運命のつがい。

遊虎りん

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第4話

☆4

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泣く子供は苦手だ。儚く震える小さな身体を宥める術をジェスは知らない。子供の時代は大人として扱われいた。甘える事を許されていなかった。大人を頼りたい、大人に甘えたいとは思ったことはない。父親は倒すべき敵である。
サリスが甘いの声を出して身を擦り寄せてくると身悶えるほど可愛いと思う。もっと自分に甘えて欲しいし大切にしたい。

(ぶっ壊す事しか頭にねぇ俺はサリスの前では、ロリショタのただの変態のおっさんだ)

涙に濡れるサリスの幼気な瞳を見ているとぞくぞくとした興奮が掻き立てられる。

タオルの素材で作られたブルーの半ズボンは脱がされて白い太腿が露になっている。幼いペニスも勃起して赤々と濡れ光り美味しそうだ。

ごくり、とジェスは喉を鳴らして唾を飲み込んだ。股を大きく開かせてサリスをソファに横たわらせた。

ゼオの指で慣らされたアナルが物欲しそうにひくひくと入り口が収縮させれている。雄を誘う色香があった。ジェスは堪らずサリスの股間に顔を埋めた。

「やっん、…舐めちゃだめ」

熱く力強い舌がアナルに入り込む。ぐり、と入り口を押し広げ尻の蕾の奥にある雌を味わうために強引に割り開いた。ジェスが興奮して荒々しく呼吸を乱す。今まで何人もの女を抱いてきたが、理性を保ち欲の発散を目的とした冷めた行為だった。しかし、今のジェスはサリスの白い尻を舐めながらペニスを勃起して欲しがる一匹の雄へと成り果てている。

「やじゃねぇだろ?…サリスの、おまんこはもうとろけてるし…ちんこを欲しがっている」

「ち、がう」

獲物を弱らせて確実に仕留めようとするジェスの言葉にサリスは感じて濡れる。嫌々と首を横に振るが拒絶の色はない。嫌がる声に甘さが含んでいる。先程のゼオに対するような負担を感じていない様子である。

(ゼオを雌だとかぎ分けたか)

男の姿を好む妹の姿が頭に過る。雌同士だと子供は成せない。本能で拒んだのか、それとも俺ら以外に触られたくないと拒んだのか。

(ロイに弄られたのが今更気に喰わねぇとか、くそ笑える)

知らずに口元が歪む。
独占欲を持つなんて柄じゃない。ロイと女の共有なんてよくあることなのに。

「…ぼく、あかちゃんなんてうみたくない!」

身体はジェスの精力が溢れるペニスを欲していた。しかし、サリスの心は揺れている。雌の自分と雄の自分の間で揺れていた。

今あるのは拒絶だ。ジェスは股間から顔を離した。

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