名目に隠れて敵国と通じていた。そういう罪です」
「そんな、将軍はそのような方ではありませんっ!!」
「しかし、彼の罪を密告してきた者がいるのですよ。他にも、横領、密輸、殺人。あと何を加えれば、殿下はご納得くださいますか?」
「何を加えればって……」
つまりは、無実なのを承知の上で、彼を罰せよ……と。
ゴクリと、唾を飲んだ喉が大きく鳴った。
「彼が王配候補に選ばれたこと自体間違っている。これ以上増長する前に叩いておけという意見もありましてね。今、兵たちが彼の後を追ってるのですよ」
「そんな……」
砦に帰れば無事だと、彼は無関係だと思ってたのに。
「なにやら報告書を漁っていたみたいですしねえ。将軍ごときが税収や鉱山の採掘量を気にするなど、増長している証拠です。あそこは、宰相殿が管理されている、重要な拠点ですからね」
つまり、将軍に探られて痛い腹を持っていたのは宰相で。自分に不都合なものを将軍が握っているとまずいから、冤罪をかけて将軍を弑してしまおうと。そういうこと?
「大丈夫です。王女殿下は、アイツの部下として働かされていたけれど、何もご存知ない。そういうことになってますから。記憶を封じられ、将軍の悪事に加担させられていた、哀れな王女と、皆同情を寄せております」
皆?
それは、貴族の皆が承知してるってこと?
「さしずめ、僕は、悪い魔王から囚われの王女をお救いした勇者ってところですかね」
クスクスと笑うアルディンさま。
「さあ、物語は、王女と勇者が結婚して、めでたしめでたしとなるんですよ。悪い魔王は退治されてね」
立ち止まり凍りついた身体を、強引に引き寄せるアルディンさまの手。
このまま歩いていけば、神殿でこの人と愛を誓う。そして偽りの夫婦となって、国を治める。その一方で、将軍は罪もないのに殺される。宰相をはじめとする貴族たちにとって目障りな存在だったから。一瞬であっても、わたしが好意を向けたから。
「――イヤッ!!」
反射的に、アルディンさまの手を払い除ける。
「王女?」
身体が震える。涙がこぼれそうなほど、顔が熱い。
「王女っ!!」
わたしを制止する声も聞かず、ドレスの裾をたくし上げて走り出す。
(将軍、将軍、将軍――――っ!!)
どこをど走っているのか、走ってどうなるのかなんて、自分でもわからない。
とにかく、ここから逃げ出したい。逃げ出して、彼を、好きだと思える人を助けたい。
回廊の先、ひときわ大きな窓が目にとまる。
窓の外にある、澄んだ青空。
無我夢中で、その空をつかむように手を伸ばす。
身体の奥がどうしようもなく熱い。血が、全身が煮えたぎるかのよう。
「王女、どこへっ!!」
追いかけてくるアルディンさま。騒ぎを聞きつけてきた貴族たち。
その声を振り切って、わたしは窓の外へと駆け抜ける。
結婚式にと用意されたドレスも飾りもすべて投げ捨てて。窓の外へと飛び出した。
言葉とともに閉ざされた扉。
お祖母さまも連れて行かれた。孫との語らいもいいけれど、女王としての責務をはたしてもらわねば困るとか言われて。
ここにわたしを閉じ込めたのは、お祖母さまを思い通りに動かすため。たった一人の血縁。生き残った大事な孫娘。娘夫婦のように失いたくなければ――、わかっているな?
(母さま……)
わたしが間違えた決断をしたせいで、お祖母さままで巻き込んでしまった。
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あの人たちは、わたしがどのような結果を選んだとしても、きっと自分たちの思うように捻じ曲げていた。
両親に手をかけ、わたしだけ生かしたのは、そうすることで、お祖母さまを自在に操るため。もし、将軍を選んだと発表していたら、きっと両親と同じように将軍も――。
(ダメッ!! それだけは絶対にダメッ!!)
襲う恐怖に頭を振りかぶる。
将軍に「好き」と言われたわけじゃない。わたしが勝手に好きになっただけで、彼をそんな目に遭わせてはいけない。
それに、わたしは彼に拒絶されている。
あの時、わたしが答えを述べるより先に、選ばれたのはアルディンさまだと口にした将軍。わたしがあるディンさまに抱きついていたから。その腕のなかで「好き」と言ったから。封印が解けたから。
全部誤解。全部間違い。
だけど、将軍は、それを訂正させてくれなかった。
アルディンさまの肩越しに見えた将軍の顔。いつもどおりの険しいお顔だったけれど、そこに浮かんでいたのは、「怒り」そして「拒絶」。
素性を隠して近づいたことを怒ってるのかもしれない。騙していたと騙されていたことに憤慨していたのかもしれない。
だから拒絶した。わたしが答えるのを遮ってまで、わたしを拒んだ。そして、何も告げずにサッサと任務に戻っていってしまった。
素性を隠して近づくような女、「選ぶ」だなんて一方的で高圧的な女、きっと将軍はお気に召さなかったんだろう。惚れるなら、もっと正々堂々と正体を現さないと。
王族だから、一定の敬意は払っていただけたけど、それ以上のものを与えてはくださらなかった。
(母さまたちのように、愛したら愛されるなんてことはなかったのね)
父は、母をかわいいと評して愛しておられた。母も父を運命に従って選んだと言いながら、父のすべてを愛しておられた。出会いは、直感に近いものだったかもしれないけど、その後、お二人はちゃんと愛を育まれ、わたしが生まれた。
けど、わたしはそうはならなかった。
この人だと思った方からは拒絶され、そうでない方に囚われ、結婚を強いられる。
断れば、殺されるか、それとも祖母に危害を加えられるか。もしくは、将軍に――。
(これで、よかったのかもね)
将軍と離れたことで、彼の無事は確保できた。
選ばなかったことで、心が引きちぎれそうに痛いけど、それでも彼が父母の二の舞いになることなくすんでよかった。一方的に好きになったことで、彼に危害が及ばなくてよかった。この先、わたしの心はくだけてしまうかもしれないけど、それでも、彼が無事ならそれでいい。
「将軍……」
一人、薄暗い部屋のなかで呟く。
泣いちゃいけない。そう思うのに、冷たい涙が一筋、頬を伝って滴り落ちた。
* * * *
「やあ、やはり美しいね、僕の花嫁は」
「アルディンさま……」
「これだけ美しい妻を手に入れられるなんて。僕は果報者だな」
言うなり、わたしの髪を一房すくい取って口づける。髪に神経なんて通ってないはずなのに、ピリピリと悪寒が走った。
「大丈夫だよ。怖がらなくてもいい。僕はキミを愛すると皆の前で誓うから。キミが人形のように心を失っても、愛しぬく自信はあるよ」
皆の前で誓う。
そう。わたしはこれから神殿へと向かい、そこでアルディンさまと偽りの愛を誓う。夫婦になる。先に神殿で待っているお祖母さまから王冠と王杖を与えられ、新たな、三十三代目の女王として即位する。
女王として、初々しい夫婦として皆に祝福される。
わたしの心がどうであろうと、この背後に貴族たちのどんな思惑あろうと。
そんなものは、この国にとって些細なことなのかもしれない。
「さあ、行こうか」
差し出された手を、無感動なまま取る。
これが将軍の手だったら。導かれて歩いてくださるのが将軍だったら。
その思いが心にヒビを入れていく。
将軍に美しいと言ってほしかった。愛していると誓ってほしかった。
心がきしむ。
遠くから幸せを祈念してくださるのではなく、この国を守るために戦うのではなく、わたしのそばにいてくださったら。
「ああ、そうだ。一つ、伝え忘れていたことがありました」
神殿へ向かう回廊の途中。アルディンさまが思いつたように立ち止まった。
「ヴィラード・ダーグルゲン将軍に追捕の命がくだされました」
「え?」
「罪状は、王家に対する不敬罪。そして国家反逆罪です。彼は王太子であるアナタを侍女として扱い、劣悪な待遇に貶めました。その上、砦を守るという名目に隠れて敵国と通じていた。そういう罪です」
「そんな、将軍はそのような方ではありませんっ!!」
「しかし、彼の罪を密告してきた者がいるのですよ。他にも、横領、密輸、殺人。あと何を加えれば、殿下はご納得くださいますか?」
「何を加えればって……」
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「彼が王配候補に選ばれたこと自体間違っている。これ以上増長する前に叩いておけという意見もありましてね。今、兵たちが彼の後を追ってるのですよ」
「そんな……」
砦に帰れば無事だと、彼は無関係だと思ってたのに。
「なにやら報告書を漁っていたみたいですしねえ。将軍ごときが税収や鉱山の採掘量を気にするなど、増長している証拠です。あそこは、宰相殿が管理されている、重要な拠点ですからね」
つまり、将軍に探られて痛い腹を持っていたのは宰相で。自分に不都合なものを将軍が握っているとまずいから、冤罪をかけて将軍を弑してしまおうと。そういうこと?
「大丈夫です。王女殿下は、アイツの部下として働かされていたけれど、何もご存知ない。そういうことになってますから。記憶を封じられ、将軍の悪事に加担させられていた、哀れな王女と、皆同情を寄せております」
皆?
それは、貴族の皆が承知してるってこと?
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クスクスと笑うアルディンさま。
「さあ、物語は、王女と勇者が結婚して、めでたしめでたしとなるんですよ。悪い魔王は退治されてね」
立ち止まり凍りついた身体を、強引に引き寄せるアルディンさまの手。
このまま歩いていけば、神殿でこの人と愛を誓う。そして偽りの夫婦となって、国を治める。その一方で、将軍は罪もないのに殺される。宰相をはじめとする貴族たちにとって目障りな存在だったから。一瞬であっても、わたしが好意を向けたから。
「――イヤッ!!」
反射的に、アルディンさまの手を払い除ける。
「王女?」
身体が震える。涙がこぼれそうなほど、顔が熱い。
「王女っ!!」
わたしを制止する声も聞かず、ドレスの裾をたくし上げて走り出す。
(将軍、将軍、将軍――――っ!!)
どこをど走っているのか、走ってどうなるのかなんて、自分でもわからない。
とにかく、ここから逃げ出したい。逃げ出して、彼を、好きだと思える人を助けたい。
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無我夢中で、その空をつかむように手を伸ばす。
身体の奥がどうしようもなく熱い。血が、全身が煮えたぎるかのよう。
「王女、どこへっ!!」
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