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第65話 【閑話】ニックにざまぁするまで⑧
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真っ赤な絨毯がしきつめられたその部屋の中央に、豪華絢爛な玉座に腰をかけたご主人様。
まさしく魔王の名にふさわしいいでたちだ。
でも絨毯や玉座はどうやって手に入れたのだろうか。
まあ、細かいことをあれやこれやと考えても仕方ない。
ご主人様から直接呼ばれた幸福をかみしめようじゃないか。
「ニックよ。顔を上げよ」
「はい! 喜んでー!!」
「……うむ。その無駄に快活な掛け声はどこで覚えた?」
「さあ……。自分でも分かりません」
「そうか。まあよい。今日は貴様にプレゼントしたいものがある」
そう告げたご主人様は僕の前にポンと石板を放り投げた。
「これは?」
「ステータスオープン、と声をかけてみよ」
「ステータスオープン?」
と、直後に石板が光り出したかと思うと、文字が浮かび上がってきたのである。
「レベル123……。腕力、スピード、魔力、防御、全て920……」
「ククク。どうだ? 懐かしいだろう」
「これは……。ギルドにあったステータス画面ですか」
「ああ。貴様のスキルポイントを開いてみよ」
言われるがままにスキルポイントが確認できる画面を開いてみる。
すると表示された数字を見て、思わず「あっ!」と叫んでしまったのだ。
「ククク。どうだ?」
「13789ポイントもあります!」
「余に尽くしたおかげだ。感謝せよ」
なるほど。ひたすら雑用をこなしてきた成果ってことだね。
となるとピートが突然強くなったのは、パーティーの雑用をずっとこなしてきたからってことか……。
ふんっ。なーんだ。
彼の今があるのも、すべて僕のおかげじゃないか。
だったら大事なものを差し出すのが礼儀ってものだろう。
ははっ。これでサンを僕のものにする口実が整ったってわけか。
「はい! ありがとうございます!!」
「うむ。それだけじゃないぞ。スキルの中に【ステータス同化】があるであろう」
【ステータス同化】?
確かにある。12000ポイントも使うみたいだ。
「それを身につけよ」
「え、でも……」
正直言って、同じ12000ポイントなら隣にある【ダメージによる痛み倍加】の方に興味が……はぁはぁ。
「迷うな!!」
「むわっ!!」
ご主人様の一喝にビックリして思わず【ステータス同化】をプチっと押してしまった。
でもこれで本当によかったのだろうか……。
そもそも【ステータス同化】ってどんな効果があるのかも僕は知らない。
「ククク。それでよい。試しに……。ほら、ちょうどよい『実験台』がきた」
ご主人様が窓の外を見ると、城の前に冒険者の2人組が目に入った。
二人とも頭から足先まで全身を鎧で固めている。
「魔王アルゼオン!! 貴様の首はここにいるイノッチとシラーズがもらい受ける!!」
「Sランク中のSランクとも言われた俺たちの力を思い知るがいい!!」
「貴様を倒して俺たちは億万長者になるのだ!! あははは!!」
彼らが笑い終わらないうちに、ジェレミーとマットのゾンビが背後から後頭部を殴りつけた。
無言で気絶する二人。
「片付けてこい」
「しかしヤツらはご主人様の『犬』になるはずなのでは……」
「よいのだ。【ステータス同化】の効果をその身で確かめてみるといい」
僕は言われたとおりに外に出てイノッチとシラーズと名乗った冒険者の前に立った。
二人とも気絶しているようで、剣を抜いても何の反応もない。
立ち向かってこない相手の命を絶つのは騎士道精神に反しているよね。
――ズブリ。
僕は何の躊躇もなく二人の喉に剣を突き刺した。
「ガア……」
「グエ……」
ゾンビになったイノッチとシラーズが『犬』に加わる。
と、その瞬間、力がぐっと湧いてきた気がしたのだ。
気のせいか確かめるべく、ステータス画面を開いてみる。
すると腕力に『(+20)』、防御に『(+100)』と表示されているではないか。
「これが【ステータス同化】か……」
つまり『犬』のステータスがそのまま僕のステータスになるということ。
だから『犬』が強ければ強いほど僕も強くなれる!
「ニックよ。これからはここを襲ってきた者どもの後片付けを貴様に頼むことにしよう。その意味、分かるな?」
「は、はい! あは……あは……あははは!!」
笑いが止まらないよ。
だってそうだろう?
王国のクソどもはご主人様を倒そうと強いヤツを送り込んでこようとしているのは分かってるのだから。
もし、もしだよ。
エンシェント・ブラックドラゴンとかいう伝説のドラゴンをどこかのバカが召喚して、ご丁寧にご主人様に盾ついてくれたら……。
僕は最強になれる――!
まさしく魔王の名にふさわしいいでたちだ。
でも絨毯や玉座はどうやって手に入れたのだろうか。
まあ、細かいことをあれやこれやと考えても仕方ない。
ご主人様から直接呼ばれた幸福をかみしめようじゃないか。
「ニックよ。顔を上げよ」
「はい! 喜んでー!!」
「……うむ。その無駄に快活な掛け声はどこで覚えた?」
「さあ……。自分でも分かりません」
「そうか。まあよい。今日は貴様にプレゼントしたいものがある」
そう告げたご主人様は僕の前にポンと石板を放り投げた。
「これは?」
「ステータスオープン、と声をかけてみよ」
「ステータスオープン?」
と、直後に石板が光り出したかと思うと、文字が浮かび上がってきたのである。
「レベル123……。腕力、スピード、魔力、防御、全て920……」
「ククク。どうだ? 懐かしいだろう」
「これは……。ギルドにあったステータス画面ですか」
「ああ。貴様のスキルポイントを開いてみよ」
言われるがままにスキルポイントが確認できる画面を開いてみる。
すると表示された数字を見て、思わず「あっ!」と叫んでしまったのだ。
「ククク。どうだ?」
「13789ポイントもあります!」
「余に尽くしたおかげだ。感謝せよ」
なるほど。ひたすら雑用をこなしてきた成果ってことだね。
となるとピートが突然強くなったのは、パーティーの雑用をずっとこなしてきたからってことか……。
ふんっ。なーんだ。
彼の今があるのも、すべて僕のおかげじゃないか。
だったら大事なものを差し出すのが礼儀ってものだろう。
ははっ。これでサンを僕のものにする口実が整ったってわけか。
「はい! ありがとうございます!!」
「うむ。それだけじゃないぞ。スキルの中に【ステータス同化】があるであろう」
【ステータス同化】?
確かにある。12000ポイントも使うみたいだ。
「それを身につけよ」
「え、でも……」
正直言って、同じ12000ポイントなら隣にある【ダメージによる痛み倍加】の方に興味が……はぁはぁ。
「迷うな!!」
「むわっ!!」
ご主人様の一喝にビックリして思わず【ステータス同化】をプチっと押してしまった。
でもこれで本当によかったのだろうか……。
そもそも【ステータス同化】ってどんな効果があるのかも僕は知らない。
「ククク。それでよい。試しに……。ほら、ちょうどよい『実験台』がきた」
ご主人様が窓の外を見ると、城の前に冒険者の2人組が目に入った。
二人とも頭から足先まで全身を鎧で固めている。
「魔王アルゼオン!! 貴様の首はここにいるイノッチとシラーズがもらい受ける!!」
「Sランク中のSランクとも言われた俺たちの力を思い知るがいい!!」
「貴様を倒して俺たちは億万長者になるのだ!! あははは!!」
彼らが笑い終わらないうちに、ジェレミーとマットのゾンビが背後から後頭部を殴りつけた。
無言で気絶する二人。
「片付けてこい」
「しかしヤツらはご主人様の『犬』になるはずなのでは……」
「よいのだ。【ステータス同化】の効果をその身で確かめてみるといい」
僕は言われたとおりに外に出てイノッチとシラーズと名乗った冒険者の前に立った。
二人とも気絶しているようで、剣を抜いても何の反応もない。
立ち向かってこない相手の命を絶つのは騎士道精神に反しているよね。
――ズブリ。
僕は何の躊躇もなく二人の喉に剣を突き刺した。
「ガア……」
「グエ……」
ゾンビになったイノッチとシラーズが『犬』に加わる。
と、その瞬間、力がぐっと湧いてきた気がしたのだ。
気のせいか確かめるべく、ステータス画面を開いてみる。
すると腕力に『(+20)』、防御に『(+100)』と表示されているではないか。
「これが【ステータス同化】か……」
つまり『犬』のステータスがそのまま僕のステータスになるということ。
だから『犬』が強ければ強いほど僕も強くなれる!
「ニックよ。これからはここを襲ってきた者どもの後片付けを貴様に頼むことにしよう。その意味、分かるな?」
「は、はい! あは……あは……あははは!!」
笑いが止まらないよ。
だってそうだろう?
王国のクソどもはご主人様を倒そうと強いヤツを送り込んでこようとしているのは分かってるのだから。
もし、もしだよ。
エンシェント・ブラックドラゴンとかいう伝説のドラゴンをどこかのバカが召喚して、ご丁寧にご主人様に盾ついてくれたら……。
僕は最強になれる――!
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