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番外編【ジーナヴァルス】
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俺の名前は、ジーナヴァルス・ジェル・ラグフェル。今年、九歳になる。
俺の家は、領地を国王から貰っているラグフェル侯爵家と、神護騎士団を精霊教会から預けられたシュトワール家に分けられている。本来ならば、ラグフェル侯爵家の兄弟でそれぞれの家名を継ぐんだけど、今のラグフェル侯爵家には父上しか居ないんだ。父上、一人っ子で、先代も一人だけだったから、今のラグフェル侯爵家は父上がシュトワール家の当主を兼任している。シュトワール家は、先代で血が途絶えてしまったらしい。子供が生まれなかったんだとか。
父上は領地を管理したり、騎士団の団長もしたり大変そうだ。先代のお祖父様も、それで無理が祟って、早くに亡くなってしまったと聞いている。
俺には、兄上が居る。だから、早く俺たちで両家を継いで、父上を楽させてやるんだ。今代の神子は我が儘ばっかり言うらしい。父上、苦労してるんだ。
もし、俺がシュトワール家を継いだら、神子なんかに舐められないようにするんだ。我が儘なんか言ったら、厳しく対処する。絶対。
その為には、まず剣の稽古だ。弱い騎士団長なんか、誰も怖がらないからな!
今だって、日課の素振りをしてきたんだ。ちょっと、失敗して手の豆が潰れて痛いけど、大丈夫だ。泣いたりなんかしないんだ!
俺は、屋敷の方に走った。俺たちは、父上がシュトワール家の当主もしているので、ラグフェルの領地ではなく、王都にある仮の自宅で暮らしている。王都には、シュトワール家の屋敷もあるんだ。
そっちは、今は他に管理してくれている人が居るらしい。
まあ、とりあえずの家が、俺が住む屋敷だ。
鍛錬用の剣を持って走ると、庭を歩くヴァルグランツ兄上が見えた。兄上とは年が離れているけど、いつも忙しい父上の代わりに俺の相手をしてくれるから、俺は兄上が大好きだ。母上は、俺が幼い頃に亡くなっているし。
「兄上!」
「ジーンか」
ジーンとは、俺の愛称だ。
兄上は、書類の束を持っていた。十九歳の兄上は、既に父上の手伝いをしている。主に、領地管理とか。
「兄上は、お仕事ですか?」
「ああ、父上が騎士団の方に呼ばれてな。私が代わりに執務をしようかと。それより、お前はまた手をこんな傷だらけにして」
兄上が、俺の手で潰れて真っ赤になった豆を見て、顔をしかめた。心配してくれているんだ。俺は、嬉しくなった。
「俺、強くなりたいんです!」
「強くなるのは良いが、あまり無理はするな」
「はい!」
兄上は、俺の手に取り出したハンカチを巻く。
「後で、きちんと消毒しなさい」と言うと、仕事に戻って行った。
「えへへ」
俺は、ハンカチを眺めて暫くの間、にやけていた。
鍛錬を終えて、昼ご飯を食べた後にも俺には役割がある。
「たいちょー!」
「今日は、何するのー?」
「僕、騎士団ごっこがいいー」
近所の年の近い連中を集めて出来た、ジーナヴァルス団の隊長が俺の役割だ。
いや、ただ単に皆と遊んでたらいつの間にか結成されていたんだよな。不思議だ。
「それじゃあ、今日は聖騎士団ごっこだ!」
団員から、歓声が上がる。何だよ。自分で言っといてなんだけど、確かに聖騎士団格好いいよ? でも、神護騎士団だって、すっげー格好いいじゃんか。ちょっとは、残念がっても良くないか。と、思ったら、怖ず怖ずと上がる手が。
「僕、神護騎士団もやりたい……」
「ジェイド」
手を上げたのは、俺たちの中で一番年下のジェイドだった。鮮やかな赤毛が特徴だ。そうか、ジェイドの父親は父上の右腕だ。神護騎士団への憧れは、俺と同等なのかもしれない。
「えー、でも今日は聖騎士団だよー?」
「たいちょーがそう言ったもん」
団員たちから、不満の声が上がる。う、確かにもう言っちゃったしなぁ。
「うー……」
ジェイドが、泣きそうになる。
ジェイドの両親は、仲が良くて。一人息子のジェイドを溺愛している。だからか、ジェイドは甘ったれだ。ちょっと反論されただけで、直ぐに泣いてしまうのだ。
「あー、ジェイドはすぐ泣くー」
「な、泣いてないもん……っ」
他の団員にはやし立てられ、ジェイドの目には見る見るうちに涙が浮かび上がってくる。
まあ、泣き虫な所は駄目だと思うが、根は素直だし良い奴だ。俺は、泣き虫なジェイドを嫌いにはなれない。お、俺だって、たまに泣くときがあるからな!
仕方ない。助けてやるか。
「よーし、今日の任務はちょっと変更だ」
「えー!」
「聖騎士団じゃないのー!」
途端に、団員たちが抗議の声を出す。
「誰も、聖騎士団はやらないなんて言ってないだろ」
「えー?」
意味が分からなかったのか、団員たちが首を傾げる。
そんな団員たちに、俺は得意げに鼻を鳴らす。
「今日は、聖騎士団と神護騎士団の共同戦線だ!」
「きょうどうせんせん!」
「格好いいー!」
聞き慣れない言葉に、団員たちは興奮気味だ。そうだろう、そうだろう。共同戦線って、なんか格好いいよな!
俺も、父上から聞いて格好いいってずっと思ってたんだ。
「じゃあ、決まりだな!」
「うん!」
「はーい!」
団員たちの元気の良い返事に、俺は気をよくする。こいつら、本当に素直だ。流石、俺の団員。
「あ、あの。たいちょー」
秘密基地へと走り出した他の団員たちの後から、歩いていく俺に声が掛かる。
ジェイドだ。
ジェイドは、もじもじとしながら俺を見上げてくる。どうしたんだ。
「何だよ」
「う、うん。たいちょー、ありがとう」
ジェイドにお礼を言われてしまった。ジェイドは、気がついていたんだろう。俺が、助けた事を。何だよ、お礼なんか言われたら照れるだろ。
「別に、気にすんなよ」
「でも、僕嬉しかったから。だから、ありがとうなんだよ」
ジェイドの言葉に、俺はそっぽを向く。照れ隠しだ。だって、恥ずかしかったんだよ。
「俺は、隊長だからな!」
「うん! たいちょー、かっこいいー!」
ジェイドの奴、誉め過ぎだ。俺の顔は、真っ赤になっている筈だ。
「ほ、ほら、行くぞ」
「うん!」
ジェイドを促して、俺は先に行った皆の後を追う。秘密基地は、森の中に有るんだ。大人たちからは、あまり深く入るなって言われてるから入り口付近にしか作れなかったけど、俺たちにすれば立派な秘密基地なのだ。
走り出す俺たちを、街の大人たちが笑顔で見てくる。中には、「転ぶなよ」と注意してくる人も居る。大人って、俺たちに注意するの好きだよな。まあ、嫌じゃないけどさ。
そんな中、甘い匂いが俺の鼻をくすぐる。お菓子の匂いだ!
ちょっと走る速度を落とした俺は、匂いのする方に視線を向ける。
匂いの元は、俺たちがよく行く菓子屋だった。クロウ菓子店。色んな地方の伝統菓子があると、王都でも有名な店だ。
俺は、チラチラと菓子店に目を向ける。菓子店には、二人の兄妹が居る。俺と年の近い妹の方は、たまに店に出てる事がある。いつも、にこにこしてて、その、変な奴だ。
……今日は、居ないのか。
あいつを見ていると、俺変になるから、別に良いけどさ。
ほ、本当だからな! 残念だとか、思ってないからな!
「たいちょー、足止まってるよー」
「い、今行く!」
団員に声を掛けられ、俺は慌てて返事する。
再び走り出す前に、菓子店の方に視線をやってしまったけど。本当に、あいつの事なんか気にしてないからな!
この頃の俺は、毎日が本当に充実していた。毎日、楽しかったんだ。
学校で友達と遊んだり、家に帰ったら団員と遊んで。
剣の稽古も、毎日欠かさずやった。
将来は、神護騎士団に入るんだって。父上を楽させて、神子にはガツンと気合いを入れてやるんだ。
そんな風に、俺は思っていた。
まだ、シルディ・ナーラが何かも知らない。
そんな頃の、ある日常だった。
俺の家は、領地を国王から貰っているラグフェル侯爵家と、神護騎士団を精霊教会から預けられたシュトワール家に分けられている。本来ならば、ラグフェル侯爵家の兄弟でそれぞれの家名を継ぐんだけど、今のラグフェル侯爵家には父上しか居ないんだ。父上、一人っ子で、先代も一人だけだったから、今のラグフェル侯爵家は父上がシュトワール家の当主を兼任している。シュトワール家は、先代で血が途絶えてしまったらしい。子供が生まれなかったんだとか。
父上は領地を管理したり、騎士団の団長もしたり大変そうだ。先代のお祖父様も、それで無理が祟って、早くに亡くなってしまったと聞いている。
俺には、兄上が居る。だから、早く俺たちで両家を継いで、父上を楽させてやるんだ。今代の神子は我が儘ばっかり言うらしい。父上、苦労してるんだ。
もし、俺がシュトワール家を継いだら、神子なんかに舐められないようにするんだ。我が儘なんか言ったら、厳しく対処する。絶対。
その為には、まず剣の稽古だ。弱い騎士団長なんか、誰も怖がらないからな!
今だって、日課の素振りをしてきたんだ。ちょっと、失敗して手の豆が潰れて痛いけど、大丈夫だ。泣いたりなんかしないんだ!
俺は、屋敷の方に走った。俺たちは、父上がシュトワール家の当主もしているので、ラグフェルの領地ではなく、王都にある仮の自宅で暮らしている。王都には、シュトワール家の屋敷もあるんだ。
そっちは、今は他に管理してくれている人が居るらしい。
まあ、とりあえずの家が、俺が住む屋敷だ。
鍛錬用の剣を持って走ると、庭を歩くヴァルグランツ兄上が見えた。兄上とは年が離れているけど、いつも忙しい父上の代わりに俺の相手をしてくれるから、俺は兄上が大好きだ。母上は、俺が幼い頃に亡くなっているし。
「兄上!」
「ジーンか」
ジーンとは、俺の愛称だ。
兄上は、書類の束を持っていた。十九歳の兄上は、既に父上の手伝いをしている。主に、領地管理とか。
「兄上は、お仕事ですか?」
「ああ、父上が騎士団の方に呼ばれてな。私が代わりに執務をしようかと。それより、お前はまた手をこんな傷だらけにして」
兄上が、俺の手で潰れて真っ赤になった豆を見て、顔をしかめた。心配してくれているんだ。俺は、嬉しくなった。
「俺、強くなりたいんです!」
「強くなるのは良いが、あまり無理はするな」
「はい!」
兄上は、俺の手に取り出したハンカチを巻く。
「後で、きちんと消毒しなさい」と言うと、仕事に戻って行った。
「えへへ」
俺は、ハンカチを眺めて暫くの間、にやけていた。
鍛錬を終えて、昼ご飯を食べた後にも俺には役割がある。
「たいちょー!」
「今日は、何するのー?」
「僕、騎士団ごっこがいいー」
近所の年の近い連中を集めて出来た、ジーナヴァルス団の隊長が俺の役割だ。
いや、ただ単に皆と遊んでたらいつの間にか結成されていたんだよな。不思議だ。
「それじゃあ、今日は聖騎士団ごっこだ!」
団員から、歓声が上がる。何だよ。自分で言っといてなんだけど、確かに聖騎士団格好いいよ? でも、神護騎士団だって、すっげー格好いいじゃんか。ちょっとは、残念がっても良くないか。と、思ったら、怖ず怖ずと上がる手が。
「僕、神護騎士団もやりたい……」
「ジェイド」
手を上げたのは、俺たちの中で一番年下のジェイドだった。鮮やかな赤毛が特徴だ。そうか、ジェイドの父親は父上の右腕だ。神護騎士団への憧れは、俺と同等なのかもしれない。
「えー、でも今日は聖騎士団だよー?」
「たいちょーがそう言ったもん」
団員たちから、不満の声が上がる。う、確かにもう言っちゃったしなぁ。
「うー……」
ジェイドが、泣きそうになる。
ジェイドの両親は、仲が良くて。一人息子のジェイドを溺愛している。だからか、ジェイドは甘ったれだ。ちょっと反論されただけで、直ぐに泣いてしまうのだ。
「あー、ジェイドはすぐ泣くー」
「な、泣いてないもん……っ」
他の団員にはやし立てられ、ジェイドの目には見る見るうちに涙が浮かび上がってくる。
まあ、泣き虫な所は駄目だと思うが、根は素直だし良い奴だ。俺は、泣き虫なジェイドを嫌いにはなれない。お、俺だって、たまに泣くときがあるからな!
仕方ない。助けてやるか。
「よーし、今日の任務はちょっと変更だ」
「えー!」
「聖騎士団じゃないのー!」
途端に、団員たちが抗議の声を出す。
「誰も、聖騎士団はやらないなんて言ってないだろ」
「えー?」
意味が分からなかったのか、団員たちが首を傾げる。
そんな団員たちに、俺は得意げに鼻を鳴らす。
「今日は、聖騎士団と神護騎士団の共同戦線だ!」
「きょうどうせんせん!」
「格好いいー!」
聞き慣れない言葉に、団員たちは興奮気味だ。そうだろう、そうだろう。共同戦線って、なんか格好いいよな!
俺も、父上から聞いて格好いいってずっと思ってたんだ。
「じゃあ、決まりだな!」
「うん!」
「はーい!」
団員たちの元気の良い返事に、俺は気をよくする。こいつら、本当に素直だ。流石、俺の団員。
「あ、あの。たいちょー」
秘密基地へと走り出した他の団員たちの後から、歩いていく俺に声が掛かる。
ジェイドだ。
ジェイドは、もじもじとしながら俺を見上げてくる。どうしたんだ。
「何だよ」
「う、うん。たいちょー、ありがとう」
ジェイドにお礼を言われてしまった。ジェイドは、気がついていたんだろう。俺が、助けた事を。何だよ、お礼なんか言われたら照れるだろ。
「別に、気にすんなよ」
「でも、僕嬉しかったから。だから、ありがとうなんだよ」
ジェイドの言葉に、俺はそっぽを向く。照れ隠しだ。だって、恥ずかしかったんだよ。
「俺は、隊長だからな!」
「うん! たいちょー、かっこいいー!」
ジェイドの奴、誉め過ぎだ。俺の顔は、真っ赤になっている筈だ。
「ほ、ほら、行くぞ」
「うん!」
ジェイドを促して、俺は先に行った皆の後を追う。秘密基地は、森の中に有るんだ。大人たちからは、あまり深く入るなって言われてるから入り口付近にしか作れなかったけど、俺たちにすれば立派な秘密基地なのだ。
走り出す俺たちを、街の大人たちが笑顔で見てくる。中には、「転ぶなよ」と注意してくる人も居る。大人って、俺たちに注意するの好きだよな。まあ、嫌じゃないけどさ。
そんな中、甘い匂いが俺の鼻をくすぐる。お菓子の匂いだ!
ちょっと走る速度を落とした俺は、匂いのする方に視線を向ける。
匂いの元は、俺たちがよく行く菓子屋だった。クロウ菓子店。色んな地方の伝統菓子があると、王都でも有名な店だ。
俺は、チラチラと菓子店に目を向ける。菓子店には、二人の兄妹が居る。俺と年の近い妹の方は、たまに店に出てる事がある。いつも、にこにこしてて、その、変な奴だ。
……今日は、居ないのか。
あいつを見ていると、俺変になるから、別に良いけどさ。
ほ、本当だからな! 残念だとか、思ってないからな!
「たいちょー、足止まってるよー」
「い、今行く!」
団員に声を掛けられ、俺は慌てて返事する。
再び走り出す前に、菓子店の方に視線をやってしまったけど。本当に、あいつの事なんか気にしてないからな!
この頃の俺は、毎日が本当に充実していた。毎日、楽しかったんだ。
学校で友達と遊んだり、家に帰ったら団員と遊んで。
剣の稽古も、毎日欠かさずやった。
将来は、神護騎士団に入るんだって。父上を楽させて、神子にはガツンと気合いを入れてやるんだ。
そんな風に、俺は思っていた。
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