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三、陽炎。 (かぎろひ。明け方、東方に見える光)
(一)
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山を駆け下りる。
頂から下へ下へと駆け下りる。
いや。「駆け下りる」じゃない。「飛んでいく」。
土をけって走りながら、肩から斜めにかけておいた布を左手から腕に巻きつける。その動作だけで、翼は自分のものとなり、立ちはだかる茂みや枝葉、灌木を乗り越えていくことができる。
まさに「飛ぶ」。
誰よりも身軽に、誰よりも速く。
途中、出くわして驚かせた獣や鳥にわびながら、一気に下っていく。
速く。速く。
心はもっと疾く、速くと急くのに、体が伴わないのが歯がゆい。翼を借りてももどかしい。どうしようもなく胸が高鳴り、目が潤む。
さあ、ここを超えたらあの階へ。
深い森の中、ひときわ高くそびえ立つ樟の木の上に建てられた社。そこに、わたしの大切な人が帰ってくる!
* * * *
「ただいま。元気にしてた――ォアフッ!」
言い終わらないうちに、ボクに激突してきたもの。
「元気に、ゲホッ、してた、ようだな。ゴホッ」
ぶつかられた弾みにむせた。こんな勢いよく飛びこんでくるなら、元気がどうかなんて、きく必要はなかったようだ。飛びつき、そのままこっちを見上げてくる目もキラキラしてる。
「おや、メドリ。お迎えしてくれるのかい」
バサッと、ボクより大きく翼を鳴らして階に降り立ったのは、少し後ろを飛んできた父さん。メドリに向かって、「こっちにおいで」全開で、両手を広げた。
けど。
「ほら、行ってやれ」
ボクの体の間から、ちょっと父さんを見ただけだったメドリ。しかたないので、その頭を押して、父さんの方へ行くようにうながす。
「おお、メドリ。やっぱりお前はかわいいなあ」
さっきのボクへの出迎えと違って、メドリは、父さんの手にチョンっと触れただけなんだけど、それでも父さんは、思いっきり目尻を下げてうれしそうに笑った。
「やはり持つべきものは、娘だねえ。こうやって娘に出迎えられたら、疲れなんてどこか吹き飛んでしまう」
なんてよくわからない感慨つき。
あんな「チョン」っと触れただけで父さんの疲れが無くなるのなら、さっきボクがされたような出迎えなら、なにが吹き飛んでしまうんだろう。理性?
「ほら、見てみろ、ハヤブサ。ほんのわずか見てないだけなのに、メドリはまたかわいくなった」
クルッと、メドリの体をこちらに向けた父さん。
「あの……。そんなに変わってな――」
「背が伸びた。髪だっていっそうつややかになった」
………………。多分、以前と変わりません。父さん。
「黒曜石のような瞳! 薄桃色した頬の愛らしさ!」
………それはきっと、ここまで走ってきたせいです、父さん。
だってコイツ、さっきまで山の頂でボクたちの帰りを待ち構えてたんですから。
大鷹といっしょに、勝手に山の頂まで行っていたメドリ。「そんなところ出かけてないよ?」みたいな、何食わぬ顔して出迎えてきたけど、ボクはお前があそこにいたこと、気づいてたんだからな。
本人はバレてないと思ってるかもしれないけど、森を駆けたせいで、髪には小さな枝が絡みついてたし、衣から伸びた手足には薄い引っかき傷がある。
おとなしく、社で留守番してろって言っておいたのに。大鷹がいたって、森は危険だからって、あれほど言っておいたのに。
「メドリは、日に日に美しく、愛らしくなる。ああ。離れていたことが、とても悔やまれるよ」
………………。父さんの理性は、疲れよりもずっと前に、吹っ飛んでいたらしい。離れていたっていっても、わずか五日だし。
「あとは、そのかわいらしい唇で『父さま』とか呼んでくれたら、うれしいんだけどねえ。まあ、欲はかけばかくほどキリがないからあきらめよう」
父さんがメドリの髪を撫でる。その拍子に、髪にからんだ小枝に気づいたようだけど。――あ、捨てた。何もなかったように、ポイッて捨てた。
「ああ、それにダメだな。『父さま』なんて呼ばれたら、その次は『今までお世話になりました。わたし、結婚して幸せになります』だから、話せないほうがいい。うん。そうだ。そのほうがいい」
いやなんで、そこまで飛躍する?
一人うなずく父さんの姿に、旅以外の疲れがどっと押し寄せてきた。
カッカッカッカッ、カッカッカッカッ。
階に設けられたとまり木からの声。
〝アイカワラズノ、溺愛ブリジャノウ、長ヨ〟
「おお。大鷹の」
父さんは、メドリが大鷹を自分の翼にしたことに驚きはしたものの、「さすがわしの娘!」と大喜びしてた。だからこうして、大鷹のためのとまり木も、社のなかに用意した。娘を思ってくれる大鷹への敬意だ。
〝長モ、若子モ、無事デナニヨリ。長ノ旅路、オ疲レデアロウ〟
大鷹が言う。
そう。ボクと父さんは、メドリを置いて、数日東の方へと旅をしていた。
〝鳥人ノミナガ、宴ヲ用意シテ待ッテオル。親子ノ歓談ハソコマデニシテ、社ノナカヘト進マレヨ〟
「そうだな。久しぶりにうまい飯でも食べたいものよ」
大鷹と父さん。
どちらがこの社の主かわからないような会話を交わす。
「おかえり、ハヤブサ!」
「元気だったか!」
「カリガネ! ノスリ!」
宴に向かう途中、回廊からヒョコッと顔を出したのは、カリガネとノスリ。
「ねえ、あっちでの話、いっぱい聴かせてよ!」
「なんか面白いこととかあったのか?」
先頭を行く父さんと大鷹。ついで、ボクたちとメドリ。わちゃわちゃと歩くなか、メドリは、ボクの横にピッタリついてくる。
七年前。
ボクが〝メドリ〟と名付けて、一応仲間と認めてから、後ろをトテテテッではなく、普通に隣を歩くようになった。
七年経っても、一言もしゃべらないまま大きくなったメドリ。昔と違って、何から何までボクがしてあげなくてもよくなったし、数日ならこうして置いていくこともできるようになった。勝手に社を抜け出すけど。
軽く視線を下げると、「ウン?」と首をかしげたメドリと目が合った。父さんに拾われた時のような、ガリガリのボロボロではない。それなりに大きくなって、それなりに女の子らしくなった。
――黒曜石のような瞳! 薄桃色した頬の愛らしさ!
父さんの言葉が頭の中でこだまする。けど。
(どこが。こんなお転婆のどこが愛らしいんですか!)
心のなかで反論する。
(それは「親の欲目」、「親バカ」って言うんですよ!)
頂から下へ下へと駆け下りる。
いや。「駆け下りる」じゃない。「飛んでいく」。
土をけって走りながら、肩から斜めにかけておいた布を左手から腕に巻きつける。その動作だけで、翼は自分のものとなり、立ちはだかる茂みや枝葉、灌木を乗り越えていくことができる。
まさに「飛ぶ」。
誰よりも身軽に、誰よりも速く。
途中、出くわして驚かせた獣や鳥にわびながら、一気に下っていく。
速く。速く。
心はもっと疾く、速くと急くのに、体が伴わないのが歯がゆい。翼を借りてももどかしい。どうしようもなく胸が高鳴り、目が潤む。
さあ、ここを超えたらあの階へ。
深い森の中、ひときわ高くそびえ立つ樟の木の上に建てられた社。そこに、わたしの大切な人が帰ってくる!
* * * *
「ただいま。元気にしてた――ォアフッ!」
言い終わらないうちに、ボクに激突してきたもの。
「元気に、ゲホッ、してた、ようだな。ゴホッ」
ぶつかられた弾みにむせた。こんな勢いよく飛びこんでくるなら、元気がどうかなんて、きく必要はなかったようだ。飛びつき、そのままこっちを見上げてくる目もキラキラしてる。
「おや、メドリ。お迎えしてくれるのかい」
バサッと、ボクより大きく翼を鳴らして階に降り立ったのは、少し後ろを飛んできた父さん。メドリに向かって、「こっちにおいで」全開で、両手を広げた。
けど。
「ほら、行ってやれ」
ボクの体の間から、ちょっと父さんを見ただけだったメドリ。しかたないので、その頭を押して、父さんの方へ行くようにうながす。
「おお、メドリ。やっぱりお前はかわいいなあ」
さっきのボクへの出迎えと違って、メドリは、父さんの手にチョンっと触れただけなんだけど、それでも父さんは、思いっきり目尻を下げてうれしそうに笑った。
「やはり持つべきものは、娘だねえ。こうやって娘に出迎えられたら、疲れなんてどこか吹き飛んでしまう」
なんてよくわからない感慨つき。
あんな「チョン」っと触れただけで父さんの疲れが無くなるのなら、さっきボクがされたような出迎えなら、なにが吹き飛んでしまうんだろう。理性?
「ほら、見てみろ、ハヤブサ。ほんのわずか見てないだけなのに、メドリはまたかわいくなった」
クルッと、メドリの体をこちらに向けた父さん。
「あの……。そんなに変わってな――」
「背が伸びた。髪だっていっそうつややかになった」
………………。多分、以前と変わりません。父さん。
「黒曜石のような瞳! 薄桃色した頬の愛らしさ!」
………それはきっと、ここまで走ってきたせいです、父さん。
だってコイツ、さっきまで山の頂でボクたちの帰りを待ち構えてたんですから。
大鷹といっしょに、勝手に山の頂まで行っていたメドリ。「そんなところ出かけてないよ?」みたいな、何食わぬ顔して出迎えてきたけど、ボクはお前があそこにいたこと、気づいてたんだからな。
本人はバレてないと思ってるかもしれないけど、森を駆けたせいで、髪には小さな枝が絡みついてたし、衣から伸びた手足には薄い引っかき傷がある。
おとなしく、社で留守番してろって言っておいたのに。大鷹がいたって、森は危険だからって、あれほど言っておいたのに。
「メドリは、日に日に美しく、愛らしくなる。ああ。離れていたことが、とても悔やまれるよ」
………………。父さんの理性は、疲れよりもずっと前に、吹っ飛んでいたらしい。離れていたっていっても、わずか五日だし。
「あとは、そのかわいらしい唇で『父さま』とか呼んでくれたら、うれしいんだけどねえ。まあ、欲はかけばかくほどキリがないからあきらめよう」
父さんがメドリの髪を撫でる。その拍子に、髪にからんだ小枝に気づいたようだけど。――あ、捨てた。何もなかったように、ポイッて捨てた。
「ああ、それにダメだな。『父さま』なんて呼ばれたら、その次は『今までお世話になりました。わたし、結婚して幸せになります』だから、話せないほうがいい。うん。そうだ。そのほうがいい」
いやなんで、そこまで飛躍する?
一人うなずく父さんの姿に、旅以外の疲れがどっと押し寄せてきた。
カッカッカッカッ、カッカッカッカッ。
階に設けられたとまり木からの声。
〝アイカワラズノ、溺愛ブリジャノウ、長ヨ〟
「おお。大鷹の」
父さんは、メドリが大鷹を自分の翼にしたことに驚きはしたものの、「さすがわしの娘!」と大喜びしてた。だからこうして、大鷹のためのとまり木も、社のなかに用意した。娘を思ってくれる大鷹への敬意だ。
〝長モ、若子モ、無事デナニヨリ。長ノ旅路、オ疲レデアロウ〟
大鷹が言う。
そう。ボクと父さんは、メドリを置いて、数日東の方へと旅をしていた。
〝鳥人ノミナガ、宴ヲ用意シテ待ッテオル。親子ノ歓談ハソコマデニシテ、社ノナカヘト進マレヨ〟
「そうだな。久しぶりにうまい飯でも食べたいものよ」
大鷹と父さん。
どちらがこの社の主かわからないような会話を交わす。
「おかえり、ハヤブサ!」
「元気だったか!」
「カリガネ! ノスリ!」
宴に向かう途中、回廊からヒョコッと顔を出したのは、カリガネとノスリ。
「ねえ、あっちでの話、いっぱい聴かせてよ!」
「なんか面白いこととかあったのか?」
先頭を行く父さんと大鷹。ついで、ボクたちとメドリ。わちゃわちゃと歩くなか、メドリは、ボクの横にピッタリついてくる。
七年前。
ボクが〝メドリ〟と名付けて、一応仲間と認めてから、後ろをトテテテッではなく、普通に隣を歩くようになった。
七年経っても、一言もしゃべらないまま大きくなったメドリ。昔と違って、何から何までボクがしてあげなくてもよくなったし、数日ならこうして置いていくこともできるようになった。勝手に社を抜け出すけど。
軽く視線を下げると、「ウン?」と首をかしげたメドリと目が合った。父さんに拾われた時のような、ガリガリのボロボロではない。それなりに大きくなって、それなりに女の子らしくなった。
――黒曜石のような瞳! 薄桃色した頬の愛らしさ!
父さんの言葉が頭の中でこだまする。けど。
(どこが。こんなお転婆のどこが愛らしいんですか!)
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(それは「親の欲目」、「親バカ」って言うんですよ!)
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