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ふたりの関係
伊月との出逢い
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「許せまじ」な岡田直生。
年齢=彼氏いない歴。
モテなかったわけでもない。
自分が許せる人に出逢えてなかっただけ。
「許せまじ」じゃない人に出逢えたのは
29歳の春だった。
「岡田さん、おはようございまぁす」
私のデスクの背後からそっと顔を覗かせる。
川瀬伊月、22歳。新入社員の男の子。
「おはよう、川瀬くん。あ!ちょっと…」
「はい?岡田さん、なんでしょう」
「…寝癖ついてるよ」ぷっ(笑)
「えー?どこ?どこですかっ!」
慌てて髪をあちこち触りまくる川瀬くん。
「ココ!後ろの…」
私は自分の頭で、寝癖の位置を彼に教えてあげた。
恥ずかしそうにしている川瀬くんは7つ年下ということもあって、かわいい弟のようだった。
上司の評判もわりと上々。
向上心と協調性があって、仕事の飲み込みも早い。
「川瀬くん!今夜飲み会があるんだ!参加するよね?」
私の隣の席の由希ちゃん24歳。
彼女は川瀬くんのシャツをつまんで背の高い川瀬くんの顔を見つめながら誘っている。
あんな風にためらいもなく明るく声をかけられたらどんなにいいだろう。
ああいう女の子がモテるんだろうな。
そんなことを思いながら私は仕事を始めた。
「岡田さんも飲み会に参加します?」
川瀬くんが私に尋ねてきた。
「岡田先輩は無駄なことはしない人だから、参加されたことないんですよねぇ」
由希ちゃん、ソレイヤミカ?
「そうだね、時間の無駄だから行かない」
キーボードを弾かせながら答える私。
「岡田さん!時間に無駄があってもいいじゃないですか。その無駄な時間が大切な時間になるときもあるんですよ?」
あのときの真剣な彼の眼差しは今でも覚えている。
私が初めて「許せまじ」じゃないと思えたのは年下の22歳の川瀬くんだった。
年齢=彼氏いない歴。
モテなかったわけでもない。
自分が許せる人に出逢えてなかっただけ。
「許せまじ」じゃない人に出逢えたのは
29歳の春だった。
「岡田さん、おはようございまぁす」
私のデスクの背後からそっと顔を覗かせる。
川瀬伊月、22歳。新入社員の男の子。
「おはよう、川瀬くん。あ!ちょっと…」
「はい?岡田さん、なんでしょう」
「…寝癖ついてるよ」ぷっ(笑)
「えー?どこ?どこですかっ!」
慌てて髪をあちこち触りまくる川瀬くん。
「ココ!後ろの…」
私は自分の頭で、寝癖の位置を彼に教えてあげた。
恥ずかしそうにしている川瀬くんは7つ年下ということもあって、かわいい弟のようだった。
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あんな風にためらいもなく明るく声をかけられたらどんなにいいだろう。
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