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23.果たされる約束-2

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どれだけそうやって話していただろう。
空の流星群もどうやらピークを過ぎたようで、広場に徐々に暗闇が戻りつつある。
話が途切れたタイミングで、アルフレッドは、カリーナの手を取って両手で握りしめた。
視線を合わせて真剣に見つめている。
ネイビーブルーの瞳が星明かりを反射して輝く。
まるで宇宙のように深い。

「カリーナ、隠れ里で誓った時の事を覚えている?」

カリーナは頷いた。

「僕は面倒な事情を抱える立場だ。君に不自由な思いをさせるかもしれない」

カリーナは、もう片方の手をアルフレッドの手に重ねた。

「猫かぶりなら得意よ。せっかく身に付けた特技だもの、思いっきり行使してやるわ!」

アルフレッドは、重なる手に額を付けた。

「僕は君に何も与えることが出来ないかもしれない」

カリーナは、息を吸い込んだ。

「ねえ、アルフレッド、私、欲しいものは、自分で掴むと決めたの。でもね、こればっかりは一人じゃ出来ないのよね」

アルフレッドは顔を上げた。

「私ね、貴方と一緒にこの先もたくさん思い出を作りたい。協力してくれない?」

カリーナは、かなり勇気をふり絞ったのだが、なんだかムードもへったくれもない言い方になってしまった。
圧倒的に経験不足なのよね…と密かに落ち込む。
アルフレッドは、目をしばたいてカリーナをじっと見つめた。
カリーナは、恥ずかしくなって視線を反らした。

「なんか、ごめんね、可愛くない言い方で。あの、つまり、ずっと一緒にいて欲しいの。他は何もいらない」

アルフレッドは破顔した。
そして、カリーナをぎゅっと抱き締めた。

「やっぱり君は最高だよ!大好きだ!」

カリーナはぎゅうぎゅう締め付けられたまま、顔を真っ赤に蒸気させた。
アルフレッドは、カリーナの両腕を掴むと立ち上がらせ、再び手を握る。

「カリーナ、僕も君と一緒に生きたい。この先もずっと。ねえ、あの時に誓った言葉を覚えている?」

カリーナは頷く。一言一句漏らさず覚えている。

「もう一度、星に誓おう。カレンとミルトじゃなくて、カリーナとアルフレッドとして」

流星がちらちらと流れる星空の下、両手を繋いで向き合った。まるで、あの日に戻ったかのようだ。
あれから離れ離れになり、大人ぶって過ごした日々を経て、奇跡のようにまた出会った。
もう二度と、この手を離さない。
重なった声が空に響く。

「今、星のもとに誓います。私達2人は一生共にあることを」

数多の星達が証人だ。
2回も誓ったのだから、破ることなど許されない。
それは、心地よい制約だ。
アルフレッドの顔が近く。カリーナは瞳を閉じた。
柔らかい感触が唇に触れた。
その熱を感じて心が震える。
角度を変えて繰り返される口付けと、抱き締める腕の強さに、蕩けるような心地で身を任せた。
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