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元カレ
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祐と待ち合わせた料理店に入り、モカは指定されたテーブルを探す。
その先に、グラスビールを傍らに一人でカウンターに座るスーツの背中を見つけた。
見慣れたつむじを確認してモカは肩の力を抜いた。
約束通り蒼士は祐との悪縁を見てくれるつもりらしい。
モカは律儀で面倒見の良い蒼士に心の中で手を合わせた。
店の奥に進むと、テーブルの上で組んだ指をせわしなく動かし緊張した様子の男性が目に入った。
間違いない、祐だ。
あの頃部活で真っ黒だった肌は白くなり、短めのアップバングだった髪は長めのセンター分けに変わっている。
しかし、優しげな顔立ちは変わらない。
モカは祐の正面の椅子を引いた。
「久しぶりだね」
ハッとして顔を上げた祐は、モカを見て少し引きつった笑顔を浮かべる。
「久しぶり、悪いね、呼び出して」
「良いよ。取りあえず何か頼もうか」
モカはメニューを広げた。
祐はグラスビールを頼んだが、モカはスパークリンウォーターを選び、簡単に摘まめるものを数種頼んだ。
注文を済ませて改めて二人で向き合って姿勢を正す。
「すっかりサラリーマンだね、祐」
「モカこそ、大人っぽくなった」
「そうだろう」
祐は笑った。
「中身は変わんない」
「そんなことないよ。更に大人になりましたー」
「…ふざけてるように見せて大人だったよね、モカは。別れてから改めて気付いたんだ。俺、そう言うとこ好きで付き合ったのに、何で…」
モカは、頬杖を付いて横をみる祐の表情を窺う。
「今更なに?仕方ないじゃん、そういう縁だったんだよ」
「俺達、モカに酷いことをしたのに、それなのに、モカは比奈とはあれからも友達でいたよね」
「まあね。内心は複雑だったけど」
「やっぱりそうだよね」
祐は顔半分を掌で擦りつつ告げた。
「俺、モカの事本当に好きだったよ、それは本当だから」
「良いってばもう、6年も前の事だよ」
モカは運ばれてきた料理にフォークを伸ばした。
数種のハムとチーズが盛り付けられた中から一番柔らかそうな生ハムを選んだ。
「比奈とは一年ほど付き合って別れたんだ」
「そうらしいね」
モカは生ハムを口に入れた。
咀嚼しながらクリームチーズにフォークを突き刺す。
「相変わらず遠慮がないな」
「当たり前」
祐はクスクスと笑った。
「何だかさ、比奈とは上手くいかなかったんだ。モカを傷つけてまで一緒にいる必要があったのかって、ついつい考えちゃって」
モカは驚いて顔を上げた。
「お互いそう思ってたみたいでさ、なんだか俺達ばっかり幸せになって良いのかなって」
「え?!良いでしょ、何それ」
あれだけ隠れて泣いて身を引いた意味がないじゃないか。
モカは内心で激しく動揺していた。
「なあ、モカって今付き合ってるヤツいるの」
祐はモカに目を合わせてじっと見た。
「忘れられなかったんだ、モカの事。こっちに帰るって決まった時、真っ先に浮かんだのがモカの顔でさ」
モカはフォークを握ったまま固まった。
「もう一度付き合わない?俺達。モカのこと、今度こそ幸せにしたいんだ」
その先に、グラスビールを傍らに一人でカウンターに座るスーツの背中を見つけた。
見慣れたつむじを確認してモカは肩の力を抜いた。
約束通り蒼士は祐との悪縁を見てくれるつもりらしい。
モカは律儀で面倒見の良い蒼士に心の中で手を合わせた。
店の奥に進むと、テーブルの上で組んだ指をせわしなく動かし緊張した様子の男性が目に入った。
間違いない、祐だ。
あの頃部活で真っ黒だった肌は白くなり、短めのアップバングだった髪は長めのセンター分けに変わっている。
しかし、優しげな顔立ちは変わらない。
モカは祐の正面の椅子を引いた。
「久しぶりだね」
ハッとして顔を上げた祐は、モカを見て少し引きつった笑顔を浮かべる。
「久しぶり、悪いね、呼び出して」
「良いよ。取りあえず何か頼もうか」
モカはメニューを広げた。
祐はグラスビールを頼んだが、モカはスパークリンウォーターを選び、簡単に摘まめるものを数種頼んだ。
注文を済ませて改めて二人で向き合って姿勢を正す。
「すっかりサラリーマンだね、祐」
「モカこそ、大人っぽくなった」
「そうだろう」
祐は笑った。
「中身は変わんない」
「そんなことないよ。更に大人になりましたー」
「…ふざけてるように見せて大人だったよね、モカは。別れてから改めて気付いたんだ。俺、そう言うとこ好きで付き合ったのに、何で…」
モカは、頬杖を付いて横をみる祐の表情を窺う。
「今更なに?仕方ないじゃん、そういう縁だったんだよ」
「俺達、モカに酷いことをしたのに、それなのに、モカは比奈とはあれからも友達でいたよね」
「まあね。内心は複雑だったけど」
「やっぱりそうだよね」
祐は顔半分を掌で擦りつつ告げた。
「俺、モカの事本当に好きだったよ、それは本当だから」
「良いってばもう、6年も前の事だよ」
モカは運ばれてきた料理にフォークを伸ばした。
数種のハムとチーズが盛り付けられた中から一番柔らかそうな生ハムを選んだ。
「比奈とは一年ほど付き合って別れたんだ」
「そうらしいね」
モカは生ハムを口に入れた。
咀嚼しながらクリームチーズにフォークを突き刺す。
「相変わらず遠慮がないな」
「当たり前」
祐はクスクスと笑った。
「何だかさ、比奈とは上手くいかなかったんだ。モカを傷つけてまで一緒にいる必要があったのかって、ついつい考えちゃって」
モカは驚いて顔を上げた。
「お互いそう思ってたみたいでさ、なんだか俺達ばっかり幸せになって良いのかなって」
「え?!良いでしょ、何それ」
あれだけ隠れて泣いて身を引いた意味がないじゃないか。
モカは内心で激しく動揺していた。
「なあ、モカって今付き合ってるヤツいるの」
祐はモカに目を合わせてじっと見た。
「忘れられなかったんだ、モカの事。こっちに帰るって決まった時、真っ先に浮かんだのがモカの顔でさ」
モカはフォークを握ったまま固まった。
「もう一度付き合わない?俺達。モカのこと、今度こそ幸せにしたいんだ」
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