閑話休題、小話双子その一

伊織

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閑話休題

小話双子その一

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「暁人暁人」
「なん?」
 
「俺が薄ら嫌いな人選手権するから聞いて」
「一人でやって?」
「大丈夫、お前は聞いてるだけでいいから」
 
「えーっと、まずはね」
「え……聞いて……?俺の話聞いて?」
「スマホで伝わるのに、わざわざスマフォって言うやつ」
「いるの?そんな人。ねぇ、俺ナイフ研いでるんだけど」
「次はね」
「あ、続けちゃうのね。うん、もうどうぞ」
 
「曇り空のことわざわざ曇天って言う人」
「ちょっとやだなぁ……」
 
「これでどうだって聞いてるのにレスポンスが遅い人」
「それはみんな嫌だと思う」
「趣旨からずれたね、今のなし」
「なかったことにできるんだ、この選手権」
 
「じゃあ、改めて……レシートを財布じゃなくて直接カバンとかポケットに突っ込む人」
「それ俺じゃん。俺の事薄ら嫌いなの?」
 
「次はねぇ……」
「待って、ねぇ、俺の事薄ら嫌いなの?」
「できる人を装って、一気にテレビとパソコンとゲームと、みたいにマルチに遊んでる人」
「それは……わかる気がする」
 
「後はぁ……外に飯食いに行って、わざわざ割り箸頼む人。エコじゃないよね、あれは」
「気になるならマイ箸でも持ち歩けばいいのにな」
 
「あ、外食といえば、ラーメン屋の看板とかで腕組んで睨みつけてる店主」
「もう言いがかりじゃん」
「ラーメン屋なのに、無駄にチャーハンが美味い店」
「人じゃなくて、店になってんじゃん。チャーハン美味いのはいいだろ別に」
 
「……なんかラーメン食いたくなってきたね」
「お前……、ほんともう、なんなの?」
「行こうよ、ラーメン」
「あぁはい……行こうね……」
「ビール飲んでいい?」
「はいどうぞ……」
「餃子とチャーハンも食べる」
「うわー、深夜にドカ食いとか背徳的~」
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