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番外編・小話集
番外編 交差する想い Ⅱ
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旧95話
********************************************
「あ、ああっ!」
くちゅりと音を立てて、指の動きが再開される。蜜口を浅くかき回されて、私の腰が浮き上がった。奥から蜜がどっと溢れて、彰人さんの指を濡らしていく。
死ぬほど恥ずかしい……!
「あ、煽って、なんか……んぁ!」
いない、そう続けるはずだった言葉は喉の奥で消えた。
秘裂を探っていた指とは違う指が、そのほんの少し上にある蕾を捕えたからだ。
そこは今までの刺激で充血していて、ほんの少し触れられてだけで、背中から脳天を突き抜けるほどの刺激をもたらす。
「あ、ああっ!」
背中が浮き上がり、足がビクビクと震えた。けれど、その衝撃は一度では終わらなかった。
蜜を纏った指が立ち上がりかけた蕾に絡みつき、撫でて、時に爪弾いたり、ぐりっと押しつぶしたりする。
そのたびに私の背中に電流が走り抜け、まな板の鯉のようにピクンピクンと身体が跳ね上がった。
「あ、あ、んん、ん」
絶え間なく私の口から喘ぎ声が零れる。けれど、もうそれが恥ずかしいとか気にする余裕はなかった。彰人さんの手がもたらす強烈な感覚に翻弄されていた。
蜜口の浅い部分を探っていた指が、ぐっと入り込む。
「……ひっ!」
びりっとした引きつるような痛みと、圧迫感を感じて私は怯んだ。
「やあっ」
涙目でふるふると首を振る。
けれど指の動きは止まらない。ぬかるんだそこに慎重に、けれど確実に押しこまれていく。
痛みと異物感に私の身体が引きつった。
初めて異物を受け入れたそこはこわばり、侵入してきたその指をぎゅうっと締め付ける。まるで押し出そうとするかのように。
けれどその無意識の動きが却って、私の胎内にその侵入物の形を克明に伝えてくる。
思いもよらないことに中は敏感で、爪や第一関節の形までがまざまざと感じられた。
みんなこうなの? 本当にこんなことを経験しているの?
自分に中に他人の指が埋まっているという現実とその違和感に、私は怯えた。
セックスがそういうものだと分かっていたけれど、いざそうなってみると、やっぱり畏怖を覚えずにはいられなくて……。
「大丈夫だ。怖がらないで」
私の怯えを感じ取ったのか、彰人さんがまたさっきと同じように私の顔にキスを降らせた。
瞼、頬、口の端、そして唇に優しいキスが落とされる。その感触がやさしくて、私は身体の力を抜きながらほぅっと息を吐く。
……そうしたら余計に膣の中を指を意識してしまい、小さく声が漏れてしまった。
「……んっ……」
鼻にかかったようなその声は、なぜか少し甘い響きを帯びていたような気がする。
異物感がすごくて、胸や蜜口を弄られた時のように気持ちいいとは思えなかったのに、とても不思議だ。
「やっぱり狭いな……」
指を奥深くまで差し入れて、彰人さんがつぶやく。
「ごめんね。愛美の中は狭いから、少しキツイかもしれない」」
そういいながら指がゆっくりと中で探るように動き出す。狭い壁を指の腹でこすられ、その慣れない感触に私は息を飲んだ。
「や、やぁ……!」
「大丈夫だ。少しずつ慣らしていくから」
「……ん、んんっ」
大丈夫じゃない。全然大丈夫じゃない!
中で彰人さんの指が蠢いているのが分かる。それに絡みつくように自分の中がうねるのも。
そのせいか分からないけれど、じっとしていられなくて、もぞっと腰が動いてしまう。
そして動いたために指のあたる場所が微妙に変わったその瞬間――
「あっ……!」
腰が跳ねた。文字通り一瞬ベッドから浮き上がって柔らかなベッドに再び沈み込む。
「やっ、何……?」
私は自分に何が起きたのか分からずに戸惑った。一瞬、電流が走ったみたいになって、身体が勝手に動いたのだ。
そんな私に彰人さんはうっすらと笑った。
「ああ、ここだね」
そう言って、中に入れていた指をくの字に曲げ、さっき偶然動いたときに当たった場所に触れる。
すると……。
「ふぁ……!」
再び声が漏れて、背中が浮いた。
お腹の奥がキュンと疼き、ビーンと足につま先までしびれていく。
トロリと私の奥から新たな蜜が零れていき、彰人さんの手を濡らしていくのが分かった。
「あ……ん、な、なんで……?」
喘ぐ私に彰人さんが楽しそうに笑って告げる。
「ここは君の感じる所。こうして触れると……」
彰人さんの指がそこに触れる。そのとたん、私の身体がびくんと震えた。
「んんっ、だ、ダメ、やめ……!」
その異様な感覚から逃れるため、身をよじろうとするけれど、押さえつけられた手がそれを許さない。
かえって罰とばかりに執拗にそのざらざらした部分をこすられ、更に私は追い詰められていった。
指が感じる場所をかすめるたびに陸に上がった魚のようにビクンビクンと身体が跳ね上がり、口からはひっきりなしに泣き声にも似た声が漏れる。
けれどその声は自分の耳にもどこか甘さを含んでいるように聞こえた。
恥ずかしい……!
けれど、そう思うのに、奥から溢れてくる蜜が私が感じているものを雄弁に語る。
そんな風にたった指一本で翻弄される私の姿を、彰人さんが熱っぽい目で、そしてどこか愉悦の表情を浮かべて見下ろしていた。
男というのは女が自分の手で快楽に溺れるのを見て悦ぶ生き物だって彰人さんは言っていたけど、どうも本当らしい。
だけど、私は初心者だってことも忘れないで欲しい!
「んんっ、ん、あ、あ、そこ、ばっかり……!」
私は泣き声をあげながら、いやいやと頭を振った。
気持ちいいと言うには、慣れない強烈すぎる快感に頭がおかしくなりそうだった。
彰人さんがくすくす笑う。
「そうだね。じゃあ……二本目」
「ふぁ……!」
ぬぷっと音を立ててもう一本指が増やされ、私は息を詰める。
痛みこそはなかったけれど、小さくなっていた異物感が圧迫感を伴って戻ってくる。
けれど、さっきと同じ。私はそれをなすすべもなく受け入れるしかない。
「やっぱり二本になるとキツイか……」
「……んん、んっ」
指が慣らすようにゆっくりと抜き差しを始める。蜜をたたえた二本の指が引き出され、また再び押し込まれる。その動きに合わせて「んっ」と鼻にかかった声が漏れた。
彰人さんがキツイといっていた通りで、私の中は指を二本受け入れるだけでもういっぱいだ。
……少なくとも私はそんな風に感じていたけど、彰人さんはそうは思ってないようで、抜き差しがスムーズになった後、指を奥深くに入れたまま狭い粘膜の壁を押し開くようにバラバラに動き始める。
「あっ……くっ……」
足がびくんっと震え、爪先がベッドのシーツを掻いた。
指一本だってダメだったのに、それが二本ともなると……。
「あっ、いやぁ、んんっ、あ……ああっ、ダメ!」
片方の指が再び感じる所を責めはじめ、私は再び始まった責め苦に悲鳴を上げた。
触れられるたびに身体を走る疼きに、変になりそうだった。
ところが、不意に彰人さんはその指の動きを止め、それどころかすっと手を引いて私の中から出ていってしまう。
「……あ……?」
もう許して欲しいと思っていたはずなのに、ホッとするより先になぜか物足りなさを感じてしまい、そんな自分に赤面する。
けれど、それを上回る恥ずかしさが私を待っていた。
「嫌? でも嫌じゃないよね。だってほら、こんなに濡れている」
そう言って笑みを浮かべながら彰人さんは私の目の前につい今しがたまで蜜壺をかき混ぜていた手を掲げてみせる。
その指は濡れ、蛍光灯の光に反射してぬらぬらと光っていた。
私は直視できなくて、とっさに目を逸らした。
頬にかぁと熱が集まる。それが何であるのか、何を示しているのか言われなくてもよく分かっている。
そう思いたくはないけど、身体は正直だ。だって、嫌だなんて全然感じてないのだから。
だから、彰人さんの愛撫に感じてしまう。恥ずかしくなるくらいに濡れてしまう。
でもきっとそんなことは慣れている彰人さんには百も承知だろう。
それが分かっていながらあえて私に示すなんて……このドS!
そう思ったけど、羞恥の片隅で、下腹部がキュンと疼き、さっきまであの濡れた指が入っていた場所が物欲しそうにヒクリと蠢くのが分かった。
ああああ、もう!
彰人さんは耳まで真っ赤に染め、そっぼを向く私を見てくすっと笑いをもらした。
それから再びその手を私の腿に滑らせて笑みを浮かべたまま言う。
「恥ずかしい? でも、まだまだこんなもんじゃないんだけどね? ……ああ、これ、邪魔だから取るよ」
ショーツに手がかかり、そこで私はようやくまだ自分が下着を身に着けた状態でいたことを思い出す。
もっとも、ただもう引っかかっているだけの代物で、彰人さんの手によってそれはあっさり取り払われた。
そしてついでとばかりに下げられて腰の所でクシャクシャになっていたキャミソールも剥ぎ取られ、私はあっという間に裸にされてしまう。
なのに、彰人さんは依然服を着たままだ。その落差に私は居たたまれなくなってようやく解放された手で思わず顔を覆った。……すぐ剥がされたけれど。
「ダメ。愛美の感じている顔を見たいんだ。隠さないで」
なんて言って。
その彰人さんは私の膝を開いてその間に身を落ち着かせた後、今度は片方の膝の裏に手を入れて少し持ち上げると、そこに屈みこんで太ももに唇を滑らせた。
その濡れた感触に内股がびくんと震える。
私の手の持っていき場が決まった。シーツだ。とっさに両手でシーツをまるで爪を立てるように握りしめる。
そうしている間にも彰人さんは胸にしたのと同じように、一センチ刻みで私の内股にキスを落としていく。
と、ふとチクリと肌に小さな痛みを感じて視線を下げると、強く吸い出したその部分に彰人さんが、舌を這わせている姿が目に飛び込んできた。
そ、そんなところにキスマーク付けるの?
そ、それって普通なの?
けれど私のそんな戸惑いは、彰人さんと目が合ってかき消える。
私の肌に口をつけたまま視線を向けてくるその淫猥な姿と壮絶な色気に当てられてクラクラしていると、何も思ったのか艶やかな笑みを浮かべて彰人さんがとんでもないことを言い出した。
「ねぇ、愛美。ここにキスしたいけど、いい?」
「え?」
意味が分からなかった。
キスって……今までだってしていたのに?
そう思った私は、けれど、次に彰人さんが向けた視線に先にあるものに気づいて息を飲んだ。
彰人さんがじっと視線を落とした場所――それは私の開かれた両足の付け根で……。
まさか、キスしたい場所って……!?
それに思い至った次の瞬間、何も身につけていない無防備な場所を見られている羞恥や何やらがいっぺんに頭の中に噴出して、私は軽いパニックに陥った。
ちょ、ちょ、ちょっと、待ったぁぁ!
いくら私が恋愛に疎いからって、何も知らないわけじゃない。そういう口でする行為があるってことくらいは知ってる。
でも、でもっ、初心者に初っ端からオーラルセックスって敷居高くありませんか?
何度も身体を重ねた恋人たちがやるものなんじゃないの?
いや、初心者云々というそれ以前に大問題がある。いまさらだけど、そのことに気づいてしまった。
――私、お風呂もシャワーも入ってない……!
デート中に当然そんな時間はなかったし、彰人さんの部屋に連れてこられた直後にこういう行為が始まってしまい、身体を清めることすら頭に思い浮かばなかった。
今日一日分の汗や皮脂やら分泌物やらがたまった場所に彰人さんの唇が触れることを想像したら、想像したら……ああああああ!
羞恥で顔を赤らめるどころか、それ通り越して青ざめてきそうだ。
「だ、ダメです……!」
私は悲鳴にも似た声をあげて、涙目になりながら首をブンブン横に振った。
「そこにキスは絶対ダメです!」
何と言われようが、女としてこれだけはお断りだ!
……というか、今からシャワー浴びてきちゃダメだろうか?
ところが彰人さんは内股から顔を上げ、微苦笑を浮かべながらとんでもないことを言う。
「困ったね。ダメだといわれると余計にキスしたくなる」
ひぃぃぃぃ!
顔を引きつらせる私を見下ろし、でも、と彰人さんは笑って続けた。
「でも、今回はやめておこう。初めての君に無茶をして逃げられると困るしね。それに……」
身を乗り出した彰人さんの弧を描く唇が目前に迫る。
「君とこっちのキスができなくなるのは嫌だから」
え? それって……。
そう思う間もなく、唇が重なった。薄く開いていた口の隙間から彰人さんの舌がするりと入り込み、私の舌と絡み合う。
ぞくぞくっと背筋に快感が駆け上がった。
頭が枕に沈み込み、シーツを握っていた手が無意識のうちに彰人さんのシャツの胸元をつかむ。
「……ふっ、……んっ……」
私は目を閉じてそのキスに応えた。
付き合い始めてからキスだけは散々されてきたから、習い性というやつなのか、彰人さんにキスされるとすぐに何も考えられなくなって溺れてしまう。
我ながら慣らされているなぁと思う。
けれど私が夢中になって応えている間に、彰人さんは見えないところで次の行動に移っていた。
開かされた足の付け根に手を伸ばし、ツーっと秘裂をなぞったかと思うと、その指が蜜口にぐぐっと押し込まれた。
「……んうっ……!?」
合わさった唇から、くぐもった声が漏れる。
けれど指は一本じゃなかった。胎内で感じられる感覚が間違いじゃなければ、襞を掻き分けながら蜜壷に侵入していく指は――二本ある。
襞を掻き分けるようにして奥に侵入したその指がゆっくり抜き差しを開始した。
さっきまで受け入れていたそこは、最初に比べればずいぶん動きがスムーズになっているように思える。
「……ふ……んぁ……」
ざらざらとした舌に感じやすい上あごの部分を扱かれ、下腹部がキュンと痺れた。
奥からじわりじわりとまた蜜が染み出してきて彰人さんに指の動きを助けていく。
濃厚なキスのせいか、腰から下が痺れたように感覚がなくなっていくのに、彰人さんに指で弄られている部分だけは妙に鮮明で、快感と異物感が混じった言葉にできない感覚を脳髄に伝えてくる。
私は口の中を這い回る舌とそれがもたらす悦楽に気を取られ、また、一方では感じる場所を絶妙なタッチで触れてくる指に気を取られ、異なる二つの感覚に嵐のように翻弄されていった。
――頭がおかしくなりそう。
じゅぶじゅぶと下から粘着質な水音が響く。けれど私にそれを恥ずかしがる余裕はなかった。
私の中に二本指を差し入れたまま彰人さんの親指が、その空洞の上にある充血した花芯に触れたからだ。
コリッと爪で擦られて背筋に電流が走り、びくんと腰が跳ねた。
「……んんっ……!」
彰人さんの口の中にくぐもった悲鳴を放つ。
指を中に穿ったまま、口の中を蹂躙しながら彰人さんはその小さな芽に強弱をつけながら容赦なく甚振った。
さっき散々弄られていたその尖りは容易に快感を拾い上げ、伝えてくる。
触れられるたびにお腹の奥がキュンと疼き、そのたびに私は身体を震わせながら声を漏らす。
けれどそのすべては音にならずに彰人さんの口に中に消えていった。
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「あ、ああっ!」
くちゅりと音を立てて、指の動きが再開される。蜜口を浅くかき回されて、私の腰が浮き上がった。奥から蜜がどっと溢れて、彰人さんの指を濡らしていく。
死ぬほど恥ずかしい……!
「あ、煽って、なんか……んぁ!」
いない、そう続けるはずだった言葉は喉の奥で消えた。
秘裂を探っていた指とは違う指が、そのほんの少し上にある蕾を捕えたからだ。
そこは今までの刺激で充血していて、ほんの少し触れられてだけで、背中から脳天を突き抜けるほどの刺激をもたらす。
「あ、ああっ!」
背中が浮き上がり、足がビクビクと震えた。けれど、その衝撃は一度では終わらなかった。
蜜を纏った指が立ち上がりかけた蕾に絡みつき、撫でて、時に爪弾いたり、ぐりっと押しつぶしたりする。
そのたびに私の背中に電流が走り抜け、まな板の鯉のようにピクンピクンと身体が跳ね上がった。
「あ、あ、んん、ん」
絶え間なく私の口から喘ぎ声が零れる。けれど、もうそれが恥ずかしいとか気にする余裕はなかった。彰人さんの手がもたらす強烈な感覚に翻弄されていた。
蜜口の浅い部分を探っていた指が、ぐっと入り込む。
「……ひっ!」
びりっとした引きつるような痛みと、圧迫感を感じて私は怯んだ。
「やあっ」
涙目でふるふると首を振る。
けれど指の動きは止まらない。ぬかるんだそこに慎重に、けれど確実に押しこまれていく。
痛みと異物感に私の身体が引きつった。
初めて異物を受け入れたそこはこわばり、侵入してきたその指をぎゅうっと締め付ける。まるで押し出そうとするかのように。
けれどその無意識の動きが却って、私の胎内にその侵入物の形を克明に伝えてくる。
思いもよらないことに中は敏感で、爪や第一関節の形までがまざまざと感じられた。
みんなこうなの? 本当にこんなことを経験しているの?
自分に中に他人の指が埋まっているという現実とその違和感に、私は怯えた。
セックスがそういうものだと分かっていたけれど、いざそうなってみると、やっぱり畏怖を覚えずにはいられなくて……。
「大丈夫だ。怖がらないで」
私の怯えを感じ取ったのか、彰人さんがまたさっきと同じように私の顔にキスを降らせた。
瞼、頬、口の端、そして唇に優しいキスが落とされる。その感触がやさしくて、私は身体の力を抜きながらほぅっと息を吐く。
……そうしたら余計に膣の中を指を意識してしまい、小さく声が漏れてしまった。
「……んっ……」
鼻にかかったようなその声は、なぜか少し甘い響きを帯びていたような気がする。
異物感がすごくて、胸や蜜口を弄られた時のように気持ちいいとは思えなかったのに、とても不思議だ。
「やっぱり狭いな……」
指を奥深くまで差し入れて、彰人さんがつぶやく。
「ごめんね。愛美の中は狭いから、少しキツイかもしれない」」
そういいながら指がゆっくりと中で探るように動き出す。狭い壁を指の腹でこすられ、その慣れない感触に私は息を飲んだ。
「や、やぁ……!」
「大丈夫だ。少しずつ慣らしていくから」
「……ん、んんっ」
大丈夫じゃない。全然大丈夫じゃない!
中で彰人さんの指が蠢いているのが分かる。それに絡みつくように自分の中がうねるのも。
そのせいか分からないけれど、じっとしていられなくて、もぞっと腰が動いてしまう。
そして動いたために指のあたる場所が微妙に変わったその瞬間――
「あっ……!」
腰が跳ねた。文字通り一瞬ベッドから浮き上がって柔らかなベッドに再び沈み込む。
「やっ、何……?」
私は自分に何が起きたのか分からずに戸惑った。一瞬、電流が走ったみたいになって、身体が勝手に動いたのだ。
そんな私に彰人さんはうっすらと笑った。
「ああ、ここだね」
そう言って、中に入れていた指をくの字に曲げ、さっき偶然動いたときに当たった場所に触れる。
すると……。
「ふぁ……!」
再び声が漏れて、背中が浮いた。
お腹の奥がキュンと疼き、ビーンと足につま先までしびれていく。
トロリと私の奥から新たな蜜が零れていき、彰人さんの手を濡らしていくのが分かった。
「あ……ん、な、なんで……?」
喘ぐ私に彰人さんが楽しそうに笑って告げる。
「ここは君の感じる所。こうして触れると……」
彰人さんの指がそこに触れる。そのとたん、私の身体がびくんと震えた。
「んんっ、だ、ダメ、やめ……!」
その異様な感覚から逃れるため、身をよじろうとするけれど、押さえつけられた手がそれを許さない。
かえって罰とばかりに執拗にそのざらざらした部分をこすられ、更に私は追い詰められていった。
指が感じる場所をかすめるたびに陸に上がった魚のようにビクンビクンと身体が跳ね上がり、口からはひっきりなしに泣き声にも似た声が漏れる。
けれどその声は自分の耳にもどこか甘さを含んでいるように聞こえた。
恥ずかしい……!
けれど、そう思うのに、奥から溢れてくる蜜が私が感じているものを雄弁に語る。
そんな風にたった指一本で翻弄される私の姿を、彰人さんが熱っぽい目で、そしてどこか愉悦の表情を浮かべて見下ろしていた。
男というのは女が自分の手で快楽に溺れるのを見て悦ぶ生き物だって彰人さんは言っていたけど、どうも本当らしい。
だけど、私は初心者だってことも忘れないで欲しい!
「んんっ、ん、あ、あ、そこ、ばっかり……!」
私は泣き声をあげながら、いやいやと頭を振った。
気持ちいいと言うには、慣れない強烈すぎる快感に頭がおかしくなりそうだった。
彰人さんがくすくす笑う。
「そうだね。じゃあ……二本目」
「ふぁ……!」
ぬぷっと音を立ててもう一本指が増やされ、私は息を詰める。
痛みこそはなかったけれど、小さくなっていた異物感が圧迫感を伴って戻ってくる。
けれど、さっきと同じ。私はそれをなすすべもなく受け入れるしかない。
「やっぱり二本になるとキツイか……」
「……んん、んっ」
指が慣らすようにゆっくりと抜き差しを始める。蜜をたたえた二本の指が引き出され、また再び押し込まれる。その動きに合わせて「んっ」と鼻にかかった声が漏れた。
彰人さんがキツイといっていた通りで、私の中は指を二本受け入れるだけでもういっぱいだ。
……少なくとも私はそんな風に感じていたけど、彰人さんはそうは思ってないようで、抜き差しがスムーズになった後、指を奥深くに入れたまま狭い粘膜の壁を押し開くようにバラバラに動き始める。
「あっ……くっ……」
足がびくんっと震え、爪先がベッドのシーツを掻いた。
指一本だってダメだったのに、それが二本ともなると……。
「あっ、いやぁ、んんっ、あ……ああっ、ダメ!」
片方の指が再び感じる所を責めはじめ、私は再び始まった責め苦に悲鳴を上げた。
触れられるたびに身体を走る疼きに、変になりそうだった。
ところが、不意に彰人さんはその指の動きを止め、それどころかすっと手を引いて私の中から出ていってしまう。
「……あ……?」
もう許して欲しいと思っていたはずなのに、ホッとするより先になぜか物足りなさを感じてしまい、そんな自分に赤面する。
けれど、それを上回る恥ずかしさが私を待っていた。
「嫌? でも嫌じゃないよね。だってほら、こんなに濡れている」
そう言って笑みを浮かべながら彰人さんは私の目の前につい今しがたまで蜜壺をかき混ぜていた手を掲げてみせる。
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私は直視できなくて、とっさに目を逸らした。
頬にかぁと熱が集まる。それが何であるのか、何を示しているのか言われなくてもよく分かっている。
そう思いたくはないけど、身体は正直だ。だって、嫌だなんて全然感じてないのだから。
だから、彰人さんの愛撫に感じてしまう。恥ずかしくなるくらいに濡れてしまう。
でもきっとそんなことは慣れている彰人さんには百も承知だろう。
それが分かっていながらあえて私に示すなんて……このドS!
そう思ったけど、羞恥の片隅で、下腹部がキュンと疼き、さっきまであの濡れた指が入っていた場所が物欲しそうにヒクリと蠢くのが分かった。
ああああ、もう!
彰人さんは耳まで真っ赤に染め、そっぼを向く私を見てくすっと笑いをもらした。
それから再びその手を私の腿に滑らせて笑みを浮かべたまま言う。
「恥ずかしい? でも、まだまだこんなもんじゃないんだけどね? ……ああ、これ、邪魔だから取るよ」
ショーツに手がかかり、そこで私はようやくまだ自分が下着を身に着けた状態でいたことを思い出す。
もっとも、ただもう引っかかっているだけの代物で、彰人さんの手によってそれはあっさり取り払われた。
そしてついでとばかりに下げられて腰の所でクシャクシャになっていたキャミソールも剥ぎ取られ、私はあっという間に裸にされてしまう。
なのに、彰人さんは依然服を着たままだ。その落差に私は居たたまれなくなってようやく解放された手で思わず顔を覆った。……すぐ剥がされたけれど。
「ダメ。愛美の感じている顔を見たいんだ。隠さないで」
なんて言って。
その彰人さんは私の膝を開いてその間に身を落ち着かせた後、今度は片方の膝の裏に手を入れて少し持ち上げると、そこに屈みこんで太ももに唇を滑らせた。
その濡れた感触に内股がびくんと震える。
私の手の持っていき場が決まった。シーツだ。とっさに両手でシーツをまるで爪を立てるように握りしめる。
そうしている間にも彰人さんは胸にしたのと同じように、一センチ刻みで私の内股にキスを落としていく。
と、ふとチクリと肌に小さな痛みを感じて視線を下げると、強く吸い出したその部分に彰人さんが、舌を這わせている姿が目に飛び込んできた。
そ、そんなところにキスマーク付けるの?
そ、それって普通なの?
けれど私のそんな戸惑いは、彰人さんと目が合ってかき消える。
私の肌に口をつけたまま視線を向けてくるその淫猥な姿と壮絶な色気に当てられてクラクラしていると、何も思ったのか艶やかな笑みを浮かべて彰人さんがとんでもないことを言い出した。
「ねぇ、愛美。ここにキスしたいけど、いい?」
「え?」
意味が分からなかった。
キスって……今までだってしていたのに?
そう思った私は、けれど、次に彰人さんが向けた視線に先にあるものに気づいて息を飲んだ。
彰人さんがじっと視線を落とした場所――それは私の開かれた両足の付け根で……。
まさか、キスしたい場所って……!?
それに思い至った次の瞬間、何も身につけていない無防備な場所を見られている羞恥や何やらがいっぺんに頭の中に噴出して、私は軽いパニックに陥った。
ちょ、ちょ、ちょっと、待ったぁぁ!
いくら私が恋愛に疎いからって、何も知らないわけじゃない。そういう口でする行為があるってことくらいは知ってる。
でも、でもっ、初心者に初っ端からオーラルセックスって敷居高くありませんか?
何度も身体を重ねた恋人たちがやるものなんじゃないの?
いや、初心者云々というそれ以前に大問題がある。いまさらだけど、そのことに気づいてしまった。
――私、お風呂もシャワーも入ってない……!
デート中に当然そんな時間はなかったし、彰人さんの部屋に連れてこられた直後にこういう行為が始まってしまい、身体を清めることすら頭に思い浮かばなかった。
今日一日分の汗や皮脂やら分泌物やらがたまった場所に彰人さんの唇が触れることを想像したら、想像したら……ああああああ!
羞恥で顔を赤らめるどころか、それ通り越して青ざめてきそうだ。
「だ、ダメです……!」
私は悲鳴にも似た声をあげて、涙目になりながら首をブンブン横に振った。
「そこにキスは絶対ダメです!」
何と言われようが、女としてこれだけはお断りだ!
……というか、今からシャワー浴びてきちゃダメだろうか?
ところが彰人さんは内股から顔を上げ、微苦笑を浮かべながらとんでもないことを言う。
「困ったね。ダメだといわれると余計にキスしたくなる」
ひぃぃぃぃ!
顔を引きつらせる私を見下ろし、でも、と彰人さんは笑って続けた。
「でも、今回はやめておこう。初めての君に無茶をして逃げられると困るしね。それに……」
身を乗り出した彰人さんの弧を描く唇が目前に迫る。
「君とこっちのキスができなくなるのは嫌だから」
え? それって……。
そう思う間もなく、唇が重なった。薄く開いていた口の隙間から彰人さんの舌がするりと入り込み、私の舌と絡み合う。
ぞくぞくっと背筋に快感が駆け上がった。
頭が枕に沈み込み、シーツを握っていた手が無意識のうちに彰人さんのシャツの胸元をつかむ。
「……ふっ、……んっ……」
私は目を閉じてそのキスに応えた。
付き合い始めてからキスだけは散々されてきたから、習い性というやつなのか、彰人さんにキスされるとすぐに何も考えられなくなって溺れてしまう。
我ながら慣らされているなぁと思う。
けれど私が夢中になって応えている間に、彰人さんは見えないところで次の行動に移っていた。
開かされた足の付け根に手を伸ばし、ツーっと秘裂をなぞったかと思うと、その指が蜜口にぐぐっと押し込まれた。
「……んうっ……!?」
合わさった唇から、くぐもった声が漏れる。
けれど指は一本じゃなかった。胎内で感じられる感覚が間違いじゃなければ、襞を掻き分けながら蜜壷に侵入していく指は――二本ある。
襞を掻き分けるようにして奥に侵入したその指がゆっくり抜き差しを開始した。
さっきまで受け入れていたそこは、最初に比べればずいぶん動きがスムーズになっているように思える。
「……ふ……んぁ……」
ざらざらとした舌に感じやすい上あごの部分を扱かれ、下腹部がキュンと痺れた。
奥からじわりじわりとまた蜜が染み出してきて彰人さんに指の動きを助けていく。
濃厚なキスのせいか、腰から下が痺れたように感覚がなくなっていくのに、彰人さんに指で弄られている部分だけは妙に鮮明で、快感と異物感が混じった言葉にできない感覚を脳髄に伝えてくる。
私は口の中を這い回る舌とそれがもたらす悦楽に気を取られ、また、一方では感じる場所を絶妙なタッチで触れてくる指に気を取られ、異なる二つの感覚に嵐のように翻弄されていった。
――頭がおかしくなりそう。
じゅぶじゅぶと下から粘着質な水音が響く。けれど私にそれを恥ずかしがる余裕はなかった。
私の中に二本指を差し入れたまま彰人さんの親指が、その空洞の上にある充血した花芯に触れたからだ。
コリッと爪で擦られて背筋に電流が走り、びくんと腰が跳ねた。
「……んんっ……!」
彰人さんの口の中にくぐもった悲鳴を放つ。
指を中に穿ったまま、口の中を蹂躙しながら彰人さんはその小さな芽に強弱をつけながら容赦なく甚振った。
さっき散々弄られていたその尖りは容易に快感を拾い上げ、伝えてくる。
触れられるたびにお腹の奥がキュンと疼き、そのたびに私は身体を震わせながら声を漏らす。
けれどそのすべては音にならずに彰人さんの口に中に消えていった。
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