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抗議6
「モンカール公爵様は私も後押ししていたのではないかと疑ってらしたのだと思う」
「そう思われても当然ですね」
アジスラは仮婚約の時にも恐れ多いと思っており、なくなってポーリンクが別の家に嫁いだことは良かったと思っていた。
そして、今回のことはあちらからどうかと言われたわけでもないのに、再婚をして欲しいとは思っていなかった。
「言葉は悪いと思いますが、アリルール王女殿下の後釜をポーリンクが務められるはずがないでしょう」
「私がポーリンクだったら、恐れ多いことだと思うと考えて、理解していると思っていたのだがな……」
口にすることはできないが、ポーリンクがアリルールのことを自分たちのように敬っていないどころか、馬鹿にしているのは箇条書きを見れば分かる。
「あの時の反省した素振りは嘘だったのですね」
「ああ……ポーリンクは修道院に入れよう」
「はい、すぐに手配をしましょう。それから謝罪とお金ですね」
「ああ……だが、要らないと言われてしまった。それでも三回目だ。受け取ってもらえるようにしなければならない」
「はい」
そこへメイドが血相を変えてやって来た。
「お、王家の使者がいらしてます」
「王家?」
「すぐに参りましょう」
アジスラとフックスはエントランスに急ぐと、男性が立っており、二人の姿を視界に入れると丁寧にお辞儀をした。
「ハイザート国王陛下からの書簡をお届けに参りました。受け取りのサインをいただけますか」
「っはい」
男性は封筒を差し出し、アジスラが受け取ると、こちらにサインをと紙を渡した。そこにアジスラがサインをすると、使者は再び丁寧にお辞儀をして、そのまま帰っていった。何も告げられないことが恐怖であった。
アジスラは茫然としていたが、受け取った封筒の裏を見ると、王家とハイザート国王陛下の紋章とが入っていた。
「国王陛下からも……」
「早く確認したほうがいいです」
「……そうだな」
アジスラはショックを受けていたが、フックスの言葉に何とか立て直して、もう一度執務室に戻った。
丁寧に封を開け、内容を読むと、アリルールの不敬への苦情であった。離縁されたのだから、どこから苦情が来るかは分かっていたはずだったが、本当の意味では分かっていなかった。
フックスも目を通すと、先程のポーリンクの発言とも一致しており、事実を把握されていることも理解した。
「許されるか分からないが、謝罪を申し入れ、フックスに爵位を譲ろう」
「返上も覚悟したほうがいいですよね」
「まずは国王陛下に時間を取ってもらえるか……難しければ手紙を送らせていただこう。フックスはまだ動くな」
「はい」
「ポーリンクは、キリンス島の修道院に入れよう。持参金は返してもらっているから足りるだろう」
「キリンス島ならなら安心ですね」
キリンス島は今はアニノー王国の一部ではあるが、昔は自給自足を行っていた一族が住んでいたが、病気が蔓延して亡くなってしまった。
アニノー王国が引き受けることになったが、移り住みたいという者はおらず、自給自足をしていたのだから、修道院がいいのではないかということになった。
望んでいく者も稀に入るが、大体が問題を起こした者である。
寄付金はキリンス島の維持もあるために高額にはなるが、お金さえ払えれば犯罪者でなければ男女ともに入ることができる。だが、保証人が要ると同時に、保証人の許可がないと島からは出られない。
「明日、すぐに申し込んで来る。それで決まってから王家とモンカール公爵家に謝罪をしなくてはならない」
「後悔していても、何も変わり変わりませんからね」
「ああ、そうだな」
アジスラはあの時こうしていればという考えがどうしても浮かんでいたが、もう考えるのをやめた。
「そう思われても当然ですね」
アジスラは仮婚約の時にも恐れ多いと思っており、なくなってポーリンクが別の家に嫁いだことは良かったと思っていた。
そして、今回のことはあちらからどうかと言われたわけでもないのに、再婚をして欲しいとは思っていなかった。
「言葉は悪いと思いますが、アリルール王女殿下の後釜をポーリンクが務められるはずがないでしょう」
「私がポーリンクだったら、恐れ多いことだと思うと考えて、理解していると思っていたのだがな……」
口にすることはできないが、ポーリンクがアリルールのことを自分たちのように敬っていないどころか、馬鹿にしているのは箇条書きを見れば分かる。
「あの時の反省した素振りは嘘だったのですね」
「ああ……ポーリンクは修道院に入れよう」
「はい、すぐに手配をしましょう。それから謝罪とお金ですね」
「ああ……だが、要らないと言われてしまった。それでも三回目だ。受け取ってもらえるようにしなければならない」
「はい」
そこへメイドが血相を変えてやって来た。
「お、王家の使者がいらしてます」
「王家?」
「すぐに参りましょう」
アジスラとフックスはエントランスに急ぐと、男性が立っており、二人の姿を視界に入れると丁寧にお辞儀をした。
「ハイザート国王陛下からの書簡をお届けに参りました。受け取りのサインをいただけますか」
「っはい」
男性は封筒を差し出し、アジスラが受け取ると、こちらにサインをと紙を渡した。そこにアジスラがサインをすると、使者は再び丁寧にお辞儀をして、そのまま帰っていった。何も告げられないことが恐怖であった。
アジスラは茫然としていたが、受け取った封筒の裏を見ると、王家とハイザート国王陛下の紋章とが入っていた。
「国王陛下からも……」
「早く確認したほうがいいです」
「……そうだな」
アジスラはショックを受けていたが、フックスの言葉に何とか立て直して、もう一度執務室に戻った。
丁寧に封を開け、内容を読むと、アリルールの不敬への苦情であった。離縁されたのだから、どこから苦情が来るかは分かっていたはずだったが、本当の意味では分かっていなかった。
フックスも目を通すと、先程のポーリンクの発言とも一致しており、事実を把握されていることも理解した。
「許されるか分からないが、謝罪を申し入れ、フックスに爵位を譲ろう」
「返上も覚悟したほうがいいですよね」
「まずは国王陛下に時間を取ってもらえるか……難しければ手紙を送らせていただこう。フックスはまだ動くな」
「はい」
「ポーリンクは、キリンス島の修道院に入れよう。持参金は返してもらっているから足りるだろう」
「キリンス島ならなら安心ですね」
キリンス島は今はアニノー王国の一部ではあるが、昔は自給自足を行っていた一族が住んでいたが、病気が蔓延して亡くなってしまった。
アニノー王国が引き受けることになったが、移り住みたいという者はおらず、自給自足をしていたのだから、修道院がいいのではないかということになった。
望んでいく者も稀に入るが、大体が問題を起こした者である。
寄付金はキリンス島の維持もあるために高額にはなるが、お金さえ払えれば犯罪者でなければ男女ともに入ることができる。だが、保証人が要ると同時に、保証人の許可がないと島からは出られない。
「明日、すぐに申し込んで来る。それで決まってから王家とモンカール公爵家に謝罪をしなくてはならない」
「後悔していても、何も変わり変わりませんからね」
「ああ、そうだな」
アジスラはあの時こうしていればという考えがどうしても浮かんでいたが、もう考えるのをやめた。
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