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2章
天誅
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「レシピ?は牛肉だよ。牛肉を食べさせるの。」
「牛肉ぅ?何で牛肉あげたら牛乳出すねん!?」
「そんな事言われてもなあ。」
「普通に考えたら牛肉食わしたら角が生えたりとか力が強くなるとかちゃうんかいな?」
「私もそう思ったんだけどねえ。とにかくアーシャちゃんは牛肉以外に変わったことはしてないわ」
「ほーん?ほなまあ、また今度ユグ裏行ってぷちスラ捕まえて試してみるわ。アカンかったらまた連絡するから。いやあええ事聞いたな!今日来た甲斐があったっちゅーもんやで!あとでお嬢ちゃんとこに果物いっぱい取れるトレント送っとくわ!」
「いらないわよ!」
「ええ!?もらっとこうよママ!一家に一トレントの時代が来るかもよ!」
「「それはむりでしょ (やろ)」」
そうかなあ?みかん林檎ブドウとできる木だよ?
しかも水やりだけでいいとかお得もいい所じゃん。それに侵入者も果実泥棒も倒してくれそう。
いいとこ尽くめだ。私なら庭に10本でも20本でも欲しいなあ。
「普通の人の魔力量じゃ厳しいからなあ。そこの所でかなり引っかかるで。わいやお嬢ちゃんの家の人くらいなら問題ないけどな、そこらの冒険者くらいじゃ無理やろ。1本育てるのも大変やで」
「そうなんだあ」
「だから世話できる人も貰って喜べる人も限られててな。調子に乗っていっぱい育てたものの、こまってたんや。だからよかったら貰ってほしいってのが本音やな」
「ぜひください!代わりに、もし牛乳スライムちゃんが出来なかったら私が2匹目作っておじさんにプレゼントするよ」
だって牛乳スライムは作るの簡単なんだもん。それにミルクちゃんもそろそろ分裂しそうだし。
スライムちゃんたちはある程度成長したら2つに分かれちゃうのだ。
最初に作ったヒーリングスライムの『抹茶』は分裂したあと仲良さそうに2匹で遊んでいる。
たまにもう一回引っ付いてみたり、更にまた分裂したりして遊んでいるし、スライムってよくわかんない生き物なんだなあと改めて感じる。
2匹を離して育てても問題なさそうだった。でも、途中からというかややはじめからだけど、どちらが元の『抹茶』でどちらが分裂したあとの『子抹茶』なのかがさっぱり見分けが付かないという事態になった。特に気にしなければいいだけなんだけど。
その抹茶が分裂した大きさと今のミルクちゃんの大きさはほとんど同じだ。だから多分だけどもう分裂するんだろう。それがいつなのかは全く分からないけれども。
でも多分、分裂してもウチのお城での消費ミルクの量が増えるだけだろうしなあ。
「うん、多分しばらくすると分裂するからダメだったらその子あげるね」
「おう!楽しみにしとるわ!じゃあな!」
そういってキングさんは去っていった。
行く時にミルクちゃん特製牛乳を全部器ごと袋に仕舞って持っていったけど。
「ママ、私達も他所にいこっか」
「そうね。そうしましょう。あっちに販売コーナーがあったからそっちへ行ってみましょ?」
「うん!いくいく!」
販売コーナーって何があるんだろう?
たぶんだけど、テイムするときのアイテムとか、エサとか!これを使うとすごく強く進化する秘法みたいなのとか。何かスゴイの売ってるんだろうなと勝手に想像する。
やっぱドラゴンとかモフモフも捕まえてみたいなあ。ワクワクするなあ!
「ちょっとまったー!」
ワクワクしながら他所のコーナーに移動しようとしたら知らないお兄さんから話しかけられた。
「なんですか?」
「ちょ、ちょっと待って欲しい。いきなりで失礼だとは思うが、僕にも先ほどのスライムの出した牛乳を飲ませてほしいんだ!あの香りはただ事じゃない!絶対に美味い!」
「ええ……?まあいいけど。器がないよ」
「器なら僕が作るさ!僕だってあのくらいは出来る」
そういうとお兄さんは魔力で透明の水槽を作り上げた。すごい。ママやキングさんが作った水槽と遜色のない出来具合だ。
「すごいね!お兄さんすごい人だったんだ!」
「中々やるわねえ。貴方お名前は?」
「僕はエルド公国の第3王子で同国冒険者ギルドによりS級認定もされております、『ガウェイン・ザル・エルド』です。どうぞガウェインと呼んでください。シノブ・ラ・ユグドラシル様」
シノブって言うのはママの名前だ。
この人ママとあったことあるんだなあ?
「ガウェイン王子ね。失礼だけど私と会った事あるかしら?」
「15年前、私が2歳の時に一度お見かけした事があります。その頃と何も変わっておられない美しさです」
「あら、やあねえ。15年も前のことよく覚えてたわねえ。じゃあこちらも紹介が必要かしら?私のことは知ってるからいいとして、この子は私の娘のアイーシャよ。アーシャって呼んであげてね。」
「アイーシャリエル・エル・ラ・ユグドラシルです。よろしくお願いしますね」
ココだ!とばかりに習った作法でお辞儀をする。
先ほどから周りにいたギャラリーの方からは「「「おお~!」」」と不思議な歓声が上がった。
「やばいかわいい」「あの子のスライムなら俺も欲しい。むしろ嗅いだり食べたりしたい」「あの子がスライムを育てたのか?牛肉って子供ならではの自由な発想だなあ」「魔力の質やべえ。子供のレベルじゃないぞ」「量だってすごいぞ。自然にしてても溢れてるじゃないか」「『纏い』はなかなか綺麗だな。子供とは思えん」「それにしてもかわいい」「あーしゃたんのみるくごくごくしたいお」
「天誅!」
最後のミルクの人とスラちゃんを嗅ぐ人はママにぶっ飛ばされた。
今はキングさん近くにいないんだから死んじゃわない?
「牛肉ぅ?何で牛肉あげたら牛乳出すねん!?」
「そんな事言われてもなあ。」
「普通に考えたら牛肉食わしたら角が生えたりとか力が強くなるとかちゃうんかいな?」
「私もそう思ったんだけどねえ。とにかくアーシャちゃんは牛肉以外に変わったことはしてないわ」
「ほーん?ほなまあ、また今度ユグ裏行ってぷちスラ捕まえて試してみるわ。アカンかったらまた連絡するから。いやあええ事聞いたな!今日来た甲斐があったっちゅーもんやで!あとでお嬢ちゃんとこに果物いっぱい取れるトレント送っとくわ!」
「いらないわよ!」
「ええ!?もらっとこうよママ!一家に一トレントの時代が来るかもよ!」
「「それはむりでしょ (やろ)」」
そうかなあ?みかん林檎ブドウとできる木だよ?
しかも水やりだけでいいとかお得もいい所じゃん。それに侵入者も果実泥棒も倒してくれそう。
いいとこ尽くめだ。私なら庭に10本でも20本でも欲しいなあ。
「普通の人の魔力量じゃ厳しいからなあ。そこの所でかなり引っかかるで。わいやお嬢ちゃんの家の人くらいなら問題ないけどな、そこらの冒険者くらいじゃ無理やろ。1本育てるのも大変やで」
「そうなんだあ」
「だから世話できる人も貰って喜べる人も限られててな。調子に乗っていっぱい育てたものの、こまってたんや。だからよかったら貰ってほしいってのが本音やな」
「ぜひください!代わりに、もし牛乳スライムちゃんが出来なかったら私が2匹目作っておじさんにプレゼントするよ」
だって牛乳スライムは作るの簡単なんだもん。それにミルクちゃんもそろそろ分裂しそうだし。
スライムちゃんたちはある程度成長したら2つに分かれちゃうのだ。
最初に作ったヒーリングスライムの『抹茶』は分裂したあと仲良さそうに2匹で遊んでいる。
たまにもう一回引っ付いてみたり、更にまた分裂したりして遊んでいるし、スライムってよくわかんない生き物なんだなあと改めて感じる。
2匹を離して育てても問題なさそうだった。でも、途中からというかややはじめからだけど、どちらが元の『抹茶』でどちらが分裂したあとの『子抹茶』なのかがさっぱり見分けが付かないという事態になった。特に気にしなければいいだけなんだけど。
その抹茶が分裂した大きさと今のミルクちゃんの大きさはほとんど同じだ。だから多分だけどもう分裂するんだろう。それがいつなのかは全く分からないけれども。
でも多分、分裂してもウチのお城での消費ミルクの量が増えるだけだろうしなあ。
「うん、多分しばらくすると分裂するからダメだったらその子あげるね」
「おう!楽しみにしとるわ!じゃあな!」
そういってキングさんは去っていった。
行く時にミルクちゃん特製牛乳を全部器ごと袋に仕舞って持っていったけど。
「ママ、私達も他所にいこっか」
「そうね。そうしましょう。あっちに販売コーナーがあったからそっちへ行ってみましょ?」
「うん!いくいく!」
販売コーナーって何があるんだろう?
たぶんだけど、テイムするときのアイテムとか、エサとか!これを使うとすごく強く進化する秘法みたいなのとか。何かスゴイの売ってるんだろうなと勝手に想像する。
やっぱドラゴンとかモフモフも捕まえてみたいなあ。ワクワクするなあ!
「ちょっとまったー!」
ワクワクしながら他所のコーナーに移動しようとしたら知らないお兄さんから話しかけられた。
「なんですか?」
「ちょ、ちょっと待って欲しい。いきなりで失礼だとは思うが、僕にも先ほどのスライムの出した牛乳を飲ませてほしいんだ!あの香りはただ事じゃない!絶対に美味い!」
「ええ……?まあいいけど。器がないよ」
「器なら僕が作るさ!僕だってあのくらいは出来る」
そういうとお兄さんは魔力で透明の水槽を作り上げた。すごい。ママやキングさんが作った水槽と遜色のない出来具合だ。
「すごいね!お兄さんすごい人だったんだ!」
「中々やるわねえ。貴方お名前は?」
「僕はエルド公国の第3王子で同国冒険者ギルドによりS級認定もされております、『ガウェイン・ザル・エルド』です。どうぞガウェインと呼んでください。シノブ・ラ・ユグドラシル様」
シノブって言うのはママの名前だ。
この人ママとあったことあるんだなあ?
「ガウェイン王子ね。失礼だけど私と会った事あるかしら?」
「15年前、私が2歳の時に一度お見かけした事があります。その頃と何も変わっておられない美しさです」
「あら、やあねえ。15年も前のことよく覚えてたわねえ。じゃあこちらも紹介が必要かしら?私のことは知ってるからいいとして、この子は私の娘のアイーシャよ。アーシャって呼んであげてね。」
「アイーシャリエル・エル・ラ・ユグドラシルです。よろしくお願いしますね」
ココだ!とばかりに習った作法でお辞儀をする。
先ほどから周りにいたギャラリーの方からは「「「おお~!」」」と不思議な歓声が上がった。
「やばいかわいい」「あの子のスライムなら俺も欲しい。むしろ嗅いだり食べたりしたい」「あの子がスライムを育てたのか?牛肉って子供ならではの自由な発想だなあ」「魔力の質やべえ。子供のレベルじゃないぞ」「量だってすごいぞ。自然にしてても溢れてるじゃないか」「『纏い』はなかなか綺麗だな。子供とは思えん」「それにしてもかわいい」「あーしゃたんのみるくごくごくしたいお」
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