僕に仕えるメイドは世界最強の英雄です1~またクビになったけど、親代わりのメイドが慰めてくれるので悲しくなんてない!!~

あきくん☆ひろくん

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第3部 プラチナ帝国魔法学園編

第11話

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ある日の休日、僕はひさしぶりに町へ出かけていた。

気分転換にナスと食事をする約束をしていたからだ。

魔法学園は商業区に隣接しており、目の前の大通りには飲食店や服飾店、スイーツ店と店がずらりと並んでいる。

お金のある学生は放課後や休日を利用して自由に買い物を満喫しているので、通称「学生通り」と呼ばれている。

その一角をぶらぶら歩いていると

「火事だー!!!」

と言う声が聞こえた。声のするほうをみると、右斜めの方角の建物から黒い煙が出ている。

すぐさま駆け寄って、近くの人に建物の中は誰もいないのか聞くと、

「まだ一人取り残されているんだ!!」

と言う。

僕はすぐさま、イオニアからもらったあの超付与術を使い「ちょっとだけ」ブースターを使った。

そして火事で燃えている建物の中を探査魔法を使い取り残された人物を探した。

超付与術ブースターは僕の能力を全て1000倍に引き上げるが同時に今まで使えなかった術も使えるようになる。探査魔法がそれだ。

幸い、入り口付近で倒れているのを見つけたので、すぐ超付与術を解除し、水魔法で体を覆いながら燃え盛る建物内のほんの少しの入り口まで行って、その人物を助けた。

ちなみに、あの副作用が大きい超付与術は、1秒まるまる使えば激痛で2、3日動けなくなるが1秒に満たない「ちょっとだけ」の時間を使えば激痛に襲われない。

今みたいに戦い以外でも人をたすけるために力を使いたいと思っていたので、超付与術も使い方次第だと僕は考えている。

今回ごくわずかな時間で探査魔法を使っただけなので副作用はほぼなかった。

助けた人物は貴族の令嬢だった。気が付いた令嬢が僕を見て、

「あなたが私を助けてくださったのでしょうか。なんとお礼を言ったらいいのか。どうかお礼がしたいです。私の名は・・・・」

「あ、気にしなくていいです。助けるのは当然のことですから気にしないでください」

と僕は早口で言ってその場を離れた。

身なりから貴族だということはわかっていた。だけどなるべくかかわりたくないという思いが僕にはある。

しかし、その令嬢は僕の容姿を学園内で見たことがあると気づいていた。

そして翌日から僕を探し始めた。

「ねぇ。こういう髪型でこういう顔の人。知らないかしら。私の命の恩人なのよ」

「お礼も受け取らずに去っていったの。なんとかして見つけてお礼したいのよ。この学園で見かけたことがあるような気がするんだけど」

その令嬢は学園内で友人や取り巻きを使って自分を助けた命の恩人を見つけようとしていた。

その令嬢の名はブラウン王国の侯爵令嬢でパステル・ベゴニアという。

ブラウン王国は小国ということもあり侯爵位が最高の身分にあたる貴族であった。

とりまきも多く魔法学園内でのブラウン王国を代表する派閥になる。

そのため取り巻きの数も多く、平民で優秀な人材もいたのでパステル・ベゴニア侯爵令嬢が探していた人物を探し当てることができた。

「あの~。一人だけ思い当たる人物がいます」

「え、だれなの」

「というか。その去り際での態度って「底辺腰抜け」のあの人しかいないですよ」

「ん。なに?その「底辺腰抜け」って?」

「あだ名みたいなものです。平民棟では有名な人ですよ。あだ名も行動も。商業ギルドの代行請負人もしているので、ギルド屋とも呼ばれている人です。一度お会いになりますか?」

「うん、いくいく!」

そして、僕のところへブラウン王国のご一行さまが現れた。

放課後、授業がすべて終わり学生寮へ戻ろうかと言うところで呼び止められた。

「あのときの方ですわよね。私、火事で建物に取り残され、気を失っていたところを助けていただきましたパステル・ベゴニアと申します」

とカーテシーで貴族らしい優雅な礼でお辞儀をされた。

「あ、あのときのご令嬢ですね。あのあと体は無事でしたか。目立ちたくなくてその場を去ってしまったけど、身体に異常がないか心配していました」

「なんて優しく謙虚な方なんでしょう。助けた見返りも求めず目立つことも良しとせず。こんな素晴らしい方、たとえ平民とはいえ、私、惚れそうですわ」

「ぜひ、お友達になってくださいませ。お礼は遠慮するとのことで無理にとは言えませんがお友達になるなら良うございましょう?」

それを聞いて、「えっ」という顔を取り巻きの人がしている。取り巻きの人も苦労しているんだろうなあと僕は思った。

「せっかくの提案、有難く思います。では、時間があえばまたご一緒いたしましょう。今日は用事があって急いでおりますので失礼します。ごきげんよう」

と言って、僕は逃げるようにその場を去った。もう2度と会わないようにしようと考えながら。


あれから1週間。

周囲を警戒しブラウン王国の関係者とは会わないようにしながら、僕は過ごしていた。

あのご令嬢がこの平民棟にまで来ていることを遠目で何度か確認はしていたが、気を付けていれば避けることは容易いことだった。

そして、放課後。

学生寮へ戻ろうとしたとき、ある貴族さまに僕は呼び止めらた。

「そこの平民。いや、底辺腰抜けのうえに女の敵というのはお前のことか!!」

と僕を見据え、指をさしながら貴族風の青年が罵倒する。

「女の敵なんて知りませんけど、底辺とか腰抜けと呼ばれるのは僕です」

と肯定すると、

「人の婚約者を奪おうとしやがって!!!しかも平民の分際で。身分違いも甚だしい。それとも侯爵令嬢の気をひいて自分が侯爵の跡取りになろうとでも企んでいるのか!!!」

と言ってくる。

また貴族に絡まれる・・・・・僕は頭を抱えた。

「いいか。2度と彼女と会うなよ。今回に限り不問にしてやる。身の程を知れよ。この底辺が!!」

と悪態をついて去っていった。どうも話ぶりからこの前助けたパステル・ベゴニア侯爵令嬢の婚約者のようだ。

しかし、いいのかな。あの貴族の青年。

あの人の横にずっと別の令嬢が胸を腕に押し付けてべったりくっついていたんだけど。

浮気になるんじゃないかな。婚約者がいるのに別の令嬢とあんな距離感でくっついて。

僕はもうトラブルの予感しかしなかった。

そして、また1週間後。

あれからパステル・ベゴニア侯爵令嬢とその取り巻きには一切会っていない。

会わないように僕が周囲を警戒して避けていたからだ。しかし、令嬢の婚約者から再びいちゃもんをつけられた。

「きさま、あれほど俺が警告してやったのにまだ会っているのか。ただお前を殺すだけでは私の気が晴れない。私じきじきにとどめを刺してくれる。決闘だ!!」

といって、手袋を投げてくる。

いやいやいや僕はあの令嬢には会ってないし、なんでそんな殺そうとしてくるのか疑問だし、となりでべったりしている令嬢は浮気じゃないのかとかつっこみどころが多い。

「決闘はかまいませんが、僕はあのご令嬢にはお会いしてませんし、話もしてませんよ。婚約者ならもう少し話し合われたらどうですか」

しかし令嬢の婚約者はそれを聞いてさらに激昂する。

「はああああ。つくならもっとましな嘘をつけ!!」

「しかもよりによって彼女に会っていないだとおおおおおおお。おれは彼女と会うたびにお前の自慢話を聞かされるんだぞ。よくもそんなうそで俺をこけにしてくれたな」

あ、会っているんだ。そして話はしてるんだ。でも僕の自慢話って何??

助けたことを話ししているのかな?と考えていると、遠くからパステル・ベゴニア侯爵令嬢の声が聞こえてきた。

「あ、やっと見つけましたわーーー。あ、あらレオポルド様・・・とセリス様」

どうやら、男のほうはレオポルドと言う名前らしい。そして腕に絡んで密着し見下し笑いをしている愛人?の名前はセリスというらしい。

このレオポルドと言う人、婚約者のパステル・ベゴニア侯爵令嬢の前でも愛人といちゃつくのかな。

でもパステル様も慣れている様子。

「さあ、剣を抜け。どちらかが参ったというか死ぬまで勝負をつづけるぞ!!!」

とレオポルドは殺気だっている。その横でセリスという愛人は「きゃーすてきー」と無邪気にはしゃいでいる。

迷惑この上ない。

貴族って本当自分勝手だな。

当事者のパステル・ベゴニア侯爵令嬢は、

「えーと、えーと」

と頼りない様子。

なにも公衆の面前で決闘を申し込まなくてもいいのに。

僕ってトラブル体質なのかな。

仕方なく決闘に応じることにした。

人が多くいる道の真ん中で始めようとするので、急いで一番レベルの低い防御結界魔法を周囲にかけた。

これで決闘の間ぐらいはもつだろう。

そう考えていると、レオポルドからしかけてきた。

「でえりゃあああ。しにさらせええええあああ!!!!」

めちゃ怖い。でも動きは大したことないなあ。

雰囲気に押されず冷静に対処する僕。

だけど困ったな。勝っても絶対いいことないぞこれ。

なので、自分も相手も怪我させず相手の剣を僕の体に打ち込んだように見せかけ、倒れたふりをした。

「ぐは!参った!」

と叫ぶ僕。

それを見て高笑いをするレオポルドと、信じられないという顔をするパステル嬢。

しかし、なおも僕にとどめを刺そうとレオポルドが剣を構え、倒れている僕を攻撃してきた!!

うまく避けてやられたフリしてやり過ごそうかなあと考えていると、パステル嬢が飛び出してきて僕をかばおうとする。

両手を広げレオポルドの剣を受け止める姿勢をとるのだ。

それを見たレオポルドはさらに激昂しパステル嬢ごと切り掛かろうとする。

「どちらもしにさらせええええええ!!!」

やむなく僕は、あの超付与術「ちょっとだけ」ブースターを使い、パステル嬢を助け、突進してくるレオポルドの後頭部を打ち気絶させた。

ズキ。

少し頭が痛い。

前にも使ったから、その副作用が出たのかもしれない。

当分は使えないな。

「ふう。大丈夫ですか?」

パステル嬢に聞く僕。

だけどパステル嬢は目をキラキラさせて僕を見つめ

「また助けてくださったのですね。それに本当は強いのに負けたフリなんかして」

「強くて優しくてそれにそのことを自慢しないなんて・・・」

と感激してしまっている。

やばい。なんか変な勘違いをしているかも。
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