転生したから思いっきりモノ作りしたいしたい!

ももがぶ

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◆暖められました

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「まずはガンボ校長の挨拶です。お願いします」

カーティスさんの開式の声がスピーカーから流れると、壇上の中央に立つガンボさんがマイクを避けるように軽くお辞儀をするとマイクに向かって話し始める。

「あ~ワシが本校の校長を務めるガンボだ。この街、ドワーフタウンにいるドワーフなら知っている者も多いと思うが、ほとんどが初めて目にすることだろう。これから、よろしくお願いする」

ガンボさんが話は終わったとマイクから離れようとしたところでカーティスさんが「え? それだけ?」と言う呟きをマイクが拾ってしまう。すると、それを聞いたガンボさんは再びマイクの前に立つと話し始める。

「話が短すぎるのではと指摘されたが、ワシの後に控えている方々がいらっしゃるのでこれくらいで勘弁して頂きたい」

それだけ言うとカーティスさんを一瞥してからマイクから離れる。

「ガンボ校長の挨拶でした。続きましてはこの街、ドワーフタウンの町長で本校の技術顧問として就任しましたガンツさんです。では、ガンツさんお願いします」

カーティスさんに案内されたガンツさんがマイクの前に立つと一礼する。

「入学おめでとう。ワシがガンツだ。まあ、ワシのことを知っている者は多いと思うが、ワシがこの街の町長だと知っている者はそう多くはないだろうから、この機会に知っておいて欲しい。以上だ」
「え、それだけ……」

ガンツさんが話し終えマイクから離れると、カーティスさんがまた短いと呟く。
まあ、お偉いさんの話は長いのが定番だとは思うけど、後に控えている人達のことを考えたらダラダラと話す気にはなれないよね。

「では、続きましては……このドワーフタウンが属する領、シャルディーア領の領主であらせられるデュークフリート・シャルディーア様よりお祝いの言葉を頂戴したいと思います。では、シャルディーア様お願いします」

カーティスさんに紹介されたデューク様がマイクの前に立ち、不思議そうにマイクを見る。そして、マイクの表面を軽くトントンと小突きスピーカーから『トントン』と流れる音を聞くと俺の方を見て嘆息する。なんで俺の方を見るんだろうか。俺は何も悪いことをしたつもりはないんだが。

「あ~皆、入学おめでとう。私はシャルディーア領の領主、シャルディーア・デュークフリートだ。見たことがない者が多いと思うが、この機会に覚えて欲しい」
「……」

デューク様も短い挨拶を済ませ、マイクから離れる。そしてそれを見たカーティスさんはもう何も言わずに黙ってそれを見ていた。そして、次に挨拶する人を呼び出す前に用意されたメモを見て「マジで?」と小さく漏らす。そして、それに気付いたデューク様やガンボさん達はこちらを窺うように見ていたカーティスさんに黙って頷いてみせる。

「失礼しました。では、次の方にご挨拶を頂きたいと思います。え~ザナディア王国、第二王子であらせられますオズワルド・ザナディア様です。皆様、拍手でお願いします」
「え?」
「今、王子って言った?」
「まさかね……」

カーティスさんの言葉に集まった皆が王太子がいることが信じられないのか会場が騒つく。

「皆さん、どうかお静かに! オズワルド様がお話になります! どうかお静かに!」
「「「……」」」

カーティスさんの必死なお願いとマイクの前に立つ王太子を見て会場が静まりかえる。

最初は王太子のことなど顔も知らないし、急に王太子の挨拶と言われてもどう対応していればいいのかと会場に集まった人達は戸惑ったが、壇上でマイクの前に立つ均整の取れた体型に白を基調に金糸などの刺繍が施された衣装に身を包む青年を見ると息を呑む。

「初めまして。私はオズワルド・ザナディアです。まずはご入学おめでとうございます。本日、この学校へ来たのは……」

王太子は会場にいる新入生に向かっていきなりの訪問理由を話し始める。そして、これからの生活において文字の読み書き、計算力の重要性を説きはじめ、終いにはこの学校に通える皆は幸福だと締めくくった。

会場の皆は最初は涼しげな見た目と違い熱く語り始めた王太子に少し引き気味だったが王太子が挨拶を終えると同時に盛大な拍手が鳴り響いた。

王太子は壇上から俺の方へと近付いてくると「暖めておいたから」とニヤリとする。

「何を話せと言うんだよ……」
『諦めるんだな』
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