私のバラ色ではない人生

野村にれ

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お詫び7

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「臨場感と現場の声というものですわね。それで、エリザベータ王妃陛下から、とても良く描けていたとお返事をもらいまして、そこから交流がありますの」

 アンセムも、ソアリス宛ての手紙を把握しているわけではない。

「そうだったのか、絵がな」
「そうなの、こんなことになるなんて私も思わなかったわ」
「それで王太子妃殿下に」
「ええ、やり取りをする中で、何かあったらとご紹介いただいた方がおりまして」
「他にもいるのだな?」

 ソアリスはにっこりと笑い、相当強い味方を付けていたのだなと、感心しながらも、恐ろしくも思えた。

「エクラオース王国にはいなかったのだな」
「色々考えてみたのですけどね。誰からも聞いたことがなかったのです。それこそ、陛下がポンポロリンを嫌っていたことくらいで、お義母様が訪問したことがあったことも知りませんでしたわ」
「ああ」

 輸入で関係性はあるにもかかわらず、王家とも交流もなく、あるとすればポシッジュだけであった。

「ネリロオス王国とも輸入がありますでしょう?」

 ネリロオス王国はマンゴーの輸入が多く、バナナも輸入はしているが、残りの二割程度であった。

「だから、増やせないかと思いましてね。王太子夫妻に、バナナとパイナップルを増やしていただくことは可能でしょうかとお伺いしましたの。そうしたら、快く可能だと言っていただきましたの」

 ソアリスがエリザベータ王妃陛下に連絡を取り、許可を得てから王太子夫妻に手紙を出し、外交官のオージニア伯爵がネリロオス王国へ赴き、外交大臣のヒウナ侯爵がコーライ大公家を迎え撃っていたのである。

「流通も問題ないと聞いている」
「ええ、美味しいですしね。お値段も同じ」
「ああ」

 パイナップルとマンゴーは毎日購入するのは、大半は食材として利用している飲食店くらいであること。

 だが、バナナは貴族はいいが、平民にも好まれているために、値上がりが懸念事項だったが、そちらも輸入量を増やしたために、好みで選べるほど同じ値段にすることができている。

「一房だって食べれちゃう」
「それはソアリスとケイトだけだろう」
「ケイトはさすがに、半分にしておりますわ。でも、バナナは筋肉のエネルギー補給と修復に役立つそうですわよ?騎士たちは毎日食べていると聞きましたわ」
「では、バーセム公爵は食べているのだろうな」
「二口だそうですわ」

 ソアリスはまるで自分のことかのように、人差し指と中指を立てて、今日一番のキリッとした顔をしている。

「っな」
「リズが皮をむいでから、別の方を見ている間に消えているって言ってたわ」
「さすがだな」
「私もチャレンジしましたが、普通にむせました」
「やめなさい」
「陛下もりんごをやったのでしょう?」
「そ、それは……」

 アンセムもケイトに強請られたとはいえ、結果は無理だったが、ちょっとできるかもしれないと思ってしまった。

「今度、ご相談があるとのことで、いらっしゃるかもしれないわ」
「は?誰が?バーセム公爵か?」
「違いますわ、バーセム公爵なら今から相談を受けますわよ!」

 ソアリスの尊敬の気持ちも強いが、リズの夫であること、騎士団長であることから、わざわざ相談をということもないか。では誰のことだ?

「エリザベータ王妃陛下です」
「は?早く言いなさい」
「まだ決まっておりませんもの」

 アンセムもソアリスも、エリザベータ王妃陛下に会ったことがないわけではないが、その場限りであり、クロンデール王国への訪問も随分前であり、アンセムが国王になってからはない。

「はあ……ソアリスは緊張しないだろうが、私は緊張する」
「まあ、そうでしたの。決まったら、すぐに言いますわ」
「そうしてくれ」

 オーランとクイオも、アロワ王国、エリザベータ王妃陛下と聞くだけで、背筋が伸びる思いであった。
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