42 / 44
それぞれの選択1
しおりを挟む
敷田塔子はアメリカに行き、記憶にないはずなのに、海外に行くことを選択した。
家族は映美の慰謝料をどうしたのか、結局知らない。映美からも充からも、美也子から聞いてお金がないと思っているおかげか、連絡はなかった。
ニホンに戻った時に、戸籍謄本を取った。すると、映美は結婚はしていたが、礼二郎ではない別人であった。充は変わらず、花乃と結婚していた。
まだ両親も健在の頃だったために、調査会社に依頼をして、両親・映美・充について調べてもらうことにした。
会社には一度、どこで調べたのか分からないが、美也子が訪ねて来ていたが、退職したと伝えていると連絡をもらっていた。
退職時に事情を上司に話して、お願いしてあったために、途方に暮れただろう。
アメリカに行ったと言ってもらおうかとも思ったが、来ることはないだろうが、何をするか分からないために伝えてもらわなかった。
映美は不倫のことで会社を辞めさせられ、これは前も同じだったが、キャバクラで働いて、慰謝料を返しているようであった。
結局、両親は慰謝料は支払えなかったようである。
そして、キャバクラで出会った年上の男性と結婚して、亜莉紗という娘が一人いた。礼二郎はどこかにいるのだろうが、蓮と凛は存在しない。
充は夢奈という連れ子を持つ花乃と結婚し、姫奈も生まれていた。だが、生活は厳しく、誰にも援助されない生活だった。
塔子が驚いたのは、あんなに仲の良かった映美と充が仲良くしていなかったことである。
両親は塔子に少し仕送りをしてもらったが、それも長い間ではなかった。だが、美也子が会社を訪ねて来たのは、電話が繋がらくなっていたからである。
そろそろ借金も返せたのではないかと連絡をしたが、繋がらなかった。近所の幼なじみに会社名をそれとなく聞き、訪ねたが、退職したと言われ、転職したのか聞いたが、分からないと言われてしまった。
お金に困って、この会社ではままならなくなったのではないかと、連絡が付かないことから、良くない想像をし、巻き込まれたくないと判断した。
映美にはお金がないことは分かっているために、頼らなかったが、充には長男なんだから援助しろと言ったが、そんな余裕はなく、コブ付きと結婚するからだと、関係も悪くなっていた。
塔子は一度だけ、実家に帰った。
「あなたどこにいたの?お母さん、大変だったのよ」
「私も大変だったわ」
美也子は小綺麗なスーツを着て、首元のネックレス、耳のピアス、高そうな鞄を持っている塔子を目ざとく見つめていた。
「映美の慰謝料のことだって」
「それは映美が払ったんでしょう?自分のしたことなんだから当然じゃない」
今となっては精神的苦痛を受けた相手に払うのだから、同じように苦しんで支払わせるべきだったと思っている。
迷惑を掛けるからと払ったことが、間違いであった。
「それが妹に言う言葉なの!」
「不倫をしたのは誰?」
「それは」
「不倫をしたのなら、そのくらいの覚悟があったのでしょう?」
「あの子は知らなかったのよ」
「どうせ嘘でしょう?騙されたの?」
美也子は気まずそうに目を逸らし、最初は映美もそう言ったのだろうが、結局は事実を聞かされたのだろう。
「塔子ッ!」
美也子と廊下で話していると、英治が顔を出して、驚いて叫んだ。
「別に用事があって来たわけではないから」
塔子は引っ越す時に必要な物はすべて持って行っており、心残りなど何もない。
「金を持って来たのか?」
「は?」
「今、お金あるの?」
「お金?」
「仕送りよ、生活が大変なんだから」
「仕送り?」
「親なんだから当然だろう?お前を育ててやった金だ」
英治も美也子と同じように、塔子の姿を見ていた。お金が引っ張れると、舌なめずりしたいくらいであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本日も、お読みいただきありがとうございます。
明日で最終回となります。
12時と17時に更新いたします。
最後までどうぞよろしくお願いいたします。
家族は映美の慰謝料をどうしたのか、結局知らない。映美からも充からも、美也子から聞いてお金がないと思っているおかげか、連絡はなかった。
ニホンに戻った時に、戸籍謄本を取った。すると、映美は結婚はしていたが、礼二郎ではない別人であった。充は変わらず、花乃と結婚していた。
まだ両親も健在の頃だったために、調査会社に依頼をして、両親・映美・充について調べてもらうことにした。
会社には一度、どこで調べたのか分からないが、美也子が訪ねて来ていたが、退職したと伝えていると連絡をもらっていた。
退職時に事情を上司に話して、お願いしてあったために、途方に暮れただろう。
アメリカに行ったと言ってもらおうかとも思ったが、来ることはないだろうが、何をするか分からないために伝えてもらわなかった。
映美は不倫のことで会社を辞めさせられ、これは前も同じだったが、キャバクラで働いて、慰謝料を返しているようであった。
結局、両親は慰謝料は支払えなかったようである。
そして、キャバクラで出会った年上の男性と結婚して、亜莉紗という娘が一人いた。礼二郎はどこかにいるのだろうが、蓮と凛は存在しない。
充は夢奈という連れ子を持つ花乃と結婚し、姫奈も生まれていた。だが、生活は厳しく、誰にも援助されない生活だった。
塔子が驚いたのは、あんなに仲の良かった映美と充が仲良くしていなかったことである。
両親は塔子に少し仕送りをしてもらったが、それも長い間ではなかった。だが、美也子が会社を訪ねて来たのは、電話が繋がらくなっていたからである。
そろそろ借金も返せたのではないかと連絡をしたが、繋がらなかった。近所の幼なじみに会社名をそれとなく聞き、訪ねたが、退職したと言われ、転職したのか聞いたが、分からないと言われてしまった。
お金に困って、この会社ではままならなくなったのではないかと、連絡が付かないことから、良くない想像をし、巻き込まれたくないと判断した。
映美にはお金がないことは分かっているために、頼らなかったが、充には長男なんだから援助しろと言ったが、そんな余裕はなく、コブ付きと結婚するからだと、関係も悪くなっていた。
塔子は一度だけ、実家に帰った。
「あなたどこにいたの?お母さん、大変だったのよ」
「私も大変だったわ」
美也子は小綺麗なスーツを着て、首元のネックレス、耳のピアス、高そうな鞄を持っている塔子を目ざとく見つめていた。
「映美の慰謝料のことだって」
「それは映美が払ったんでしょう?自分のしたことなんだから当然じゃない」
今となっては精神的苦痛を受けた相手に払うのだから、同じように苦しんで支払わせるべきだったと思っている。
迷惑を掛けるからと払ったことが、間違いであった。
「それが妹に言う言葉なの!」
「不倫をしたのは誰?」
「それは」
「不倫をしたのなら、そのくらいの覚悟があったのでしょう?」
「あの子は知らなかったのよ」
「どうせ嘘でしょう?騙されたの?」
美也子は気まずそうに目を逸らし、最初は映美もそう言ったのだろうが、結局は事実を聞かされたのだろう。
「塔子ッ!」
美也子と廊下で話していると、英治が顔を出して、驚いて叫んだ。
「別に用事があって来たわけではないから」
塔子は引っ越す時に必要な物はすべて持って行っており、心残りなど何もない。
「金を持って来たのか?」
「は?」
「今、お金あるの?」
「お金?」
「仕送りよ、生活が大変なんだから」
「仕送り?」
「親なんだから当然だろう?お前を育ててやった金だ」
英治も美也子と同じように、塔子の姿を見ていた。お金が引っ張れると、舌なめずりしたいくらいであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本日も、お読みいただきありがとうございます。
明日で最終回となります。
12時と17時に更新いたします。
最後までどうぞよろしくお願いいたします。
470
あなたにおすすめの小説
もう、愛はいりませんから
さくたろう
恋愛
ローザリア王国公爵令嬢ルクレティア・フォルセティに、ある日突然、未来の記憶が蘇った。
王子リーヴァイの愛する人を殺害しようとした罪により投獄され、兄に差し出された毒を煽り死んだ記憶だ。それが未来の出来事だと確信したルクレティアは、そんな未来に怯えるが、その記憶のおかしさに気がつき、謎を探ることにする。そうしてやがて、ある人のひたむきな愛を知ることになる。
嫌われたと思って離れたのに
ラム猫
恋愛
私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。
距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。
可愛らしい人
はるきりょう
恋愛
「でも、ライアン様には、エレナ様がいらっしゃるのでは?」
「ああ、エレナね。よく勘違いされるんだけど、エレナとは婚約者でも何でもないんだ。ただの幼馴染み」
「それにあいつはひとりで生きていけるから」
女性ながらに剣術を学ぶエレナは可愛げがないという理由で、ほとんど婚約者同然の幼馴染から捨てられる。
けれど、
「エレナ嬢」
「なんでしょうか?」
「今日の夜会のパートナーはお決まりですか?」
その言葉でパートナー同伴の夜会に招待されていたことを思い出した。いつものとおりライアンと一緒に行くと思っていたので参加の返事を出していたのだ。
「……いいえ」
当日の欠席は著しく評価を下げる。今後、家庭教師として仕事をしていきたいと考えるのであれば、父親か兄に頼んででも行った方がいいだろう。
「よければ僕と一緒に行きませんか?」
出生の秘密は墓場まで
しゃーりん
恋愛
20歳で公爵になったエスメラルダには13歳離れた弟ザフィーロがいる。
だが実はザフィーロはエスメラルダが産んだ子。この事実を知っている者は墓場まで口を噤むことになっている。
ザフィーロに跡を継がせるつもりだったが、特殊な性癖があるのではないかという恐れから、もう一人子供を産むためにエスメラルダは25歳で結婚する。
3年後、出産したばかりのエスメラルダに自分の出生についてザフィーロが確認するというお話です。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
【完結】私の愛する人は、あなただけなのだから
よどら文鳥
恋愛
私ヒマリ=ファールドとレン=ジェイムスは、小さい頃から仲が良かった。
五年前からは恋仲になり、その後両親をなんとか説得して婚約まで発展した。
私たちは相思相愛で理想のカップルと言えるほど良い関係だと思っていた。
だが、レンからいきなり婚約破棄して欲しいと言われてしまう。
「俺には最愛の女性がいる。その人の幸せを第一に考えている」
この言葉を聞いて涙を流しながらその場を去る。
あれほど酷いことを言われってしまったのに、私はそれでもレンのことばかり考えてしまっている。
婚約破棄された当日、ギャレット=メルトラ第二王子殿下から縁談の話が来ていることをお父様から聞く。
両親は恋人ごっこなど終わりにして王子と結婚しろと強く言われてしまう。
だが、それでも私の心の中には……。
※冒頭はざまぁっぽいですが、ざまぁがメインではありません。
※第一話投稿の段階で完結まで全て書き終えていますので、途中で更新が止まることはありませんのでご安心ください。
新婚初夜に『白い結婚にしてほしい』と言われたので論理的に詰めたら夫が泣きました
ささい
恋愛
「愛人がいるから、白い結婚にしてほしい」
政略結婚の初夜にそう告げた夫ルーファス。
妻カレンの反応は——
「それ、契約不履行ですよね?」
「あなたの感情論、論理的に破綻してますよ?」
泣き落としは通じない。
そして初夜の翌朝、夫は泣いていた。
逃げ道は全部塞がれ、気づけば毎日論破されていた。
これは、論破され続けた夫がなぜか幸せになる話。
皇帝の命令で、側室となった私の運命
佐藤 美奈
恋愛
フリード皇太子との密会の後、去り行くアイラ令嬢をアーノルド皇帝陛下が一目見て見初められた。そして、その日のうちに側室として召し上げられた。フリード皇太子とアイラ公爵令嬢は幼馴染で婚約をしている。
自分の婚約者を取られたフリードは、アーノルドに抗議をした。
「父上には数多くの側室がいるのに、息子の婚約者にまで手を出すつもりですか!」
「美しいアイラが気に入った。息子でも渡したくない。我が皇帝である限り、何もかもは我のものだ!」
その言葉に、フリードは言葉を失った。立ち尽くし、その無慈悲さに心を打ちひしがれた。
魔法、ファンタジー、異世界要素もあるかもしれません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる