戦士と腕輪

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第3章 3人目

第22話 装備改修

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戦士と腕輪 第22話 装備改修

 闘技場での少年の初試合や魔法使いの大会の翌日、少年にとっては色々なことが起こり、
とても疲れてしまったのか、少年は部屋に戻るとすぐに寝て、ぐっすりと寝てしまい、
太陽がだいぶ昇ってもなかなか起きずにいた。

「うーん。眠いな。ふあー。もう。だいぶ寝ちゃったな。そろそろ起きようかな。」

少年はまだ寝ていたいという思いを抑えつつ、ベットから起き上がると、顔を洗って、
遅めの朝食としてパンを食べ始めるのであった。パンを食べながら、少年はあることを
思い出した。

「あ、昨日の闘技場でたくさん賞金をもらったから、何に使うかを決めてなかったな。
 どうしようかな。」

昨日の闘技場で、少年は主に魔法使いの大会で優勝したことで賞金をかなりたくさん手に
した。賞金の総額は銀貨50枚程度であった。少年にとってはかなりの大金であり、何に
使うかをよく考えるのであった。

「うーん。不要なものを買って、無駄使いするとまずいから、誰かと相談しようかな。」

少年はそう考えると自分の部屋を出て、ある所へ向かうのであった。少年は相談相手の
部屋の前まで来るとドアを軽く叩いて呼びかけるのであった。

「おはようございます。相談したいことがあって、ちょっといいですか?」

「おー。お前か。まあ。中に入れよ。」

当然ながら、相談相手は弓使いであった。少年は弓使いの部屋に入るとイスに腰かけて
さっそく用件を話すのであった。

「実は、昨日の闘技場で賞金がたくさん入ったので使い道を考えていたんですが、
 何にしようかと迷っていたんです。自分だけで考えても、いい使い道が浮かんでこな
 くて。」

「そうか。うまいものでも、食べればいいんじゃないか。今日の昼はこの街の
 レストランに行こうと考えていたから。」

弓使いは少年にレストランで豪勢な料理を食べればいいのではないかと勧めるのであった。
しかし、少年は食事だけではとても賞金を使えきれないと思うと他にもないかと聞こうと
した。

「あの。他にも使い道ってありますかね。実用的というか。何か。」

「うーん。そうだな。あとは武器や防具の装備を買い替えたらどうだ。これからも戦いは
 大変になるかもしれないし、この新たな街なら大きな武器屋があるから、いい武器や
 防具が手に入るぞ。」

「あ、それはいいですね。じゃあ、武器屋に行って、新しい武器や防具を見てみますよ。」

少年は弓使いの提案を受け入れるとさっそく武器屋に行こうと考えるのであった。少年は
弓使いも誘おうとしたが、弓使いには他に用事があるので昼食のレストランで合流しようと
約束するのであった。少年は弓使いの部屋を出ると武器屋に向かうのであった。

「武器屋は確かこの辺りに、あ、あそこだな。」

少年は武器屋を見つけるとさっそく中に入るのであった。武器屋の中には、店主らしき
人物がおり、商品を整理していた。

「うわー。中が広いな。前の街の武器屋よりとっても大きいな。これならいい武器や
 防具がありそうだな。」

「いらっしゃいませ。何か。ご入用でしょうか?」

店主は店の中に入ってきた少年を見つけると声をかけてくるのであった。少年も自分の目で
探すより、店主に聞いた方が早いだろうと相談するのであった。

「あの、実は新しい武器や防具を探しているんです。今装備しているのがこの鉄剣と革の
 胸当てなので、これより攻撃力や防御性能がいいものはありませんか?」

「わかりました。それにしても、お若いのになかなかいい武器をお持ちですね。
 クエストに従事されてる戦士ですか?」

「はい。この街に来て斡旋所でクエストをこなしたり、闘技場に参加したりしています。」

少年は店主に用件を伝えると、店主は武器や防具を探す前に少年のことを聞いてくるので
あった。店主は少年のやっていることを聞くと少し考え出して、店の奥へいくのであった。

「こちらに来てください。武器と防具を紹介します。」

店主が店の奥へ少年を招くとそこには高価な武器や防具が置いてあった。店主は1本の剣を
手に取ると少年に見せてくるのであった。

「これは黒鉄剣と言って、今お持ちの鉄剣より材料の金属をさらに鍛えて作られた剣
 です。強度や切れ味も鉄剣より抜群にいいので攻撃力はかなり向上するはずです。」

「うわー。すごくいい剣ですね。ちょっと持たせてもらっていいですか。あっ。重さも
 今持っている剣と同じだな。これなら、すぐに使いこなせそうだな。」

店主は黒鉄剣を紹介すると、少年は手にとって扱いやすさを肌で体感するのであった。
少年はすぐに黒鉄剣を気にいると購入を考え始めるのであった。

「とても気に入りました。これって、いくらしますか?」

「これは少し値が張りますが、銀貨25枚です。」

店主が少年に少し気を使って、高価になると伝えた。少年は鉄剣よりかなり高いと
感じたが、稼いだ賞金が多かったので奮発して購入することにした。少年はさらに
次のようなことを言うのであった。

「そうですか。その値段なら、手持ちのお金で購入できるので大丈夫です。あと、防具も
 いいのがあったら、見せてもらえますか?」

「そ、そうですか。では、次はこちらの防具はいかがですか?」

店主は店の奥の棚からある防具を持ってくると、少年に見せるのであった。

「これはチェインベストと言って、小さな金属製の鎖で作られたベストの形をした
 防具です。布のようにある程度しなやかさもあり、しかも金属のように頑丈なので
 斬撃や打撃にもかなり耐えられます。今の防具よりもかなり防御性能が上昇しますよ。」

「あ、これって、今の革の胸当てとあまり変わらない重さだな。試着してみていい
 ですか?」

「ええ。どうぞ。着てみてください。」

少年は革の胸当てを脱ぐとさっそくチェインベストを着てみるのであった。やはり、革の
胸当てと重さはあまり変わらず、しなやかさもあったので動きやすさもよかった。その
表面を触ると金属製の質感があり、斬撃や打撃にも耐えられそうであった。

「うーん。このチェインベストはすごくいいな。これなら、今まで通り動けて、防御
 性能が上がるから、戦闘が少しは楽になるな。」

「あまりゴツゴツとした金属製の鎧よりはチェインベストの方が実用的ですから、
 クエストをこなされるお客様にはちょうど適当なものだと思いますよ。」

少年はチェインベストを試着して、その良さを体感すると店主の意見も聞いて、ますます
チェインベストが欲しくなるのであった。少年はさっそく値段を聞こうとするのであった。

「あの。このチェインベストっていくらくらいですか?」

「はい。銀貨10枚になります。」

「そうですか。それなら、予算に収まるから買いますよ。」

少年は店主にチェインベストの値段を聞くと、すぐに購入を申し出るのであった。これで
武器と防具の新調が終わると思われたが、少年は店の奥のある商品に目を奪われてしまう
のであった。

「あ、あれって、なんですか?」

少年は店の奥の上半身の女性のマネキンに着せられていた防具に目を奪われて店主に聞いて
みるのであった。

「ああ。あれは、女性用のチェインベストみたいなもので、チェインビスチェと
 言います。基本的にはチェインベストと同じ素材でできておりまして、防御性能も
 同じです。デザインが女性用なので女性専用の防具ですよ。男性のあなたには
 装備できませんよ。」

「あ、そうですか。でも、俺の仲間に女性がいるので興味があったんです。見せて
 もらっていいですか。」

「ええ。どうぞ。見てください。」

少年はチェインビスチェを近くで見るとサイズや細部の状況を確認していくのであった。
どうやら、少年は今の自分が装備するのではなく、剣士の腕輪の副作用で変身したあとの
巨乳魔女が装備することを考えているようであった。今までの戦いで相手から攻撃を
受ける場面が増えてきたので、防御力を上げておく必要があると考えていたのであった。

「うーん。やっぱり、今後の戦いでは防御力も上げておかないといけないから、買って
 おいたほうがいいよな。サイズも合いそうだし。よし、決めた。このチェイン
 ビスチェはいくらですか?」

「えっ。購入されるのですか。値段は銀貨15枚になります。」

「えっ。チェインベストより高いんですか。ギリギリ予算に収まるかな。」

「このチェインビスチェは女性用で生産数がかなり少ないのでなかなか入荷しにくい
 商品ですから、少し値段が高くなります。」

少年はチェインビスチェの値段を聞いて、購入するかを考えるのであったが、今後のことを
考えて必要と判断すると店主にこう告げるのであった。

「このチェインビスチェも購入するので、売ってください。」

「わかりました。購入していただき、ありがとうございます。全部で銀貨50枚に
 なります。」

少年は闘技場で獲得した賞金を全て使用することで武器と防具の新調を終えるのであった。
支払いを終えた少年は帰る前に店主にあることを尋ねるのであった。

「あの。俺が今つけている腕輪のことで聞きたいことがあって、こんな腕輪を見たことは
 ありませんか?」

「どれどれ、ちょっと見せてもらえますか。」

少年は剣士の腕輪のことを店主に尋ねるのであった。少年はあまり詳しい副作用のこと
までは話さなかったが、洞窟で入手したことや剣士の腕輪を外せないで困っていると
伝えるのであった。店主は少し考えていたが、こう言ってくるのであった。

「うーん。こんな腕輪は見たことも聞いたこともないですね。ここに立ち寄る商人でも
 知ってそうな人はいないと思います。でも、大都市に行けば、何かわかるかもしれ
 ませんね。あそこには大きな武器屋もあるし、しかも、学者もいるので聞けば、何か
 教えてくれるかも知れません。」

「わかりました。ありがとうございます。」

少年は剣士の腕輪の情報も知りたかったが、あまり重要な情報を得ることはできず、
武器屋をあとにするのであった。店を出た少年は昼食を取ろうと、弓使いと約束していた
レストランに向かうのであった。

「確か。約束していたレストランはあそこだったな。もう来ているかな。」

少年は約束していたレストランに到着すると中に入るのであった。レストランの中には
すでに弓使いが席に座っており、少年を待っているようであった。

「おっ。来たか。こっちだ。」

「あ、もう先に来られていたんですね。」

弓使いは少年を見つけると声をかけて、少年を席に招くのであった。少年は弓使いが
いるテーブルのところに行くと席に座るのであった。弓使いはすぐに注文を店長にするので
あった。

「店長。おすすめの肉料理を頼むよ。2人分だ。」

「わかりました。少々お待ちください。」

店長は注文を受けるとすぐに調理を始めるのであった。料理が出てくるまでの間、少年と
弓使いは、賞金のことで話をしていた。

「ところで昨日稼いだ賞金は新しい武器や防具に使ったのか?」

「はい。さっき、武器屋に行ってきて、新しい武器や防具を購入して全部使い切り
 ました。」

「ぜ、全部か。相当もらっていたはずだが、全部使い切るとはすごい買い物だな。
 食事が終わったら、見せてくれよ。」

弓使いがそんなことをしゃべっていると料理が完成して、テーブルに運ばれてくるので
あった。とりあえず、2人は料理を食べ始めるとおいしくほおばるのであった。

「うーん。ここの肉料理はいい味付けですね。」

「そうだな。前の街と違うがこの濃厚なソースはいい味してるな。」

少年と弓使いは肉料理をひたすら食べていくのであった。しばらくすると食事が終わり、
少年は武器屋で購入した武器と防具を見せるのであった。

「これが今日買った黒鉄剣とチェインベストです。」

「おー。高価そうな剣だな。それにチェインベストはなかなかいい買い物をしたな。
 使ってみて具合いがよければ、俺も買おうかな。」

弓使いは少年の購入した武器や防具を興味津々で見ていくのであった。少年も上機嫌に
なって、見せていくのであった。

「あれ。そのもう1つの防具はなんだ。男性用ではないような。」

「あー。これは変身した後に防具として装備しようと思って買った
 チェインビスチェです。チェインベストと同等の防御性能を誇るんですよ。」

「はっ、はっ、はっ。変身後の防具まで買うとは参ったな。」

少年がチェインビスチェの紹介をすると、弓使いは苦笑しながら説明を聞くのであった。
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