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残酷な真実
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「あ、兄上、いつからそこに? どうしたんですその恰好は」
激高したシャルルだが、半裸同然でぶるぶる震える兄の姿にあっけにとられる。
「アンドロイドはもういい……、俺は、ジュリアと結婚する。婚約破棄は取り消しだ。いいな、ジュリア」
「は?」
ジュリアはぽかんとした。いいな、って、そんな勝手なことを今更言われても困る。この方はこういう人だったのかと、怒りもわいてこなかった。
というより、わたくしの心はもう、ジルベール様ではなくて……。
「ジルベール様、わたくしもう一度貴方様と婚約する気はございません。ご覧のとおり、わたくしは貴方様にはふさわしくない、お転婆な女でございます。どうか、他の女性をお選びくださいませ」
ジュリアは床に尻もちをついたままのジルベールに丁寧に頭を下げた。ジルベールはその返答を思いもしなかったのか、顔を青くしたり赤くしたりして、わなわなと震えた。
「俺が取り消しだと言っているんだ! お前の意見など聞いていない! 女の分際で生意気な口を利くな! お転婆だというなら俺好みの女に俺がちゃんと教育してやる、他の女たちのようにな! 有難く思え」
「あ、兄上……」
「あのアンドロイドとかいう女は処刑だ! この俺にあんな真似しやがって。俺は未来の国王だぞ、俺に逆らうものは皆処刑なんだ、お前ら覚えておけ」
「兄上、そんなこと、父上がお許しになりませんよ」
シャルルが厳しい口調で言った。
「馬鹿かお前、父上は俺が望めばいつもそのとおりにしてくれるんだ。どこぞの卑しい女との間に生まれたお前と違ってな!」
シャルルの目が見開かれた。
「私の母上は、正式に父上の側室として召し上げられたのです。いくら兄上といえども、そのような発言は許せません」
「ばーか! そんなウソ、信じてんじゃねーよ! お前の母親は父上が城下から無理矢理さらってきて、飽きたらぽいっと捨てた女よ。男が俺とお前しか生まれなかったから、俺のスペアとしてお情けでお前はここにいるんだよ!」
「嘘だ……」
シャルルの顔が紙のように白くなった。「兄上……そんな……」
「下賤の分際で兄上なんて俺を呼ぶんじゃねえ、虫唾が走る! シャルル、俺が王になったら、お前は追放だ! 覚悟しとけ」
ジルベールはようやく立ち上がると、開き直ったように、唾を飛ばしながら喚きたてた。
「俺が未来の王だ! 俺に立てつくやつは容赦しねえ! 俺がすべてを決めるんだ!」
ジュリアはそんなジルベールを茫然として見ていた。
ミゲルの言ったとおりだった。ジュリアの元婚約者は、自分の立場やこの国の未来など何も考えていない人間だった。きっと、女と毎日戯れていればそれでいいのだろう。
「ジュリア様、もう行きましょう。顔色が悪いですよ」
拘束を解かれ、天馬を従えたミゲルが、ジュリアの肩をそっと抱いた。
「ええ……。でも、シャルル殿下が」
兄の口から残酷な真実を告げられ、その上罵られた少年王子は魂が抜けたかのようにその場に突っ立っていた。好き勝手に喚きたてる兄を前にしても、もう何の反応も示さなかった。
「ジュリア様、お気持ちは分かりますが、このまま宮中にいるとまずいです。僕の魔力もまだ戻ってないですし、ひとまず天馬で脱出しましょう」
ミゲルがそう言ったとき、地下の入り口から兵士たちの悲鳴が上がった。
「シャルル殿下、大変です! アンドロイド様のご乱心だーー!」
激高したシャルルだが、半裸同然でぶるぶる震える兄の姿にあっけにとられる。
「アンドロイドはもういい……、俺は、ジュリアと結婚する。婚約破棄は取り消しだ。いいな、ジュリア」
「は?」
ジュリアはぽかんとした。いいな、って、そんな勝手なことを今更言われても困る。この方はこういう人だったのかと、怒りもわいてこなかった。
というより、わたくしの心はもう、ジルベール様ではなくて……。
「ジルベール様、わたくしもう一度貴方様と婚約する気はございません。ご覧のとおり、わたくしは貴方様にはふさわしくない、お転婆な女でございます。どうか、他の女性をお選びくださいませ」
ジュリアは床に尻もちをついたままのジルベールに丁寧に頭を下げた。ジルベールはその返答を思いもしなかったのか、顔を青くしたり赤くしたりして、わなわなと震えた。
「俺が取り消しだと言っているんだ! お前の意見など聞いていない! 女の分際で生意気な口を利くな! お転婆だというなら俺好みの女に俺がちゃんと教育してやる、他の女たちのようにな! 有難く思え」
「あ、兄上……」
「あのアンドロイドとかいう女は処刑だ! この俺にあんな真似しやがって。俺は未来の国王だぞ、俺に逆らうものは皆処刑なんだ、お前ら覚えておけ」
「兄上、そんなこと、父上がお許しになりませんよ」
シャルルが厳しい口調で言った。
「馬鹿かお前、父上は俺が望めばいつもそのとおりにしてくれるんだ。どこぞの卑しい女との間に生まれたお前と違ってな!」
シャルルの目が見開かれた。
「私の母上は、正式に父上の側室として召し上げられたのです。いくら兄上といえども、そのような発言は許せません」
「ばーか! そんなウソ、信じてんじゃねーよ! お前の母親は父上が城下から無理矢理さらってきて、飽きたらぽいっと捨てた女よ。男が俺とお前しか生まれなかったから、俺のスペアとしてお情けでお前はここにいるんだよ!」
「嘘だ……」
シャルルの顔が紙のように白くなった。「兄上……そんな……」
「下賤の分際で兄上なんて俺を呼ぶんじゃねえ、虫唾が走る! シャルル、俺が王になったら、お前は追放だ! 覚悟しとけ」
ジルベールはようやく立ち上がると、開き直ったように、唾を飛ばしながら喚きたてた。
「俺が未来の王だ! 俺に立てつくやつは容赦しねえ! 俺がすべてを決めるんだ!」
ジュリアはそんなジルベールを茫然として見ていた。
ミゲルの言ったとおりだった。ジュリアの元婚約者は、自分の立場やこの国の未来など何も考えていない人間だった。きっと、女と毎日戯れていればそれでいいのだろう。
「ジュリア様、もう行きましょう。顔色が悪いですよ」
拘束を解かれ、天馬を従えたミゲルが、ジュリアの肩をそっと抱いた。
「ええ……。でも、シャルル殿下が」
兄の口から残酷な真実を告げられ、その上罵られた少年王子は魂が抜けたかのようにその場に突っ立っていた。好き勝手に喚きたてる兄を前にしても、もう何の反応も示さなかった。
「ジュリア様、お気持ちは分かりますが、このまま宮中にいるとまずいです。僕の魔力もまだ戻ってないですし、ひとまず天馬で脱出しましょう」
ミゲルがそう言ったとき、地下の入り口から兵士たちの悲鳴が上がった。
「シャルル殿下、大変です! アンドロイド様のご乱心だーー!」
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