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第二章 大家族になりました
第二話 寂しかったのよ
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「それで、アビー。お昼はどうするの?」
「ジョディお婆ちゃん、どうするって?」
「ほら、いつもなら村に遊びに行ったりするでしょ」
「うん。でも、今日はメアリー達は学校に行くから、誰もいないんだ」
「あ……」
アビーが言った学校という単語にジュディの顔が曇る。
「学校ね……ジュディ、どうして行かせてあげないの?」
「あ~うん、やっぱり聞かれるよね」
「言い訳があるのなら、聞かせてもらうわよ。でも、その前に……」
ジョディはアビーの顔を見ると、アビーに問い掛ける。
「ねえ、アビーはその学校に行きたいの?」
アビーはジュディの顔を見るが、ジョディから気にせずに言っていいと言われ、少し姿勢を正すとジョディの目を見て言う。
「うん! 僕、学校に行きたい!」
「そう。アビーの気持ちは分かったわ。じゃあ、ジュディ。理由を聞かせてくれるかしら」
「……」
「ジュディさん。どうしたの?」
「……たの」
「「「「え?」」」」
「寂しかったの!」
「寂しいって、ジュディ。あなた、なに言ってんの?」
「そうよ、ジュディさん。どうしたの?」
「ちょっと待て、ジョディ。ちゃんと話を聞いた方がよさそうだ」
「そうだね。コー爺の言う通りだ。ソニア、ちゃんと話を聞こうじゃないか。アビー、ドン爺の膝においで」
「うん!」
「あ! くそっ……また、先を越された……」
アビーは椅子から降りると、呼ばれたドン爺の膝に上がる。
「うんしょ……へへっ」
ゴードンの膝に上がるとゴードンの顔を見てへらっと笑うアビー。そして、それを見て悔しがるコーディだが、ジョディに脇腹を肘で突かれ気を取り直す。
「では、ジュディさん。この子、アビーを学校に行かせたくないのは、あなたが寂しいから。それが理由ということなのかな?」
「ジュディ、そうなの?」
「……」
ゴードンの穏やかな問い掛けにジュディは静かに頷く。
「お母さん、寂しいの?」
「ごめんね、アビー。村に学校があって、アビーの年なら入れることも分かっていたの」
「なら……」
口を挟もうとしたジョディはコーディに手で制される。そして、それを見たジュディは話を続ける。
「でもね、お母さんはアビーと一緒にいるのが当たり前になってて、一人でこの家にいるのが寂しくなっちゃったの」
「じゃあ、僕がお昼前に遊びに行くのも寂しかった?」
「ううん。それはいいの。お昼前は色んなことをしないといけないから、寂しいと感じることはないのよ。だから、気にしないで」
「でも……」
「アビー、お母さんが言ってるんだから。気にしないでもいいよ」
「ドン爺……」
ジュディの寂しいと言う発言にアビーは気落ちしたが、それを察したゴードンがアビーの頭を撫でながら、気にすることはないと優しく諭す。
「呆れたわ……」
「お母さん、ごめんなさい」
「もう、謝るのは私じゃないでしょ。ちゃんとアビーに謝りなさい」
ジョディに謝ったジュディだが、そのジョディに謝る相手が違うと言われる。
「ごめんね。アビー」
「なんで、お母さんが謝るの?」
「だって、私がジュディの『学校に行きたい』気持ちを我慢させ「違うよ」……え?」
「お母さん、違うよ。だって、僕はお母さんに学校に行きたいって言ってないよ」
「そうかもしれないけど……」
「お母さん。僕は学校に行けるのは知らなかったんだよ。だから、お母さんは謝らなくてもいいんだよ」
アビーは自分が学校に行けることを知らなかったし、それをジュディに聞くことも行きたいとも言わなかったんだからとジュディを慰める。そんなアビーにゴードンはアビーの頭を優しく撫でつつジュディに対し責める様に問い詰めたことを謝る。
「ふふふ。そうだね、アビー。ジュディさん、アビーの言う通りだ。ワシらも少し責めすぎたな。すまん」
「お義父さん……」
「また、アンタは……まあ、おとうさんの言う通りね。ジュディさん、学校はマークが帰って来たら、話し合いましょう。でもね、一言言わせて貰えるなら……」
「な、なんでしょう?」
そんなゴードンにいいところを取られたとばかりにソニアが話を纏めるが、ジュディに対し、一言だけ言わせて欲しいと言ったためにジュディは少し身構える。すると、ソニアはジュディに対し、頭を下げると同時にお礼を言う。
「ジュディさん。本当にありがとう」
「え? お義母さん?」
「うふふ。急にごめんなさいね。だって、アビーがこんなにいい子に育っているんだもの。ホント、本当にマークの子かしらって疑いたくなるくらいよ」
「お義母さん!」
「あ、ごめんなさい。言い過ぎたわね。でも、それくらい、あの子と……マークと違い過ぎているのよ」
「ソニア、言い過ぎだよ。マークだってあれで……」
「「あれで?」」
「ま……まあ、探せばいいところの一つか二つは……」
ソニアがホントにマークの子かと疑うような発言をしたことに対し、ジュディがソニアを責める様に言うと、ソニアもすぐに謝るが、ゴードンも言い過ぎだとマークのいいところを話そうとして、言い淀む。
この話は夜にマークと一緒に話し合おうということで締めくくられ、ゴードンとコーディは建設現場に向かう。
「さて、アビー。今日は何するの?」
「ジョディお婆ちゃん、どうするって?」
「ほら、いつもなら村に遊びに行ったりするでしょ」
「うん。でも、今日はメアリー達は学校に行くから、誰もいないんだ」
「あ……」
アビーが言った学校という単語にジュディの顔が曇る。
「学校ね……ジュディ、どうして行かせてあげないの?」
「あ~うん、やっぱり聞かれるよね」
「言い訳があるのなら、聞かせてもらうわよ。でも、その前に……」
ジョディはアビーの顔を見ると、アビーに問い掛ける。
「ねえ、アビーはその学校に行きたいの?」
アビーはジュディの顔を見るが、ジョディから気にせずに言っていいと言われ、少し姿勢を正すとジョディの目を見て言う。
「うん! 僕、学校に行きたい!」
「そう。アビーの気持ちは分かったわ。じゃあ、ジュディ。理由を聞かせてくれるかしら」
「……」
「ジュディさん。どうしたの?」
「……たの」
「「「「え?」」」」
「寂しかったの!」
「寂しいって、ジュディ。あなた、なに言ってんの?」
「そうよ、ジュディさん。どうしたの?」
「ちょっと待て、ジョディ。ちゃんと話を聞いた方がよさそうだ」
「そうだね。コー爺の言う通りだ。ソニア、ちゃんと話を聞こうじゃないか。アビー、ドン爺の膝においで」
「うん!」
「あ! くそっ……また、先を越された……」
アビーは椅子から降りると、呼ばれたドン爺の膝に上がる。
「うんしょ……へへっ」
ゴードンの膝に上がるとゴードンの顔を見てへらっと笑うアビー。そして、それを見て悔しがるコーディだが、ジョディに脇腹を肘で突かれ気を取り直す。
「では、ジュディさん。この子、アビーを学校に行かせたくないのは、あなたが寂しいから。それが理由ということなのかな?」
「ジュディ、そうなの?」
「……」
ゴードンの穏やかな問い掛けにジュディは静かに頷く。
「お母さん、寂しいの?」
「ごめんね、アビー。村に学校があって、アビーの年なら入れることも分かっていたの」
「なら……」
口を挟もうとしたジョディはコーディに手で制される。そして、それを見たジュディは話を続ける。
「でもね、お母さんはアビーと一緒にいるのが当たり前になってて、一人でこの家にいるのが寂しくなっちゃったの」
「じゃあ、僕がお昼前に遊びに行くのも寂しかった?」
「ううん。それはいいの。お昼前は色んなことをしないといけないから、寂しいと感じることはないのよ。だから、気にしないで」
「でも……」
「アビー、お母さんが言ってるんだから。気にしないでもいいよ」
「ドン爺……」
ジュディの寂しいと言う発言にアビーは気落ちしたが、それを察したゴードンがアビーの頭を撫でながら、気にすることはないと優しく諭す。
「呆れたわ……」
「お母さん、ごめんなさい」
「もう、謝るのは私じゃないでしょ。ちゃんとアビーに謝りなさい」
ジョディに謝ったジュディだが、そのジョディに謝る相手が違うと言われる。
「ごめんね。アビー」
「なんで、お母さんが謝るの?」
「だって、私がジュディの『学校に行きたい』気持ちを我慢させ「違うよ」……え?」
「お母さん、違うよ。だって、僕はお母さんに学校に行きたいって言ってないよ」
「そうかもしれないけど……」
「お母さん。僕は学校に行けるのは知らなかったんだよ。だから、お母さんは謝らなくてもいいんだよ」
アビーは自分が学校に行けることを知らなかったし、それをジュディに聞くことも行きたいとも言わなかったんだからとジュディを慰める。そんなアビーにゴードンはアビーの頭を優しく撫でつつジュディに対し責める様に問い詰めたことを謝る。
「ふふふ。そうだね、アビー。ジュディさん、アビーの言う通りだ。ワシらも少し責めすぎたな。すまん」
「お義父さん……」
「また、アンタは……まあ、おとうさんの言う通りね。ジュディさん、学校はマークが帰って来たら、話し合いましょう。でもね、一言言わせて貰えるなら……」
「な、なんでしょう?」
そんなゴードンにいいところを取られたとばかりにソニアが話を纏めるが、ジュディに対し、一言だけ言わせて欲しいと言ったためにジュディは少し身構える。すると、ソニアはジュディに対し、頭を下げると同時にお礼を言う。
「ジュディさん。本当にありがとう」
「え? お義母さん?」
「うふふ。急にごめんなさいね。だって、アビーがこんなにいい子に育っているんだもの。ホント、本当にマークの子かしらって疑いたくなるくらいよ」
「お義母さん!」
「あ、ごめんなさい。言い過ぎたわね。でも、それくらい、あの子と……マークと違い過ぎているのよ」
「ソニア、言い過ぎだよ。マークだってあれで……」
「「あれで?」」
「ま……まあ、探せばいいところの一つか二つは……」
ソニアがホントにマークの子かと疑うような発言をしたことに対し、ジュディがソニアを責める様に言うと、ソニアもすぐに謝るが、ゴードンも言い過ぎだとマークのいいところを話そうとして、言い淀む。
この話は夜にマークと一緒に話し合おうということで締めくくられ、ゴードンとコーディは建設現場に向かう。
「さて、アビー。今日は何するの?」
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