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お節介侍
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「玉森、彼氏がさ、あんたに友達を紹介してくれるって言うんだけど、どうする?」
月曜日、先輩が更衣室でモカに囁いてきた。
「出来立てホヤホヤの彼氏さんがですか?あの眼鏡スーツ」
「そうそう、どう?もちろん奢りよ」
「……いつですか?今週はちょっと予定があるんですけど」
モカは先輩と並んで更衣室を出る。
「向こうの予定も聞かなきゃならないし、決まったら言うわ。職場の後輩なんだってさ、結構イケメンだってよ、期待しときな」
先輩はニマニマ笑いながら自分の席についた。
彼氏の紹介だと言うし、ここは先輩の顔を立てておくべきだろう。
期待など全くしていないが、少なくともそれだけの少人数ならあからさまな縁結び事象は起こらないような気がするし。
翌日のバイトに響かないようにしないとなぁ、と考えながら、席についてパソコンを立ち上げた。
鞄の中のスマートフォンをふと見る。
蒼士はまた連絡すると言ったが、いつになるんだろう。
…そう言えば。
モカは思い出した。
元カレの祐からの電話のことを。
またこちらから掛け直す、と言ったきりになっている。
祐の様子から察するに、何となくモカの望んでいない内容であるような気はしていた。
しかし、無視をするのも気持ち悪い。
面倒な事は早く済ました方が良いな…
モカは終業後、祐に連絡することを決めた。
祐は久しぶりに会って話したい、と言う。
モカはのらりくらりと交わしていたが、最終的に押しきられ、結局、木曜日に会う約束をしてしまった。
ここ最近の出来事を改めて思い返すとこのパターンばかりである。
どうやら自分は押しに弱いらしい。
これは改善すべき点だよなぁ…
モカはスマートフォンを握ったまま夜空を見上げた。
そして、その直後に蒼士から着信が入った。
『おう、モカか』
いつも通りの横柄な声を聞いて何故かホッとする。
「そうだよ、日にち決まった?」
『木曜日どうよ』
モカは額に手を当てた。
重なっちゃったかぁ…
正直、祐の方を断りたいくらいだが。
「それがさ、木曜日は急用ができて。他の曜日じゃ駄目?」
『ん~、だったら水曜日かなぁ』
「悪いね、何だか気が重い用事で行きたくないんだけど、断れなくて」
『何だよ、どうした?』
モカは少し迷ったが、思い切って祐の事を説明した。
蒼士は僅かに黙った後に言った。
『どこで会うか教えろ。見てやるから』
「見る?」
モカの胸がざわめいた。
『お前には滅多に変な縁は寄ってこないと思うけど、もしもの事もあるだろ』
「祐と悪縁が繋がってないか見るの?」
モカは襟元を掴んで身体を強ばらせた。
『心配すんな。念のためだよ』
「過保護すぎない?」
『お前は既に田出呂神社の大切な巫女なんだよ。それに、守ってやるって言ったろーが』
モカは瞬きをした。
蒼士の言葉とはにわかに信じがたい。
少なくとも面と向かっては絶対言わない台詞だ。
…だが、嬉しい。
「ありがとう、蒼士」
素直にお礼を言うと、蒼士は、おう、と返事した。
照れている様子が目に浮かび、モカは顔をほころばせた。
月曜日、先輩が更衣室でモカに囁いてきた。
「出来立てホヤホヤの彼氏さんがですか?あの眼鏡スーツ」
「そうそう、どう?もちろん奢りよ」
「……いつですか?今週はちょっと予定があるんですけど」
モカは先輩と並んで更衣室を出る。
「向こうの予定も聞かなきゃならないし、決まったら言うわ。職場の後輩なんだってさ、結構イケメンだってよ、期待しときな」
先輩はニマニマ笑いながら自分の席についた。
彼氏の紹介だと言うし、ここは先輩の顔を立てておくべきだろう。
期待など全くしていないが、少なくともそれだけの少人数ならあからさまな縁結び事象は起こらないような気がするし。
翌日のバイトに響かないようにしないとなぁ、と考えながら、席についてパソコンを立ち上げた。
鞄の中のスマートフォンをふと見る。
蒼士はまた連絡すると言ったが、いつになるんだろう。
…そう言えば。
モカは思い出した。
元カレの祐からの電話のことを。
またこちらから掛け直す、と言ったきりになっている。
祐の様子から察するに、何となくモカの望んでいない内容であるような気はしていた。
しかし、無視をするのも気持ち悪い。
面倒な事は早く済ました方が良いな…
モカは終業後、祐に連絡することを決めた。
祐は久しぶりに会って話したい、と言う。
モカはのらりくらりと交わしていたが、最終的に押しきられ、結局、木曜日に会う約束をしてしまった。
ここ最近の出来事を改めて思い返すとこのパターンばかりである。
どうやら自分は押しに弱いらしい。
これは改善すべき点だよなぁ…
モカはスマートフォンを握ったまま夜空を見上げた。
そして、その直後に蒼士から着信が入った。
『おう、モカか』
いつも通りの横柄な声を聞いて何故かホッとする。
「そうだよ、日にち決まった?」
『木曜日どうよ』
モカは額に手を当てた。
重なっちゃったかぁ…
正直、祐の方を断りたいくらいだが。
「それがさ、木曜日は急用ができて。他の曜日じゃ駄目?」
『ん~、だったら水曜日かなぁ』
「悪いね、何だか気が重い用事で行きたくないんだけど、断れなくて」
『何だよ、どうした?』
モカは少し迷ったが、思い切って祐の事を説明した。
蒼士は僅かに黙った後に言った。
『どこで会うか教えろ。見てやるから』
「見る?」
モカの胸がざわめいた。
『お前には滅多に変な縁は寄ってこないと思うけど、もしもの事もあるだろ』
「祐と悪縁が繋がってないか見るの?」
モカは襟元を掴んで身体を強ばらせた。
『心配すんな。念のためだよ』
「過保護すぎない?」
『お前は既に田出呂神社の大切な巫女なんだよ。それに、守ってやるって言ったろーが』
モカは瞬きをした。
蒼士の言葉とはにわかに信じがたい。
少なくとも面と向かっては絶対言わない台詞だ。
…だが、嬉しい。
「ありがとう、蒼士」
素直にお礼を言うと、蒼士は、おう、と返事した。
照れている様子が目に浮かび、モカは顔をほころばせた。
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