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さようなら、お姉様14
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「陛下、ちょっといい?」
アンセムが答えようといた瞬間、ソアリスが遮った。表情を見ると、目を細めており、これは従った方がいいと判断した。
「ああ」
「おい!私の前でおちょぼ口は止めろ!」
「は?」
「王妃命令だ!その気色の悪いおちょぼ口を絶対にするな!本当に気持ち悪い!」
冗談に近い言葉で王妃命令だと言うことはあるが、今は完全に本気であった。既にほぼ最高権力であるのだが、いかなる力を使いそうな勢いである。
証拠にソアリスは珍しく身を乗り出しており、本当に不快なのだと実感した。
確かに、ララシャはおちょぼ口をしていた。今も名残が残っているような口元すらしている。
「私が可愛いからって、何を言っているの!」
そんな話はしていないのだが、ソアリスはそんなことは何度も何度も子どもの頃から聞いているために、完全に無視である。
「おちょぼ口はな!赤子の特権なんだよ!授乳の時に唇を上手く使って、母乳やミルクを飲むための行動なんだよ!ばばあがやっていいことじゃねぇんだよ!」
母親である侍女たちは赤子の愛らしいおちょぼ口の理由を知っていたが、父親である男性陣はそうなのかと、感心していた。
「あなたはまた!その口調をやめなさい!」
「はあ?お前さ、まさかまだ母親の乳首を吸いたいのか?だったら、吸わせてもらえばいいだろう!こんなところで、披露するんじゃねぇ!」
「はあ?どうして、そんなことしなければならないのよ!」
さすがのララシャも、ソアリスの言葉に強く否定した。
男性でおちょぼ口をする者はまずいないが、しているような者がいたら、完全にソアリスの獲物となって、今の言葉を言われていたことだろう。
女性でも母親の乳首を、しかも大きくなってから、ましてやララシャのように中年になってから、そのような姿を想像することは頭が拒否する。
「私が王妃命令だと言って、頼んでやろうか?どうか吸わせてやってくださいって」
「はあ?」
「はあ?じゃねぇ!私の前で二度とするなよ!次にやったら、張り倒すからな!」
そう言うと、ソアリスはソファに背を付けて、ララシャを睨み付けた。
これはおちょぼ口の二度目が披露された時点で、ソアリスの強い力が、ララシャに加えられることは間違いない。
ソアリスを誰も止められない。止めるならアンセムだが、止める気もない。
ララシャに何をしても問題になることはないが、瞬きをしていて見ていないと言えば済むくらいにしか思っていない。
「陛下、ソアリスのこのような言葉使いをどうして注意なさらないのですか!」
「言わせたのは君だろう?」
「ですが、王妃ともあろう者がこのようなこと、どうして問題にしないのです!私は善意で言っているのですよ」
ララシャは責める部分を見付け、意気揚々と話し始めた。
「あなたも私の口が悪いのも、知っていただろう?」
「そうよ!本当に欠陥品なのだから!」
欠陥品という言葉に、ソアリス以外は一気に殺気立ったが、今はソアリスのターンであるために口は挟まなかった。
「あなたも、ロアンスラー前公爵夫妻も、お兄様も私が欠陥品で、口が悪いことは知っていた。騙していたとするなら、あなたたちにも責任があるんだぞ?王家を騙した責任取ってくれるのか?」
ソアリスはソファにもたれたままの姿のために、まるで得意の輩である。
アンセムもすぐに気付き、これが輩かと頷いていた。自分の悪い口で、こんな風に他者を脅す人間はソアリスしかいないだろう。
「っな!どうして私が」
「逃げるのか?姉だって言うのなら、問題にするなら、お前たちは王家を騙したことになる!王家は渋々受け入れてくれたのに、お前は問題にするんだろう?ならば、責任取らないとな?」
「っえ」
凄むソアリスは、とても活き活きとしていた。
アンセムが答えようといた瞬間、ソアリスが遮った。表情を見ると、目を細めており、これは従った方がいいと判断した。
「ああ」
「おい!私の前でおちょぼ口は止めろ!」
「は?」
「王妃命令だ!その気色の悪いおちょぼ口を絶対にするな!本当に気持ち悪い!」
冗談に近い言葉で王妃命令だと言うことはあるが、今は完全に本気であった。既にほぼ最高権力であるのだが、いかなる力を使いそうな勢いである。
証拠にソアリスは珍しく身を乗り出しており、本当に不快なのだと実感した。
確かに、ララシャはおちょぼ口をしていた。今も名残が残っているような口元すらしている。
「私が可愛いからって、何を言っているの!」
そんな話はしていないのだが、ソアリスはそんなことは何度も何度も子どもの頃から聞いているために、完全に無視である。
「おちょぼ口はな!赤子の特権なんだよ!授乳の時に唇を上手く使って、母乳やミルクを飲むための行動なんだよ!ばばあがやっていいことじゃねぇんだよ!」
母親である侍女たちは赤子の愛らしいおちょぼ口の理由を知っていたが、父親である男性陣はそうなのかと、感心していた。
「あなたはまた!その口調をやめなさい!」
「はあ?お前さ、まさかまだ母親の乳首を吸いたいのか?だったら、吸わせてもらえばいいだろう!こんなところで、披露するんじゃねぇ!」
「はあ?どうして、そんなことしなければならないのよ!」
さすがのララシャも、ソアリスの言葉に強く否定した。
男性でおちょぼ口をする者はまずいないが、しているような者がいたら、完全にソアリスの獲物となって、今の言葉を言われていたことだろう。
女性でも母親の乳首を、しかも大きくなってから、ましてやララシャのように中年になってから、そのような姿を想像することは頭が拒否する。
「私が王妃命令だと言って、頼んでやろうか?どうか吸わせてやってくださいって」
「はあ?」
「はあ?じゃねぇ!私の前で二度とするなよ!次にやったら、張り倒すからな!」
そう言うと、ソアリスはソファに背を付けて、ララシャを睨み付けた。
これはおちょぼ口の二度目が披露された時点で、ソアリスの強い力が、ララシャに加えられることは間違いない。
ソアリスを誰も止められない。止めるならアンセムだが、止める気もない。
ララシャに何をしても問題になることはないが、瞬きをしていて見ていないと言えば済むくらいにしか思っていない。
「陛下、ソアリスのこのような言葉使いをどうして注意なさらないのですか!」
「言わせたのは君だろう?」
「ですが、王妃ともあろう者がこのようなこと、どうして問題にしないのです!私は善意で言っているのですよ」
ララシャは責める部分を見付け、意気揚々と話し始めた。
「あなたも私の口が悪いのも、知っていただろう?」
「そうよ!本当に欠陥品なのだから!」
欠陥品という言葉に、ソアリス以外は一気に殺気立ったが、今はソアリスのターンであるために口は挟まなかった。
「あなたも、ロアンスラー前公爵夫妻も、お兄様も私が欠陥品で、口が悪いことは知っていた。騙していたとするなら、あなたたちにも責任があるんだぞ?王家を騙した責任取ってくれるのか?」
ソアリスはソファにもたれたままの姿のために、まるで得意の輩である。
アンセムもすぐに気付き、これが輩かと頷いていた。自分の悪い口で、こんな風に他者を脅す人間はソアリスしかいないだろう。
「っな!どうして私が」
「逃げるのか?姉だって言うのなら、問題にするなら、お前たちは王家を騙したことになる!王家は渋々受け入れてくれたのに、お前は問題にするんだろう?ならば、責任取らないとな?」
「っえ」
凄むソアリスは、とても活き活きとしていた。
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