私のバラ色ではない人生

野村にれ

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絵日記7

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「お父様、上手でしょう?ミフルお姉様に写真と一緒に送ろうって、お母様と話していたんです」
「それはいいな、ミフルも知らないなら驚くことだろう」
「驚くことではないですよ?」

 カイルスにとっては、驚くことではなく、喜ばれることである。

「私は驚いてしまったのだよ」
「失礼よね、きっと私には絵なんて描けないと思われていたのよ」
「いや、だが…そんな素振りなかったじゃないか」
「絵なんて一人で描くものでしょう?世の奥様は、あなた~私、絵を描くわ~どうかしら~なんて言うの?」

 そんな風に言うことはないだろうが、妻が絵を描くことすら知らなかったことに、アンセムは自信を無くしていた。

「いや、それは分からないが」
「あまり頭も良くない、悪い口を持つ女が、絵なんて描けるはずがないという偏見ですよ!」
「そうです!父上、失礼です!」

 結局、カイルスにも怒られることになり、確かに偏見に満ち溢れていたので、アンセムも何も言い返せなかった。

「ああ、すまない…」
「許してあげましょう!さて、お腹が空いたわね!マッシュルームのご飯が届いたら、私たちも食事に行きましょうか」

 その後、アリルとエクルにも知らされて、二人もいたずら描きは見たことがあるけどと、驚くことになった。

 そして、貸し出せるような量ではないために、時間のある時に王宮にスケッチブックを見にやって来ることになった。

 アリルはリズと一緒の時もあり、リズはソアリスが絵が上手いことは当然だが、知っていた。だが、気が向いた時に描く程度だったので、こんなにも描いていることに驚いた。

「上手くなっている気がするわ」

 リズもソアリスの絵を見るのは、久し振りであった。

「そうなのですか?私はささっと描いた絵しか、見たことがありませんでした。こんな繊細な絵を母が描いていたなんて…意外過ぎて、まだ信じられません」

 アリルが幼い頃、お絵描きをしている時に、たまに動物の絵を描いてくれた程度の記憶しかなかった。

「確かに本格的っていうのかしら、キャンバスに描くわけではないから、見て分かることではないかもしれないわね」
「でも、学園の頃はキャンバスにも描いていたのですよね?学園で芸術は絵だったと、聞きました」
「そうね」

 リズは音楽を取っていたために、ソアリスと芸術は別であった。

「ただ、どうしてもという場合はね」
「え?」
「ソアリスが、ずーっと絵を描いていると思う?」
「あ!キャンバスだと時間が掛かる…」
「そういうことよ、だからソアリスはキャンバスに描くのは好きじゃないの。だから、スケッチブックには納得よ。後、色も付いていないでしょう?」

 ソアリスは鉛筆で完結してしまうために、色が付いていることはない。

「それもですか?」
「そう、学園の頃も塗りたきゃ塗ればいいって言っていたわ」
「キャンバスにも?」
「ええ、課題だったりする場合だけ鉛筆で大きく描いていたわ。それでも、上手だったわ。本人は裁縫も音楽も駄目だっただけだと言っていたけど」
「音楽もですか?」

 楽器を持っているところなど見たことはなかったので、弾けるなどと思ってはいないが、何か出来るものがあるのではないかと想像した。

「ええ、ヴァイオリンを習わされたことがあったそうなんだけど、鳴らないし、弦は切れるしで、投げつける前に止めたと言っていたわ。だから、絵が描けて良かったって笑っていたわ」
「お母様らしい」
「でもね、歌は結構上手なのよ?それも声が大きいだけだと言っていたけど」
「それもお母様らしいです」

 アリルとリズはお互いにソアリスの手札を今でも沢山持っているので、友人のように仲良しである。

「そういえば、ミオトの絵を貰ったことがあったわ!ミオトには私の絵を描いてくれて、凄く似ていてミオトが驚いていたのよ」
「お二人の?」
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