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絵日記6
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カイルスは最近、グレイ殿下がカメラを買い替えたので、以前のカメラを譲り受けており、代わりにこちらの写真をミフルに送る約束をしている。
「はい、またミフルお姉様に送ろうと思って」
「まあ、それはいいわね」
ミフルに犬を飼うことになり、既に何枚かカイルスの撮った写真を送っているが、子犬の成長は早いために日々変わっていく。
「お母様も絵も送りますか?」
「写真だけでいいわよ」
「会いにも来れないんですから、喜ぶと思いますよ」
「分かったわ、描けたら一緒に送りましょう」
ソアリスはカイルスの言うことならば、言うことを聞くというよりは、きっと良いことだと思って、聞くようにしている。
「はい!」
「じゃあ、折角だから今から二人で写真と描きましょうか」
「公務は終わりですか?」
「ええ、今日の分は終わったわ」
カイルスは侍女たちを見ると頷いており、嬉しそうな笑みを浮かべてた。
「カメラを取って来ます」
「あなたたちも、帰ってゆっくり休んで頂戴」
「あの…絵日記を私たちも見て帰ってもいいですか?」
侍女たちは描いているところを見ることも多かったが、全てを見ていたわけではなく、休みの日に通おうかとまで考えていた。
「見るの?」
「「「はい!」」」
「どうぞ、オーランかクイオに言ったらいいわ」
「「「ありがとうございます」」」
今日はメディナ、ポーリア、キャロライン全員が揃っており、三人は嬉しそうに出て行った。
カイルスがカメラを持って来て、二人は眠っているマッシュルームの絵と、写真を撮り始めた。
「寝ているだけで可愛いわね」
「はい、ムニュムニュ言っています」
「ふふっ」
微笑ましい光景の中、カイルスが帰って来ていると聞いたアンセムがケイトに引っ張られながら、やって来た。
「ケイト、お父様、どうしたのですか?」
「おにいさま、おみやげは?」
「明日のおやつに出るよ」
「ほんとう?」
「本当だよ」
「ありがとう!楽しみ」
カイルスは誰よりもケイトの考えを理解しているとも言え、お土産と言われることも分かっており、きちんと今頂戴と言わせずに、明日のおやつ出るから待つようにも誘導している。
ソアリスは二人に視線は一度やったものの、絵を描き続けていた。
その姿を呆然と見ていたのは、アンセムであった。
「本当に描いている…」
ソアリスは慣れた手つきで、鉛筆を動かしていた。
さすがに別の誰かが描いた物を、私が描いたと言う量ではないために、頭では疑ってはいなかったが、小さな椅子に座って、静かに絵を描いている妻に驚いていた。
「まさか本当にスケッチブックを鉛筆で破っていると思っていたの?失礼ね!」
静かにが、あっという間に取り消されたが、アンセムたちに顔を向けることはなく、鉛筆は止まっていない。
「いや、君がじっとしているなんて」
「走りながら描けっていうの?どんな超人なのよ!」
「いや、そんなことは言っていないだろう」
そんな言い合いをしていると、マッシュルームがパチリと目を覚ました。
アンアン、キューン、アン!
「あら、陛下のせいで起きちゃったじゃない」
「いや、絶対そろそろご飯の時間だからだろう」
「まあ、素晴らしい!食事は大事ですからね」
ソアリスは欲望に従順なマッシュルームに、強く頷いた。
「おかあさま、だしてあげてもいい?」
「いいわよ」
「絵はいいのか?」
「大丈夫よ」
マッシュルームは執務室に放たれ、ケイトと一緒に走り回り出した。
「ちょっと見せてくれ」
「まだ疑っているの?」
アンセムはソアリスのスケッチブックを覗くと、まだ完成とは言えないのかもしれないが、そこには運ばれたスケッチブックと同じタッチの絵が描かれていた。
「失礼なあんせむちゃんだこと!ご両親に言い付けちゃおうかしら」
いや、既にマイノスのせいでバレてしまい、弄ばれた後である。
「はい、またミフルお姉様に送ろうと思って」
「まあ、それはいいわね」
ミフルに犬を飼うことになり、既に何枚かカイルスの撮った写真を送っているが、子犬の成長は早いために日々変わっていく。
「お母様も絵も送りますか?」
「写真だけでいいわよ」
「会いにも来れないんですから、喜ぶと思いますよ」
「分かったわ、描けたら一緒に送りましょう」
ソアリスはカイルスの言うことならば、言うことを聞くというよりは、きっと良いことだと思って、聞くようにしている。
「はい!」
「じゃあ、折角だから今から二人で写真と描きましょうか」
「公務は終わりですか?」
「ええ、今日の分は終わったわ」
カイルスは侍女たちを見ると頷いており、嬉しそうな笑みを浮かべてた。
「カメラを取って来ます」
「あなたたちも、帰ってゆっくり休んで頂戴」
「あの…絵日記を私たちも見て帰ってもいいですか?」
侍女たちは描いているところを見ることも多かったが、全てを見ていたわけではなく、休みの日に通おうかとまで考えていた。
「見るの?」
「「「はい!」」」
「どうぞ、オーランかクイオに言ったらいいわ」
「「「ありがとうございます」」」
今日はメディナ、ポーリア、キャロライン全員が揃っており、三人は嬉しそうに出て行った。
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「はい、ムニュムニュ言っています」
「ふふっ」
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「ケイト、お父様、どうしたのですか?」
「おにいさま、おみやげは?」
「明日のおやつに出るよ」
「ほんとう?」
「本当だよ」
「ありがとう!楽しみ」
カイルスは誰よりもケイトの考えを理解しているとも言え、お土産と言われることも分かっており、きちんと今頂戴と言わせずに、明日のおやつ出るから待つようにも誘導している。
ソアリスは二人に視線は一度やったものの、絵を描き続けていた。
その姿を呆然と見ていたのは、アンセムであった。
「本当に描いている…」
ソアリスは慣れた手つきで、鉛筆を動かしていた。
さすがに別の誰かが描いた物を、私が描いたと言う量ではないために、頭では疑ってはいなかったが、小さな椅子に座って、静かに絵を描いている妻に驚いていた。
「まさか本当にスケッチブックを鉛筆で破っていると思っていたの?失礼ね!」
静かにが、あっという間に取り消されたが、アンセムたちに顔を向けることはなく、鉛筆は止まっていない。
「いや、君がじっとしているなんて」
「走りながら描けっていうの?どんな超人なのよ!」
「いや、そんなことは言っていないだろう」
そんな言い合いをしていると、マッシュルームがパチリと目を覚ました。
アンアン、キューン、アン!
「あら、陛下のせいで起きちゃったじゃない」
「いや、絶対そろそろご飯の時間だからだろう」
「まあ、素晴らしい!食事は大事ですからね」
ソアリスは欲望に従順なマッシュルームに、強く頷いた。
「おかあさま、だしてあげてもいい?」
「いいわよ」
「絵はいいのか?」
「大丈夫よ」
マッシュルームは執務室に放たれ、ケイトと一緒に走り回り出した。
「ちょっと見せてくれ」
「まだ疑っているの?」
アンセムはソアリスのスケッチブックを覗くと、まだ完成とは言えないのかもしれないが、そこには運ばれたスケッチブックと同じタッチの絵が描かれていた。
「失礼なあんせむちゃんだこと!ご両親に言い付けちゃおうかしら」
いや、既にマイノスのせいでバレてしまい、弄ばれた後である。
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