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侍の告白
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モカと蒼士は並んでベンチに座った。
夜の公園は思った以上に閑散としていた。
遠くに聞こえる町の喧騒も間近で鳴る夏虫の音にかき消されて聞こえない。
大きく育った樹木が葉を繁らせ、園内灯を覆っている。
公道に挟まれているため日中は通り抜ける人で賑わうのだが、さすがに夜は物騒なのだろう、殆ど通らない。
モカはそれを良いことに蒼士の腰に手を回して、ベッタリ張りついた。
「おい、暑くねぇの」
そう言う蒼士の声も滲み出る嬉しさが隠せない。
モカは蒼士の胸に頬を擦り付けた。
「くっつきたい」
「そうか」
蒼士はモカを抱き締めた。
「やっと、俺のもとに来たな。もう、ぜってぇ他所にはやらねぇ」
「行かない」
「約束な」
蒼士はモカの頭に頬を擦り寄せる。
「ほんと、長かった。もう無理かと思った」
「大袈裟だね、ほんの1ヶ月じゃない?」
「ちげーよ。七年だ」
「へっ?!な、ななっ?!」
モカは顔を上げて、たった今驚くべき事実を告げた恋人を凝視した。
「お前が分社に参拝に来ていた頃からだ。ずっと、また会える日を待ってたんだよ」
「えっええええ!!」
蒼士は頭を掻くと、ポツポツと語り始めた。
最初は、寂れた神社に通う女子高生が単純に珍しかっただけだったと言う。
しかし、次第にモカが訪れるのを心待ちにするようになった。
「よいしょよいしょって言いながら階段を駆け上がってくるのが無性に可愛くてさ、撫でくり回したい衝動に駆られて、ホント困ったよな。修行中は参拝者とは接触禁止って制約があったから、眺めることだけしか出来なくってさ」
修行を終えたら絶対声を掛けようと決め、その日を目標に精進していたらしい。
しかし、ある日、彼女は男子学生と共に神社に現れた。
そう、祐だ。
「むちゃくちゃショックだった。こっちは何にも出来ねぇってのによ!どう見たって俺の方が良い男だったし!」
「うーん、まあねぇ…」
「手なんか繋いでよ、ムカついてムカついて…」
蒼士は思い出したのか、忌々しげに唇を噛んでいる。
蒼士の回想の中にいるのは本当に自分なのだろうか。
いまいち実感できないが、内容は合っている。
「そして、暫くすると、今度は友達らしき女子を連れてきた」
「あー……、そっか、そこで気付いちゃったんだ」
モカは頬を掻いた。
モカの彼氏である祐と友達である比奈が、惹かれ合っていくのを。
「いてもたってもいられなくなって、俺はもうひとつの制約を破っちまった」
宮司さんが言っていた話と合致する。
いったい何をしたというのか。
蒼士は視線を前に向けたまま、ゆっくりと告げた。
「…お前達三人の縁を見たんだ」
モカは瞬きをした。
蒼士は大きく息を吐く。
「お前を通して二人の縁が結ばれようとするのを見た。誰かを介在して縁が結ばれるのを見るのは初めてだったから、俺は驚いて茫然としちまって…そしたら偶然、そこに浅緋がやってきて、俺の様子がおかしいことに気付いた」
「それで、浅緋さんも見ちゃったの?」
蒼士は頷き、モカを見つめた。
「浅緋はそれに加えて、もう一本の縁を見た」
モカは蒼士の言葉を待つ。
「俺とモカを結ぶ縁だ」
夜の公園は思った以上に閑散としていた。
遠くに聞こえる町の喧騒も間近で鳴る夏虫の音にかき消されて聞こえない。
大きく育った樹木が葉を繁らせ、園内灯を覆っている。
公道に挟まれているため日中は通り抜ける人で賑わうのだが、さすがに夜は物騒なのだろう、殆ど通らない。
モカはそれを良いことに蒼士の腰に手を回して、ベッタリ張りついた。
「おい、暑くねぇの」
そう言う蒼士の声も滲み出る嬉しさが隠せない。
モカは蒼士の胸に頬を擦り付けた。
「くっつきたい」
「そうか」
蒼士はモカを抱き締めた。
「やっと、俺のもとに来たな。もう、ぜってぇ他所にはやらねぇ」
「行かない」
「約束な」
蒼士はモカの頭に頬を擦り寄せる。
「ほんと、長かった。もう無理かと思った」
「大袈裟だね、ほんの1ヶ月じゃない?」
「ちげーよ。七年だ」
「へっ?!な、ななっ?!」
モカは顔を上げて、たった今驚くべき事実を告げた恋人を凝視した。
「お前が分社に参拝に来ていた頃からだ。ずっと、また会える日を待ってたんだよ」
「えっええええ!!」
蒼士は頭を掻くと、ポツポツと語り始めた。
最初は、寂れた神社に通う女子高生が単純に珍しかっただけだったと言う。
しかし、次第にモカが訪れるのを心待ちにするようになった。
「よいしょよいしょって言いながら階段を駆け上がってくるのが無性に可愛くてさ、撫でくり回したい衝動に駆られて、ホント困ったよな。修行中は参拝者とは接触禁止って制約があったから、眺めることだけしか出来なくってさ」
修行を終えたら絶対声を掛けようと決め、その日を目標に精進していたらしい。
しかし、ある日、彼女は男子学生と共に神社に現れた。
そう、祐だ。
「むちゃくちゃショックだった。こっちは何にも出来ねぇってのによ!どう見たって俺の方が良い男だったし!」
「うーん、まあねぇ…」
「手なんか繋いでよ、ムカついてムカついて…」
蒼士は思い出したのか、忌々しげに唇を噛んでいる。
蒼士の回想の中にいるのは本当に自分なのだろうか。
いまいち実感できないが、内容は合っている。
「そして、暫くすると、今度は友達らしき女子を連れてきた」
「あー……、そっか、そこで気付いちゃったんだ」
モカは頬を掻いた。
モカの彼氏である祐と友達である比奈が、惹かれ合っていくのを。
「いてもたってもいられなくなって、俺はもうひとつの制約を破っちまった」
宮司さんが言っていた話と合致する。
いったい何をしたというのか。
蒼士は視線を前に向けたまま、ゆっくりと告げた。
「…お前達三人の縁を見たんだ」
モカは瞬きをした。
蒼士は大きく息を吐く。
「お前を通して二人の縁が結ばれようとするのを見た。誰かを介在して縁が結ばれるのを見るのは初めてだったから、俺は驚いて茫然としちまって…そしたら偶然、そこに浅緋がやってきて、俺の様子がおかしいことに気付いた」
「それで、浅緋さんも見ちゃったの?」
蒼士は頷き、モカを見つめた。
「浅緋はそれに加えて、もう一本の縁を見た」
モカは蒼士の言葉を待つ。
「俺とモカを結ぶ縁だ」
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