61 / 63
ポーリンク・ホールエ5
「でもあの人はすぐに再婚して」
「それはそうだろう、後継者が必要だからな。お前が拒否したことを別の令嬢が行っただけだ……本来は慰謝料を払うべき話だったのに」
ホールエ伯爵家もポーリンクを責めるよりも、再婚することを見据えて、円満に離縁したことにした。そのほうが早くに再婚をしても、見え方が違う。
現在は再婚し、二人の子宝にも恵まれている。
「私は傷付いたの!」
「自分で手放しただけだろう?」
「あんなに子どもに執着するなんて思っていなかったの」
ヘンリーには子どもについての考え方が違うと、離縁が決まった。
ポーリンクはまだ新婚なのだからと、いくら初夜が衝撃でも子どもについては産みたくないわけではなく、いずれと思っていた。ヘンリーにも話しており、理解してくれていると思っていた。
離縁の話が出て、ポーリンクもようやく不味いと思い、これからはちゃんと考えると話したが、既にヘンリーの心は静かに離れていた。
ヘンリーにとっては二年待ったという気持ちで、ポーリンクが何を言っても、両親にも話をしており、円満に離縁するという話になった。
「執着ではない、嫡男として当然のことだ。そもそも、お前が本当に子どもを産めなかったとしても、ヘンリー殿は離縁しなかったと思うぞ」
「何?だったら!」
それなら結婚を続けてくれればこんなことにはならなかった。ちゃんと考えるという気持ちを受け止めてくれればよかった。
「だから、考え方の違いだったんだよ!お前はハオース伯爵家のことを考えてなどいなかっただろう?」
「そんなことないわ」
「考えていたら、あのようなことにはなっていない。子どものことを考えていて、それでもできなかったら、ヘンリー殿は寄り添ってくれたと思う。治療ができるのなら二人で頑張ろうと伝えてくれるような方だろう?だが、お前はしなかった」
ヘンリーは優しい男性で、子どもができずに苦しんでいたら寄り添ってくれただろうと、アジスラでも思う。
結婚二年で離縁したことで、子どもができなかったから切り捨てたという者もいたが、ヘンリーを知っている者はそれはないだろうとしか思えなかった。
だが、結婚生活についてはお互いに話さないと決めたために、ヘンリーもポーリンクも何も言わなかった。
ゆえにポーリンクは離縁の理由を『子どもができなかったからではない』ということはできた。それでも嘘ではないかと思われていたこともあった。
だが、それもポーリンクが引き起こしたことで、自業自得であった。
「結婚ができて嬉しくて……」
「結婚ができたから何をしてもいいわけではない」
「それは分かっているわ……」
「お前はどこかでメイファス様とヘンリー様を比べてもいたのではないか?」
アジスラもヘンリーと結婚した時も、離縁した時も考えることはなかった。だが今回、メイファスに執着する様に優しいヘンリーを見下していたのではないかと考えるようになっていた。
「そんなことないわ」
「これから何が悪かったか。自分は何を間違えたのか考える時間は沢山ある。しっかり考えて、しっかり生きていきなさい」
「そんな!」
「私たちは家を守らなければならない。王家とモンカール公爵家に迷惑を掛けて、然るべき処置を取らなければならない」
「嫌よ、私は結婚したいのよ」
ポーリンクが何を言おうとキリンス島行きが変わるわけではない。フックスはそれならばと思った。
「キリンス島には男性もいるじゃないか。そこで勝手に結婚すればいい」
「は?そんな」
キリンス島は女性だけの修道院があるわけではない。男性の修道院もあるために、どのような状況か詳しくは分からないが、島の中で家族を作っているとも聞く。
出られないのだから、そこで結婚をすればいい。
「それはそうだろう、後継者が必要だからな。お前が拒否したことを別の令嬢が行っただけだ……本来は慰謝料を払うべき話だったのに」
ホールエ伯爵家もポーリンクを責めるよりも、再婚することを見据えて、円満に離縁したことにした。そのほうが早くに再婚をしても、見え方が違う。
現在は再婚し、二人の子宝にも恵まれている。
「私は傷付いたの!」
「自分で手放しただけだろう?」
「あんなに子どもに執着するなんて思っていなかったの」
ヘンリーには子どもについての考え方が違うと、離縁が決まった。
ポーリンクはまだ新婚なのだからと、いくら初夜が衝撃でも子どもについては産みたくないわけではなく、いずれと思っていた。ヘンリーにも話しており、理解してくれていると思っていた。
離縁の話が出て、ポーリンクもようやく不味いと思い、これからはちゃんと考えると話したが、既にヘンリーの心は静かに離れていた。
ヘンリーにとっては二年待ったという気持ちで、ポーリンクが何を言っても、両親にも話をしており、円満に離縁するという話になった。
「執着ではない、嫡男として当然のことだ。そもそも、お前が本当に子どもを産めなかったとしても、ヘンリー殿は離縁しなかったと思うぞ」
「何?だったら!」
それなら結婚を続けてくれればこんなことにはならなかった。ちゃんと考えるという気持ちを受け止めてくれればよかった。
「だから、考え方の違いだったんだよ!お前はハオース伯爵家のことを考えてなどいなかっただろう?」
「そんなことないわ」
「考えていたら、あのようなことにはなっていない。子どものことを考えていて、それでもできなかったら、ヘンリー殿は寄り添ってくれたと思う。治療ができるのなら二人で頑張ろうと伝えてくれるような方だろう?だが、お前はしなかった」
ヘンリーは優しい男性で、子どもができずに苦しんでいたら寄り添ってくれただろうと、アジスラでも思う。
結婚二年で離縁したことで、子どもができなかったから切り捨てたという者もいたが、ヘンリーを知っている者はそれはないだろうとしか思えなかった。
だが、結婚生活についてはお互いに話さないと決めたために、ヘンリーもポーリンクも何も言わなかった。
ゆえにポーリンクは離縁の理由を『子どもができなかったからではない』ということはできた。それでも嘘ではないかと思われていたこともあった。
だが、それもポーリンクが引き起こしたことで、自業自得であった。
「結婚ができて嬉しくて……」
「結婚ができたから何をしてもいいわけではない」
「それは分かっているわ……」
「お前はどこかでメイファス様とヘンリー様を比べてもいたのではないか?」
アジスラもヘンリーと結婚した時も、離縁した時も考えることはなかった。だが今回、メイファスに執着する様に優しいヘンリーを見下していたのではないかと考えるようになっていた。
「そんなことないわ」
「これから何が悪かったか。自分は何を間違えたのか考える時間は沢山ある。しっかり考えて、しっかり生きていきなさい」
「そんな!」
「私たちは家を守らなければならない。王家とモンカール公爵家に迷惑を掛けて、然るべき処置を取らなければならない」
「嫌よ、私は結婚したいのよ」
ポーリンクが何を言おうとキリンス島行きが変わるわけではない。フックスはそれならばと思った。
「キリンス島には男性もいるじゃないか。そこで勝手に結婚すればいい」
「は?そんな」
キリンス島は女性だけの修道院があるわけではない。男性の修道院もあるために、どのような状況か詳しくは分からないが、島の中で家族を作っているとも聞く。
出られないのだから、そこで結婚をすればいい。
あなたにおすすめの小説
妖精隠し
棗
恋愛
誰からも愛される美しい姉のアリエッタと地味で両親からの関心がない妹のアーシェ。
4歳の頃から、屋敷の離れで忘れられた様に過ごすアーシェの側には人間離れした美しさを持つ男性フローが常にいる。
彼が何者で、何処から来ているのかアーシェは知らない。
「次点の聖女」
手嶋ゆき
恋愛
何でもかんでも中途半端。万年二番手。どんなに努力しても一位には決してなれない存在。
私は「次点の聖女」と呼ばれていた。
約一万文字強で完結します。
小説家になろう様にも掲載しています。
こうして私は悪魔の誘惑に手を伸ばした
綴つづか
恋愛
何もかも病弱な妹に奪われる。両親の愛も、私がもらった宝物もーー婚約者ですらも。
伯爵家の嫡女であるルリアナは、婚約者の侯爵家次男ゼファーから婚約破棄を告げられる。病弱で天使のような妹のカリスタを抱き寄せながら、真実の愛を貫きたいというのだ。
ルリアナは、それを粛々と受け入れるほかなかった。
ゼファーとカリスタは、侯爵家より譲り受けた子爵領へと移り住み、幸せに暮らしていたらしいのだが。2年後、『病弱』な妹は、出産の際に命を落とす。
……その訃報にルリアナはひっそりと笑みを溢した。
妹に奪われてきた姉が巻き込まれた企みのお話。
他サイトにも掲載しています。※ジャンルに悩んで恋愛にしていますが、主人公に恋愛要素はありません。
『仕方がない』が口癖の婚約者
本見りん
恋愛
───『だって仕方がないだろう。僕は真実の愛を知ってしまったのだから』
突然両親を亡くしたユリアナを、そう言って8年間婚約者だったルードヴィヒは無慈悲に切り捨てた。