577 / 818
さようなら、お母様3
しおりを挟む
「誰も花嫁の母のドレスなんて見てもいないし、覚えてもいないわよ」
「私なのよ?見ないわけないじゃない!ソアリスとは違うの!」
「ある意味、目立ったかもしれないわね」
「私は目を引くから仕方ないのよ!」
参加することはなかったが、これだけ肥え太ったララシャが、若い頃と同じようなドレスを着ていたら、悪い意味で目立つことにはなっただろう。
そんなものが新聞に載っていたら、クロンデール王国としても恥であった。
「でも、あなたの出席を、誰も望まなかったのでしょう?」
「結婚相手が言ったの?」
「知らないわよ。結婚とは家と家の結びつきですもの。貴方も公爵令嬢だったのだから、ご存知でしょう?」
「っでも、母親を大事に出来ない結婚なんて!駄目よ、そうよ、無効よ!」
ララシャは渾身の大きな声で、叫んだ。
「ピデム王国王家、公爵家を敵に回せるの?あなたの力で?」
「お兄様!」
すぐさま再びサイラスに向き、ララシャは涙目になりながら訴えた。
「ロアンスラー公爵家は、お前とはもう関係ない」
「でも、エミアンが迎えに来れないって。ロアンスラー公爵家から、抗議してよ!おかしいって!」
「抗議することはない。私たちはエミアンローズ殿下の結婚式に参加している」
「は?」
ララシャはまるで、目が点という顔をして、サイラスを見つめていた。
「何で!何でお兄様が、私をどうして、どうして連れて行かなかったのよ!おかしいじゃない!私は母親なのよ!」
「招待されなかったからに決まっているだろう」
「は?」
「ララシャは招待されていない。私や両親は、エミアンローズ殿下の招待を受けたから参加した。それだけだ」
ララシャは今日、初めて悲しい表情を浮かべていた。
「嘘でしょ……どうして私が……蔑ろにされなきゃいけないの……」
それほどのことをしたからだと言っても、理解することはないために、誰も答えることはなかった。
「一人娘の結婚式に、出られないなんて……どうしてこんなことになったのよ、お兄様も酷いわ、私も連れて行ってくれれば良かったじゃない。そうすれば、エミアンは泣いて喜んだはずよ。ママがいなくて、辛い思いをしたんじゃないかしら……娘を悲しませるなんて」
本当に手紙を読んだのかというような口振りで、悲劇のヒロインが始まっていた。
だが、手紙を渡した後は、答えるべき部分は答えるが、エミアンローズについては私たちが答えることではないと、ソアリスは事前に皆に話してあった。
だから、必要以上にララシャを説得するようなことは、誰も何も言わない。
これはララシャが、娘であるエミアンローズの気持ちをきちんと受け止めるべきことである。
「エミアンに会わせて、ちゃんと話をしてあげなきゃいけないわ」
「手紙にはなんて書いてあったの?会いたいと書いてあるの?」
「もちろんよ」
ソアリスは、手紙の中身を知っているというつもりはなかった。
「だったら、手紙を出せばいいじゃない。それで、約束をして、会えばいい」
平民が他国の伯爵夫人に簡単に会えるものではない。だが、手紙を送ることを止める気はない。送られてきた手紙をエミアンローズが読むも読まないも、返事を書く書かないも決めればいい。
「そうね、そうするわ!」
「ええ」
ソアリスはララシャの様子に、エミアンローズの写真を渡すべきか、悩んでいた。正直、会う前は写真くらいと思っていたが、渡さないことに決めた。
「今日はエミアンローズの手紙を渡すために呼んだの」
「すぐに渡してくれればいいじゃない!」
「そうね。でも私は今後、あなたに会うことはもうないから、最後に話しておこうと思ったのよ」
「最後?あなた病気なの?」
ララシャはまたも、馬鹿にしたように小さく笑っていた。
「私なのよ?見ないわけないじゃない!ソアリスとは違うの!」
「ある意味、目立ったかもしれないわね」
「私は目を引くから仕方ないのよ!」
参加することはなかったが、これだけ肥え太ったララシャが、若い頃と同じようなドレスを着ていたら、悪い意味で目立つことにはなっただろう。
そんなものが新聞に載っていたら、クロンデール王国としても恥であった。
「でも、あなたの出席を、誰も望まなかったのでしょう?」
「結婚相手が言ったの?」
「知らないわよ。結婚とは家と家の結びつきですもの。貴方も公爵令嬢だったのだから、ご存知でしょう?」
「っでも、母親を大事に出来ない結婚なんて!駄目よ、そうよ、無効よ!」
ララシャは渾身の大きな声で、叫んだ。
「ピデム王国王家、公爵家を敵に回せるの?あなたの力で?」
「お兄様!」
すぐさま再びサイラスに向き、ララシャは涙目になりながら訴えた。
「ロアンスラー公爵家は、お前とはもう関係ない」
「でも、エミアンが迎えに来れないって。ロアンスラー公爵家から、抗議してよ!おかしいって!」
「抗議することはない。私たちはエミアンローズ殿下の結婚式に参加している」
「は?」
ララシャはまるで、目が点という顔をして、サイラスを見つめていた。
「何で!何でお兄様が、私をどうして、どうして連れて行かなかったのよ!おかしいじゃない!私は母親なのよ!」
「招待されなかったからに決まっているだろう」
「は?」
「ララシャは招待されていない。私や両親は、エミアンローズ殿下の招待を受けたから参加した。それだけだ」
ララシャは今日、初めて悲しい表情を浮かべていた。
「嘘でしょ……どうして私が……蔑ろにされなきゃいけないの……」
それほどのことをしたからだと言っても、理解することはないために、誰も答えることはなかった。
「一人娘の結婚式に、出られないなんて……どうしてこんなことになったのよ、お兄様も酷いわ、私も連れて行ってくれれば良かったじゃない。そうすれば、エミアンは泣いて喜んだはずよ。ママがいなくて、辛い思いをしたんじゃないかしら……娘を悲しませるなんて」
本当に手紙を読んだのかというような口振りで、悲劇のヒロインが始まっていた。
だが、手紙を渡した後は、答えるべき部分は答えるが、エミアンローズについては私たちが答えることではないと、ソアリスは事前に皆に話してあった。
だから、必要以上にララシャを説得するようなことは、誰も何も言わない。
これはララシャが、娘であるエミアンローズの気持ちをきちんと受け止めるべきことである。
「エミアンに会わせて、ちゃんと話をしてあげなきゃいけないわ」
「手紙にはなんて書いてあったの?会いたいと書いてあるの?」
「もちろんよ」
ソアリスは、手紙の中身を知っているというつもりはなかった。
「だったら、手紙を出せばいいじゃない。それで、約束をして、会えばいい」
平民が他国の伯爵夫人に簡単に会えるものではない。だが、手紙を送ることを止める気はない。送られてきた手紙をエミアンローズが読むも読まないも、返事を書く書かないも決めればいい。
「そうね、そうするわ!」
「ええ」
ソアリスはララシャの様子に、エミアンローズの写真を渡すべきか、悩んでいた。正直、会う前は写真くらいと思っていたが、渡さないことに決めた。
「今日はエミアンローズの手紙を渡すために呼んだの」
「すぐに渡してくれればいいじゃない!」
「そうね。でも私は今後、あなたに会うことはもうないから、最後に話しておこうと思ったのよ」
「最後?あなた病気なの?」
ララシャはまたも、馬鹿にしたように小さく笑っていた。
3,254
あなたにおすすめの小説
許婚と親友は両片思いだったので2人の仲を取り持つことにしました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<2人の仲を応援するので、どうか私を嫌わないでください>
私には子供のころから決められた許嫁がいた。ある日、久しぶりに再会した親友を紹介した私は次第に2人がお互いを好きになっていく様子に気が付いた。どちらも私にとっては大切な存在。2人から邪魔者と思われ、嫌われたくはないので、私は全力で許嫁と親友の仲を取り持つ事を心に決めた。すると彼の評判が悪くなっていき、それまで冷たかった彼の態度が軟化してきて話は意外な展開に・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
【完結80万pt感謝】不貞をしても婚約破棄されたくない美男子たちはどうするべきなのか?
宇水涼麻
恋愛
高位貴族令息である三人の美男子たちは学園内で一人の男爵令嬢に侍っている。
そんな彼らが卒業式の前日に家に戻ると父親から衝撃的な話をされた。
婚約者から婚約を破棄され、第一後継者から降ろされるというのだ。
彼らは慌てて学園へ戻り、学生寮の食堂内で各々の婚約者を探す。
婚約者を前に彼らはどうするのだろうか?
短編になる予定です。
たくさんのご感想をいただきましてありがとうございます!
【ネタバレ】マークをつけ忘れているものがあります。
ご感想をお読みになる時にはお気をつけください。すみません。
【完結】離縁ですか…では、私が出掛けている間に出ていって下さいね♪
山葵
恋愛
突然、カイルから離縁して欲しいと言われ、戸惑いながらも理由を聞いた。
「俺は真実の愛に目覚めたのだ。マリアこそ俺の運命の相手!」
そうですか…。
私は離婚届にサインをする。
私は、直ぐに役所に届ける様に使用人に渡した。
使用人が出掛けるのを確認してから
「私とアスベスが旅行に行っている間に荷物を纏めて出ていって下さいね♪」
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
【完結】返してください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
ずっと我慢をしてきた。
私が愛されていない事は感じていた。
だけど、信じたくなかった。
いつかは私を見てくれると思っていた。
妹は私から全てを奪って行った。
なにもかも、、、、信じていたあの人まで、、、
母から信じられない事実を告げられ、遂に私は家から追い出された。
もういい。
もう諦めた。
貴方達は私の家族じゃない。
私が相応しくないとしても、大事な物を取り返したい。
だから、、、、
私に全てを、、、
返してください。
転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる