悪役令嬢同盟 ―転生したら悪役令嬢だった少女達の姦しい日々―

もいもいさん

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第四章 悪役令嬢は王女と共に戦場を駆ける

302.悪役令嬢はこの後についての説明をする

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「賢者サルバトーレの魔法というのは意味が分からないわ」

 私の言葉に皆も同意する。実験の結果、今回の肉は素材としては魔導洞窟ダンジョンから持ち出すことは不可能だった。これは空間収納アイテムボックスに入れても、魔導洞窟ダンジョン内では出し入れ可能だったのに外に出ると空間収納アイテムボックスから消えた。そして、何よりも不思議だったのは調理した後であれば、空間収納アイテムボックスに入れていれば持ち出す事が可能だった。

「とりあえず、調理して空間収納アイテムボックスに入れれば持ち出せるって分かっただけでもいいんじゃないですか?」

 と、ウィンディはそう言ったけれど、調理しても普通には持ち出せないというところで、持ち出せる者に限りがあることを考えると、イマイチな話なのよね。術式を見ても条件付けの場所がよく分からないし、魔法というのはそういった術者にしか分からない要素が盛り込まれる部分があって、そこに関しては術理的に理解する。と、いうのが非常に困難だ。

「ま、ウィンディの言う通りね。今後の事を考えても、あの肉にこだわる必要性というのも問題がありそうだし、たぶん、あの魔物を外に持ち出すことも出来ないような仕組みになっているだろうしね」
「エステリア嬢はあの肉と同程度の肉を畜産にて作れると考えている――のだろうか?」
「うーん、なんとも言えないところですが、我が商会の畜産部門でも様々な育成方法を検討しており、この数年は目覚ましい勢いで美味しい豚や牛が育てられていますからね。いつかはあの肉に劣らない物が作られるとは思います。ただ、何年掛かるかはわかりませんが……」

 一年に何度も種付け出来る訳でも無く、出荷までに育つのに数年掛かるって事を考えれば、本当に長期間のプロジェクトになるし、A5ランクの牛肉を再現なんて、ちょっと馬鹿らしいと思っているところではあるのだけど、調理された肉を担当者たちに食べさせたら必死になってくれそうな気はするけど、そこまで求めてもなぁ。と、思うところなのよね。

「それよりも、結構な時間を使ってしまったわけですが、今後のことについて説明をしようと思います」

 と、私が言うと皆は真剣な視線を私に向ける。皆に分かるように神の目Divine eyeから近辺の地図情報を獲得して画面に表示をする。

「まず、この魔導洞窟ダンジョンから山間部の鉱山を繋ぎます。これによって魔導洞窟ダンジョン化した鉱山を完全管理状態にした上で、ナハリトからの街道整備と要塞化を行います。まぁ、これに関しては魔導洞窟ダンジョンで素材を作って持ち出す予定よ」

 私の言葉にジェニーとミーリアは不思議そうな表情を浮かべる。閣下とファーウィラは冷静を装っているけど、内心何を言っているのか? と、思ってそうな雰囲気がある。因みにウィンディは小さく苦笑している。

「ちょっとやりたい放題だというのは私も理解しているわよ。でも、少ない人数で確実に事を成そうと思うとコレが最も良いと私は思っているわ」

 因みにこれはウィンディに対しての言葉だ。

「本当に問題無いですか? 私的には全然問題ないですけど」
魔導洞窟ダンジョンからの移動に関しては専用のルートを作るから、他の者達からすれば地下通路みたいな感じになるから、大丈夫だと思う」

 と、私は事前に用意しておいた端末からざっと書いた構造を画面に映し出す。

「エステリア嬢、これはこの魔導洞窟ダンジョンから鉱山まで新しい道を作る――と、いうことなのかい?」
「はい閣下。魔導洞窟ダンジョンの管理権限は既に私が取得していますから、構造変化などの機能に関しては幾度か見ていると思うので知っているとは思いますが、えっと、一応魔導洞窟ダンジョンとは別のモノと見せかける為に入口自体は別に作ろうと思っています」
「――魔導洞窟ダンジョンの入口を複数作る……と、いうことが出来るのか」
「ええ、出入口や実距離の延長や短縮なども実は可能です。ミストリア内の魔導洞窟ダンジョンで色々と実験してきた経験が成せる技という感じですね」

 そう言いながら私は管理画面から、魔導洞窟ダンジョンの構造編集画面へ移行し、予定通りの構造を構築し始める。まぁ、何度かやる機会があったというのは本当に良かった。と、いうか……まぁ、失敗なんかするようなツールでは無いから問題無い。とりあえず、現状の魔導洞窟ダンジョンの構造もキッチリと変化させておく。

 面倒なことに逃げ込んだ者達は外に出る事も出来ず、魔力容量的に現状よりも大分狭くしてしまうしか無いけれど、コスト面でも十分に魔力保有もされてあるから、大丈夫だろう。

「あ、エステリア様。気になってたんだけど、魔導洞窟ダンジョンって、形状やサイズを変える時って、何か必要だったりするんですかぁ?」

 と、ウィンディが楽し気にそう言った。ま、流石に転生者な彼女ならではの質問に私は微笑を浮かべつつ返事を返す。

「ええ、その魔導洞窟ダンジョンが保有する魔力量――まぁ、簡単に魔導洞窟ダンジョンポイントといった方がいいかしら? 魔導洞窟ダンジョンの運営には魔導洞窟ダンジョン内に人がいることで、魔導洞窟ダンジョン内のコアに魔力が溜められていくの。これによって、魔物や様々な罠や宝物、遺物なんかも作り出せるわね。因みにだけど、実物なんかを持ち込んで特定の魔物が落とすとか、特定の宝箱に入れるなんかも、管理システムから設定可能よ」
「うーん、魔導洞窟攻略ダンジョンアタックも楽しいけど、魔導洞窟ダンジョン運営もかなり面白うですね……」

 まぁ、本気でやればかなり面白いとは思うけど、ずっと管理部屋にいるのも滅入りそうだから、私はパスだけど――彼女はそういうの、平気なタイプだったわ。

「ま、今度教えてあげてもいいわよ」
「マジですか!? 約束ですよ?」
「ええ」

 と、ウィンディに怪しい約束を交わしつつ、私は予定通りに魔導洞窟ダンジョンを作り変えていくのだった。
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